ビスマルク・ヴァルトシュタイン

ビスマルク・ヴァルトシュタインは『コードギアス 反逆のルルーシュR2』の登場人物。

ビスマルク・ヴァルトシュタイン
登場作品

コードギアスシリーズ

声優 内田聡明
デザイン 木村貴宏
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人(ブリタニア人)
性別
誕生日 12月23日
星座 山羊座
年齢 不明(低くとも30代と思われる)
血液型 A型
所属組織 神聖ブリタニア帝国 → 旧皇帝派
所属部隊 ナイトオブラウンズ
役職 ナイトオブワン
資格 ギアス(先見知新)
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概要編集

皇帝直属部隊ナイトオブラウンズの頂点である「ナイトオブワン」に就く、事実上「神聖ブリタニア帝国最強の騎士」の男で、マントの色は白。専用機のナイトメアフレームとして、皇帝シャルル・ジ・ブリタニア自らが命名した剛剣「エクスカリバー」を装備する帝国のフラッグシップ機・ギャラハッドを所有する。

皇帝・シャルルの行ってきた他国への侵略行為の真の目的を知る一人でもある。

人物 編集

「優しさ」という強さや規範意識を第一とする高潔な騎士道精神の持ち主で、皇帝であるシャルルの懐刀に相応しい実力と品格を兼ね揃えた人物。自身の身の丈以上と言える剛剣の使い手であり、生身での戦闘力も高く、作中でも驚異的な身体能力と動体視力を持ち合わせた枢木スザクを圧倒する程の腕前。また、ナイトメアフレームの操縦技術も中華連邦の黎星刻をも軽く凌駕するまでに優れ、ラウンズ内においても癖の強いメンバーを纏め上げ、危険人物で本心からブリタニアに忠誠を誓っている訳では無い「ナイトオブテン」のルキアーノ・ブラッドリーですら素直に従わざるを得ない程、正に完璧無比な実力者となっている。一方、これだけの地位を持ち出世していながらも独身の身で、小説版ではまだ幼かったナナリーをあやすのをマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアに押し付けられ、苦戦するといった一面も見せている。

シャルル・マリアンヌの夫妻とは、ラウンズの頂点として忠義を誓っただけでは無く、彼等のアーカーシャの剣を用いた「ラグナレクの接続」による計画の全容を知らされ、それに共感する「同志」の一人いう関係でもある。それによってギアスを有し、常時はシャルル皇帝とマリアンヌへの忠誠心を示す為に左目をピアスで閉じ封印している。ギアスは「先見知新」で、極近未来を見る事が出来るというものとなっており、過去にはマリアンヌ以外に使った事は無かったとされている。

ただし、計画に関してはシャルルから完全に信頼を得ていた訳では無かった様で、「嘘」によって欺かれる事こそ無かったものの、ラグナレクの接続において最も重要な場所となる「黄昏の間」への入室が認められていなかっただけでなく(『R2』序盤のシャルルの台詞からも、スザクやギアス嚮団の神官以外誰も「黄昏の間」に入る事は許されなかった)、C.C.V.V.を始めとするギアス嚮団の関係者、自身の部下である「ナイトオブシックス」のアーニャ・アールストレイムの身体の中にマリアンヌの意識が眠っている事(監視は言い渡されていた模様)、ゼロの正体がシャルルの息子のルルーシュ・ヴィ・ブリタニアでギアスを使える事についてすらも(単独行動となったルルーシュがギアスを使って内乱を起こさせる事を全く想定出来なかった)、聞かされていなかった。そしてマリアンヌに至っては、神根島におけるラグナロクの接続の実行時における台詞からも、完全に「部外者」扱いであった事が示唆されており、結論で言ってしまうと、ビスマルク本人の嘘偽りなき忠誠心はあまり報われておらず、結局の所、シャルル・マリアンヌの夫妻からは良い様に利用されてしまっただけである感があった。また、ビスマルクの方も、計画の為にマリアンヌが実の子であるナナリーに危害を加え兼ねない事に危機感を抱いていた。

来歴編集

本編開始前編集

ビスマルクは、かつてブリタニアの内部で巻き起こった一大クーデター事件である「血の紋章事件」から唯一続投する形でナイトオブラウンズのメンバーであり続けていた。この事件では、「マリアンヌ(当時ナイトオブシックス)およびビスマルク(当時ナイトオブファイブ)を除くラウンズ9名と候補生全員が反皇帝派に寝返る」という未曽有の事態となっており、最終的に皇帝側が勝利した上にマリアンヌはこの功績から后妃に迎えられてラウンズを脱退した為、ジノ・ヴァインベルグやアーニャ、ルキアーノ等の『コードギアス』の本編世代が入ってくるまではたった一人でラウンズを名乗る事になっている。

本編 編集

『R2』の劇中登場時より、既にラウンズの一人として活躍し、他のラウンズの部下達と共に、矯正エリアとなっていた「エリア11」の総督であるカラレスが復活したゼロによって誅殺されたのを知る事になる。

その後、黒の騎士団との戦いが本格的に激化する可能性から、ルキアーノと共に矯正エリアから途上エリアに再昇格したエリア11に派遣され、ブリタニア太平洋方軍の総指揮官として参戦する事になる。そして第二次トウキョウ決戦の勃発後、ギャラハッドに搭乗する形で出撃し、黒の騎士団を中心とする合衆国軍を相手に圧倒的な実力を見せ、星刻の搭乗する神虎との交戦でも、彼を負傷に追い込んで撤退させる戦果を挙げる。しかし、ギアスの呪いによって暴走してしまったスザクの搭乗するランスロット・コンクエスターが、周囲の状況も確認せず大量破壊兵器であるフレイヤを独断で使用してしまった結果、トウキョウは壊滅的な被害を受ける大惨事となり、それにより戦いは一時停戦という形でなし崩し的に終結する。

第二次トウキョウ決戦後は、ラグナレクの接続の実行を決定したシャルルの護衛をする形で、「ナイトオブトゥエルブ」であるモニカ・クルシェフスキーやラウンズ直轄部隊である「ロイヤル・ガード」を引き連れて神根島へと向かい、そこへ迷いを捨てる決心をしてシャルルの暗殺しにやってきたスザクと生身で交戦し、これを圧倒する。だが、同様にシャルルの暗殺を目論んでいたルルーシュ・ランペルージのギアスによってコントロールされた一部のブリタニア騎士達が反乱を起こし、これに対処する為にギャラハッドで出撃。その際にアーニャの操縦するモルドレッドにまで攻撃を仕掛けられるが、実はこの時のアーニャの身体にはマリアンヌの意識が宿っており、その事実をシャルルから聞かされず、マリアンヌからも言っても信じないだろうと見なされていた結果、一芝居打たれる形で退けられる形となった。反乱の鎮圧後、神根島に来たシュナイゼル率いる部隊の元へ向かい、シャルルによってラグナレクの接続が実行に移された事をシュナイゼルに告げるが、ルルーシュとスザク、C.C.によってラグナレクの接続は阻止されてしまい、それによってシャルルが死亡してしまった事を感じ取り、愕然とする事になった。

ルルーシュが皇帝に即位した後、皇帝シャルルを弑逆した彼を認めず、ジノやドロテア、モニカといった他の生き残ったラウンズ達やロイヤル・ガードを引き連れる形で反乱を起こす。しかし、「ナイトオブゼロ」となったスザクが駆るランスロット・アルビオンによって、ドロテアとモニカは戦死、ジノは機体は中破させられる形で撃墜される。ビスマルクは自身のギアスを解放する形で一騎打ちを挑み彼を圧倒していたのだが、ギアスの力を過信してしまった事が仇になった上に[1]、「生きろ」というギアスの呪いを逆手に利用した戦法を取ったスザクに敗れ、最後は思慕の念を抱いていたと思われるマリアンヌの名を告げギャラハッドの爆発に飲まれて戦死するという、あまりにも呆気無い最期を迎える事になってしまった。

登場作品と役柄編集

Zシリーズ編集

第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
初登場作品。内田聡明氏はSRW初出演となる。本作では参戦が前倒しされ、第二次トウキョウ決戦に登場。ナイトオブワンだけあって能力値はかなり高いものの、直接戦える回数は約2回程度と少ない。ZRルートでは原作通りスザクにイベントで瞬殺され、黒の騎士団ルートでは3回目の直接対決になる。
本作では先に出てきた似たような設定を持つ別世界の最強の騎士その名を継いだ若き騎士等のインパクトに霞みがちで、搭乗機であるギャラハッドの射程の短さや会話シーンでの出番の少なさもあり、自軍の育成が十分だと「強いことは強いが、あまり印象に残らない敵」ぐらいに思えてしまう点が何とも。
なお、本作では戦闘中は常にギアスを解放している。

単独作品編集

スーパーロボット大戦DD
3章Part3から登場。ここでは顔見せのNPC

パイロットステータス編集

能力値編集

皇帝シャルルと比べても遜色無しの強さを持ち、スキルのおかげで防御も原作仕様ナイトオブゼロ以外のラウンズより強い(ただし、同じく最強の騎士の称号を持つジェラウドや、その名を継いだウェインの能力値には劣る)。黒の騎士団ルートの場合は自力で彼を倒すが、その後はシュナイゼルとの決戦が待っている。

精神コマンド編集

第2次Z再世篇
加速信頼集中直感直撃覚醒

特殊スキル編集

第2次Z再世篇
底力闘争心戦意高揚サイズ差補正無視ガード精神耐性
もはや当然の如く「」を持っている。さらに底力ガードによる防御強化も用意され、命中と回避と防御も非常に高い強敵だが、それでも中ボスである事には変わりがなく、「極」持ちの敵としてはどちらかと言えば小者の部類。

エースボーナス編集

気力130以上で、自軍フェイズ開始時に精神コマンド「直感」が掛かる
第2次Z再世篇』で採用。インサラウムにおける二人の「ナイトオブナイツ」と同一。
その一人であるウェインは最終戦で習得したが、ビスマルクは習得することなく退場。能力値が彼等に劣っているところといい、本作でのビスマルクは「最強の騎士」に少々名前負けしているような気がしないでもない。

人間関係編集

シャルル・ジ・ブリタニア
主君にして同志。彼の計画に賛同し忠誠を誓っていたのだが、ナイトオブワンである自身ですらも彼から完全に信頼を得ていた訳では無く、ゼロの正体はおろかC.C.やV.V.の存在、アーニャの身体にマリアンヌの魂が眠っている事についても知らなかった事実や、『R2』序盤にて、シャルルがスザクやギアス嚮団の神官以外にアーカーシャの剣が置かれている「黄昏の間」への入室を認めていなかった事からも、その事が伺われる。
マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア
かつての同僚にして同志。実は、マリアンヌはビスマルク以上の剛剣の使い手である上に、彼がギアスを使わなければ勝てない程の強さ(設定では「ビスマルクが未来予知のギアスを使ってもなお、10秒ももたない」程)を誇っていた。個人的に思慕の情を抱いていたと思われる節があるが、同時に実の娘であるナナリーに危害を加えようとする様子に危機感も覚えていた。この為か、マリアンヌからも信頼はされておらず、「昔から融通が利かない」と評されている。
「血の紋章事件」終結後、本来はマリアンヌがナイトオブワンとなる予定だったが、彼女が皇帝シャルルの后妃となってラウンズを脱退した事によりビスマルクがナイトオブワンとなった。
ルキアーノ・ブラッドリー
部下。彼が起こそうとしたラウンズ内の争いを一声で鎮めた。
なお、外伝作では過去に凶行を繰り返していたルキアーノを討伐しており、それが縁でブリタニアに屈した彼がラウンズになった事が明かされている。
ジノ・ヴァインベルグ、ドロテア・エルンスト、モニカ・クルシェフスキー
部下。スザクとの戦いの際はジノを残して全滅する。
アーニャ・アールストレイム
部下。劇中での描写から彼女にマリアンヌが憑依している事は教えられていなかった。ただし、シャルルに監視は命じられていた模様。
枢木スザク
部下。彼の内面の脆さを指摘しつつも「優しさ」という強さを知る彼の事を評価してもいた。ただし、何度も裏切りを重ねている彼に警戒はしていた様で、実際に神根島で対峙した際には、その事の旨を示す台詞をぶつけている。
シャルルとマリアンヌの死後、最終的にはナイトメアフレーム戦で彼との一騎討ちに敗れ去る。
ナナリー・ランペルージ
一時期、マリアンヌの頼みで赤ん坊だった彼女の世話役を務めていた事がある。その為か、実の娘の様な愛情も抱いていた様で、マリアンヌが計画の為だけにナナリーに危害を加え兼ねない様子を見せた際には、危機感を抱いていた。

名台詞編集

「ギアスの事を知っていたのは自分だけだと思ったか?残念だったな…お前の様な裏切り続けの男を誰が信じるというのか?」
上述の通り、シャルルを暗殺しに現れたスザクの前に立ち塞がった際の台詞。彼の実力や人柄こそ評価してはいたものの、過去の裏切りの繰り返し(おそらく、実の父・ゲンブを殺害した事も含めて)を知っていた事から、いずれシャルルに剣を向ける事も察していた模様。
「お前の弱さこそが!優しさという強さの裏付けであったものを!!」
上記のシーンにて。「弱さは捨てた」と己を鼓舞するスザクに対し、剣の一閃で吹き飛ばしながら言葉でも切り捨てた。その弱さの本質に宿る強さを(本人に対する信用とは別の観点から)ビスマルクは認めていたことがわかる。なお、この時「生きろ」のギアスが逃亡を選ぶ衝動をスザクに強く働かせており、この時点でギアスの力に抗うスザクがさらりと描写されている。
「プライド無き名前など!」
スザクの「ナイトオブゼロ」の名乗りをこの一言で切り捨てた。
「我がギアスは未来を読む!」
「この力…マリアンヌ様以外に使う事があろうとはな」
スザクとの一騎打ちの際に「先見知新のギアス」を初めて発動した際の台詞。だが…。
「何だこれは!? 機体性能か、それとも枢木の……」
かつて皇帝ルルーシュから掛けられた「生きろ」のギアスを逆用したスザクに翻弄されて。そして、気づいた時にはギャラハッドのエクスカリバーが真っ二つになっており……。
「マリアンヌ…様…」
最期の台詞。スザクが駆るランスロット・アルビオンによって自身の乗機ギャラハッドを真っ二つされ、大破。ビスマルクはマリアンヌに導かれるように戦死した。

搭乗機体編集

ギャラハッド
専用KMF。

余談編集

  • 2022年リリースのアプリゲーム『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』では、星野貴紀氏にキャスト変更されている。

脚注編集

  1. ビスマルクのギアスは、極々近い未来だけしか見えない物でビスマルクは「自身がスザクに敗れて死ぬ」という未来が見えていなかった。加えて、ランスロットの先の動きが見えても、ビスマルク自身の肉体の動きや機体であるギャラハッドの追従性がギアス能力について来れなければ問題外となってしまう為、むしろギアスを使用しなかった方に勝機があったとも言える。