システムLIOH
概要(αシリーズ)編集
雷鳳に搭載されているマン・マシーン・インターフェース。元ディバイン・クルセイダーズのカオル・トオミネ博士が構築したOSであり、正式名称は「Lead Innovation Organic Harmony」。 パイロットの適性や身体能力を読み取って学習し、それによって潜在能力を強制的に限界まで引き出すことができる。
搭載機の基本戦闘スタイルもこれによって決定されるため、最初に搭載機に乗った人物にしか適応しないという欠点はあるものの、これによりパイロットに対して最適なモーション・パターンを構築・選択することができる。 これにより素人であっても簡単に搭載機を操れる上、本来発揮できる以上の力を振るえるという、戦闘用OSとパイロット養成システムを兼ねた画期的なシステムである。
パイロットの脈拍・脳波が規定値を超えると自動的にシステムが起動し、OSそのものがLIOHに切り替わるが、稼働中はパイロットの身体に強い負担がかかるなど欠陥も見られる。 しかしそれもそのはずで、このシステムの本来の姿は全く異なるものであった。
本来の設計意図編集
システムLIOHの実態は、パイロットの心身を極限の緊張状態に追い込んで火事場のバカ力を発揮させるというものであり、パイロットの安全は一切考慮されていない。 これによりパイロットは常に命の危機に晒されたも同然の状態で戦闘を行うことになり、アドレナリンの分泌量の異常増加を始め、生存のために潜在能力全てを引き出さざるを得なくなる。
さらにこのシステムには稼働効率が一定値を超えた場合に自動発動する「ファイナルモード」が秘匿されている。これは、パイロットが限界を迎えた場合、その理性が失われるほどの負荷を追加で与え、死亡するまで戦い続けるマシーンに変貌させるというあまりにも倫理に欠けたものであった。
カオルは自身の研究が人道を外れたことを咎められ、学会を追われたことを逆恨みしており、自身のシステムによってダブルGを破壊者にすることで、ビアンの理念を踏み躙ろうとしていた。いわば復讐のために作られたのがこのシステムLIOHである。このことはカオルの娘であるミナキ・トオミネも知らされていなかった。
雷鳳の脱出装置は極めて高性能に作られているが、これはシステムLIOHの保護が第一目的であり、パイロットはそのついでとして助かるにすぎない。
αナンバーズが部隊を分けた後、科学要塞研究所での防衛戦においてファイナルモードが起動したがダイゼンガーによって撃墜されたことで強制停止。 その後、DMLシステムの搭載に伴いLIOHは封印されたが、機体が大雷鳳にアップデートされてからもシステムそのものは残されている。
OGシリーズ編集
『第2次OG』ではジンライの登場と世界観の変化に伴い、大きく設定が変更されている。
こちらではミナキが設計したMMIであり、αシリーズと異なりミナキの想定ではパイロットに負荷をかけるような設計にはなっていない。
当初はジンライの制御システムである対ダブルG用AI「システムZLAI」の補助システムとして組み込まれていたが、カオルは無人機であるジンライでダブルGを倒すことに拘っていた為、パイロットを必要とするLIOHには難色を示していた。 しかしその一方、ジンライが鹵獲され有人機として運用されることも想定しており、LIOHに「BSKモード」と「S-BSKモード」を密かに実装した上で、ミナキを誘導して「ジンライを有人仕様で運用する場合、DMLを使った上でLIOHのハーネスをレジスターとしなければならない」形へ設計するよう仕向けていた。
BSKモードはダブルGの存在を感知した場合、パイロットの脳を乗っ取り暴走させることでダブルGへの攻撃を行わせるものであり、S-BSKモードは外部起動も可能かつパイロットが死亡してもダブルGを破壊するまで止まらないという人道を完全に無視した破壊システムとなっている。
トウマによる搭乗時は初戦闘時にBSKモードが起動してしまい、これを受けてDML補助システムとして強度を落とした状態で運用されることになった。その後の戦闘でカオルによりS-BSKモードが強制起動されたが、対策を取っていたミナキにより爆破されたことで消滅した。
特殊能力「システムLIOH」編集
『第3次α』序盤、『第2次OG』加入後しばらくの間のみ、雷鳳の特殊能力として実装。 気力130以上で発動し、格闘・命中・技量が+20される。発動ムービーは用意されておらず、イベント会話が毎回挟まる(OGシリーズではなし)。 いずれの作品でも「ライジングメテオ」の解禁と入れ替わりに削除される。
関連用語編集
- ODEシステム
- ヴィルヘルム・V・ユルゲンが設計したMMI。犠牲を減らすために大量の生体コアを必要とするという本末転倒な欠点があり、OGシリーズではラミアが類似性を指摘している。
- JINKI-1
- ダイゼンガーに搭載されたOS。こちらはパイロットの動作を先読みして機体を動かすことで「人機一体」を実現するシステムであり、LIOHとは似て非なる存在。