ワンダースワン

ワンダースワンは、1999年3月4日にバンダイが発売した携帯型ゲーム機。主な略称は「WS」。本項もそれに倣う。

概要編集

持ち手を変えることで縦画面・横画面プレイの両方に対応する汎用性を有する[1]。企画・開発にはゲームボーイ(以下GB)の生みの親でもある横井軍平氏が深く関わっている[2]

当初は、モノクロ8階調でありながら画面解像度の高さでGBとの差別化を計るコンセプト(WSは224×144、GBは160×144)が打ち出されていたが、近い時期に発売されたゲームボーイカラー(以下GBC)の影響を受けた為か、結局翌年にはカラー対応したワンダースワンカラーが発売された。液晶サイズは2.49インチ。

特筆すべき点は、単3電池一本のみで約30時間プレイ(公称)できる省電力性の高さである。比較としてGBが単3乾電池4本、省電力化したゲームボーイポケットでも単4乾電池2本を必要としたが、それらと比較して携帯型ゲーム機随一の省電力性を誇っていた。販売価格も4,800円と安価である。

内蔵EEPROMにパーソナルデータ(名前・年齢・性別・誕生日)を登録し、それらのデータをプレイしているゲーム内で反映する事が可能。スパロボにおいては、いわゆる誕生日による精神コマンドの変化等に用いられた。

携帯型ゲーム機のスパロボは本機の『スーパーロボット大戦COMPACT』がゲームボーイの『第2次スーパーロボット大戦G』以来の新作であったため、グラフィック面が大幅に進化した事に驚いたユーザーも少なからずいた。

携帯型ゲーム機スパロボは暫くワンダースワンでシリーズが続いたが、2001年のゲームボーイアドバンス(GBA)のローンチ後はワンダースワン市場が既に縮小しつつあった事あってGBAへと移行していった(ただし開発ラインは異なる)。

16bitCPU(ASWAN)とRAM16KBを搭載し、スペックは「スーパーファミコンにやや劣る程度」とされており、寺田貴信プロデューサーは開発当時「一部性能ではスーパーファミコンを上回る」と端的に開発者としてのコメントを残している。

バリエーション編集

ワンダースワン
本項で説明している初代。
ワンダースワンカラー
2000年12月9日発売の新型。
スワンクリスタル
2002年7月12日発売の最終型。本体デザインが変更となった他、液晶がTFTとなり液晶コントラスト設定スイッチがオミットされ、電源スイッチはゴムからプラスチックスイッチへ変更となった。

商品情報編集

今となっては世に埋もれた感の強いマイナーハードではあるが、当時バンプレストの親会社であるバンダイがハードホルダーであったこともあり、展開期間が短いながらもスパロボ作品が比較的多くリリースされている。また、援護システムやキョウスケエクセレンなど、後のスパロボにも引き継がれる要素やキャラクターの初出も多い。

余談編集

これまでSRWシリーズに参戦した(バンダイがスポンサーを務めている)作品の登場人物らがワンダースワンとそっくりのガジェットを使用する場面がある。

脚注編集

  1. 一部斜め持ち対応のタイトルも存在する
  2. ただし、横井氏は本機開発の最中である1997年10月に事故により死去している。

資料リンク編集