コロニー落とし
コロニー落とし(Colony Drop)
スペースコロニーを大質量弾に見立て、目標に直撃させて多大な被害を与える一種の戦略。スペースコロニーに核パルスエンジンを取り付け(あるいは元から設置されている物を利用して)、移動させて目標に向かっていくのだが、その際の目標が地球や月であれば重力を利用しての落下速度により強大な威力を引き出す。
概ね『ガンダムシリーズ』で有名な戦法であるが、スペースコロニーでなく隕石基地などを利用する場合もある。また、当事者は宇宙に住む人(スペースノイド)などが立案することが多く、これを実行した場合は地球に住む人々からの非難が集中されて更なる戦乱が引き立てられやすくなる。
機動戦士ガンダム
最も有名なのは一年戦争初期に行われた「ブリティッシュ作戦」。宇宙世紀初のコロニー落としであり、ジオン軍が目標の地球連邦軍本部ジャブローに向けて発射されたが、大気圏外での地球連邦軍の抵抗と、まだ方法論が確立してないこともあり、ジャブローへのコロニー落としは失散に終わった。ただし、オーストラリアのシドニーに先端が直撃している。番組で地球の市内にコロニーが落下するのがこのシーンであり、度々紹介シーンに登場する。この際にできたクレーターは『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』に登場している。
スパロボでは『第2次スーパーロボット大戦(G)』の初期に実行されている。
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
ジオン軍残党デラーズ・フリート一党の手で行われた星の屑作戦の一環。無人コロニーを奪取し、地球連邦軍の大部隊を牽制しつつも作戦は成功。目標の北米の穀倉地帯に直撃した。
スパロボではこのシナリオが何度も再現されている。
機動戦士Ζガンダム
ティターンズ所属の少佐ジャマイカン・ダニンガンの手でエゥーゴの本部グラナダを目標にするが失敗。地球に住む人間(アースノイド)によってコロニー落としが行われた珍しいケースである。
機動戦士ガンダムΖΖ
ネオ・ジオンの指導者ハマーン・カーンが地球連邦政府を恫喝するため、アイルランドのダブリンを目標に落下させた。落下スピードが緩かった為、極端な被害は避けられた。
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
「オペレーション・メテオ」の作戦の内容の一部として行おうとしたが、ドクターJら5博士の反抗により実行されず、ガンダムの破壊行動のみになった。1年後にマリーメイア軍が実行、阻止されるもその真意は囮でしかなかった。
機動新世紀ガンダムX
本編開始よりも前の時代、冒頭の史実語られる「第七次宇宙戦争」の末期に宇宙革命軍が数十基(一部資料では四十基以上)のスペースコロニーを落下させた。当初は恫喝のみで実行する予定ではなかったらしいが、決戦兵器ガンダムエックスの投入により次々とコロニーを破壊され出したため、焦った宇宙革命軍は作戦を強行。その結果、地球は一時的に死の星へと追いやられた。
なお、南米大陸に集中落下させた設定があるが、これは上記の初代『機動戦士ガンダム』のオマージュで、南米に旧連邦の本部が有った為である。
スパロボでは『スーパーロボット大戦Z』の史実として再現されている。
似たような出来事
アクシズを質量弾とする
宇宙世紀に登場する隕石基地「アクシズ」は核パルスエンジンを搭載しているのか、アクシズを質量弾として目標に衝突させる作戦が度々行われている。『機動戦士Ζガンダム』ではジオン残党軍アクシズの手でエゥーゴの本部グラナダを目標にするも失敗。『機動戦士ガンダムΖΖ』ではネオ・ジオン反乱軍グレミー・トト一派が、ハマーン側の拠点コロニーであるコア3に直撃させた。
そして、第2次ネオ・ジオン抗争におけるシャア・アズナブル一派がアクシズを地球に落下させる「地球寒冷化作戦」を企てるが、νガンダムのサイコフレームの力により失敗する。
スパロボではアクシズを落とす行為を止めるイベントが度々組まれており、シャア以外のキャラが行う場合もある。
リーブラを質量弾とする
『新機動戦記ガンダムW』では、戦艦としての機能を無くしたリーブラを質量弾に見立て、ミリアルド・ピースクラフト率いるホワイトファングが実行するが、ドクターJらの行動とウイングガンダムゼロのツインバスターライフルにより落下するリーブラを破壊した。
なお、スパロボでは『スーパーロボット大戦64』でアクシズとリーブラの2基で実行できるはずだったが、リーブラが囮に使われた。
ユニウスセブンを質量弾とする
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では、血のバレンタインで大殺戮が行われ廃棄コロニーとなっていたユニウスセブンを、ザフトの旧ザラ派が奪取・占領し、コロニー落としを実行した。落下そのものを防ぐ事は不可能としてコロニーの破砕を目的に阻止部隊が派遣されるものの、破砕は完全には成功せず、ユニウスセブンの破片が多数地球へと落下して一大被害を引き起こした。この出来事をブレイク・ザ・ワールドと呼んでいる。
スパロボでは『スーパーロボット大戦Z』で実行されるものの、時空振動弾の発動により落下せず多元世界の大特異点となり、次元の狭間に存在した。
『スーパーロボット大戦L』でも実行され、こちらは原作の展開をほぼそのままなぞって地球に多数の破片が落下してしまった。