『機動戦士ガンダム』に登場するスペースコロニー群。「ムンゾ」とも呼称される。首都はズム・シティ。地球から見て月の向こう側のポイントであるL2宙域に位置している。同作品の敵勢力であるジオン公国の本拠地である。
概要
ジオン独立
U.C.0062、地球連邦政府からの独立を訴える指導者ジオン・ズム・ダイクン[1]によってサイド3に「ジオン共和国」が成立。ダイクン没後、デギン・ソド・ザビが反対派を排除し、ザビ家による独裁体制を敷く。そして、共和制から公国制へ移行させて「ジオン公国」と称し、U.C.0079年1月3日に地球連邦政府に対して全面戦争(一年戦争)を仕掛けた。
しかし、一年も経たずに最終防衛線ア・バオア・クーへと追い詰められ、ザビ家内の権力抗争の末にジオン公国の支配体制は完全崩壊。この事態を受けて共和制が復活し、U.C.0080年1月1日にジオン共和国の首相ダルシア・バハロが地球連邦政府との終戦協定を結んだ。
一年戦争後のサイド3
一年戦争終結時にほぼ無傷で[2][3]終戦を迎えており、ジオン共和国へと立ち戻るのだが、地球連邦政府からの風当たりは悪く、地球連邦軍には無条件で協力するよう強要されたりと、無傷とはいえ各コロニーからの批判はその後も根強かったという。
U.C.0100年、ジオン共和国の自治権は地球連邦政府に返還され、「ジオン」の名の付くサイド3の政体は全て消亡。その後のサイド3を語る資料は一層少なくなる。
U.C.0153年のザンスカール戦争期には、一般市民にとっては「ジオンの本拠だった」という過去すら心情としては遠い歴史認識に留まり、群発する戦乱からも離れた平和な片田舎となっていた模様。
U.C.0169年の宇宙戦国時代が激化した時代では「ザビ・ジオン」や「ハイ・ジオン」といった4つのジオン系勢力に分裂しており、サイド3内部で内乱状態に陥っている。特にズム・シティーを支配している「ザビ・ジオン」はガルマ・ザビ3世を名乗る総統が独裁者として君臨し、事実上連邦から独立しているが、資源やエネルギーの大部分は軍事用に回されており、国民は恐怖統制で支配され、貧しい生活を強要されている。
それから更に時代が進み、地球連邦崩壊による宇宙統一体制消滅後のU.C.0218年においては、旧地球連邦政府と親地球派サイドが設立したとして連邦制国家セツルメント国家議会に参加する事となる。
「かつてスペースノイドによる地球からの独立を掲げた『ジオンの本拠』たるサイド3が、かつての地球連邦の後身組織側に付く」というのは非常に皮肉な結末である。
登場作品
SRWではスウィートウォーターの所在地としても登場する。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 直接舞台にはならないが、エンジェル・ハイロゥのサイコ・ウェーブによって住人2億人が幼児退行現象を起こし、全滅するに至った。
- その後のαシリーズでスウィートウォーターを除くとサイド3に言及される場面は無いが、ある意味当然である。
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 直接舞台にはならないが、オードリーが「たこ焼きはムンゾに限ります」と評する場面がある。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦T
- 時系列が『ΖΖ』終盤となっているため、既にハマーンに返還されている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦D
- ネオ・ジオンの本拠地で地球圏に帰還したマクロス7船団もこの宙域に駐留する。
- またギシン星間帝国本星に向かう際は、1バンチに降ろしたはずの子供達が艦に密航していたという場面がある。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 説明書のストーリー紹介に名前が載っているのみ。
- スーパーロボット大戦64
- アクシズ軍が制圧を行うが、その最中で地球制圧に向かったグレミーが反乱を起こしてしまう。
余談
- ザビ家の居住地を兼ねたズムシティ公王庁舎はそのいかにもな「悪の秘密基地」然としたデザインから度々話題に上っている。スーパーロボット作品とリアルロボット作品の定義がまだ曖昧だった頃ならではのデザインともいえる。
- 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の原作漫画版では元の『1st』に沿ったデザインだが、アニメ版ではより凶悪かつ重厚なデザインにリメイクされている。
- 『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では「ズム戦争特別博物館」として利用されており、初めて戦場となる場面も描かれた。