アプリカント(Applicant)

知の記録者の一人であり、観測者を務める仮面の男インファレンスクリティックレギュレイトの意見には一切口を出さず、部下ではないが決定には忠実に従う。記録プラントにおいては3人格のメンテナンスを担当している。

その正体は、知の記録者を創ったブレスが自身の分身として生み出した機械式の人工生命体。創造時にブレスが己の記憶・性格・嗜好・行動パターンを含む全人格を移植している。そのため外見や戦い方から性格、口調までブレスと同じであり、トレイラー心得を幾つか使用したことで一時期カズマ達からはブレス本人ではないかと疑われていた(ノイ・ヴェルターの面々も、オモイカネの分析などからそう判断していた)。カズマに対しては強く執着し、癖を知り尽くしているので常に優位に立っていたが、データに頼りすぎ強い意志によるパンチがかわせなくなる。

前述の通りブレスの人格が移植されているが、本人は自身を「ブレスではないが、ブレスと心を同じくする存在」と認識しており、ヴァルアルムに搭乗しカズマと交戦するまでは、あえて機械のように冷徹に振舞っていた。カズマ達と和解した後は、死んだと見せかけて後でおいしい所を掻っ攫ったり、(状況限定で)インファレンスに熱い叫びを促したりと、ブレスそのものの言動・行動を見せる。なお自身の戦闘力も相当に高いらしく(最低でもテッカマンクラスと思われる)、オービットベースではブレスに遭遇した腕原種が彼をアプリカントと勘違いし、「貴様がいるとわかっていれば7人全員で来ていたものを!」と発言している。

エンディングでは犯した罪を償うため、今まで滅ぼしてきた文明の生き残りを救助するべく、アリア・アドヴァンス、インファレンス、レギュレイトと共に旅立っていく。

彼の誕生経緯には、ブレスのかけた二重の保険が関連する。ブレスは元の時代でアリアと戦った経験から、知の記録者が暴走し、地球文明にとって敵となることを予測していた。そのためかかる事態に備え、ヴァルザカードをカウンターとして開発し、キャレットにその始動コードと条件をプログラムしていた。しかし一方で、「いずれ全てが滅びるのならば、知の記録者の持つ『思い出』こそが唯一の永遠なのだろう」とも考えていたため、最悪の事態を招いてもプラントを残すべくガーディアンを配置していた。それがアプリカントである。途中まで冷徹に振る舞っていたのはその任務を遂行するためであったが、本星までノイ・ヴェルターが進攻するに至り、もう一人のブレスとして、保険のうち前者を選択。カズマの前に立ちはだかる最後の壁として、ヴァルアルムで戦い、道を切り開いた。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦W
序盤からインターミッションに顔を出している。第2部の40話「勇者の真実」で顔見せしたあと、43話「記憶の底から」で本格登場。2回行動を持つなどの難敵。おまけに搭乗艦のアルムストラは範囲の広い自機中心型のMAPWを持つため、一回目で切り込まれ、二回目でMAPWを撃たれて壊滅状態、なんて事態が普通に在り得る。要所要所でトレイラー心得を口にする、ブレス2000の特技を披露するなど存在感がある。クリティックがボスとなる2周目仕様の最終話ではスポット参戦で使用可能。Wのシステム上周回を重ねれば養成で強く出来る上、機体はヴァルザカードの改造を引き継ぐため、カズマと並んでツートップも張れる。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

敵時は最強クラスの能力を持ち、総合力で彼を上回るのは「息子」のインファレンスのみという強敵ぶり。味方になるとブレスを一回り強くしたような状態に下がるが、それでも強い。SPも単独パイロットとしては高い部類。ちなみに性格はブレス同様「慎重」。

精神コマンド

W
不屈必中鉄壁熱血ド根性
アーディガン一家から強いコマンドだけ引っ張って来たような構成。最後に覚えるのは形は違えど家族「愛」。

特殊技能(特殊スキル)

W
カウンター気力限界突破底力L9、インファイトL9、ガンファイトL9、援護攻撃L4、援護防御L4、指揮L3、マルチコンボL4
これでもかというほど贅沢なラインナップ。技能レベルの上昇は遅いが、最終話ともなると味方のレベルは(やりこんでいるのでなければ)65~6に達しているはずなので、カンスト状態で参戦してくれる。敵の時はこれに2回行動が加わる。

人間関係

アリア・アドヴァンス
部下。彼女を造った本人であるが、インファレンスらの指示により廃棄しようとする(尤も、アリアがカズマ達の仲間になった後に終盤での決戦で敗北した際には廃棄しようとしていたことをアリアに謝罪していた)。
ディセイバー
離反したアリアに変わり、感情を抱かなくさせた新たな部下。
インファレンス
同僚。息子のような存在。
クリティック
同僚。
レギュレイト
同僚。妻のような存在。

版権作品との人間関係

機界31原種
腕原種の台詞から察するに、交戦したことがある模様。
コダードとほぼ互角の腕原種をして機界最強七原種総出でないと危険だと言わせしめるあたり、テッカマンと同等かそれ以上、機界最強七原種と単独で渡り合える程の戦闘能力を有しているようである。

名台詞

「なるほど報告通りだ。この星系の研究対象281104は微妙な変化を見せている。その本質をお前達が気づいていないという事か?」
「無知は時に幸福である。お前達はまさにその典型だな」
ゲッターチームとの戦闘前会話での台詞。後のインファレンスの台詞からも推測できるが、やはりザ・データベースの面々は過去にあのゲッターを目の当たりにしたのか、その存在を非常に危惧している様子を見せる。恐らく、彼らの知る「研究対象281104」とはチェンゲの方の真ゲッターなのであろう。
「待てと言われて待つ者はいない、叫ぶ暇があったら追え…」
火星でテッサとかなめを拉致した後、撤退する際の台詞。その言葉に、ヴァルストークファミリーは亡きリーダーを想起する…。
「やれるもんならやってみろ、カズマ! トレイラー心得、弱い犬ほどよく吠える…」
本星付近での決戦時、カズマに対して。この後カズマが「吼えるのは勝利のおたけびだけにしろ、だ!」と返す。
「鷹と呼ばれた男の力、見せてやる…!」
「的を狙えば外さない…それが『タカの目』の戦いだ!」
ファイナルホークストライク使用時の台詞。非常に決まっているが、肝心の「タカの目」の由来を考えると…。
「さらば、宇宙…俺の長い旅路に悔いはない…」
「フ…幕を引け…長い旅路が終わる時が来た…」
ヴァルアルム搭乗時の撃墜台詞。
「恨まれたまま死なれちゃ困るぞ、インファレンス…」
一周目のラスト、サピエンティアの爆散直前に突然現れた際の台詞。思わぬ展開に驚いたプレイヤーも多い。

迷台詞

アプリカント「左舷、弾幕薄いぞ!何をやっている!」
レギュレイト「理解不能……何かの慣用句でしょうか……?」
アルムストラ搭乗時の被弾台詞。冷徹に振る舞っていてもこういうノリを忘れないあたり、ブレスそのものである。

搭乗機体

アルムストラ
アルムストラ・フィーニス
ヴァルアルム