ウェスパシアヌス

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ウェスパシアヌスは『機神咆吼デモンベイン』の登場人物。

ウェスパシアヌス
外国語表記 Vespasianus[1]
登場作品 機神咆吼デモンベイン
声優 広瀬正志
デザイン Niθ(原作)
橋本秀樹桜井正明(アニメ版)
初登場SRW スーパーロボット大戦UX
SRWでの分類 NPC
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プロフィール
種族 地球人
性別
所属 ブラックロッジ
役職 アンチクロス
資格 魔術師
契約魔導書 エイボンの書
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概要編集

ブラックロッジの幹部「アンチクロス」の一人であり、魔導書「エイボンの書」を所有する魔術師。紳士然とした初老の男だが、その本性は下劣。同じ言葉、或いはより装飾した言葉を2回繰り返す癖がある。

白いタキシードにステッキを携えた姿はまさに魔術師そのもの。「ガルバ」「オトー」「ウィテリウス」という3体の使い魔を使役しており、普段は体内に飼い慣らしており、出現する時は腹部や掌から彼らの顔が生えてくる。自身やサイクラノーシュをサポートさせる他にも、自身が死に追いやられても彼らを1体ずつ身代わりにして生存できる。

インスマウスで「深きものども」を操ってダゴンの招喚を試みるなど、陰で暗躍する。マスターテリオンをアンチクロス6人がかりで謀殺した後も、機を伺い、使い魔の1体を犠牲に死を偽装してアウグストゥスを出し抜き、神性クトゥルーの力を奪った…が、その先はどのルートでもだいたい無残に死ぬ。

C計画と並行して独自に『ムーンチャイルド計画』を進めており、Cの巫女にもなり得る最強の魔術師を自らの手で生み出そうと企んでいる。アンチクロス最強最悪の魔術師であるネロも、実は彼によって生み出された改造人間の一人。原作のライカルート終盤は他のルート2つとは異なり、終盤はムーンチャイルド計画に関わった人物達のそれぞれの決着が描かれることとなる。

アニメ版では顔見せ程度しか鬼械神の出番がなかったり、原作では出し抜いて殺害に成功していたはずのシーンでアウグストゥスに返り討ちに遭ってそのまま退場してしまうなど、最も扱いのひどいキャラクターの一人となってしまっている。……と言っても、ゲーム版でも彼にスポットが当たるのは上記の通りライカルートくらいなので、アルルート準拠のアニメ版で扱いが悪いのは仕方ない節もある。というか原作からして全ルート合わせても戦闘描写が他の幹部と比べて極端に少ない。

アニメ版のドラマCDではメタ的な意味で暴走するライカ達に巻き込まれ、大惨事となる。

名前の由来は古代ローマ帝国皇帝「ウェスパシアヌス」から。

登場作品と役柄編集

携帯機シリーズ編集

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。原作通り「THE SHADOW OVER INNSMOUTH」で顔見せするが、この時は他のエピソードの再現などもあるのでやや印象が薄くなる。
また、アニメで殆ど出番がなかったためか、アンチクロスの中では唯一戦闘する機会が一度もなく、ボイスもない(中断メッセージにアンチクロスが総出演するものがあるが、そこでも彼とネロだけ登場しない)。

人間関係編集

マスターテリオン
君主。ムーンチャイルド計画が彼とも密かに関係している。
エセルドレーダ
ライカルートの終盤では復活したエセルドレーダから事の真相を全て聞かされ発狂するも、その思惑を阻止すべく最後の最後まで彼女に抗い続ける。
ライカ・クルセイド
彼が手掛けた改造人間の一人。実験中に他の実験体を殺害し逃亡、その後「メタトロン」を名乗りブラックロッジに敵対する。
リューガ・クルセイド
彼が手掛けた改造人間の一人(スパロボ未登場)。ライカが脱走した際に重症を負うも一命を取り留め、以後「サンダルフォン」と名乗りブラックロッジの一員としてメタトロンを追い続ける。
ネロ
彼が手掛けた改造人間の一人。過去の改造人間のデータを統合した結果、アンチクロス最強とも言うべき力を持つに至っている。だが、彼女を持ってしてもウェスパシアヌスの目指すマスターテリオンには未だ及ばず、彼女を母体とした更なる改造人間の製造に着手する。
アウグストゥス
アンチクロスの同志。アニメ版、ならびにそれを基準にしたUXでは返り討ちに遭うものの、原作においてはどのルートでも見事に彼を出し抜くことに成功している。
ティベリウスカリグラクラウディウスティトゥス
アンチクロスの同志。
ルルイエ異本
彼女(?)をインスマウスから持ち出し、C計画のために利用する。

他作品との人間関係編集

ドクターミナミ
UXでは追放したウェストの後釜として彼をブラックロッジに招き入れる。

名台詞編集

「落ち着け。確かにこちらのデータを遙かに超える戦闘能力だが、所詮、神の敵ではない。」
ダゴンの軍勢を圧倒するデモンベインに憤りと焦りを露わにしたアウグストゥスに対して。
彼とは異なり、鬼械神の紛い物であるデモンベインに僅かな嘲りを込めるなど、落ち着き払っている。だが……
(ええい! 何を……何を血迷うか! そんなものが……私の心を騒がす存在が、2つも存在してなるものか!)
(在り得ぬ……在り得ぬぞっ!)
一体一体がダゴン、ヒュドラに匹敵する神の眷属どもを蹴散らし、そして鬼械神を撃破した「魔を断つ剣」にウェスパシアヌスもまた、戦慄と恐怖を覚えた。
脳裏に、かつて謀反した際にアウグストゥスの手で抹殺したはずの大導師を想起させた。
このままではデモンベインがC計画を――果てにはアンチクロスを崩壊させる危険な存在になると判断し、アウグストゥスにデモンベインを仕留めると提案するが、この時は一転して冷静さを失っている。
「詰めが甘かったなぁ、蕩けるように甘かったなぁ、アウグストゥス」
「切り札は、最後まで取っておきたまえ。どうだ、勉強になったかい?」
原作ゲーム版でアウグストゥスを出し抜いた際の台詞。だが、彼も得意の絶頂におり、彼もまた既に切り札を披露してしまったため、すぐにアウグストゥスの後を追うことになる…。

迷台詞編集

「おいどん、ウェスパシアヌスでごわす!」
アニメ版ドラマCDのVol.2に収録されている「JOAN OF ARC(?)反逆の白き天使」より。アニメで出番が抹消されたメタトロンとサンダルフォンが、出演できなかった恨みを晴らすために、因縁の相手であり、諸事情で影が薄くなってしまったウェスパシアヌスの人格を改造した結果がこのキャラ付け。さらに決め台詞として下記の台詞まで付与されてしまう。
「脳が痒いんだよぉ~!!」
同上にて発した迷言。言うまでもなく、中の人が同じであるグラドス人の方の某大尉殿のパロディである。仕上がってしまった状態の彼と対面したアウグストゥスは当然の如くドン引きしていた。そして、使い魔の身代わり能力も特に言及されぬまま、レガシー・オブ・ゴールドのフレイザー砲を浴びてこの台詞と共に爆散してしまう…。まあ、直後のアウグストゥスの扱いも大概酷いものだが。

搭乗機体編集

サイクラノーシュ
魔導書「エイボンの書」を用いて召喚する鬼械神。蜘蛛やヒトデのような姿で、頭部は機体下部に逆さまにぶらさがっている。魔術での攻撃に特化した機体であり、魔術や使い魔を駆使したトリッキーな攻撃を得意としている。『UX』ではユニットアイコンとして登場。
エイボンの書が写本であるために機能を十全には使えないようである。

余談編集

  • ドラマCDではあろうことかメタトロンに名前をアヌスと略されそうになった。英語で「アヌス」は肛門を意味する(綴りも同じ)ので却下されたが、ファン間には結構浸透してしまった感がある。
  • ローマ皇帝ウェスパシアヌスは公衆トイレを設置したことで有名な皇帝であり、ヨーロッパでは公衆トイレがウェスパシアヌス由来の名称になっている国もある。これは当時のヨーロッパの衛生向上に大きく貢献しており、正に偉業と言っていい。
    • ……まぁこの立派なエピソードのせいで、デモベファンには「トイレを作ったアヌス」などと余計に弄られるハメになったが。

脚注編集

  1. 『機神咆吼デモンベイン Pictures Stories -公式魔導書-』P15より。