バルトール事件
バルトール事件 (Bartoll Event)
『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION THE ANIMATION』、及び同作のストーリーを踏襲している『OG2.5』(OGSのオマケ作品。『OG外伝』の序盤シナリオにも流用されている)における戦乱の元凶となった事件。
ヴィルヘルム・V・ユルゲンが提唱したODEシステムは「ゲシュタルトシリーズ」の主力兵器であるバルトールに搭載され、同機は東京・お台場における式典でお披露目される予定となっていた。しかし式典においてバルトールは暴走、突如人間狩りを開始した。この際に多数の民間人、及びクスハ、ラトゥーニ、アラド、ゼオラ、そしてラミアの各名が拉致され姿を消した。
実はこの時点でユルゲンは既にODEシステムと同一化しており、ODEシステムの更なる拡張を図るべく、生体コアとしての人間を欲し行動に移したのであった。協力者であるジジも社長のリック・ウォン以下、社員を全てバルトールの生体コアとし、ジジ自身もコアとなっている。事態の対処にあたったATXチームはウォン重工業の製造工場がある大連に向かうも時既に遅く、ユルゲン及びシステムの本体は既に宇宙のヘルゲート要塞へと移管された後であった。その間にも大阪の連邦大学が襲撃されるなど、各地で混乱は広がりつつあった。
その後、鹵獲したバルトールの解体調査、及び本件の調査に当たっていたギリアムにより今回の事態の詳細とODEシステムの危険性が明らかとなる。事態を重く見た連邦軍は、ヘルゲート要塞への核攻撃を決定するが、拉致された仲間もろとも要塞を破壊する作戦に同意できなかったハガネ、ヒリュウ改の面々は、作戦決行までの180分の猶予の間にユルゲンを討ち、仲間を救出することを余儀なくされる。
しかしながら彼らの行動は素早く、またODEシステムの弱点である広範囲型殲滅兵器、即ちMAP兵器を搭載したサイバスターやヴァルシオーネの活躍もあり、ラミアを除く4名の救出に成功。要塞内部にて既にシステムに取り込まれたユルゲン、そして生体パーツと化したラミアと対峙する。キョウスケはラミアとの過去の約束を思い起こし、大博打の末にラミアを救出。人を弄ぶ存在になり下がったユルゲンを討ち果たし、事態は収束した。
ただし、作中ではユルゲンの背後に何者かが存在していることが示唆されており、今後の展開の伏線とも思われる描写が存在する。
OG2.5における追加点
OG2.5においては、OVA本編ではなくCDドラマで扱われている内容についても描写が行われている。
まず、事件の発端となる式典以前に、ゲシュタルトシリーズの新型「ミロンガ」との模擬戦が行われている。対戦相手として選ばれたのはインスペクター事件で活躍したラミア、アラド、ゼオラ、ラトゥーニ(以上4名は新生教導隊のメンバー)、ブリット、クスハ、アイビスの各名。その際にはジジの策略でODEシステムが起動し、彼らを苦戦させるが、何とか切り抜けた。この模擬戦は事件の予兆とも言うべきものである(原典はOVA版のCDドラマ1巻前半)。
またDCを離れたカイルは、ODEシステムの弱点であるMAPWへの対策のため、かつての同僚であるセルシアをテスラ・ライヒ研究所へと忍び込ませる。そこでヴァルシオーネのMAPWを破壊するよう仕向けるも、同じくMAPWを搭載したサイバスターの介入などにより阻止、最終的に彼は大連においてリューネに討たれることとなった(原典はOVA版のCDドラマ1巻後半~3巻序盤)。
他にもOG2.5では、OVA本編及びCDドラマ未登場の多数の勢力が様々に事件に関与している。フォルカ・アルバークら修羅は事件に乗じてショウコ・アズマを誘拐、それを追い戦闘に身を投じたコウタはクロガネと合流、そのクロガネは最終的にヘルゲート攻略戦にも参戦する。また、DC在籍時にODEシステムと関わりのあったシュウが大連での戦闘においてマサキ達と共闘、システムの破壊に協力した。
更に本作ではユルゲンの背後にいた存在がデュミナスであることが明かされており、ユルゲンは要塞陥落後に用済みとして殺害され、更にラミアも巻き込まれて行方不明、誘拐された人々も殺害される(その後ODEシステムを搭載したゲシュタルトシリーズはデュミナス一派に利用されることとなる)。また、要塞に向けて放たれた核ミサイルはソーディアンの特殊結界により無効化され、事態は益々混迷の度合いを深めていくこととなる。