特異点

2015年5月29日 (金) 00:06時点におけるTake (トーク | 投稿記録)による版

特異点(Singularity)

もともとは物理学・数学用語で、ある基準(regulation)の下、その基準が適用できない (singular) 点の総称である。そのため、何に対する特異点なのかという表現がなされる。逆に言えば、あるルールが正常に機能するために絶対に存在してはいけない要素であるとも言える。
例としてはブラックホール内などが上げられる。

ブラックホールの場合、中心部の重力は無限大となっているという。無限大の量を持つ存在は一般相対性理論が適用されないため、物理学が意味を成さない=因果律を歪めてしまう。しかし、ブラックホールの特異点は事象の地平面(超重力によって、脱出に必要な速度が光速を超えてしまう領域)の内側にあるため、外部から観測が不可能となっており仮に特異点が実在したとしても物理原則に影響は与えない。更には事象の地平面では時間が停止しているように見えるとされる。
このような超常的な特性を持つ故か、ブラックホールの内部は「時間移動が可能」「平行世界への扉がある」などの説が出たりしている。また、通常のブラックホールは中心部に特異点があるが、回転しているブラックホールの場合はリング状となっているとされる。

特異点(バンプレストオリジナル

代表例としてはグランゾンブラックホールエンジン部の更に奥、ブラックボックス化されている部分に存在する、剥き出しにされたブラックホールの特異点。前述の事象の地平面を何らかの方法で超え、三次元空間とつなげていると思われる。ちなみに、「むき出しの特異点」は量子力学の用語でもあり、ある物理学者はそれが自然界に存在しないであろう仮説「宇宙検閲官仮説」を提唱している。

通常の特異点はその強大な重力により空間を歪めるだけだが、ある特定の位相を持たせて存在させる事により、事象の発生確率をも歪める事が出来るようになる(特異点によって因果律が歪むため、「どんなデタラメ現象が発生したとしても物理的にありえないわけではない」状態となっている)。

平たく言えば普通ならあり得ない「偶然」が多発するようになると言うことで、これはグランゾンが建造された当初からずっと続いていた事になり、極めて短い期間の間にDC戦争インスペクター事件ラ・ギアス事件、『第4次スーパーロボット大戦』における各種事件などが立て続けに起こったのも、全てこれによるものだと言える(インスペクター事件でネオ・グランゾンが破壊されて、ラ・ギアス事件で修復されるまでの間は特異点がどうなっていたのかは不明)。

旧シリーズではグランゾン建造の元になった技術はゲストが提供したものだが、その際提供したものの一部であるブラックホール機関(後にグランゾンの心臓部となるもの)のブラックボックス部分に、ゼゼーナンが細工をして上記の仕掛けを施す。後にゼゼーナンが総司令官として改めて地球に訪れた際、偶然が多発する事による混乱に乗じて、自身の策を進めやすくするためである。

ゼゼーナンは、地球人の文明レベルではこの理論を理解するのにはあと200年(OGシリーズでは10年単位)はかかると踏んでいたようだが、ゲストの作戦が完了するよりも前に肝心のグランゾンのパイロットであるシュウ・シラカワ自身がこの理論を解明してしまい、かつ特異点の仕掛けを崩壊させる事が可能なほどのエネルギー源(ビムラー)の確保にも成功したため、目的を達成する前に計画を台無しにされてしまう事となった。

なお、OGシリーズではグランゾンの動力が対消滅エンジンとなっているが、『OGs』のロボット大図鑑で「エアロゲイター以外の異星人の技術」も用いられていることが言明されており、『OG』外伝では立て続けに大事件が起こり次元転移も多発する状況に違和感を抱く者が出るなど「偶然が多発している」ことを示唆するような描写が存在しており、続く第二次OGではシュウがゲスト軍率いるゼゼーナンの目の前でグランゾンに仕掛けられた特異点の仕掛けを崩壊させ、偶然が多発する現象を止めることになったものの、特異点の偶然では説明できない事態が幾つか起こっているため、シュウは特異点以外にも『事態を引き起こす別の何か』があるのではないのかと怪しむことになる。その後鋼龍戦隊に合流して行動を共にする過程でクロスゲートがその『別の何か』であるという結論に達し、ユーゼスとの最終決戦後に彼に対し「誰が何のために作ったか」と問い詰めるものの、明確な回答を得ることはできなかった。

関連する用語

グランゾン
特異点が内蔵された機体。
ビムラー
ゴーショーグンの持つ進化するエネルギー体。第4次で、特異点の仕掛けを崩壊させるためのエネルギー源として用いられた。EXで、ラ・ギアスに突然召喚されて右も左も分からないグッドサンダーチームシュウが親切に世話をしているが、それはビムラーの特性に着目しており、上記の目的を達成するためにビムラーを利用するためとレミーは推測していた。しかしシュウ本人は「特異点を抑え込むエネルギーに困っていた時にビムラーの特性に気付き、これを使う事にした」と発言している(つまり、後から気付いた可能性がある)ので、グッドサンダーチームを助けたのはまた別の理由かもしれない。
ダークブレイン
OGシリーズにおいては、シュウは「ある者との戦いでヒントを得た」と発言しており、これを受けてマサキはその「ある者」がダークブレインではないかと推測している。事実OG外伝でも戦闘前会話や特殊セリフにおいて、シュウは「かねてからの疑問がひとつ解決した」「いずれその力を利用させていただく」旨の発言をしている。ダークブレインに由来する力となるとある程度推測はできるが、現時点でははっきりと明言されておらず不明である。
クロスゲート・パラダイム・システム
因果律を操る装置。事象確率に干渉する点では同じで、スーパーヒーロー作戦の攻略本の開発者インタビューにてグランゾンの特異点と同質と語られている。
スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望では、帝王ダイダスがCPSと同質な次元操作できる「特異点」を内包している。

特異点(超時空世紀オーガス

大特異点が発生した時空振動弾起動時に中心に存在した人間の事を指す。桂木桂オルソン・D・ヴェルヌがそれにあたり、大特異点から分裂した大特異点の一部とも呼べる存在となっている。

相克界が生まれたのも大特異点自体が分裂したことにより、時空間が不安定となっためであり、特異点である桂とオルソンが大特異点に接触し、大特異点が完全な形になって安定する事で、世界を修復できる。その際、特異点には修復時のコントロールをする役割があり、誕生する世界には相克界が生まれたときと同様に特異点となった人間の思考が大きく反映されることになる。言い換えれば世界を自由に創造できるとも言える。

関連する用語 

時空振動弾
あらゆる次元を取り込んで相克界を作り出した装置。その世界の創造と安定に特異点を持つ人間が必要とされた。
桂木桂
特異点その1。
オルソン・D・ヴェルヌ
特異点その2。
千鳥かなめ
フルメタル・パニック! (原作小説版)』において特異点と称される人物。Zシリーズで『オーガス』勢と共演。

スパロボシリーズでの扱い

「その人物の存在や行動を基点に、世界の在り様が大きく変化しうる=世界情勢の中心に位置する人物」が特異点であり、「その存在が世界の行く末をも左右しうる」巨大な何かが「大特異点」という定義がなされている。
大雑把に言うと、一つ一つの世界を糸に例えると、特異点はその結び目、大特異点はハサミである。

スーパーロボット大戦Z
オルソンだけでなく、2回目の時空振動弾の発動であるセカンド・ブレイクによってZEUTH全体が特異点となってしまう。
第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
前作メンバーの他、本作メンバーも特異点になったことが示唆されている。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
新生時空震動により新たな特異点と大特異点が発生。前者はシャアフロンタル、後者はアクシズとなっている。今回シャアがアクシズ落としを企てたのは、地球人類の粛清ではなく、新世時空震動発生時にどこかの世界で起きたアクシズ落としの再現と、時空修復のためにアクシズ=大特異点に人々の意識を集めるためであり、実際に落とすつもりはなかったが、フロンタルの方は「逆襲のシャア」を演じる形でアースノイド粛清のためにアクシズ落としを遂行しようとする。
最終的には時空修復は成功している。
ちなみに、「内側が時間停止状態にある結界で覆われているべき存在(時の牢獄)」「時間移動や平行世界リンクが発生している(時空振動)」「本来あるべき結果を歪める(スパロボ展開)」「無限大の量を持つ(次元力)」といった「剥き出しの特異点」の特性を、多元世界化した地球が満たしてしまっている。もしそうなら、地球が存在し続けることは時空の摂理という根源的なものを揺るがす災厄そのものとなってしまう。仮に地球そのものが大特異点ならば、それに対応する特異点はスフィアあたりだろうか(12個集めるとなれるという太極は、「剥き出しの特異点」の制御者同様に宇宙の因果律を自在に制御できると思われる)。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
全ての並行世界の結び目たる「超特異点」として、「黒い太陽」が登場。1億2000万年の宇宙の大崩壊から逃れる為の「真の時空修復」に必要とされる。