概要
ミレニアムシリーズにおけるメカゴジラ。これまでのシリーズのメカゴジラと違い、人類が自力で作り上げた生体ロボットである点と、「メカゴジラ」は通称で「3式機龍」が正式名称である点が特徴[2]。
作中では専ら正式名称で呼ばれ、メカゴジラの名は『ゴジラ×メカゴジラ』の登場人物である湯原博士ただ一人があだ名として「メカゴジラ」と名付けたのみ。また、もう一人メカゴジラを案として出した湯原沙羅は、正式名称判明とともに「機龍」と呼ぶようになっている。そのため、湯原親子が登場しない続編では「メカゴジラ」と呼称されていない。
西暦1999年に出現したゴジラ[3]に対抗する為に、特生自衛隊によって開発され、2003年に完成した。支援用航空機「AC-3 しらさぎ」2号機からの遠隔操作によって運用される[4]。
初代ゴジラのDNA
3式機龍は房総半島沖から回収した初代ゴジラの骨をメインフレームにし、情報伝達システムには二進法のデジタル方式よりも優れた4つの因子を利用した「DNAコンピュータ」を使用をしている。見方によっては「初代ゴジラがメカゴジラに転生した」とも言える。
遠距離戦闘を主軸にし動きが鈍かったこれまでのメカゴジラと異なって、3式機龍の動作司令の伝達には「DNAコンピュータ」によって生物的な素早い挙動が可能になっている為、高い機動性を誇り、格闘戦もこなせてしまう等、圧倒的な戦闘力を持つ。
その一方で、3式機龍は「DNAコンピュータ」はゴジラの骨に残留していた骨髄間質細胞を使用していた為、ゴジラのDNAを持つ故に(1999年に出現した)ゴジラの声によって干渉・暴走事故を引き起こす危険性も有る[5]。その上、約2時間しか最大稼働できず、それを越える場合やエネルギーを消耗した場合は、最も近い自衛隊基地からエネルギーをマイクロウェーブ方式で、僚機のしらさぎを経由して供給される。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 初登場作品。パイロットは『ゴジラ×メカゴジラ』の家城茜。
装備・機能
武装・必殺武器
- 0式レールガン
- 下腕部に装備。
- メーサー・ブレード
- 0式レールガンユニット内に装備。重武装型のコンセプトから外れている装備だったため、3式機龍改の4式レールガンではオミットされている。
- 3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)[6]
- 胸部ハッチ内に装備した最終兵器。直径1250mmの共有結合性結晶となっているダイヤモンドが使用されている。絶対零度の光弾を発射する。ただし、発射にはエネルギーの40%近くを消費する[7]。
- なお、3式絶対零度砲は大変強力な最終兵器なので、使用の際には現場の指揮官および内閣総理大臣ら上層部からの承認が必要となる。
- 「ロック解除から発射までに時間が掛かってしまう」という弱点が存在しているので、ゴジラにその隙を突かれて3式機龍が不利になってしまう場面も見られた[8]。
- 余談だが、アブソリュート・ゼロ(Absolute Zero)とは、物質を構成する原子および分子の運動が停止(=凍結)する絶対零度(摂氏-273.15度)の意。摂氏10万度を超えるゴジラの必殺技「放射熱線」と対を為す武装である。
- バックユニット
- 背部に装備。強制排除も可能。バックユニットを外した状態の3式機龍は、動きが俊敏になる。
- なお、バックユニットを装備した状態の3式機龍を「重装備型」、バックユニットを装備していない状態の3式機龍を「高機動型」と呼称する場合もある。
- 多連装ロケット弾
- バックユニットに装備。
- 95式470mm多目的誘導弾
- バックユニットに装備。
- ワイヤー
- 敵を縛るのに使用する。『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の終盤で使用。
名台詞
対決・名場面
- 「機龍、大暴走」
- 神奈川県横浜市におけるゴジラとの第一戦目。しかし、3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ。以下、「AZ」と表記)を使用する前にゴジラの咆哮によって機龍の動きが停止。その隙にゴジラに逃亡されてしまう。
- そして、ゴジラの咆哮の影響で初代ゴジラのDNAが使用されていた機龍は、暴走を開始。エネルギー切れになるまで市街地を滅茶苦茶にしたのであった。
- なお、この戦いの後、機龍に使用されている初代ゴジラのDNAの塩基を修飾塩基に変更し、機龍の再度の暴走は防がれた。
- 「機龍、再起動」
- 東京都品川区におけるゴジラとの第二戦目。機龍のジャイアント・スイングでダウンしたゴジラに対してAZでトドメを刺そうとするが、その途中で目覚めたゴジラの放射熱線によって機龍は倒れ、茜が搭乗する「AC-3 しらさぎ」2号機からの遠隔操作が不能になってしまう。
- 意を決した茜はしらさぎ2号機を降りて、機龍のメンテナンス用ブースへ潜入。手動で機龍の再起動を図る。
- その間、ゴジラの容赦無い攻撃に苦しめられるも、関東地方一帯を停電させて得た電力をしらさぎ6号機から受信した事と、「大切な人達を守りたい」という茜の強い気持ちによって、機龍は再び立ち上がった。
- 「零距離発射」
- 長引く機龍とゴジラの激闘に、茜の同僚・葉山が乗るしらさぎ6号機が乱入。しらさぎ6号機の残骸で強引にゴジラの口をふさいだ葉山は、茜に対して「俺に構わず、ゴジラにAZでトドメを刺せ!」と促す。
- だが、これ以上の犠牲者を出したくなかった茜は、機龍でゴジラに突進して葉山を救出し、ゴジラを強く抱きしめた状態で市街地から海へと移動。そして、海中に飛び込み、ゴジラに対して零距離でのAZを放つ(明言されていないが、同時にゴジラも機龍の右手で口をふさがれた状態で熱線を放っている)。
- その結果、機龍は損傷率37%(右腕を失い、AZの発射口が大破した状態)に達し、行動不能になってしまった。一方のゴジラは胸に大きな傷を負い、外洋へと去っていく。そんなゴジラの後姿を、茜はただ見送る事しかできなかった…。
関連怪獣
- ゴジラ
- ライバルにしてメカゴジラのモチーフとなった怪獣。
- 3式機龍はメインフレームに初代ゴジラの骨を利用している生体兵器でもある[9]。
- 3式機龍改
- 続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』で、3式機龍を改修した機体。
- 一年前のゴジラとの激闘で大破した「3式絶対零度砲(アブソリュート・ゼロ)」の代わりに胸部内に4式三連装ハイパーメーサー砲を装備、バックパックユニットの小型化や海中で破壊された右腕部が可変式ドリルアーム「4式対獣掘削装置(スパイラル・クロウ)」に換装されている。劇中では整備が不十分な状態での出撃だったため、動作がやや鈍くなっている。
- また、この時既に機龍のDNAコンピュータは自我らしきものに目覚めていたのか、同族であるゴジラと戦い続ける事を拒む兆候を見せており、小美人からも人類に警告されていた。最終的には搭乗員を脱出させた後、ゴジラと共に日本海溝へ運命を共にする結末を迎える。
- 3式機龍乙型
- 『ゴジラ対エヴァンゲリオン』にて登場するEVA初号機カラーの機龍。
余談
- 3式機龍は『ゴジラ×メカゴジラ』の特報・予告篇ナレーション(CV:立木文彦氏)において「超攻撃型メカゴジラ」と紹介されている。
脚注
- ↑ 修飾塩基に変更した後は、眼に縦のラインが入っている。
- ↑ 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では、『ゴジラ モスラ 機龍』と表示された後、機龍がメカゴジラ表記に置き換わってからタイトルが表示される。前作の場合は旧作表示の分裂した二つのゴジラに背後の機龍の文字から光が発せられ『ゴジラ×メカゴジラ』に変わる演出となっている。
- ↑ 西暦1954年に出現し、科学者・芹沢大助博士によって倒された初代ゴジラと同じ種類の別個体。
- ↑ 3式機龍内部のメンテナンス用ブースで直接操縦することも可能ではあるが、戦闘時の加速や衝撃によって搭乗者に多大な負荷が掛かる為、実質的に不可能と言ってもよい。
- ↑ 実際、初出撃の時に暴走して神奈川県横浜市街地を破壊し尽くしている。
- ↑ 『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では、菅野吾郎博士が「アブ・ゼロ」と略称している。
- ↑ とはいえ、この手の兵器にしては珍しくエネルギーを再供給できれば再使用が可能であり、劇中でも同一戦闘で二度使用している。
- ↑ 故に、劇中終盤においてゴジラとの相討ち覚悟で、3式絶対零度砲の零距離発射が行われた。
- ↑ ただし、1954年版『ゴジラ』では初代ゴジラが科学者・芹沢大助博士の使用した「オキシジェン・デストロイヤー」によって骨ごと跡形も無く溶け去っているため、『ゴジラ×メカゴジラ』および『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「初代ゴジラの骨だけは残った」というパラレル設定となっている。また、芹沢大助博士がオキシジェン・デストロイヤーを使用した場所も、手塚昌明監督の拘りによって房総半島沖に変更されている。
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