マスターテリオン

マスターテリオン(Master Therion)

  • 登場作品機神咆吼デモンベイン
  • 声優:緑川光(全年齢対象作品)、氷河流(『斬魔大聖』)
  • 種族:魔人(人間と邪神の間に生まれた子)
  • 性別:男
  • 年齢:不明(見た目は10代後半~20代前半)
  • 所属:ブラックロッジ
  • キャラクターデザイン:Niθ(原案)、橋本秀樹、桜井正明

ブラックロッジの首領にして最強最悪の大導師(グランドマスター)。「七頭十角の獣」「背徳の獣」「666の獣」等の異名を持つ金髪金眼の美青年。美しく神聖な姿をしていながらもその瞳には一切の光が宿っておらず、見る者全てを恐怖と絶望に陥れる。

長らく表舞台に姿を現さず、信徒達からでさえも半ば架空の存在と云われていたが、大十字九郎デモンベインを起動させたことで九郎達の前に突如としてその姿を見せる。
以降は彼の宿敵として何度も対立すると同時に、アル・アジフの断片を回収しながら強くなっていく彼の姿を見守っていく事となる。

魔導書「ナコト写本」と契約しており、その精霊エセルドレーダを傍に控えさせている。
魔術師としては規格外の能力を持ち、初戦では生身でデモンベインを圧倒して九郎を驚愕させた。自らの駆る鬼械神リベル・レギス」も搭乗者同様に凄まじい戦闘能力を誇る。

九郎と戦うことだけが唯一の愉しみと称しており、それ以外に対しては基本的に無気力且つ無関心。
邪神を召喚する「C計画」のためにアルを必要としながらも、飽く迄九郎が強くなることを最優先とさせるその姿勢に、補佐であるアウグストゥスから次第に疑いの眼差しを向けられるようになるが…。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。ほぼ原作通りの役割を担い、終盤では参戦作品からの最後のボスとして登場する……が、手を抜いた状態とはいえ初っ端から突如として現れた忍者に機体をボコボコにされる等、想定外の事態が連発したことで今までとは違う展開に驚きつつも期待を募らせていく事となる。ちなみにこの展開は原作者である鋼屋ジン氏をして「変な悲鳴が出た」と言わしめ、「グランドマスターも同じ気持ちだったと思います」とも発言している。
第51話が最終決戦となり、そこで原作通り退場するが、カリ・ユガとの戦いにおいて世界の狭間から九朗達を鼓舞。また、フラグ次第だが何と九郎とアルに説得されて自軍に参加、直接手助けしてくれる。その場合、決戦後にUXの面々を送り返すべく、甲洋・フェイ・サコミズと共にゲートを開き、世界の狭間に戻ることになる。
また、中断メッセージにおいて次元を超えた廃人っぷりが判明してしまう。

パイロットステータスの傾向

能力値

背景が背景だけにぶっ飛んだ能力を持つ。第4話で初登場した際のレベルは12だが、この時点で格闘・射撃・命中が200越えという文字通りの怪物。幸い自動回復がなく、回避率もそこそこのレベルなのが唯一の救いかもしれない。

精神コマンド

直感てかげん直撃気迫

特殊技能(特殊スキル)

魔術師L9、魔導書L9、底力L7、援護攻撃L1、気力限界突破見切りガード全体攻撃L2、指揮官L4
わかりやすく強い敵。「魔導書」は本人ではなくエセルドレーダの能力だろう。最終戦では削れば削るほど硬くなり、ハーフ改造程度ではダメージが1000台を出られなくなる。ただ、ここで手こずっていてはラスボスには到底歯が立たない。

パイロットBGM

「機神咆吼―交錯する刃金と刃金」
劇中BGM。
「獣が嗤う」
原作におけるマスターテリオンのテーマ。UXでは採用されていない。

人間関係

大十字九郎
アル・アジフ
宿敵。曰く、「我が愛しの怨敵」。作中では終始敵対しているものの、アニメのEDやドラマCD等では彼らと和やかな一面を垣間見せることも。
エセルドレーダ
魔導書。マスターテリオンに対して異常なまでの忠誠と愛を誓っている。
ナイア
古くからの付き合いだが、ある計画のためにひたすら利用され、弄ばれ続けている。
アウグストゥス
アンチクロスの一員であると同時、補佐として活動している。…が、マスターテリオンに対して次第に疑問と不満を募らせていく。
ドクター・ウェスト
部下の一人。流石のウェストでも彼の前では自粛する……かと思いきや、ドラマCDやイベント等において九郎らと同様非常に仲が良い一面を見せている。
また、彼だけはマスターテリオンが唯一直接スカウトに出向いており、その技術を高く評価している。
覇道鋼造
SRW未登場。過去に彼を自らの手で殺めていると同時に、その意外な正体を唯一知っている。

他作品との人間関係

ヒーローマン
『UX』におけるヒーローマンの誕生はいかなる邪神さえも予測できなかった最大級のイレギュラーという特殊な位置づけであり、マスターテリオンが九朗と初邂逅した時は流石の彼もこの白き英雄に警戒し、原作のように生身で戦わずにいきなりリベル・レギスで襲い掛かってくる
これにより「序盤のシナリオなのにラスボス級のユニットと戦わされる」という絶望的なシチュエーションが生まれ、原作を知っているユーザーの度肝を抜く事となった。
飛影
いきなり現れたイレギュラーその2。その絶望的なシチュエーションさえ覆す大ドンデン返し。これに対してテリオンは「虚空よりの使者」と呼んでいた。UXにおいてこのフレーズは「『前』より以前からやって来る力ある存在」のことを意味する。
なお、飛影と上記のヒーローマンは「主人公ロボの正体が謎に包まれたまま話が進行し、謎が明かされないままシリーズが打ち切られたので、本当に正体不明な存在になってしまった」という共通点がある(打ち切りこそが邪神さえ予知できぬ存在と言えるのかも・・・)
日野道生‎
同じ異名を持つ人間。

名台詞

「はじめまして……になるかな? 大十字九郎。もっとも余は貴公の事を、恐らくは貴公以上に良く知っているが」
「不公平なので名乗っておこう。余はマスターテリオン。魔術の心理を求道する者なり」
初対面の際の台詞。突如として現れたブラックロッジの首領を前に、九郎は驚愕しながらも対峙する。
「やれやれ、今の貴公では話にならないな。――ふむ、良かろう。アル・アジフ……例の新しい鬼械神を喚び給え」
「覇道財閥が余に対抗するために造った、あのロボットのことだ。あれを使えば、少しは勝負にもなろう」
「――余は生身で充分だ」
初戦において、マギウス・スタイルで全く歯が立たない九郎に対して。アルの後押しもあり、躊躇しながらもデモンベインを召喚する九郎だったが…直後、その言葉通りデモンベインを生身のアッパーで遥か上空へ殴り飛ばした
これと似たようなことをやらかしたガンダムファイター破界の王とタメを張れるシーンといえなくもない。
「無粋に対して無粋で返すのは無粋の極みぞ。せめてこちらは小粋に決めたいではないか」
夢幻心母に向けて発射された核ミサイルを迎撃しようとしたエセルドレーダに対して。この直後、リベル・レギスから核ミサイルへ生身で飛び移り、着弾する寸前に核ミサイルを分解消滅させるというとんでもない行動に出る。
「憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い…憎いぞ!大十字九郎、アル・アジフ!ハハハハハ!余はこんなにも…こんなにも貴様等が憎いぞ!」
デモンベインとの最終決戦にて。自身と互角以上に戦う九郎を前に、内に秘めた憎悪を爆発させる。

迷台詞

「おはよう、お兄ちゃん」
原作のバッドエンドにて。九郎に対する台詞だが、色々とおかしい。
「パン買ってこい」
「マジ使えねぇな貴公」
「カブトムシうめぇ」
「クワガタうめぇ」
「余はデモンベイン」
イベントドラマにおけるウェストとのやり取り。完全にキャラが崩壊しており、流石のウェストも「もうダーメだこの人!」とツッコミに回らざるを得なかった。
尚、この時に彼が頼んだのは蒸しパンだったが、ウェストが買ってきたのは虫の沸いているパンだった…ティベリウスあたりに作ってもらったのだろうか。そして、ラストの台詞は、被害者・加害者ともに自分、そしてその事件を解決する探偵も自分、そしてデモンベインを密室で殺害するというわけの分からん状況を作り出そうとした結果。
「デモンベインよ……戦う前に一つ言っておくことがある。貴公は余を倒すのにシャイニング・トラペゾヘドロンが必要だと思っているようだが……別になくても倒せる」
「そして黒幕のナイアは邪魔だったので余が殺した。後は余を倒すだけだな、ははは……」
『ニトロ×ロワイヤル』のアルEDにて。このEDはアニメ版の話を『ギャグマンガ日和』で屈指の人気を誇るエピソード「ソードマスターヤマト・完結編」のパロディとして解説したものである。
しかし、自身の快楽のために彼と世界を弄び、裏で暗躍した全ての黒幕であるナイアが邪魔だからという理由で彼に呆気なく倒されたことを考えると、これではラスボスとしての立場と威厳が無くなるような……。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

「ほう…今回は面白いモノを連れているではないか」
「ならばこちらも、いつもとは趣向を変えねばなるまい…エセルドレーダ!」
第4話にて、ジョーイが呼び出したヒーローマンを見て。「前」まではいなかったイレギュラーを目にした彼は、デモンベインを攻撃せずにエセルドレーダを呼び……。
「本来なら、もう少し先で見せるはずだったものだが…」
「まあ良い、今回は特別だ。やれ、エセルドレーダ」
呼び出したリベル・レギスに搭乗して。原作だとリベル・レギスの登場は結構遅い。何げに原作をプレイしていればニヤリとくる一言。
マスターテリオン「フフフ…飽きぬな。幾万、幾億と繰り返しても飽きぬ」
「これもまた無限の呪縛。終わりを求めても終わらぬ呪縛」
エセルドレーダ「マスター…」
マスターテリオン「余のリベル・レギスのみならず、あらゆる可能性を集める…そのような事も可能かもしれんな。今の貴公になら」
中断メッセージにおいて。繰り返しているのは無論スパロボのことである。C計画を放置した上に尋常でないほどのやり込みっぷりにアウグストゥスは憤り、彼に忠誠を誓っているエセルドレーダすら引き気味だった…。
ちなみに第2次Zの中断メッセージにおいてこれと似たようなネタをやった人物もいるが、やはり中の人が乗り移ってるようにしか見えない。
なお、最後の部分(4行目)は2週目以降に追加されるが、ゲームを進めればその意味はおのずと分かってくるだろう。
「フ、長き輪廻の果てに、ようやくたどり着いた終焉だ……」
「最後にそのような生き方をしてみるのも、また一興と言えよう」
51話で生存フラグが成立した場合。ユガの狭間へ消える所に新たな道を示され、大導師は初めて己が魔導書に問う。その意を受けた男は、最後に少しだけ道を外れる。ブラックロッジの盟主でも、邪神の子たる絶望の魔人でもない、ただの魔術師・マスターテリオンとして。
「絶望すらも消え果てた先に、このような展開が待っていようとはな」
「共に踊ろうぞ、エセルドレーダ。比翼の鳥の如く、いつまでも、どこまでも……」
最終話での戦闘前台詞。終わらぬ絶望から解放された先に待っていたのは、新たな世界の始まりを懸けた決戦の場と、今や肩を並べるかつての敵達、そして「愛しの怨敵」であった魔を断つ剣。積み重ねられた可能性がほんの少しだけ運命を変え、彼をこの場に呼んだ。数奇な巡り合わせの果て、深紅の鬼械神がユガの狭間を往く。

余談

  • 名前の由来は実在の魔術師「アレイスター・クロウリー」の異名から。更に補足するとリベル・レギスは彼の著書である「法の書」、エセルドレーダは彼の愛犬「レディ・エセルドレーダ」から取られている。また、異名の通り、旧約聖書に記された黙示録の獣の名前であり、その七つの首は堕落したローマ帝国の7人の皇帝(=アンチクロスの面々)を示している。また、マスターテリオンは「大淫婦」ベイバロンに組み敷かれる存在であるが、ナイアの手の平で踊らされている彼を暗示している可能性もある。
  • 演じた緑川光氏はこれまでに演じたキャラクターの中でも指折りに入れるほどマスターテリオンを気に入っているらしく「アサキム・ドーウィンは彼がモデルになっている」ともされる。氏本人ではなく「生き別れの兄弟」が演じた18禁版「斬魔大聖」の話を、一般誌のインタビューで熱烈に語ってしまったエピソードも存在する。
    • そして緑川光と言えばスパロボ廃人で知られており、マスターテリオンのスパロボ参戦を長年の間切望して来た事もファンの間で有名。デモンベインのUX参戦を聞いてまず最初に彼の事を思い浮かべたファンは多い。
  • ファンからは「照夫」または「増田照夫」と呼ばれることも多い。