春秋戦争
経過
シュテドニアスの奇襲とラングランの反撃
戦争の前半は、相手の政治中枢を破壊する形で緒戦を制したシュテドニアス軍が有利に事を運び、ラングラン側はナザン・エオルド双大陸に保有した国土の8割を失陥。窮地に追い込まれる。
しかし、ラングランの将軍カークス・ザン・ヴァルハレヴィアが、シュテドニアスの占領下にあったナザン大陸中部のカラタミーフィ州から挙兵したことで形勢は一変する。彼の組織したパルチザン(抵抗軍)に後方を脅かされたシュテドニアス軍は、補給線に問題を抱え、ラングランの各州で頻発するゲリラの鎮圧に苦慮することになる。
一方、敵地での蜂起という難業を見事に成功させたカークス将軍は、その後ヌエット海を横断(ヌエット海横断作戦)し、鮮やかな用兵で自軍の最前線の移行を完了。シュテドニアス国土に隣接したカラタミーフィ州からエオルド大陸の東部まで撤退し、シュテドニアス軍との間でトロイア州の支配権を賭けた鍔迫り合いを演じた。これは、ラングランの正規軍の範疇を逸脱した越権行為であったかもしれない。
フェイルロード・グラン・ビルセイアの挙兵と地上人召喚プログラム
戦争の中期、神聖ラングラン王国では、サイツェット州レッグ島で第1王子フェイルロードが義勇軍を組織し、シュテドニアス軍に対して国土回復運動を始める。だが、この頃には新たな独立勢力としてラングランの東部方面に盤踞していたカークス将軍が事態を傍観。遊軍として幕下に参加していた魔装機神操者ホワン・ヤンロンに対してもこの情報を秘匿するなど、王子の蜂起を完全に黙殺した。
さらに、エオルド大陸西部の強国、バゴニア連邦共和国が完全な物見遊山を決め込んだことで、戦線は次第に膠着化の様相を見せ始める。焦りを感じたフェイルロードは、起死回生を賭けて新たな『地上人召喚計画』による軍備増強の計画を実行に移す。しかし、それは次なる混迷の引き金となるのだった。
地上人召喚事件とその余波
戦争の終盤、ラングランとシュテドニアスの両軍は、ラ・ギアスの全土に大量の異世界の兵器とそれを操る戦士達が迷い込んでくるという謎の事態に遭遇する。原因は、フェイルロード王子が編み上げた地上人召喚魔法の暴走である。その中には、地球圏の数多の戦乱を収めてきた『鋼龍戦隊』の面々の姿もあったという。ラ・ギアスにかつてない戦力が集中する事態を重く見たカークス将軍は、王子と共同で異世界の住人を故郷へ送還させるプログラムの開発を進める。
各勢力は、それぞれの思惑によって彼らを登用、時には登用した彼らと争い合うなどして、その力を利用した。やがて、ラ・ギアスへの帰還を果たしたマサキ・アンドーと召喚された地球人リューネ・ゾルダーク、ルオゾールの蘇生術で甦ったシュウ・シラカワの三者の下に多くの異世界の戦士が集ったことで、各地の戦況は収束に向かい始める。異なる立場に身を置きながらも、それぞれの事情によって戦いに臨んだ若者たちは力を合わせて、シュテドニアス軍、フェイルロード軍、カークス軍、サーヴァ・ヴォルクルスの分身を撃破。地底世界の動乱を鎮めることに成功する。
戦争終結後、多くの異世界の住人が故郷への帰還を選択する中で、一部の地球の人間はラ・ギアスへの残留を選択した。これは生粋のラ・ギアス人のプラーナに大きな影響を与え、新たな火種を生むことになった。
暫定平和条約
『春秋戦争』に完全敗北したシュテドニアスは、ラングランの臨時政府との和平交渉でナザン大陸6州(ディムール・コォード・キナ・カラタミーフィ・ドレント・ガルデシア)を獲得。国力を増すことに成功した。ラングランへの対抗意識は依然衰えず、数ヶ月後に『三國戦争』として再燃する。
作品中での描写
スーパーロボット大戦EX
旧シリーズでは、動乱の期間は最大でも7ヶ月間(約半年間)。マサキ、リューネ、シュウら三人の主人公の視点から見た『地上人召喚事件』の顛末が描かれる。EXでの経過時間は、プロローグからエンディングまでを含めても約1ヶ月間と推測される。
OGシリーズ
戦争の期間が約1年に延長されると同時に『春秋戦争』と命名された。『鋼龍戦隊』に与えた政治的影響はまだ不明。OG本編での描写が待たれる。
関連項目
余談
- ラ・ギアスで『春秋戦争』が勃発してから終戦を迎えるまでの約1年の間に、地球圏では1年8ヶ月以上9ヶ月未満(『DC戦争』『L5戦役』『インスペクター事件』『ユニファイド・ウィズダム』も含めて)の月日が流れている。