家城茜
2016年11月22日 (火) 21:14時点における27.142.190.21 (トーク)による版
概要
『ゴジラ×メカゴジラ』の主人公。天涯孤独の身で、ストイックな性格のクールビューティ。
24歳だった西暦1999年、千葉県館山市に現れたゴジラ[2]との戦闘に、90式メーサー殺獣光線車の操縦者として参加。しかし、戦闘中に同僚の戦闘車両と衝突して崖下に転落させてしまい[3]、戦闘車両はゴジラに踏みつぶされて搭乗員は死亡してしまう。
茜はその責任を問われる形で資料課への転属を命じられ、仲間を死なせてしまった自責の念に囚われたまま過ごすことになる。それから3年半が経過した2003年に対ゴジラ兵器3式機龍が完成。茜は機龍隊隊長・富樫の推薦によって第一機龍隊に配属され、機龍の正オペレーターとして再び出現したゴジラと戦うことになる。
『ゴジラ×メカゴジラ』の1年後の世界を描いた直接の続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では、二尉に昇格。他の機龍隊メンバーらとアメリカへ研修のため派遣されることとなり、(改修を受けた)3式機龍の正オペレーターは後任となる秋葉恭介に引き継がれている。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- コラボ企画経由とはいえ、実質的に特撮作品から初めてスパロボに参戦した人物であるが、他作品との違和感をなくすためアニメ調のキャラクターイラストで描かれている。
- 肖像権の問題を回避するためか、常にヘルメットを被っている上、一般兵の如くヘルメットのシールドが反射して顔(両目の部分)がはっきりと確認できない。
- なお、登録愛称は『ゴジラ×メカゴジラ』劇中における対特殊生物自衛隊内での呼称を反映してか、「家城」になっている[4]。
パイロットステータス設定の傾向
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- 富樫
- 機龍隊隊長。階級は二佐。4年前の心の傷を抱えた茜の事を案じていた。彼の推薦を受けて、茜は機龍隊のメンバーとなる。
- 葉山進
- 第一機龍隊の同僚。階級は三尉。4年前の対ゴジラ戦闘で彼の兄を死なせてしまったため、恨まれている。
- しかし、ゴジラとの戦いで茜に命を助けられたのを機に心を改め、最終的に我が身を呈して彼女をアシストするまでに至った。
- 関根健二
- 第一機龍隊の同僚。階級は二尉。茜に対して食って掛かる葉山を制し、「お前の敵は誰なんだ? 今は仲間割れをしている時ではない!」と諭した。
- ゴジラとの第二戦目において、関東地方一帯を停電させて得た電力をしらさぎ6号機経由で機龍に送っている。
- 湯原徳光
- 3式機龍のDNAコンピュータの開発者。過去に妻と死別している彼に一目惚れされている…が、茜の方は彼に対して全く関心が無かった。
- 湯原沙羅
- 徳光の一人娘。沙羅と親交を持ったことが切っ掛けとなって、茜の心に変化が現れる。
- ゴジラ
- 4年前の戦闘で同僚を死なせた宿敵。
- 死闘の末に3式機龍の零距離発射での3式絶対零度砲でゴジラを負傷させる事には成功したが、決着をつける事は遂に叶わなかった…。
- 中條義人
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の主人公で、3式機龍の整備士。階級は一曹。
- アメリカへ派遣される際の壮行会で彼と出会い、機龍の事を託す。
- 秋葉恭介
- 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』における茜の後任者で、(改修を受けた)3式機龍の正オペレーターになる。転属前は航空自衛隊のトップガンであった。
- 腕前はあるが、(茜と比較して)機龍の操縦は荒く、細心さに欠けている面がある。
他作品との人間関係
名台詞
ゴジラ×メカゴジラ
- 「大切にしてるのね。あたしも昔育ててたわ、話し相手がいなくて…」
- 「あたし、親も兄弟もいないし、この世で一人っきりなの…。だから、のけ者にされるのは昔から慣れっこなの」
- 「あたしが持ってたのは、うんと小さい時。いつまでも持ってるものじゃないわ」
- 「あなたそこに逃げ込んでるだけじゃない。人はね、怖くても前に進むしかないの…。戦って戦って、自分の居場所を勝ち取る…。あたしはそうやって生きてきた」
- 湯原沙羅の持つ眠り草とその行動を見て。
- 身寄りが無くずっと独りで戦って居場所を勝ち取って生きていた茜は、眠り草を亡くなった母親と重ね合わせている沙羅にこう伝える。
- 「そうね、確かに機龍は生きてるわ。あいつもあたしと同類、求められない命…」
- 「生まれてきたことさえ疎まれて、本当は生きてちゃいけない命…」
- 沙羅に「機龍も生きている」と言われて。茜の根本とも言える自己否定的な感情と、それを機龍と重ね合わせている台詞。
- しかし、母と妹弟となる存在を喪い、人一倍"命"に敏感になっていた沙羅に「生きてるだけでいい」「生きてちゃいけない命なんか、あるわけない!」と言われ、その心境を少しずつ変化させていく。
- 「機龍を空中で切り離す!」
- 「東京都品川区への上陸を果たしたゴジラが、対特殊生物自衛隊の攻撃をものともせず品川東病院に向かっている」という情報を聞き、通常の着陸では間に合わないと悟った茜の出した一手。
- この言葉とともに全ブースターをフル稼働させ、満月を背景に空中から切り離された機龍はゴジラに突撃する。
- 「見せてやるわ、機龍の性能を」
- 0式レールガンを破壊された後、半壊させられたバックユニットを強制排除し、高機動型の機龍をゴジラの前でお披露目して。
- その言葉に違わず、茜は機龍でゴジラの放射熱線を紙一重で回避し、ジャイアント・スイングを仕掛けてゴジラを一時的にダウンさせている。
- …実は、上記の台詞は家城茜を演じた釈由美子氏のアドリブで、シャア・アズナブルの名台詞「見せてもらおうか…連邦のモビルスーツとやらを!」をオマージュしたものである。
- 余談だが、釈氏は役作りの一環として『新世紀エヴァンゲリオン』と『機動戦士ガンダム』を視聴した結果、シャア・アズナブルのファンになっている(DVD版『ゴジラ×メカゴジラ』に付属するオーディオコメンタリーより)。ちなみに、釈氏曰く「茜とシャアは、クールな所が似ている」との事。
- 「機龍、お前にはわかるよね…。お前とあたしは仲間だって事、さあ、そろそろ行こうか…。OK、機龍起動!」
- 危険を覚悟でメンテナンスブースに乗り込みエネルギー供給中に機龍に語り掛けて。しかし、機龍が立ち上がる隙をゴジラが放った熱線の衝撃で、茜は倒れて気絶してしまう。
- 余談だが、家城茜を演じた釈由美子氏には上記の場面を撮影した時に、「(熱演のあまりに)本当に気絶してしまい、救急車を呼ぶ事態になってしまった」という逸話が有る(DVD版『ゴジラ×メカゴジラ』に付属するオーディオコメンタリーより)。
- 「機龍ぅうううう!! 力を、あたしに力をぉおおお!!!」
- 気絶して意識が朦朧とする中で茜が見たのは、3年半前の失敗、手に入れた機龍隊の仲間達、そして湯原親子との絆。
- そして起き上がると同時に上記の台詞を叫び、機龍もまた茜の言葉に応える。
- 前半部分は、続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』でも主人公・中條義人が関わる印象的な場面で使用されている。
- 「行くよ、機龍!」
- 自らを危険にさらしてまで突破口を開くためにゴジラの熱線を封じた同僚の葉山を助けるため、ゴジラを前にしての掛け声。
- 予告編およびTVのCMでも発言しているため、印象に残りやすい。
- 「零距離発射により、3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)破損。駆動エネルギー、残量無し。ゴジラ、追尾不能…」
- 葉山の救出後、ゴジラの動きを封じた状態で海中に飛び込み、ゴジラに対して零距離発射での3式絶対零度砲を仕掛けた後に。
- 相討ち覚悟の零距離発射によってゴジラの胸に傷を負わせる事に成功したものの、一方の機龍も駆動エネルギーが底を尽き、損傷率が37%(右腕を喪失し、3式絶対零度砲の発射口が大破した状態)に達する等、もはや戦闘不能の状態であった。
- 外洋へと去っていくゴジラの後姿を独り見送る茜の場面を以って、『ゴジラ×メカゴジラ』はエンディングロールへと入る。
- 「ありがとう。あなたに力をもらったわ、皆からも力をもらった。『生きてちゃいけない命なんかない』。あなたの言葉を信じてみるわ」
- 「あれは勝ちじゃない。勝負はついてない。引き分けの場合は…あたしがご馳走するって約束だったわよね」
- エンディングロール[5]後、湯原博士に「機龍が勝ったから奢る」と言われて。笑顔を見せるようになりながらも変わらぬストイックな台詞である。
- そして、傷ついた機龍の前で茜が敬礼する場面を以って、『ゴジラ×メカゴジラ』は幕を閉じる。
東京SOS
- 「機龍を残して日本を離れるのは残念…。ゴジラとはまだ決着は付いていない」
- 「もしかすると機龍はもう戦いたくないのかもしれない…。このまま修復されずにいる方が幸せなのかも……」
- 自分と似たところを感じた中條義人に対して、機龍の後見を託す。
- この時、機龍の本当の気持ちに気づいていたのは1年前に一緒に戦った茜だけだったのかもしれない。
- 「機龍をよろしく」
- この後、そのままアメリカに向かった為、茜は機龍の最期を見届けられなかった。
搭乗機体・関連機体
- 3式機龍
- 2003年に完成した対ゴジラ用兵器。茜は『ゴジラ×メカゴジラ』にて正オペレーターを務める。
- 彼女は機龍に対して上記の様な価値観を抱いていた為、兵器というよりは「相棒」「戦友」という見方をしている。
- 90式メーサー殺獣光線車
- 1999年、ゴジラが千葉県館山市に出現した際に、茜が搭乗していた戦闘車両。15万ボルトのメーサー光線を放つ事が可能。
- 対怪獣兵器としては戦果を挙げており、ゴジラ相手でもメーサー光線によって一時的に怯ませることは可能だが、ゴジラを倒すには至らないので対G兵器である機龍の開発が行われた。
- AC-3 しらさぎ
- 3式機龍をサポートする二人乗りの支援用航空機。ワイヤーアームで機龍を持ち上げて現場まで輸送する。もちろん、武装もあるので、戦闘も可能。
- ちなみに、茜が搭乗するのは2号機の方で、通常はここから機龍を遠隔操作する。また、茜は機龍の正オペレーターであるため、しらさぎ2号機は同乗する別のパイロットが操縦する。
余談
- 家城茜はシリーズでも珍しく一部のポスターでゴジラと3式機龍の二体をバックにセンターに立っていた人物。主人公とはいえ、怪獣映画で人間がセンターをとるというのは珍しい扱いである。
- 家城茜を演じる釈由美子氏にちなんで「機龍二部作」に登場するゴジラ(いわゆる、「機龍ゴジ」)を「釈ゴジ」と呼称する事が有る。演者の名前がゴジラの愛称に使われる例は非常に珍しく書籍等で言及されているのは彼女だけである(ハリウッド版ゴジラのように監督名で区別される場合もある)。
- 手塚昌明監督曰く「初期の脚本では家城茜が戦死してしまう結末も考えられていたが、プロデューサーから難色を示された為、その案は没になった」との事(DVD版『ゴジラ×メカゴジラ』に付属するオーディオコメンタリーより)。
- それに伴い「3式機龍が大破してしまう結末」も変更され、その結果として続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』において家城茜と(改修を受けた)3式機龍が再登場を果たす事となった。
脚注
- ↑ ちなみに、釈氏は『ゴジラ×メカゴジラ』劇中(八景島シーパラダイスの場面)においてゴジラから逃げる大衆(愛犬を抱きかかえたまま逃げる赤い服を着た女性)の役としても出演している(DVD版『ゴジラ×メカゴジラ』に付属するオーディオコメンタリーより)。
- ↑ 西暦1954年に出現し、科学者・芹沢大助博士によって倒された初代ゴジラと同じ種類の別個体。
- ↑ もっとも、この衝突・転落事故は、双方(茜および同僚)の側の後方不注意が原因で起きたものである。
- ↑ 一方、DVD版『ゴジラ×メカゴジラ』での字幕における家城茜の愛称は「茜」になっている。
- ↑ 『ゴジラ×メカゴジラ』のエンディングロールの終わりに「監督 手塚昌明」と表示された際に3式機龍の整備士と思しい人物が横切る場面が有るが、その男性を演じているのは手塚昌明監督御本人である。余談だが、手塚監督は「(『ゴジラ×メカゴジラ』の他に)自らが手掛けた作品に自身がカメオ出演する」という、「お遊び」を入れている。