大ガミラス帝星

ザルツ人から転送)

大ガミラス帝星とは、『宇宙戦艦ヤマト2199』に登場する星間国家、または惑星。

概要編集

地球から16万8千光年離れた大マゼラン銀河・サレザー恒星系に位置する、第4惑星イスカンダル及びガミラス本星を拠点とした星間国家。現総統アベルト・デスラーによって統べられている。国家のシンボルマークは「4」を反転させたような形状である。

経緯としては、サレザー恒星の暦で1000年前に「ガミラス大公国」として建国された。その後、103年前にアベルト・デスラーの叔父であるエーリク・ヴァム・デスラー大公がガミラス全土を統一。大公が死去した後の内戦を経て、アベルトが大ガミラス帝星として再統一した。

軍事面が強い国家体制(軍事独裁制)が特徴で、圧倒的な武力と侵略によって幾多の星間国家を植民地として次々と併合し、大マゼラン銀河における版図拡大を積極的に行っている。

ガミラスの双子星であるイスカンダルは崇拝の対象としており、そこに住むイスカンダル人を高貴な存在として崇めている。

大小マゼラン銀河の統一という偉業を成し遂げ、遂には天の川銀河へも侵出。地球に狙いを定め侵略を開始し、地球との全面戦争となる。戦力面はガミラス側が圧倒的に勝っており、更に遊星爆弾の投下によって地球を汚染して滅亡の危機に陥れる。

ヤマトがイスカンダルを目指して地球を発った以降は、ヤマトの旅の障害として立ち塞がっていく。

『宇宙戦艦ヤマト2202』(SRW未参戦)において、旧作と同じく(人が住める)星としての寿命が間近に迫っており、版図拡大も第二のガミラス星の探索を兼ねていたことが明らかになった他、ガミラス人はガミラスの環境に適応してきた結果、ガミラス以外の環境では短命(数年程度なら普通に生活出来るが、10年以上過ごすと病気などのリスクが大きくなる)になってしまう事も明かされた。また、デスラーというカリスマを失った事で不安定な政治情勢となっている。

登場作品編集

VXT三部作編集

スーパーロボット大戦V
初登場作品。新正暦世界において、原作同様に地球を滅亡寸前まで追い詰めている。本作の主人公二人にとっても因縁がある。
人型機動兵器類を有しておらず、艦隊・艦載航宙機による物量戦術を基本とするが、物語のスタート時点では艦隊による長距離射撃と圧倒的な弾幕密度により地球連邦軍のモビルスーツ部隊をほぼ壊滅させ、泥縄的に艦隊戦術に移行した地球連邦軍も終始圧倒する等、本作の敵勢力の中でも突出して強大な勢力として描かれている。また、銀河方面軍司令のグレムト・ゲールは、木星帝国の残党を傘下に収めている。
今作における銀河系への進出は、ガーディム第8艦隊の消息を掴むためでもあったことがユリーシャの口から語られている。

人物編集

ガミラスの国民はガミラスの言語で「ガミロン」と呼ばれている。なお、植民地となった惑星の出身者は二等臣民(二等ガミラス人)として扱われる。しかし、二等臣民は一等ガミラス人から偏見と差別の目で見られることが多く「劣等人種」と蔑まれている。一方で、二等臣民であっても戦闘などで功績を挙げた時は一等ガミラス人と同等の権利が与えられる名誉ガミラス臣民に取り立てられるので、危険な任務に積極的に志願する者も多い。

ガミラス人編集

ガミラス本星の出身者で、青い色の肌が特徴。二等臣民に対しては、偏見を持つ者とそうでない者に分かれている。因みに血の色は紫。

アベルト・デスラー
ガミラスの若き永世総統。
エーリク・ヴァム・デスラー
アベルト・デスラーの叔父。はじめてガミラス本星全土の統一を果たし、大ガミラス帝星の礎を築いた。
現在は故人。
レドフ・ヒス
大ガミラス帝星の副総統。
エルク・ドメル
ガミラスの名将軍。
ヴェルテ・タラン
ガミラスの軍需国防相。
ガデル・タラン
ガミラスの大本営参謀次長。ヴェルテの弟。
ヘルム・ゼーリック
ガミラス中央軍の総監。
ガル・ディッツ
ガミラス艦隊総司令官。
ハイドム・ギムレー
ガミラスの親衛隊長官。
ハルツ・レクター
デウスーラII世の艦長。
グレムト・ゲール
銀河方面作戦司令長官。
ヴェム・ハイデルン
ドメラーズIII世の艦長。
フォムト・バーガー
第7駆逐戦隊長。
カリス・クライツェ
第3宙雷戦隊長。
ライル・ゲットー
第4航空戦隊長。
パレン・ネルゲ
ガミラスの親衛隊情報将校。
ヴォルフ・フラーケン
次元潜航艦UX-01の艦長。
ゴル・ハイニ
フラーケンの副官。
メルダ・ディッツ
女性パイロット。ディッツの娘。
デバルゾ・ボーゼン
第十七収容所の所長。
ドーテム・ゲルヒン
ガミラスの食料資源省・食料生産管理局長。
ヴァンス・バーレン
重爆撃機「ガルント」爆撃指揮官。
エリーサ・ドメル
ドメルの妻。
女衛士
デスラーの傍に仕える女衛士達。
親衛隊艦長
ガミラスの親衛隊隊員。

ジレル人編集

精神感応や幻覚能力を持つ種族。その能力を恐れた他人種によって迫害されてきた歴史を持ち、ほとんど絶滅に追いやられている。肌の色は淡青灰色。

ミーゼラ・セレステラ
ガミラスの宣伝情報相。
ミレーネル・リンケ
中央情報部特務官。

ザルツ人編集

地球人と同じ肌の色を持つ人種。戦乱で滅亡の瀬戸際にあった所をデスラーが併合した事で救われた為、高い忠誠心を持っている。

ヴァルケ・シュルツ
冥王星基地の司令官。
ゲルフ・ガンツ
冥王星基地の副司令官。
ヴォル・ヤレトラー
冥王星基地の作戦参謀。
サレルヤ・ラーレタ
木星浮遊基地司令官。
ヴァルス・ラング
航宙巡洋艦「EX178」の艦長。
ノラン・オシェット
特務小隊隊員。
ゲルト・ベルガー
特務小隊指揮官。
バルシュ・メック
特務小隊隊員。SRW未登場。
ベリス・ライチェ
特務小隊隊員。
ヒルデ・シュルツ
シュルツの娘。

オルタリア人編集

ガミラスの支配するノルド大管区の植民惑星に住む人種。赤い肌をしており、独特の民族衣装が特徴。反乱を起こした為、ギムレー率いる親衛隊に惑星ごと滅ぼされた。また、この際に移民していたガミラス臣民まで容赦なく殲滅されている。SRW未登場。

ガトランティス人編集

黄緑色の肌をした人種。ガトランティスそのものはガミラスの支配を受けてはいない(むしろ敵対状態にある)ものの、一部のガトランティス人がレプタポーダで捕虜となっていたり、ヘルム・ゼーリックの奴隷として連れられる形で登場している。旧作の「白色彗星帝国」であり、『2202』にて恐るべき本性が明らかになる。SRW未登場だが、シークレットシナリオ「長き旅路を支えるもの」にて『V』でも存在していることは確定している。

一般兵編集

ガミラス兵士
ガミラスの一般兵士。ガミラス人の他にも、ザルツ人等の二等臣民も存在。
ガミロイド
ガミラスが開発したアンドロイド兵。各個体同士が意思疎通可能な自律型ロボットで、手足の長いスマートな外観を持つ。

関連用語編集

バレラス
ガミラス本星の帝都。ツクシやキノコに似た形の建造物が立ち並び、都市の中心部には全高2400mの巨大な総統府が存在する。
遊星爆弾
ガミラスが開発した地球攻撃用爆弾。小惑星や隕石のように見える外見が特徴で、人間をはじめとする生物や生態系に甚大な被害を及ぼす破壊兵器。
また、内部にガミラス植物の有毒胞子が埋め込まれている。これにより単なる大規模破壊だけでなく、同時に種子をばらまき、発生した植物が胞子を放出することによって大気をガミラス本星と同じ環境に改造することが可能という恐るべき兵器である。
ガミラス語
ガミラスの言語。劇中では吹き替えと字幕の併用によって表現されている。ガミラスは言語能力や翻訳機の性能においても地球側を上回っている為、翻訳機を用いることによって異民族とも問題なく会話は可能。
一例としては、「地球」→「テロン」 「ヤマト」→「ヤマッテ」 「イスカンダル」→「イスカンダ」etc…。
親衛隊
総統直属の準軍事組織で、大ガミラス帝星建国の際に創設された。独自の艦隊である航宙親衛艦隊やギムレー傘下の秘密警察を保有しており、ガミラス本星では傍若無人に振舞っていることから他の軍人や国民からは非常に嫌われている。隊員は灰色基調の軍服を着用している。因みに隊員は一部の人物を除き、幹部や兵などのランクごとに分けたクローン兵である。

余談編集

  • 旧作における正式名称は「ガミラス帝国」。
  • 『2199』における植民地設定は、旧作における一部のガミラス人の肌の色が地球人と同じという矛盾を解消する意味合いが大きい。
    • 旧作ではデスラー総統も初登場時は地球人と同じ肌色だったが、後に現在の青色に変わるという演出があった。[1]
  • ガミラス人の生態は媒体によって様々で、旧作アニメ版のガミラス人は地球人の致死量相当の放射能を浴びていなければ生き残れないという性質を持っていた。だが、いつのまにか地球人と同じ空間で生身で過ごせるようになっていた。『2199』ではこの設定は踏襲されていない。
  • 旧作の遊星爆弾は、胞子ではなく放射能を撒き散らしてガミラス人の生存に適した環境に変えるという兵器であった。
  • 保有する艦船の基本カラーは緑系となっているが、このカラーリングは後発の作品のメカの基本カラーに影響を与えたと言われている。
  • 『2199』の劇中で使用されているガミラス語は言語学者の監修の元でかなり本格的に文字・数字・単語などを創作している。劇中ではガミラス語での会話シーンに日本語字幕を表示する演出も散見された。

脚注編集

  1. 肌色に見えていたのは室内照明の照り返しであり、その照明が消されることで青色になった。