カルヴィナ・クーランジュ

2013年3月7日 (木) 07:14時点における58.93.127.217 (トーク)による版 (→‎人間関係)

カルヴィナ・クーランジュ(Calvina Coulange)

スーパーロボット大戦J』の女主人公。かつて軍ではホワイト・リンクス異名を持つ凄腕パイロットとして知られていた。木星蜥蜴との戦闘で負傷し軍を退役した後は、アシュアリー・クロイツェル社の月面支社で新型機のテストパイロットを指導していたが、その支社が襲撃を受け完全に破壊される事件が発生、彼女のみがかろうじて生還する。しかし、自身もパイロットとしてリハビリが必要になるほどの重傷を負ったうえ、恋人を失ったことで絶望に打ちひしがれるなど、心身共に大きな傷を負う。その後、プロスペクターのスカウトでナデシコの戦闘アドバイザー(ちなみに、本来はゴート・ホーリーのポジションであり、そのため彼はJでは登場していない)として雇われるところから物語が始まる。ちなみにこの時にも、プロスペクターはカルヴィナの古傷に触れる発言をして危うく殴られそうになっており、後の情緒不安定をすでに暗示していた。

当初はパイロットとして戦えない身になった事もあってナデシコで指揮を執るだけだったが、3人娘が持ってきた機体に何故か乗ることが出来た(当時のカルヴィナは知らないことであったが、生粋の地球人である彼女は本来フューリーの機体に乗ることは出来ないものの、クロイツェル社にいた頃にサイトロンを浴び続けたためにフューリーの機体への適性が生じていた)ため、渋々戦場に舞い戻る事に。

全てを失った虚脱感の中でも、ナデシコクルーをはじめとした新たな人間たちと交流するうちに少しずつ居心地の良さを感じ始め、過去とけじめをつけようとした矢先、クロイツェル社で死んだはずの恋人アル=ヴァンと再会する。そして彼こそがフューリーとしてクロイツェル社を襲撃した張本人であり、カルヴィナを騙していたという事実を知って激昂。以後は豹変したかのようにアル=ヴァンへの復讐を目的として行動するようになる。だが、実際にはどれだけ憎んでも彼への愛を捨てきれず、オーブでの決闘後に彼が死んだと思われた時はショックのあまり部屋に閉じこもってしまった。

復讐にけりをつけた後も、地球圏を覆う戦乱を戦い抜いた。そしてフューリーとの最終決戦では生きていたアル=ヴァンと再会。彼は自分の行いを深く後悔しており、カルヴィナもシャナ=ミアとの交信でアル=ヴァンの過去を目の当たりにして彼の苦悶を理解したこともあって、両者は復縁する。

普段はクールで感情を表に出さない冷静な性格であるが、少々とげとげしさを感じさせる面もある。アル=ヴァンの正体を知った後は、彼の名前を聞くだけでも言葉が荒くなり、彼と顔を合わせるだけで我を忘れるほど激情を露わにすることもあった。ある程度落ち着いてからも、後述の通り「愛しているから殺す」という発言が飛び出すほどで、ここまで愛憎をむき出しにしたオリジナルキャラはスパロボ史上でも彼女だけであろう。その姿と復縁後の様子からヤンデレと評す声もある。

敵勢力の幹部アル=ヴァンの元恋人という重要な設定はあるのだが、もう一人の主人公である紫雲統夜がフューリーとのハーフという設定を有しているために、やや影が薄いきらいがある。また、「復讐者の女主人公」という点ではJの直前に発売された第3次αセレーナ・レシタールと被ってしまっている。

登場作品と役柄

スーパーロボット大戦J
女主人公として登場。性格が冷静なのでグランティードには完璧に不向き。相性を考えるならベルゼルートなのだが、本作ではリアル系が弱くスーパー系が強いのが悩みどころ。なお、指揮官技能を持つことになった、珍しい主人公でもある。

パイロットステータスの傾向

能力

リアル系とスーパー系で能力が変化する。統夜と比較すると防御では劣るが技量で勝る。性格が冷静なため、被弾すると気力が低下するのでリアル系で使用した方が良い。

精神コマンド

乗機がベルゼルートクストウェルの場合
集中 狙撃 ひらめき 熱血 愛 覚醒
乗機がグランティードヴォルレントの場合
不屈 鉄壁 必中 熱血 気合 愛

特殊技能(特殊スキル)

乗機がベルゼルート、クストウェルの場合
ヒット&アウェイ、底力、援護攻撃、援護防御、指揮、コンボ
乗機がグランティード、ヴォルレントの場合
カウンター、底力、援護攻撃、援護防御、指揮、コンボ

主な搭乗機

プレイ開始時にどれか一つを選択。

人間関係

アル=ヴァン・ランクス
元彼で、その正体はフューリーの騎士。再会した時には事実を知って我を忘れてしまい、戦闘が終わった後でもパートナーに掴みかかって激しく詰問、見かねたメリッサ・マオに殴り倒されるほど情緒不安定な状態に。しかし最後はカルヴィナの心境も上記の通り変化し、彼もまた最終局面で暴走したグ=ランドン・ゴーツを止めるために味方になったこともあって、EDでは復縁。過去付き合っていた頃の設定画も存在している。
カティア・グリニャール
パートナーその1。カルヴィナを呼ぶ時の「ミストレス」とは「マスター」の女性形。
フェステニア・ミューズ
パートナーその2。
メルア・メルナ・メイア
パートナーその3。サブパイロット3人は当初“クーランジュ”と呼ぶのだが、第34話を境になぜか“カルヴィナ”と呼ぶようになる。Jにはシナリオライターが2名いるため、ここを境に交代したのではないかと一部プレイヤーに推測されている。
ジュア=ム・ダルービ
フューリーの準騎士。クロイツェル社時代にはカルヴィナの元教え子だった。が、内心では地球人の彼女を見下しており、序盤で再会したときにはジュア=ムが生きていたことに驚きを隠せなかった彼女に対して、「カルヴィナ教官」と呼びつつも侮蔑したような態度をとっていた。
フランツ・ツェッペリン
クロイツェル社の開発者。物語開始時にはすでに死亡しており、生前の彼にプログラムされた疑似人格としてのみ登場する。エ=セルダ・シューンやアル=ヴァンとは友人関係にあり、彼らがフューリーであることに気づいていたどころか、フューリーに囚われ被験者にされていた三人娘によるとフューリーの施設で見たことがあるという。共に主人公機制作に関わったエ=セルダの手引きである可能性が最も高いが、ゲーム内ではとくに説明はない。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ムウ・ラ・フラガ
ともに経験豊富なパイロットで会話も多い。出会った当初は呼び名に関して、アル=ヴァン以外からは名前を呼ばれたくないと拒否反応を示していた。
マリュー・ラミアス
アル=ヴァンとの再会後に情緒不安定になった彼女を案じ、戦いを続けられるかどうか見極める。なお、彼女はカルヴィナに対する呼び方の変遷が激しく、20話では名字、50話では名前、52話ではさん付けで呼んでいるが、これは制作側のミスと思われる。
カガリ・ユラ・アスハ
後述のイベントでパートナー達に掴みかかっていた場面で彼女に非難されてしまう。

リアル系

スバル・リョーコ
ナデシコ乗艦時はリョーコがエステバリス隊を、それ以外をカルヴィナが統率していた。勝気な女性パイロット同士、腕を信用している。
相良宗介
クーランジュ殿と堅苦しい呼び方をするため、少々彼女を辟易させる。カルヴィナが神経を尖らせていたときには、彼なりに励ましの言葉をかけていた。
メリッサ・マオ
勝るとも劣らぬ戦歴をもつベテランパイロットであり、対等に話せる相手。アル=ヴァンと再会したイベントの直後、尋問同然でパートナーに掴みかかっていたカルヴィナを殴り倒し叱責することもあった。その後も思いつめないように度々忠告を行う。
ネリー・キム
伊佐未勇ともども、憎しみで戦ってはいけないと諭される。彼女の小屋で数日過ごしたことで、多少は落ち着きを取り戻した。

スーパー系

司馬亮
後述のパートナー達に掴みかかっていた場面で彼にも非難されてしまう。

パイロットBGM

「Revenger」
前半主人公機BGM。タイトルが「復讐者」という直球ど真ん中。
「Guardian Angel」
後半主人公機BGM。今度は「守護天使」。ちょうどアル=ヴァンとの決着を終えた後なのでタイミング的にはばっちりである。前半曲「Revenger」のアレンジでありながら、爽やかな曲調がいろいろと吹っ切れたカルヴィナの心情を的確に表現している。

名台詞

カルヴィナ「知っていることを全部話せ! ことの次第によっちゃ、あんたたちでもただじゃ済まさないよ!」
カティア「…ごめんなさい。でも私たちも知らないのよ」
フェステニア「何度も言ってるじゃない! ねぇカルヴィナ! 本当だよ!」
カルヴィナ「黙れ! 最初に見た時に気にはなってた。使えさえすればどうでもいいと思ってたけど、あの事件が関係あるとわかった以上、もう知らないじゃ通らない! なぜあたしの所に来た!? あいつらのこと、(主人公機名)のこと、あんたたちのこと、無理やりにでも全部しゃべってもらう!」
メルア「やめて!」
Jの第20話でアル=ヴァンと再会した後、前述にある通り尋問同然でパートナーに掴みかかってしまい、直後にその様子を見かねたマオに殴り倒されてしまう。
「…みんな死んだんだ。子供が生まれるってはしゃいでたジャッキー。木星トカゲを倒す兵器をつくることで恋人の敵が討てると信じてたアリス。ようやく休暇がとれたから家族に会いにいくと言っていたマツザキ。外宇宙への探査船団に参加するのが夢だったヴォルグ。婚約したばかりだった技術部のキャシーと医療班のレン。あたしの大切な仲間や友人たちは誰も…誰も助からなかったんだ! なのに、あたしだけが生き残って…それが全部あいつがやったことだったなんて!」
アル=ヴァンに裏切られた事を知り、殺されたクロイツェル社の同僚の事を思い出しながら、怒りを露にする。シリアスなシーンではあるが、よく見ると同僚達皆が盛大に死亡フラグを立てている。
ちなみに、同僚が殺されたことに対するアル=ヴァンへのこの怒りは後のシナリオの中では未消化ぎみになっているため、カルヴィナは最終的に殺された同僚の無念を晴らすよりも彼への愛を優先したと見ることも可能ではある。
「そんなこと言わないで。だって今、こうしてあなたに会えて、私がどんなに嬉しいかわかる? アル=ヴァン…あなたを殺すのは、この私! この時のために、私は生き残ったの!」
「自分でも、こんな気持ちなのは不思議だったわ。だけどようやくわかった。今でもあなたは、私の全て! だから私の全てを賭けてあなたを殺す! さあ、戦いましょう、アル=ヴァン!」
オーブでのアル=ヴァンとの決着に際して。愛と憎しみ、そのどちらかを捨てることができなかったが故のこのセリフ。傍から見ればある意味ヤンデレ。
「いい男だった、か。裏切られても…」
39話冒頭でカルヴィナが、フランツ・ツェッペリンが残した彼の疑似人格に「(アル=ヴァンを)どう思った?」と尋ね、返ってきた答えが「いい男だった」というものであった。
「ちょっと、アル=ヴァンのことを言ってるの? 心を交わした? この欠陥プログラム! 迂闊なことを言うと、ぶっこわすわよ!」
終盤。フランツの疑似人格に、カルヴィナが地球人で唯一フューリーと真に心を交わしたと言われて。もう物語の終盤であるが、この話題に関してはまだまだ心がささくれ立っているのがわかる。この後ユリカになだめられていた。
「一年前の私なら、あなたを殺そうとしたかもね。でも今は、もうちょっとマシな事に弾丸を使うことを知ってる。行きましょう、私達に出来ることがあるんだから。それをしないのが罪だって、思わない?」
終盤で初対面したシャナ=ミアに対して。確かに復讐心に身を委ねていたころのカルヴィナだったら本当に殺そうとしていたかもしれない。
「…私の判断ミスね。理由は、部隊と自分の信頼関係を、過小評価したこと」
カティア「カルヴィナさん…」
「あやまるわ。ごめんなさい」
甲児「うおおっ! あ、あのカルヴィナさんに…」
豹馬「あ、頭下げてもらっちまうなんて…いいのか、おい?」
最後の戦いで、自分一人で黙って出撃しようとして仲間から止められ、謝るカルヴィナ。二人の驚きようから、彼女が周囲から普段どう見られていたかがわかる。
「あんたは昔の私よ。戦う理由は、怒り、憎しみ、そして絶望…だけど私は、あの人の本当の想いを受け取ったわ。今は、フューリーも人類も滅ぼしたくない。そのためなら喜んで盾になる、(主人公機名)はそのためにある!」
最終話でラスボスのグ=ランドンと対峙した時の台詞。全てを失ったあの時から様々な経験を経て、復讐の果てにたどり着いたカルヴィナの結論。
「復讐は終わったの。今、目の前にいるのは…私の、世界一大切な人。世界で一番、守りたい人…」「…今でも愛してるわ、アル=ヴァン」
エンディングで起動するガウ・ラ=フューリアをアル=ヴァンと止めに行く際の台詞。以前は彼の名前を聞いただけでイライラしていたのが嘘のようなデレデレぶりである。

余談

アンソロ漫画において、彼女の機体の武器名を変更し、セクハラ発言を言わせる、というネタがあった。(例『巨乳でドカーン』『彼氏募集中』)

話題まとめ

資料リンク