シャドウ丸

シャドウ丸は『勇者警察ジェイデッカー』の登場メカ

シャドウ丸
外国語表記 Shadow-Maru[1]
登場作品 勇者警察ジェイデッカー
声優 立木文彦
デザイン 大河原邦男
初登場SRW スーパーロボット大戦30
SRWでの分類 機体
パイロット
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スペック
異名 忍者刑事
型式番号 BP501型
全高 5.4m
重量 3.27t
最大出力 4620ps
最高速度 145km/h
所属組織 警視庁
所属部隊 ブレイブポリス
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概要編集

ブレイブポリスの別動隊として開発された影の刑事。メンバーでは唯一合体せず単独で完結している。

索敵・潜入捜査を主任務としており、各種センサーでは捉えられなくなるステルスシステム隠密回路を搭載。これにより、あらゆるネットワークに瞬時にリンク可能で自在に情報を引き出す。また、状況に合わせて姿を変える多段変形機構を有している。一方で純粋なパワーでは合体ロボに劣るためにピンチに陥ることも少なくなかった。

忍者ということもあり、ニヒルな一匹狼気質で変形のことを「変化(へんげ)」と呼び、時に仲間たちのことを「○○のダンナ」と呼ぶ等、古風なところも見られる。

当初は他のブレイブポリスのメンバーとの馴れ合いを拒否し、反感を買っていた。しかし、その理由は自身のプロトタイプとして開発された兄弟であるカゲロウが脱走し、彼を連れ戻そうと必死になっていたためでカゲロウの一件で助けられてからは態度を軟化させている。

各形態編集

警察犬モード
犬の一万倍の嗅覚と動物型らしい柔軟性を持つ。なお、本人は「狼」を気取っている為、犬と呼ばれるのを嫌っている。ちなみにこの状態でオイルを口から補給することもあった。
超音速ジェット機モード
犯人追跡に適した高速移動形態。
覆面パトカーモード
街中での隠密行動用の形態。パトライトは収納可能。
戦車モード
開発中に火力不足が指摘されたために追加された火力重視形態。別名・シャドウ丸タンク
ブレイブキャノン
ハイジャス人の力で巨大化変形したキャノン砲形態。本来想定していない形態である。

登場作品と操縦者編集

単独作品編集

スーパーロボット大戦30
初登場作品。サイドミッション「信じ合う仲間」にて登場し、同ミッション終了後に加入する。
忍者系勇者ロボの系列となる分身・ジャミング機能持ちの小型ユニット。
終盤に他のブレイブポリスとの合体攻撃「ブレイブキャノン」が追加されるが、シャドウ丸からは使用できないため対ボス火力としては貢献させにくい。その分ジェイデッカーに常に隣接させることで命中・回避を支援しつつ合体攻撃の威力を上げる割り切り方も可能。
だが隠し条件を満たすと発生するサイドミッションにてカゲロウが加入すると共にシャドウ丸から使える合体攻撃「ブレイブニンジャアタック」が追加されるため、レギュラー参加させるならぜひとも条件を満たしておきたい。
エースパイロット認定時の獲得スキルプログラムは「回避アップ」。
習得するサポート系精神コマンドの面でギリアム搭乗のゲシュペンストとは役割が被りやすく、対抗馬となるだろう。
こちらは精神コマンドのコストが高く、感応も覚えない一方で、ジャミング機能や合体攻撃への参加等、あちらには無い強みもある。

装備・機能編集

武装・必殺武器編集

武装編集

手裏剣
手投げ式の手裏剣。
『30』では2枚を両手で、合計4発投げつける。移動後使用可能かつ射程が長め。
制式拳銃
ブレイブポリス共通装備のリボルバー拳銃。
SRWでは未使用。
忍者刀
主武装のカタナ。長短2種類を装備。
『30』では、逆手持ちで飛びかかって斬りつけ、その後高速移動にて離脱する。
鎖鎌
鎖分銅付きの鎌。
SRWでは未使用。
バルカン
超音速ジェット機モードの機首に搭載された機銃。
『30』では後述の「多段変化攻撃」にて使用。
ビームキャノン
戦車モードで使用する2連装の主砲。ブレイブキャノン時もこれが展開される。
覆面パトカーモードでも使用可能であり、初登場回でデッカードと対峙した際に展開したが撃たなかった。
『30』では後述の多段変化攻撃にて使用。

必殺武器編集

多段変化攻撃
『30』にて採用。
OPを模したカットインから超音速ジェット機モードのバルカン→警察犬モードで連続攻撃→戦車モードのビームキャノンでトドメ→覆面パトカーモードで離脱する連続攻撃。
セリフパターンの中には後述の「ある時は~」をオマージュしたものが存在する。

合体攻撃編集

ブレイブキャノン
ファイヤージェイデッカースーパービルドタイガーとの合体攻撃。
ハイジャス人の力で巨大化・大砲変化し、仲間たちに支えられながら発射する。
ファイヤージェイデッカー・マックスキャノンモードはジェイデッカーデュークファイヤーガンマックスアーマーに分離してジェイデッカーは射手、スーパービルドタイガーは右側、デュークファイヤーは左側、ガンマックスアーマーは砲身下部をそれぞれ担当。
『30』ではシャドウ丸側からは発動不可。
ブレイブニンジャアタック
カゲロウとの合体攻撃。『30』ではカゲロウが隠し機体であるため、条件を満たさない場合は使用不可。
シャドウ丸が戦闘機形態のバルカンで攻撃した後、カゲロウが鎖鎌の鎖分銅と手裏剣で攻撃。最後にシャドウ丸の忍者刀とカゲロウの鎖鎌の鎌の順で交差斬りを繰り出す。

特殊能力編集

分身
ジャミング装置

移動タイプ編集

変形は武装演出のみなので空を飛べない。

サイズ編集

S

カスタムボーナス編集

運動性+20。全ての武器に特殊効果「バリア貫通」を得る。シャドウ丸の最大SP+30。
30』で採用。
自身の回避率を高め、バリア持ちが相手でも安定してダメージを与えられ、「先見」「かく乱」の使用回数を増やせると囮・援護攻撃・サポートの能力を幅広く高める。

機体BGM編集

「HEART TO HEART」
オープニングテーマ。『30』で採用。DLC適用時は原曲となる。

パイロットステータス編集

精神コマンド編集

30
集中加速先見必中かく乱勇気

特殊スキル編集

30
ブレイブポリスL9、底力L5、援護攻撃L2、サイズ差補正無視L2

エースボーナス編集

特殊能力「ジャミング機能」による最終命中率と最終回避率の補正効果が2倍になる。
30』で採用。
実質的に命中・回避率が更に+10%される。援護攻撃や合体攻撃の関係で他の味方と隣接する機会が多く、狙って利用すれば効果は大きい。特に合体攻撃の相方であるカゲロウはエースボーナスも同一であるため、固まって運用した際の補正は圧巻。

人間関係編集

カゲロウ
プロトタイプであり兄弟同然の間柄。
友永勇太
ブレイブポリスのボスで「チビボス」と呼ぶ。
友永あずき
カゲロウの件で悩んでいた際、彼女と知り合い、心の大切さを知る。
友永くるみ
ドラマCDでは彼女と一緒にワールドネイチャリングパークを探索する。
デューク
隠密回路を搭載している為、一緒に行動することも多い。

名(迷)台詞編集

「カゲロウには関わらない…。ブレイブポリスのためです!」
第10話での初登場シーン。カゲロウを取り押さえに来たデッカードの間にジェット機モードで飛来し、忠告する。
「ある時は謎のアニマルロボット」
「ある時は超音速ジェット機」
「そしてまたある時は覆面パトカー……しかしその実体は……」
「変化!」
「ブレイブポリス別働隊、シャドウ丸!」
第10話より。冴島の命令により、ブレイブポリスのメンバーの前に姿を現わした際の台詞。自分の変形を見せながら登場。この時戦車モードは披露せず。
当時放送された玩具CM(ナレーターは立木文彦氏)でも、ほぼ同様の名乗りで変形を披露してくれる。
なお、変身台詞の大元は探偵映画『多羅尾伴内』シリーズ。また、キューティーハニーにも同様のオマージュ台詞がある。
「分かった、カゲロウ。…なら、生きてみなよ。お前がいいと思うまで…!」
同話、カゲロウの訴えに心を動かされたシャドウ丸は、親友として彼を見逃した。
「答えろ、カゲロウ! なぜ約束を破った!」
第11話より。戦闘用AIを搭載され、市街地で暴れるカゲロウを地下に追い詰めた際に。
『30』では特殊戦闘台詞に採用されている。
「こんな…お決まりの終わり方かよ…? カゲロウ……!」
上の問答の後、カゲロウは突き付けたマシンガンを天井に発砲。上層にいたジェイデッカーと勇太に襲い掛かる。
シャドウ丸は必死に友を止めようとするが、一方的な攻撃に打ちのめされ半壊寸前の状態の中、やむを得ずカゲロウの腹部に刃を突き立てる。
カゲロウは吐血したかのようにオイルを吐き、沈黙。シャドウ丸は友の最期を嘆くのだった…。
「カゲロウがテストしてくれたおかげで攻撃力の強化が必要だと分かったのさ。カゲロウがくれた第5の姿…シャドウ丸タンクだ!!」
カゲロウの仇である新庄健が送り込んできたアビスガードに苦戦するシャドウ丸だが新庄が警視庁を去った後のカゲロウとの訓練で追加された戦車モードで逆転する。
「カゲロウはもう死んだ…!この俺が殺したんだぁっ!!」
カゲロウの声で惑わそうとするアビスガードをシャドウ丸タンクで撃ち抜きながら発言。「俺が殺したんだ」はボディのみを破壊兵器にされたカゲロウにトドメを刺したことよりも自分の甘さがカゲロウを死なせてしまったことへの怒りと悲しみからであろう。
「小心者で弱虫で自信過剰で他人を踏みつけにできる…あんたは自分の影を作ったんだよ」
自身の分身であるアビスが命令無視の行動をすることに戸惑う新庄に対して発言。影の名を持つシャドウ丸が影を発言することは皮肉がこもっている。
「カゲロウが…もう少し生きてみろと言ったんだ…」
水圧で崩壊していくアビスに新庄と共に取り残されたシャドウ丸であったがアビスの超AIに変えられながらも心が蘇ったカゲロウが用意した脱出ポッドで生還。勇太たちにカゲロウに助けられたことを伝えるのだった。
「バカヤロウ! 俺は犬なんかじゃねぇ!」
「確かに、警察犬ロボットとして作られちゃいるが、俺はこれでも狼のつもりなんだ!」
第11話ラスト。事件解決後、ブレイブポリスのメンバーとして迎え入れられ、「デッカールームに犬小屋を作る」という提案に対しての反発。
前述の登場場面でも「ロボット犬」呼ばわりしたパワージョーに「時代遅れのカンフー野郎」と悪態をついたり、自身を「アニマルロボット」と言っていることから、地味に伏線が張られている。余談だが、玩具CMではタンクが追加され、警察犬と呼ばれている。
「パンがどうしたんだ? おいっ、パンがどうした? パンがどうしたというんだーっ!?」
第18話。某国にて潜入捜査を行っていた際、調査対象となっていた研究施設に潜入し、巨大化したゴキブリを退治した後、あまりにも幸せそうな表情で倒れていた研究員を見つけ、彼が気絶間際に言った「パン……」の一言を受けて。しかし最後の一文字である「ダ」を言う前に意識を失ってしまったので、シャドウ丸は変な勘違いをするハメに。
ちなみにこの後の巨大パンダ捕獲には参加していない。
「おぉぅ、チビボス。大した変化振りですぜ!」
第31話より。女装した勇太を見ての感想。

スパロボシリーズの名台詞編集

「ある時は超音速ジェット機!」
「そして、またある時はアニマルロボット!」
「しかし…その実体は!」
「ブレイブポリス、シャドウ丸!」
「それが、お前を倒す者の名だ!!」
「多段変化攻撃」のセリフパターンの1つ。第10話の姿を現わした際の台詞をオマージュしたもので、演出構成の為本編やCMともまた異なっている。
「斬首なんてのは今時、流行らないんですよ!」
ザンネック戦の特殊戦闘台詞。機体名の由来に言及する数少ない台詞だが、中の人が『Vガン』にも出演していた事にも因んでいるのかもしれない(なお肝心のそのキャラは残念ながら『30』では登場せず)。
「ついでに一つだけヒントを…。隠し機体の入手は、関係するパイロットの撃墜数が重要ですぜ」
中断メッセージにて。間違ってはいないのだが、実は『30』は隠し機体の入手において撃墜数のウェイトが他作品と比べて小さいスパロボである。(サイドミッションの解放など関係がないわけではないが)

余談編集

  • これまでの3号ロボポジションは合体ロボだったのに対し、シャドウ丸は合体機能を廃した代わりにシリーズ初の忍者ロボとして登場。
    • 以降のシリーズにも必ず忍者ロボが登場するようになったが以降の忍者ロボはいずれも合体機能を有している。
  • シャドウ丸の登場は第10話からだがエンディングには第1話から登場(ジェットモードのみだが)している。
  • 変形ギミックとデザインは『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』(SRW未参戦)に登場した忍者参謀シックスショットの流用。ブレイブキャノンもシックスショットに最初から用意されたギミックである。この流用の関係上、玩具では他のブレイブポリスメンバーより、一回り大柄になっていた。
    • シックスショットの動物形態は自称ではなく、れっきとした狼であり、隠しギミックとして、ジェットモードから狼モードの頭部を出すことで翼を持った狼というキメラのウイングウルフと呼ばれる第7の形態も登場し、後に公式設定とされた。
    • 『ジェイデッカー』の2作前の『伝説の勇者ダ・ガーン』(未参戦)に登場するセブンチェンジャーもシックスショットがモチーフ(完全な流用ではない)であるがキャノン形態は廃止され、代わりに潜水艦形態が用いられた。
      • 後のトランスフォーマーレジェンズ版シックスショットもキャノン形態が潜水艦形態に変更されている。
  • 高松監督によれば当初は救急車からの5段変形でビルドチームと合体する予定だったが玩具の設計段階で断念されたとのこと[2]。後に明かされた初期デザイン案によればロボット、救急車、ジェット機、警察犬、ドリル戦車の5つ[3]
    • 救急車はデュークへビルドチームとの合体及びドリル戦車はドリルボーイに受け継がれている。
  • 初期の名前は會川昇氏の脚本では影狼。これはそのままカゲロウに使われ、その後犬飛五助、シノビンビン丸などの案の中から『伊賀の影丸』にあやかって、シャドウ丸に決定した[2]

脚注編集

  1. メカニック紹介、勇者警察ジェイデッカー、2022年3月12日閲覧。
  2. 2.0 2.1 LD付属解説書『J FILE 勇者警察ジェイデッカー設定資料 VOL,2』より。
  3. 玄光社『勇者シリーズデザインワークスDX』134頁。