スコープドッグ | |
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外国語表記 | Scope Dog |
登場作品 | |
デザイン | 大河原邦男 |
分類 | ミッド級アーマード・トルーパー |
生産形態 | 量産機 |
型式番号 | ATM-09-ST |
全高 |
3.804 m
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乾燥重量 | 6.387 t |
基本待機重量 | 6.627 t |
最大出力 | 230 Hp |
最大トルク | 51 kg/m |
マッスルシリンダー | 1P-MJ-S2 |
ポリマーリンゲル液 | DT-MO |
巡航速度 | 41.0 km/h |
最高走行速度 | 82.3 km/h |
装甲厚 | 6-14 mm |
PR液総量 |
184リットル
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開発 | メルキア星・アデルハビッツ社 |
所属 | ギルガメス連合軍 |
乗員人数 | 1名 |
主なパイロット | キリコ・キュービィー |
概要
ギルガメス軍の主力AT。
ATM-08-ST「スペンディング・ウルフ」をベースにアストラギウス暦7198年にメルキア軍の開発局においてアデルハビッツ社を中心に開発され、百年戦争終結までに1千万機[1]を越える機体が生産された。百年戦争において最も普及した、ATの代名詞的存在であり、戦争の形態を大きく変貌させてしまった歴史に残る新兵器、そして百年戦争に、より一層の殺戮と混迷をもたらした最低の兵器として評価されている。
それまでの初期型ATで培われてきた数多くの新機構が集約されたATの決定版とも呼べる完成度を誇り、後に『ドッグ系』に連なる数多くの試作後継機が誕生している。また、この機体の開発に伴って、メルキア軍はAT開発のための様々なノウハウと幾多の特許を取得し、以後の戦争を左右するATの開発生産に関して独占的な立場に付くことになった。連合内では新参にあたるメルキアがギルガメスの首都星の座に就いたのは、スコープドッグの開発も大きな要素となったと言える。
反面、機動性を優先したがために装甲は非常に薄く[2]、対した機動力も時速41km(最高時速82km)と高いわけではない。また、駆動系にはマッスルシリンダーと呼ばれる人口筋肉が採用されているが、これには気化性、引火性の高いポリマーリンゲル液と呼ばれる液体が満たされているにも拘らず、可燃性対策が皆無のため、手足のような箇所であっても少しの被弾で機体が爆散する恐れがある。危険を孕んだ不発弾のような機体ではあるが、生命維持装置は耐圧服以外はほぼ無いに等しいと、効率重視かつ人命軽視のコンセプトが甚だしく「ボトムズ(最低野郎共)」の蔑称で呼ばれる一因となっている。
STのコードが付けられた標準型の他に、様々な改良型や数多くのバリエーションが産み出され、ほぼあらゆる戦場で活躍した。百年戦争の末期には既に旧式化が囁かれていたが余りにも普及していたこと、そして何より兵器(工業製品)としてあまりにも優秀過ぎたために世代交代が進まぬまま第四次銀河大戦の開戦を迎え、ATM-09シリーズはその戦争再開後も数十年に渡って第一線で活躍する。
ギルガメス軍の標準カラーは緑とベージュ、その中でもメルキア軍精鋭部隊の機体は薄紫の塗装となっている。
登場作品と操縦者
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品。通常型に加えて武装が異なる機体や、メルキア軍カラーやレッドショルダー仕様機といった数々のバリエーションが登場する。ゲーム中でも指摘されているとおり、機体そのものは弱いと言えるがキリコが搭乗することで凄まじいまでに性能が跳ね上がる。
- 余談だが、原作再現の演出とは言え、換装の度に左肩が赤く塗られたり、右肩が赤く塗られたりする。なお、スコープドッグは顔が左右非対称なので、敵版は別にグラフィックが用意されている。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 基本的に破界篇と同じ。換装装備にマーシィドッグ用のものが追加されたが、代償として強化パーツスロットが3に減少した。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 前作同様キリコ機とメルキア軍仕様が登場。キリコ機は戦艦Xに搭載されていた戦艦X搭載仕様で、通常カラーのスコープドッグは登場しない。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 前篇同様に通常タイプは戦艦X搭載仕様だが、ライト・スコープドッグに既に換装可能となっているため、地上戦では使わない可能性のほうが高い。
- 実は『時獄篇』からステータスが上昇している。
単独作品
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 自軍参入するのはグレゴルーらのTCが4機、バーコフ分隊のTC・ISSが5機、RSCが1の合計10機。内3機はキリコ機なので2機は同時出撃は出来ないが、1MAP中に最大8機同時展開可能。なお、素のスコープドックや、LRSで使用したTCのレプリカは登場しない。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2016年4月のイベント「ビフォアー・イット・スターツ」より実装。レアリティSSRのシューター。キリコ搭乗のノーマルスコープドッグのみとなる。数値上はそこまで高いわけではないがアビリティによってカバーしており、特にHPが減ると能力が跳ね上がる。必殺スキルはソリッドシューターの3連射で、単体技なのでボス戦向け。陸以外の地形適応が低いのが欠点。
- 真価を発揮するのはアリーナ。HPが1/4を割って異能生存体が発動すると、他のアビリティとの合算で命中率+150%、回避率+120%、攻撃力+110%、クリティカル率+15%という驚異的な補正がかかる。無論相手にした時も同様で、こちらの攻撃は全く当たらなくなり、魂による超火力または直撃によるバリア・分身・防御無効のソリッドシューターで味方を次々と墜としていく。キリコ1人に戦況をひっくり返されることも少なくなく、異能生存体を敵に回すことの恐ろしさと無謀さを実感できるだろう。後にEXアビリティ「行動力アップ」が加わりその一騎当千ぶり(と敵に回った時の厭らしさ)に磨きがかかっている。天敵は直感+連続ヒット必殺スキルで異能生存体スキルを封殺できるディスヌフ。
装備・機能
武装・必殺武器
格闘兵装
- アームパンチ
- カートリッジ式の炸薬で腕を高速伸縮させ、パンチの威力を高める固定兵装。使用後には薬莢が排莢される。ヘヴィマシンガン等はケースレス弾を使用しているのか排莢の描写はなく、この武装のローテクさをアピールしている。
射撃兵装
- GAT-22 ヘヴィマシンガン
- スコープドッグの標準的携帯火器。液体火薬を使用した30mm機銃弾が120発装填され、連射および単射が可能。オプションとしてグレネードランチャーが装備出来る。キリコの搭乗するスコープドッグには、ほとんどの場合装備されている。
- 実在する銃同様、単発と連射を選択可能で搭乗者の音声認識(バルカンセレクター)で、ライフル側面のスイッチを切り変え変更可能な模様。キリコの場合、ほとんど単発モードを使用し連射はあまり使わない。
- 劇中では薬莢を排出している様子が見られないので、前述のとおりケースレス弾を使用しているものと思われるが、液体火薬を使用しているので湿気で不発になることはない。
- GAT-22-C ヘヴィマシンガン改
- GAT-22ヘヴィマシンガンの各種カスタムタイプ。
- 一般的には、銃身の短縮とストックの省略が施されたショートバレル型を指す。これは重量が軽く銃身が短い事から取りまわしに優れ、ジャングル戦や接近戦でよく使用された。キリコ機以外が装備している場合が多く、混戦時などでの個体識別に役立つ。ちなみに正式名称は無い。
- GAT-35 ロッグガン
- ATが扱える唯一のエネルギー兵器。破壊力は絶大だが、エネルギーチャージや取りまわしに問題があるため、主に対艦用火器として用いられる。高価な武器なのか、原作では第1話と第46話に登場した軍の正規の機体が使用してる程度で、登場回数は極めて少ない。
- GAT-49 ペンタトルーパー
- AT用のマルチハンドガン。装弾数が6発と少ないながら、ロケット弾や50mm徹甲弾など弾種が豊富で、重火器を携行出来ない、あるいは空挺部隊や憲兵隊などのその必要性がない部隊を中心にかなり普及している。
- アニメ版ではSMG的な扱いとなっており、装弾数もヘヴィマシンガン並になっている。
- HRAT-23 ハンドロケットランチャー
- 装弾数11発の4連装ロケットランチャー。ヘビィ級ATのトータス系列の機体の装備と共通のもの。新しめの資料にはハンディロケットランチャーと記述されている事もある。
- SAT-03 ソリッドシューター
- バズーカ型の火器で、設定では弾体を電磁カタパルトで発射する、いわゆるレールガンであるとされるが、火薬式との複合型もあるのか現実のバズーカなどと同様爆炎が描写される場合も多い。反動が少ないため宇宙空間で活動する機体によく装備される。
- SMAT-38 ショルダーミサイルガンポッド
- 手持ち式の9連装大型ミサイルランチャー。
- 火炎放射器
- 手持ちの銃型火炎放射器。サンサ編の戦艦X内で流されたレッドショルダーのスコープドッグが使用しているシーンがあるが、一瞬しか登場しない関係からか詳細な設定は存在しない。SRW未実装。
必殺技
- アサルト・コンバット
- 『第2次Z』で採用された、複数の武装でのコンビネーションアタック。RM以外の全てのキリコ機で使用可能。
- 各機で攻撃方法が違うのはもちろんだが、機体によっては背景の配色も変わる。基本的に各機体が作中で活躍した地形をイメージしたものになっているが、どれも最後は炎に包まれる。
移動タイプ
サイズ
- S
カスタムボーナス
機体BGM
- 「炎のさだめ」
主なバリエーション機
- スコープドッグRM
- ラウンドムーバーザックを装備した宇宙戦対応型。
- スコープドッグ・レッドショルダーカスタム
- 治安警察との戦いで使用したカスタム機。本来のレッドショルダー仕様とは異なる。
- パープルベアー
- ステレオスコープを備えた偵察・観測用の機体。バトリングでもよく用いられる。用途の影響か装甲も薄く速度もイマイチ。SRW未登場。
- ストロングバックス
- STCタイプと呼ばれる装甲強化型。生存性の高さからバトリングでも人気の機体。
- ブルーティッシュドッグ
- パーフェクトソルジャー専用にチューンナップされた特別機。固定武装のガトリングアームが特徴。
- マーシィドッグ
- 湿地戦仕様。ハイドロジェットと浮き袋の装備によって水上戦が可能となっている。
- スコープドッグII
- 別名「スペース・アサルト」又は「戦艦X搭載型」。宇宙戦に特化されたタイプ。SRWではスコープドッグ明記で登場。
- スコープドッグRS
- レッドショルダーに配備されていたチューンアップ機。リーマン少佐用の指揮官仕様機も存在している。
- スコープドッグ・ターボカスタム
- ジェットローラーダッシュ機構を備えた高機動型。
- ターボカスタム(レプリカ)
- ラストレットショルダーでキリコ達が使用した、ターボカスタムレッドショルダー仕様のレプリカ機体。
- ターボカスタム ISS仕様
- メルキア情報省特殊部隊ISSに配備されていた宇宙戦用の黒いターボカスタム。
- ライト・スコープドッグ
- 装甲と装備を極限まで削ぎ落し、運動性と追従性に特化したカスタム機。設定上は時速100㎞以上の高速を出せる。
- ベルゼルガ・イミテイト
- クエント人専用のAT「ベルゼルガ」を模したカスタム機。もちろん、パイルバンカーは装備している。SRW未登場。
- バーグラリードッグ
- 荒地戦仕様機。不整地走破用のソリを備える。キリコが搭乗した機体は強襲戦用の重武装を施している。
- スコープドッグ雪上戦仕様
- アイスブロウワーと呼ばれるかんじきと凍結防止装備を備えた寒冷地専用タイプ。SRW未登場。
- スコープドッグ (ショルダーミサイルポッド)
- 両肩にショルダーミサイルポッドを装備したタイプ。
関連機体
- スペンディングウルフ
- SRW未登場の前身機種。『送り狼』の名に恥じぬ、コストがかさむほどの高い生存性が最大の特徴。おかげで作戦成功率も非常に高いので前線では大人気だったがコスト面を問題視され、生産は少数にとどまった。
- 生産性優先のために、この機体から搭乗者の人命に関わる装備をオミットしたのがスコープドッグである(実は、機体性能の差は殆どなかった)。スコープドッグの名は『狼』に劣る『犬』という意味であるとも言われている。
- グラントリードッグ
- ギルガメス軍の次期主力試作AT。後のヘビィ級ドッグ系列機の祖となる機体。秘密結社に試作機が奪われ、機密保持のために開発計画は中止となった。ブラッドサッカーは本機の発展系とも名前を変えただけの同一機体とも言われる。
- ブラッドサッカー
- 『ザ・ラストレッドショルダー』に登場した、新型ヘビー級ATの試作機。スコープドッグの系譜に連なる機体なのだが、「ドッグ」の名を冠していないのは機密の都合とも言われている。
- 秘密結社の協力を取り付けたペールゼンが終戦後かき集めた、元レッドショルダー隊員が搭乗していたためか、レッドショルダーの部隊章がしっかりと記され、右肩もご丁寧に真っ赤であった。この機体の完成型が、後にイプシロンが駆る『ストライクドッグ』であり、さらに『ラビドリードッグ』へと続く。
- デスグィード
- 機甲武装Gブレイカーに登場するFTで、スコープドッグに似ている。
- SUN-DRIVE「ATM-09-ST スコープドッグ」
- 『サン娘 Girl's Battle Bootlog』の登場人物、天霧静流が装着する本機をモチーフとするSUN-DRIVE。
余談
- 3連ターレットスコープが突き出している頭部の形が「蛸」を連想させるため、ボトムズシリーズファンからは「スコタコ」の愛称で呼ばれている。
- 日本のとある鍛冶造形作家が、鉄を加工して(無可動機ではあるが)実際に1/1スケールのスコープドッグを制作したことがあった。この機体は左腕がクロー付きのガトリングガンになっており、「スコープドッグ ブルーティッシュカスタム」と呼ばれている。
- 『ガンダムビルドファイターズトライ』(SRW未参戦)に登場するガンプラであるハイモックは、機体色が(キリコが搭乗する)スコープドッグと同じ緑色で、外見が似ている(ただし、ハイモックのカメラアイは3連ターレットスコープではなくモノアイであるという相違点も存在するが)。
- ちなみに同作第11話に登場した実物大モデルのハイモックは、コックピットハッチの開閉構造および降着姿勢がスコープドッグのそれと同じであった。おそらく、制作スタッフはスコープドッグを意識しているのだろう。
脚注
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