フリッツ・フォン・ブラウン

フリッツ・フォン・ブラウン(Fritz von Braun)

タイタン調査船アルゴス号のクルー。ラダム樹にアルゴス号ごと取り込まれ、テッカマンダガーになる。相羽タカヤの親類と言うわけではないが、面識はあったようだ。

作中ではじめて登場したラダム製のテッカマンである。緒戦でDボゥイの左目に傷を負わせるが、再戦した時には自身が右目に傷を受ける。この屈辱を雪ぐべくあえてこの傷を治さずに干渉スペクトル砲による罠を貼り、Dボゥイのテッククリスタルを破壊することに成功する。しかし、ペガスにより再びテックセットに成功したテッカマンブレードのボルテッカにより死亡。ラダム製テッカマン初の戦死者にもなった。

回想シーンでこれといった出番が無いため、本来の性格は分かりにくいが、後方支援に適したテッカマンダガーの特徴、ラダム獣を伏兵として使う、偽の救助信号を使って誘き出す、干渉スペクトル砲の罠など、その行動から慎重で計画的な性格であることが伺える。一方でテックセットできないブレードを「恨みを晴らす」などと言って不必要にいたぶる、地球人に通信を行い、テックセットできないDボゥイに一人で来いと脅迫するなど三下のかませ臭も漂っている。

コミックコンプ版では一人称が「わし」となっているなど口調に相違があり、口ひげを生やしている、Dボゥイと稽古をしていたなど、ゴダードとキャラクターが若干統合されたような人物となっている。また、1話目で彼一人の手で地球連合軍が全滅されているなど扱いはアニメ版よりも大きい。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
ゲームでも一番初めに姿を現すラダム製テッカマン。ほぼ原作通りにイベントが再現されており序盤で死ぬ。
スーパーロボット大戦W
同じく原作通り。最初から目に傷を負った状態で登場する。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

テッカマンには珍しく射撃の方が高い。最強武器が射撃なので噛み合っているが、如何せん火力がついてこない。

特殊技能(特殊スキル)

J
斬り払い底力L6、援護攻撃L2、指揮L1、コンボL1
W
斬り払い底力L6、援護攻撃L2、指揮L1、マルチコンボL1
攻略本には「指揮」が載っていない。

人間関係

Dボゥイ(相羽タカヤ)
裏切り者。傷を受け、屈辱を味わわされた事により、執拗に付け狙い、なぶり殺しにする事にこだわる。
相羽ケンゴ
元アルゴス号の同僚にして今は指示を仰ぐべき総司令官。ブレードに敗れた際は役立たずと叱責され、いざ死んでも「やはり無理だったか」とさらっと流されており随分と酷い扱いを受けている。
ダガーペガス
コミックコンプ版のみに登場。彼のあまりに人間臭い忠義な態度に心を刺激されるため嫌っており、自身の右目を彼に託している。

他作品との人間関係

美剣陽子
W』では彼女の部下達を虐殺した為、彼女から憎悪されている。
ピッツァ
『W』では彼とGGG本部にて対決する事に。
カズマ・アーディガン
『W』でDボゥイと一緒に罠に嵌りに来た男。ちょっとした因縁ができ、オービタルリング内にGGG本部と、何度か彼と対峙する事になる。彼からは「粘着ダガー」呼ばわりされて嫌われており、フリッツも彼を「忌々しい小僧」呼ばわりして嫌っていた。

名台詞

「はっ…これは、自ら残しました」
「先立ってのブレードとの戦い…その折に受けた屈辱を忘れぬためにも…」
第6話冒頭、オメガの前でなぜ顔の傷まで治療しなかったのか、と問われた時に。
「お待ち下さい!今更他の者には渡せません!あやつめは私の手で必ず…!!」
顔の傷を残した理由を聞いた後、他のテッカマンにブレード抹殺を考えている、と言われた際に。意地でも復讐に固執するプライドの高さが伺える。
「…助けてくれ!周りは気味の悪い化物で一杯だ!俺はもうここに一ヶ月以上閉じ込められている。場所は138エリア、第36農業プラント。頼む、誰でもいい!助けてくれ…」
オービタルリング内で救難信号と共に発した通信。ブレードをおびき寄せるための名演技。
「フッ、懐かしい名だ…が、その名はもはや過去のもの。そうだろ?ブレード」
「フッ、死なんよ。そう簡単にはな…死ぬのは貴様の方だ。裏切り者ブレード!!」
138エリアでDボゥイと素顔で再会した際、自身の本名であるフリッツの名を呼ばれて。この通信はブルーアース号内にいるアキノアルにも聞かれていた。
「ブレードよ!あえて直さなかったこの傷の恨み、今日こそ晴らさせて貰うぞ!」
第6話、フリッツは自らクリスタルを掲げ、テッカマンダガーにテックセットする。この台詞の後、左腕を振り上げると、天井付近に設置された水晶状の物体が光を放ち始める…。
「残念だったな、ブレード。ここは今、テックシステムを無力化する干渉スペクトルで満たされている。貴様がテックセットしようとしても、発生したエネルギーは拡散し、己を傷つけるばかりよ!」
「フハハハハ…貴様に残された道は、死あるのみ!が…楽に死ねるとは思うなよ、裏切り者よ!!」
Dボゥイも意を決し自らのクリスタルを掲げるが、放たれた光は突起状になってDボゥイに突き刺さる。計画通りだ、とダガーはテックランサーをコスモボウガンに構える。狩りの標的は裏切り者・ブレード…。
「フハハハハ…逃げろ逃げろ、どこまでも逃げるがいい!!」
「さあて…どこへ行った…!?」
第6話、テックセット不能に陥れたDボゥイを獲物に、わざとフェルミオンの矢を外しながら。一発でしとめるだけならたやすいが、それでは彼の屈辱が収まらなかったようだ。
「貴様を逃したおかげで、俺は役立たず呼ばわりよ!この恨み…じっくりと晴らしてやるぞ!!」
第6話、身を隠してアキとノアルに宇宙空間に飛び出せるように通信する様を見られ、左足を掴まれて宙吊りにしながら。この台詞の後、ダガーは勢いよくDボゥイを投げ飛ばす。この衝撃の際、通信機が砕け散ってしまった。顔の傷だけでなく、「役立たず」呼ばわりされたことへの恨みも彼の敗因の一つだったのかもしれない。
「フハハハハ…ブレードよ、外ならばテックセットできると思っているだろう?だがその時こそ、貴様の最後よ!」
オービタルリング内の通路に設置された干渉スペクトル発生用の結晶、ラダム獣を避けながらエアロックを目指し進むDボゥイを見つめながらダガーは笑う。ORS外部には、干渉スペクトル装置が設置されていたのだった…。
「フハハハハハ…裏切り者ブレードよ、宇宙の塵になるがよい!!」
ダガーの思惑通り、Dボゥイは宇宙に飛び出しテックセットを試みる。が、干渉スペクトル装置によりシステムボックス内で二度も光の針が彼の体を傷つける。装置の上でその様を見届けるダガーは、今度こそテッカマンブレードが最期を迎えるという勝利への愉悦に酔いしれていた。
「まさか仲間のおかげでテックセットをするとはな…とんだ計算違いだったわ!」
ブルーアース号の決死の突撃により干渉スペクトル装置は破壊され、クリスタルの輝きによりDボゥイはブレードへとテックセットする。思わぬ伏兵がいたものだ、と言いながらも彼は急速に大気圏へと落下する青き船に目をやる。
「逃げる気か、ブレードよ!?」
「ブレードよ、このままで済むと思うな…貴様、気付いてはいないだろう?最早貴様には、嬲り殺される道しか残されてはいないのだ…!」
ボルテッカを放ちラダム獣の群れを退け、ブルーアース号を救いに向かうブレードを見ながら。もし、ここで生き残れたとしても彼にはやがて死よりも恐ろしい屈辱が待ち構えているだろう、とほくそ笑むのだった。
「チ・キュウ・ジン・ニ・ツグ…」
「地球人に告ぐ。テッカマンブレードを、地球標準時1200に我らラダムに引き渡せ。引渡し場所は、オービタルリング・823エリア。時刻までにテッカマンブレードが来ない場合は…」
「テッカマンブレードが来ない場合は、これらの地点にレーザー砲で更なる無差別砲撃を掛ける。人類が賢明なる判断を下す事を期待している…」
第7話、レーザーで地球上の都市を攻撃した後の通信。三段目の台詞で地図エリアにわずかに残っている居住地域にランプが光る。ラダムとテッカマンの名を知っているスペースナイツを除いて、彼の通信が全人類に彼らの存在を知らされることになる。無論、ダガーはDボゥイがテックセット不能に陥った事を知った上でのものである。
「この傷の痛み、忘れはしない…テッカマンブレード!お前は俺が必ず、この手で!」
地球に向けた通信の後、どんな手を使ってでも息の根を止め受けた屈辱を晴らさんと、ダガーはひとりオービタルリングでDボゥイを待つ。
「逃げもせずよく来たな。貴様の顔を見るのもこれが最後だ…ゆっくりと地獄へ送ってやる!」
旧式ロケットを破壊した後、宇宙服姿のDボゥイに向かいダガーはテックランサーを構える。
「テッカマンブレード!?そ、そんな馬鹿な!貴様は二度とテッカマンには…!?」
レビンの決死の努力とミリィのふとしたアクシデントにより作業用ロボットペガスは機動兵に生まれ変わり、Dボゥイは再びテッカマンブレードにテックセットする。予期せぬ出来事にダガーは愕然とした。
「ぐわああああああああああああアアアアアアアアッ!!」
ペガスという愛馬と共に戦うブレードに圧倒されたダガーはテックランサーをコスモボウガンに変形し、フェルミオンの矢で迎え撃つがやがて撃ちつくしてしまう。至近距離のボルテッカを受けながら、彼は屈辱と憎悪に満ちた断末魔と共に消滅していった…。

スパロボシリーズでの名台詞

「随分と喜んでくれているようで、嬉しいよ…」
W』の序盤、部下達を虐殺された事への怒りを口にする陽子達の前に姿を現した際の皮肉交じりの台詞。
「おのれ!忌々しい小僧め!」
『W』の序盤にて。度々Dボゥイと共に自分の邪魔をするカズマには常に腹を立てていた。