無敵超人ザンボット3

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無敵超人ザンボット3』は日本サンライズ制作のテレビアニメ作品。

無敵超人ザンボット3
原作 鈴木良武
富野喜幸(現:富野由悠季)
総監督 富野喜幸
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン 平山良二(現:藤原良二)
音楽 渡辺岳夫
松山祐士
制作 日本サンライズ
放送局 名古屋テレビ発・テレビ朝日系
放送期間 1977年10月8日 -
1978年3月25日
話数 全23話
シリーズ 無敵シリーズ
初登場SRW 第4次スーパーロボット大戦
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概要編集

無敵シリーズ」の第1弾にして、後に「ガンダムシリーズ」など幾多のロボットアニメを輩出するサンライズの第一回制作作品。監督は富野喜幸(現:富野由悠季)。

ヒーローメカと敵ロボットの交戦に巻き込まれて民間人が死傷するなどのハードな展開、異星人の末裔であるがゆえに迫害・中傷を受ける神ファミリーの描写など、それまでのロボットアニメでは見られなかったシビアな展開が特徴。また、この作品を象徴するあまりにも残酷なガイゾックの「人間爆弾」の存在、最終決戦において主要キャラである神ファミリーの殆どが戦死するという凄惨な展開は、富野作品の中でも敵味方問わずジェノサイドが巻き起こる『伝説巨神イデオン』や『機動戦士Vガンダム』と同様に“黒富野”の象徴とされる事が多い。

関連商品の売り上げこそ良好であったものの、こうした作風の影響や当時のアニメの水準からしても低品質の作画[1][2]などが原因か、子供受けはかなり悪かったため、後番組の『無敵鋼人ダイターン3』は富野氏の「(『ザンボット』を)シリアスに作りすぎてしまったので、口直しをしたい」という意向もあり、痛快娯楽路線に切り替わった。

ストーリー編集

人類を滅ぼすことを目的とするガイゾック地球に襲来した。それに対し、ガイゾックに滅ぼされたビアル星人の末裔・神ファミリーザンボット3で対抗する。しかし、人々はガイゾックを呼び寄せる疫病神として神ファミリーを迫害。人々のために戦いながらも迫害を受ける苦境、繰り返される過酷な戦いに苦悩しながらも、神ファミリーは人類を守るためにガイゾックと戦っていく。

登場人物編集

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

神ファミリー編集

神勝平
主人公。ザンボエースのパイロット。
神江宇宙太
ザンブルのパイロット。
神北恵子
ヒロイン。ザンベースのパイロット。
神北兵左衛門
神ファミリーの長。恵子の祖父。
神一太郎
勝平の兄。
神梅江
勝平の祖母。
神源五郎
勝平の父。
神花江
勝平の母。
千代錦
勝平の愛犬。ザンボエースに乗る事も。

勝平の友人編集

香月真吾
勝平の喧嘩友達。
浜本
香月の子分。
アキ
ブスペアの片割れ。
ミチ
ブスペアの片割れ。

ガイゾック編集

キラー・ザ・ブッチャー
ガイゾックの前線指揮官。
バレター
ガイゾックの作戦指揮官。
ギッザー
ガイゾックの武器指揮官。
コンピュータドール第8号
真のガイゾックであり、本作のラストボス
ガイゾック兵
ガイゾックの一般兵。

登場メカ編集

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

神ファミリー編集

ザンボット3
キング・ビアル

ガイゾック編集

メカブースト編集

ドミラ
第1話に登場するメカブースト第一号。
ガビタン(変形前と変形後が存在)
第3話に登場。一度倒されても変形する。
ドヨズラー
第4話に登場。
クモガニラ
第7話に登場。
ガルチャック
第8話に登場。
アンモスガー
第9話に登場する水爆メカブースト。
トラシッド
第10話に登場。ドヨズラー、ガルチャック、アンモスガーと共に第20話で再生軍団として再出撃する。
クラーゲン
第18話に登場。
ダンガルン
第21話に登場。
ゾンダア
同じく第21話に登場。

ガイゾックの守護騎士編集

赤騎士デスカイン青騎士ヘルダイン
第22話に登場する、メカブーストを上回る死の騎士。

バンドック編集

バンドック
バンドック(頭部)

用語編集

神ファミリー
神家、神江家、神北家らビアル星人の末裔たちの総称。
ガイゾック
文明破壊を目的としたマシーン「コンピュータードール」に支配された組織及びその出身地となる星の名。
メカブースト
ガイゾックが使用する戦闘ロボット。バンドック内にその製作工場がある。生物的フォルムのタイプが多い。
人間爆弾
ガイゾックが捕まえた人間の体内に爆弾を組み込んだもの。手術後には星型のアザが残る。爆弾を組み込んだ人間はそのまま解放され、街や難民キャンプに帰った所で爆破するという非道な作戦である。
香月組
香月慎吾が率いる不良グループ。メンバーの3分の2がガイゾックの被害に遭い、命を落としている。

楽曲編集

全作詞 - 日本サンライズ企画室 / 全作曲 - 渡辺岳夫 / 全編曲 - 松山祐士 / 歌 - 堀光一路、ザ・ブレッスン・フォー、ザ・チャープス

オープニングテーマ
「行け!ザンボット3」
イントロ部分の「ザザンザーザザン」は非常に有名。作詞はよく富野監督と勘違いされがちだが、DVD-BOXのブックレットによればサンライズの女性スタッフとのこと。
『第4次』『64』『COMPACT2』『A』『IMPACT』『R』『Z』『第2次Z』『第3次Z天獄篇』『V』『X-Ω』で採用。『V』限定版では原曲を収録。『X-Ω』ではイベント「月と星が輝く夜」にてクエストBGMに採用。
エンディングテーマ
「宇宙の星よ永遠に」
劇中BGM
「合体!ザンボット3(M12A-2)」
『第4次』『Z』で採用。

登場作と扱われ方編集

初期は原作におけるダークな展開を再現することは稀だったが、『スーパーロボット大戦Z』にて遂に大きくスポットを当てられることとなる。本編終了後の状態で参戦させると、ザンボエースしか動かせるメカが無いため、『スーパーロボット大戦R』序盤を除き本編終了後参戦であっても宇宙太・恵子は生存しているケースが一般的。

旧シリーズ編集

第4次スーパーロボット大戦
初参戦作品。メインとなるシナリオは多くはないが人間爆弾イベントのインパクトが強い(条件次第で回避可能)。
第4次スーパーロボット大戦S
移植にあたり、主役クラスのキャラに音声がついたが、勝平にはつかなかった。

Zシリーズ編集

スーパーロボット大戦Z
人間爆弾イベントが久しぶりに再現されるなどかなり多くの原作再現イベントが用意されている一方、勝平の家族たちは皆生存し、フラグ次第ではアキも生存するなど原作より救いのある場面も多い。
待望のキング・ビアルが参戦。ただし、宇宙太の家族と恵子の家族はそれぞれの家族の家にいるため、ビアル2世とビアル3世は自動操縦となっている。
また、本作から宇宙太の声は原作で数話だけ演じた古川登志夫氏に変更されている。
第2次スーパーロボット大戦Z
前作でストーリーを終わらせたのでいるだけ参戦だが、Zシリーズ初参戦作品の『無敵ロボ トライダーG7』とよく絡み、ルート選択によっては続投作品の中では一番早く登場するので扱いは悪くない。また、勝平の台詞からわかるとおり、前作でアキが生存した場合の話が正史となった様子。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
第2次Z再世篇』から復帰参戦。ガイゾックが復活(正確には違うが)したため、いるだけ参戦ながら目立つ場面が多い。

COMPACTシリーズ編集

スーパーロボット大戦COMPACT2 第1部:地上激動篇
スーパーロボット大戦COMPACT2 第2部:宇宙激震篇
スーパーロボット大戦COMPACT2 第3部:銀河決戦篇
スーパーロボット大戦IMPACT
初めて声付きで参戦となるが、勝平と宇宙太は代役が起用されている。

携帯機シリーズ編集

スーパーロボット大戦A
本編以前にスーパーロボットたちとの協力で追い払ったガイゾックが帰ってきたという設定で、初登場時に地球連邦軍に接収されそうになるという終盤の話を再現したイベントがある。
ネタバレになるが、ゲーム中に登場するガイゾック一味は原作に登場するガイゾックとは別人である
スーパーロボット大戦A PORTABLE
本作でエースボーナスが追加されたが、勝平のエースボーナスは幸運を掛けると不屈も掛かる、というもの。
これだけ見てはよく分からないが、それぞれの略称をつなげるとよく分かる。つまり、「不」「幸」
スーパーロボット大戦R
当初は恵子と宇宙太が戦死しながらガイゾックを発見できなかったらしく、ブッチャーが未来で復活したことになっていたが、主人公たちが過去に行ったことで「神ファミリーは全員生存」「ガイゾック破壊」となっている。

VXT三部作編集

スーパーロボット大戦V
原作終了後設定。ガイゾックとの戦いは終了しているが、孤独な戦いに終始した原作と違い、最終決戦に際してナデシコなど極々少数ではあるが、地球からの協力者が現れたという設定で一部のキャラクターが生存したまま終戦を迎えている(展開的にはコミカライズ版に近い)。御馴染の『ダイターン』との絡みはもとより、同じくサンライズ制作のスーパーロボットである『勇者特急マイトガイン』との絡みがメイン。

単独作品編集

スーパーロボット大戦64
スーパーロボット大戦リンクバトラー』と連動することで登場する。
スーパーロボット大戦Card Chronicle
2013年2月1日に追加参戦。
スーパーロボット大戦X-Ω
2020年5月のイベント「月と星が輝く夜」期間限定参戦。
イベントやユニットシナリオでは原作終了後の設定で登場する。

各話リスト編集

話数 サブタイトル 登場メカ 備考 再現スパロボ
1 ザンボ・エース登場 ドミラ 第4次第4次S)、Z
2 燃える死神の花 ジドビラー
3 ザンボット3出現! ガビタン 第4次(第4次S)、Z
4 集結!キング・ビアル ドヨズラー
5 海が怒りに染まる時 ガルンゲ Z
6 父が帰ってきた日 エレギン Z
7 さらば!我が友よ クモガニラ
8 廃虚に誓う戦士 ガルチャック
9 危うし!キング・ビアル アンモスガー
10 バンドック現わる! トラシッド
11 決死の爆破作戦 バイブロン
12 誕生日の死闘 モグンダー
ハリンダー
13 果てしなき戦いの道 ダボンガー
14 スカーフよ永遠なれ カメジオン
15 海に消えた老将 デスカメル
16 人間爆弾の恐怖 ブウボン
17 星が輝く時 ヒラヤンガー
メカブースト軍団
Z
18 アキと勝平 クラーゲン 第4次(第4次S)、Z
19 明日への脱出 ゴルガス
ガイダー
20 決戦前夜 再生ドヨズラー
再生ガルチャック
再生アンモスガー
再生トラシッド
戦闘シーンのみ
バンク使用の半総集編
A
21 決戦!神ファミリー ダンガルン
ゾンダア
Z
22 ブッチャー最後の日 赤騎士デスカイン
青騎士ヘルダイン
第4次(第4次S)、RIMPACT、Z
23 燃える宇宙 コンピュータドール第8号 第4次(第4次S)、R、IMPACT、Z

余談編集

  • 第20話『決戦前夜』は、最終回クランクアップ後に急遽尺あまりによる放送が決まり、19話と21話の挿話として製作された。従って普通に製作していては間に合わず、動きの少ない会話シーンなどの作画は同じカットを何度も使用し、戦闘シーンは「再生メカブースト軍団が現れた」という設定で過去のフィルムの継ぎ接ぎを行い新規映像を構成、結果として1話まるまる新しい話を作り上げた。この手法は次番組『無敵鋼人ダイターン3』13話でも使用され、後に富野監督が手掛ける『劇場版機動戦士ガンダム』がその集大成となった。
  • アニメ放送時に秋田書店の児童誌『冒険王』でコミカライズが連載された。作画は岩田廉太郎が担当し、岩田は元々手塚治虫のアシスタントだったため絵柄が手塚作品によく似ている。長らく未単行本化だったが、2011年4月に「マンガショップ」から『サンライズロボット漫画コレクション』vol.3として発売された。
    • 同作では必殺技名が「ザンボムーンアタック」と呼称されていたり、アニメ版で死亡したキャラが生存したり、その逆が描かれるなど、一部設定や終盤の展開がアニメとは異なる。
  • 富野由悠季監督は本格的に小説作家としての活動を開始する為の「習作」として、『無敵超人ザンボット3』の小説執筆に取り組んでいた時期があったらしいが、数十枚書き上げたところで断念している。
    • 小説版『ザンボット』については今後も公開する気は無いらしく、富野監督曰く「墓まで持って行く」との事。
    • 2017年刊行の『グレートメカニックG 2017AUTUMN』(双葉社)では『ザンボット3』を特集しており、コラムにてこの小説版にも僅かながら触れている。それによると、小説では物語終幕で人々が勝平の元に集まってきた本当の理由が「宇宙人の最後の生き残りを始末するため」であることを暗示する締めになっていたらしい。
    • また富野監督は、ザンボット3の話を貰う3日前に別の原作付きのアニメの総監督を請け負っていたが、ザンボット3の話を貰った後にそちらを断ったため暫くの間仕事が来なくなったと『ザンボット3・ダイターン3大全』内インタビューで語っている。
  • SFアクション漫画『GANTZ』の作者である奥浩哉氏は「本作に大きく感銘を受けた」と公言しており、実際作品終盤の展開は『無敵超人ザンボット3』のオマージュが多く見られる。
  • バラエティ番組『マツコ&有吉の怒り新党』(2012年9月26日放送)の番組内コーナーにおいて『無敵超人ザンボット3』劇中のトラウマシーン人間爆弾等)が取り上げられたことがある。
    • ちなみに、番組出演者一同は上記の場面に衝撃を受けていた。また、番組司会者の一人が「これ、子供向け(に作られたアニメ作品)なの?」「男の子はガンダム好きかもしれないけど、私達はこっち(無敵超人ザンボット3)の方が感情移入できるね」と感想を述べている。
  • 機動武闘伝Gガンダム』最終回におけるモビルファイターたちの凱旋シーンにザンボット3が紛れ込んでいる。

商品情報編集

DVD編集

Blu-ray編集

音楽編集

レンタルビデオ・動画配信編集

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サイト名 取扱いの有無 備考
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脚注編集

  1. 本作には作画監督のポストが敷かれておらず、極端なケースとしてはザンボット3の額の三日月すら向きが逆になるカットもあり、富野監督自身も「ザンボット3の作画は見ていられないほど酷かった」と発言している。この反省か『ダイターン』では作画監督が置かれている。
  2. 金田伊功氏が作画担当した回、佐々門信芳氏が作画担当した最終回など、高品質な作画も一応存在する。