幻体(げんたい)とは、『ゼーガペイン』に登場する用語。
概要 編集
量子サーバー内に保存された人間のデータ。元来は、オルム・ウィルスによって人類が絶滅寸前に追いやられた際、I.A.L社が絶滅回避の手段として考案した物であるが、実際にはナーガが提唱する「無限進化論」を実証することが目的であったとされている。
人間の記憶や人格に加え、身体的特徴もデータ化されており、量子サーバー内に何百人分の幻体がその生活環境と共に保存されている。幻体達は自分たちがデータである自覚を持たず、量子サーバー内で生活を送っているが、その中で違和感を感じ、サーバーのコントロールから離れた者を「セレブラント」呼ぶ。
幻体たちはデータであるため老化こそしないが、サーバー筐体の破壊やデータの破損による死のリスクは存在しているため、決して不老不死というわけではなく、バックアップを取ることも不可能である。幻体のデータ破損は肉体的な破損をドライダメージ、精神的な破損をウェットダメージと呼ばれ、それらが許容を超えた場合、幻体のロスト(死亡)に繋がる。特に後者はデータサルベージによる修復も難しく、記憶喪失や人格の変化をもたらしている。
原則としてエンタングル(量子テレポート)を行わなければデータをサーバー外に持ち出す事は出来ない。また、量子コンピュータの性質上、量子テレポートを行った場合、データは転送元には残らない。セレブラント達がホロニックローダーで出撃する際も機体に幻体データをダウンロードすることで機体への搭乗を実現している。人間のデータは極めて膨大であり、転送を繰り返す際にエラーが入り込み、データの一部が欠損するリスクも存在する。また、機体搭乗時の身体は現実空間へ投影されたホログラムに過ぎないため、物理的な干渉は不可能である。
量子サーバーがデータを保存し続けるためには常にサーバーを稼働させ、データをシミュレートし続けなければならないが、膨大な数の人間や環境データを永遠にシミュレートし続けることは不可能であり、それを放置すればサーバー内のデータに破綻が生じるため、一定の期間が来るとサーバー内のデータがリセットされ、同時にセレブラント以外の幻体の記憶や体験も巻き戻される(舞浜サーバーの場合は4月5日から8月31日までの5ヶ月間)。
また、ガルズオルムも幻体データ化した人類によって構成されているが、彼らはデフテラ領域内で進化した肉体のクローンに幻体データをダウンロードしており、クローンが存在し続ける限り復活することから「復元者」とも呼ばれる。