アカシックレコード
アカシックレコードとは、万物の全てがある空間に記録されているという概念。語源はサンスクリット語の「アカシャ」(Akasha:虚空)。
概要編集
古代インドのヒンドゥー教や仏教において発生した概念。過去・現在・未来の万象の記録がある空間に存在し、それに触れることができたならば万象を理解することができるようになるといわれており、一種の精神概念といえる。その存在は様々な宗教で取り扱われており、宗教学者達の間でも度々論じられる。
それゆえ多様な解釈が存在し、一意に定まった解釈はないに等しいが、概ね共通する点は「その本質はいわば運命のようなものであり一切抗うことができない」という点であり、またいわゆる「預言者」が預言を行うのはアカシックレコードを読み取る力によるものと解釈されることが多い。
SRWでの扱い編集
『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』においては、アカシックレコードが前述の運命とほぼ同じ解釈で扱われており、全宇宙の滅びを招く災厄である「アポカリュプシス」もその中で予め定められた事象とされている。また(正の)無限力が因果律(運命)を操る力を持つことから、無限力とアカシックレコードも概ね同義の用語として扱われている。なお、この作品におけるアカシックレコードの正体は第一始祖民族の残留思念であることがルアフによって明言されている。
OGシリーズでの存在は不明だが、アインストが「古の記録」と称するものがある。これに触れるためには『門』を開ける必要があり、SRXは『鍵』となり得るものの一つではあるが不完全であるため『門』を開くことはできない。また、『鍵』となるのはリュウセイやクスハ、ユウキなどの念動力者であることから、ほぼ同質の存在と考えてもいいだろう。
なお、『スーパーロボット大戦W』では「知の記録者」を自称する敵勢力「ザ・データベース」が登場している。彼らは、製造されてから現代に至るまでの出来事を全て記録する役目を持たされた一種の精神コンピュータというべき存在で、擬似的、人工的なアカシックレコードの完成を目指すものであると捉えることもできる。ただし「未来の事象」が記録されず、他者の将来の運命を決定づける性質を持たない、単なる「データベース」であるという点はアカシックレコードと決定的に異なる。
「Zシリーズ」の世界にも全く同じものが存在する。辞典によると、アカシックレコードにアクセスするという事は、時間や空間を超越した無限を手に入れる事に等しいと記載されている。アサキム・ドーウィンが知りたがる山羊とシュロウガの力を使いアクセスした。
『スーパーロボット大戦X-Ω』では『ポプテピピック』の期間限定参戦イベント「地上の星々が紡ぐ叫びと祈り」にて登場。本作では「アカシックレコード」という一つのキャラクターとして存在する。直接の元ネタはTVアニメ第12話に登場した同名キャラ。
関連用語編集
関連設定編集
- サイバスター
- 神聖ラングラン王国の17体の魔装機には「ラプラス・デモンタイプ・コンピュータ」が搭載され、魔力(プラーナ)が高い人物が操者となると予測確立が増すと言われている。特にサイバスターはラングラン製魔装機の中でも最高のプラーナを持つ者しか操者になれない。現在の操者はマサキ・アンドー。
サイバスターの必殺武器「アカシックバスター」はアカシックレコードに干渉する武器だと長年言われていたが、第2次OGや魔装機神IIでは遂にマサキの口から「相手の存在をアカシックレコードから消し去る」ことが明言された。それどころか、「アカシックレコードサーチ」なる機能、上位武器「アカシックノヴァ」もある。なお、これらの設定について、寺田プロデューサーは『熱血!必中!ボイス・スパログ!〜魔装機神II篇〜』で「今は答えることはできない」と発言している。 - イングラム・プリスケン / クォヴレー・ゴードン
- 両者とも「虚空の使者」「因果律の番人」として平行世界を安定させる目的を持つ。
- シュロウガ/シュロウガ・シン
- Z世界とは別の世界の至高神ソルと同格の神。アカシックレコードに触れて、因果律を操作するシステムを積んでいる。シンになる事によって、因果律を操作する力をほぼ取り戻した。対象の存在の因果を断ち切り輪廻から追放する攻撃や、因果律を歪め、並行同位体を同時に重なり合わせ存在させたり、システムの改変により無限輪廻を設定する等の力を見せた。パイロットのアサキムはシュロウガが欠けたパーツを補う為、また孤独を癒すために生み出した虚像である。
メモ編集
- 『スーパーロボット大戦Z』において登場する「次元力」は、詳細不明ながらあらゆる世界でその力を発揮する性質のものであるとされており、その鍵が「スフィア」である。そのスフィアを12個全て集めることで「太極」への道が開けると言われているが、その「太極」とは万物の根源と呼べる存在とされている(それゆえ次元力は「原初の力」とも呼称される)。
- ダークブレインは負の無限力を持つ存在だが、同時に「知的生命体の思念を食い尽くす」存在でもある。『OG外伝』において、レーツェルはダークブレインのこのような性質を「知恵の実を口にした原初の人類は、楽園から追放されたと言うが……」と評し、ダークブレインもそれを肯定している。
- ダークブレインはまた、自身が「太極」に至るために「至高天・十二の鍵(=スフィアであると考えられている)」を欲していることを述べているが、仮にレーツェルの指摘した欲求を満たすために太極に至ることを目論んでいるのだとすれば、太極に至るということはより多くの知識を貪ることができるようになる事象であると考えることも可能である。そして、文字通り「この世の全て」が記録されているアカシックレコードは、まさしくそのような性質を有するものである。
- 以上の点を纏めると、スーパーロボット大戦Zでその一端が示された「太極」とは、アカシックレコードに極めて近い性質を持つものである可能性が高い。
- 天獄篇で明かされたZシリーズの『太極』の正体は無尽蔵のオリジン・ロー(次元力)を生み出し、様々な事象を自由自在に操る人造のシステムにして人造神『至高神ソル』であった。OGシリーズにおける『太極』との関連性は不明。
- アサキム・ドーウィンがパイロットである人型機動兵器「シュロウガ」はサイバスターを彷彿させる意匠・武装・性能を持つことで話題となっている。もし実際に同機と何らかの関わりを持つものであるとすれば、シュロウガにもラプラスデモンタイプコンピュータに類する性質のもの、すなわちアカシックレコードにアクセスするための機能が備わっている可能性がある。また、シュロウガの最強武器「レイ・バスター」の戦闘アニメで映し出されるアサキムの過去の業に纏わるものと思われる映像は、同機がサイバスターと何らかの関わりを有する根拠の一つであるが、同時に「シュロウガおよびアサキムには過去・現在(・未来)における「平行世界」の記録が保存されている」ことの証左でもある。アサキム自身による「太極の罪により死ねない身体=無限獄」との発言と合わせて考えると、アサキムがアカシックレコードに見込まれた並行世界間の記録者であるという可能性もある。
- 天獄篇で明かされた情報では、アサキムはシュロウガの生み出した虚像であり、意味深な発言はアサキム自身ではなくシュロウガの記憶であった。アサキムの発言には「ヒンドゥー教」に纏わる「虚空=アカシックレコード」や「輪廻」などの言い回しが含まれる。
- サイバスターの「アカシックノヴァ」の一文に「因縁……宿業……輪廻転生……どれほど深い闇だろうと……」「虚空に刻まれた宇宙の意思を!」「ここで全て解き放つ!!」はアカシックレコードに関わったシュロウガ自身の存在を示している。この一文を解釈するとアカシックレコードシステムによる輪廻転生(無限輪廻)になったシュロウガを解き放てるのは、アカシックレコードを破壊できるサイバスターの最終兵器アカシックノヴァをシュロウガがその身で受けることだろう。
- 因縁=サイバスターの影響で、宿業=光と闇の狭間の存在だったシュロウガが、輪廻転生=アカシックレコードの影響で、深い闇=無限獄の闇に堕ちた、虚空に刻まれた宇宙の意思をここで全て解き放つ=シュロウガからアカシックレコードの呪縛から解き放つことにとなる。