- 2005年7月4日~2005年12月26日放映(テレビ東京) 全26話
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦K(2009年)
概要
キャッチコピーは「痛快娯楽復讐劇」。遠い未来、宇宙のどこかにある地球とは違う惑星「エンドレスイリュージョン」で愛する女を殺され、復讐に生きる男ヴァンと少女ウェンディの旅の物語。
作品のテーマは“復讐”だが、“痛快娯楽”のキャッチコピーの通り作風は明るく、ロボットアニメにもかかわらずそれを前面に出していない異色作。第一話放映完了まで、完全にロボットアニメであると公表されていなかった(それまでは良くある西部劇風としか見えなかった)。予告を含む全ての話に伏線を張り、それが少しずつ解明されていくにつれて宿敵の元へと近づき、エピローグ(ラスト3分)で全ての伏線が明らかになるという丁寧かつ珍しい作風。復讐を望むヴァンの初志貫徹も踏まえて、文字通り完走しきった作品である。
漫画は2種類。チャンピオン版は本作とはあらゆる面で大きな違いがあり、アニメとの関連性は希薄。『ガン×ソード Another』はアニメの外伝的作品となっている。
ストーリー
ここは宇宙の吹き溜まり「惑星エンドレス・イリュージョン」。荒野に夢が、街に暴力が溢れる、ボンクラたちの理想郷。さすらいの男・ヴァンと、少女・ウェンディは、カギ爪の男を追って旅に出る。1人は「絶望」を、1人は「希望」を見つめながら・・・
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
ヴァン一行
- ヴァン
- 主人公。かつて婚約者エレナを挙式の最中でカギ爪の男によって殺害された過去を持ち、その復讐の為にカギ爪の男を追い続ける。
- ウェンディ・ギャレット
- 本作のメインヒロインにしてもう一人の主人公。誘拐され生き別れになった兄であるミハエルを探す為にヴァンと共に旅に出る。
- カメオ
- ウェンディの飼っている亀。普段はペンダントのようにウェンディの首にかけられている。
- プリシラ
- 闘技場で出会った孤児出身のヨロイ乗り。ヴァンに好意を寄せ、共に戦うことを決意する。
- カルメン99
- ヴァンと旧知の情報屋。
- レイ・ラングレン
- ヴァンと似た過去を持つ流れ者のヨロイ乗り。
- ジョシュア・ラングレン
- レイの弟。
- ユキコ・スティーブンス
- エルドラメンバーの紅一点だったチヅルの孫娘。
エルドラメンバー
ヴァン一行に協力する。「エルドラチーム」表記の場合も。
カギ爪の男の集団
- カギ爪の男(クー・クライング・クルー)
- 右腕がカギ爪となっている謎の老人。「幸せの時」と呼ばれる謎の計画を遂行する。
- ミハエル・ギャレット
- ウェンディの兄。カギ爪の男に傾倒し計画に参加する。
- ガドヴェド・ガオード
- ヴァンの師ともいえる存在。
- ファサリナ
- カギ爪の男を崇拝する女性。
- ウィリアム・ウィル・ウー
- カギ爪の男の息子。
- カロッサ
- メリッサの双子の兄。気性が荒く好戦的。
- メリッサ
- カロッサの双子の妹。気弱で大人しい。
- ザピロ・ムッターカ
- カギ爪の男の集団のチーフエンジニア。
その他
- エレナ
- ヴァンの婚約者だった女性。結婚式当日にカギ爪の男によって殺された。回想でヴァンやガドヴェドと会話するシーンはあるが、一度も素顔が写されていない。ゲームでは「神は裁き」の演出で後姿を確認できる。
- シノ
- レイの妻だった女性。やはりカギ爪の男によって殺された。シルエットのみで、こちらも素顔は写されなかった。SRW未登場。
- カイジ
- 作中屈指の人気を持つ海の男。主な出番は二話分だったのだが、様々な名台詞を残した。
- チヅル
- エルドラメンバーの紅一点。老齢まで生きたが作中では既に故人。ゲームではエルドラVとエルドラソウルの攻撃の際に若い時の姿がカットインが見れる。
- フランコ
- ユキコの幼なじみ。ユキコに一緒に町を出ようと誘っていたが、結局ユキコはエルドラメンバーとともに旅に出てしまった。
- キャサリン・ナカタ
- ミズーギィの街で「水着王国」を建国?した。実は金属繊維の研究者でもある。
- マンソン
- キャサリンの夫。こちらも同じく金属繊維の研究者。
- ブッチ
- グローリアの街に住む研究者。被害妄想に駆られヨロイで暴れたが、エルドラメンバーに懲らしめられ改心。G-ER流体を扱えるなど、その道では優秀な人物。
- バリカール
- ウェンディが(騙されて)購入したラクダに近い動物。通称ロバ。ウェンディは可愛がってたがどう見ても駄馬。ちなみに自主規制の達馬。
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
オリジナル7
レプリカ
楽曲
登場作と扱われ方
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦K
- 初参戦。従来のスパロボと比べれば目立ったクロスオーバー等は特になく、せいぜい「ダリウス殺しのヴァン」といった通り名がある程度。世界観の再現率は他作品と比べると高い方であるが、あくまで比較しての話。一方でヴァンやレイなど一部キャラの性格改変があり原作ファンからは不満の声が上がっており、スパロボ補正が裏目に出ている。
- ダン・オブ・サーズデイの追加能力は凄まじいの一言。育てておいて損はない。
- 地形適性が隠しユニットのサウダーデ・オブ・サンデイを除いて全て宇宙Bなのが辛い所。原作で宇宙でまともに戦えたのがサウダーデだけだったので仕方ないと言えるが。
単独作品
- スパロボ学園
- 何故か公式サイトの紹介年代が1998~1999年になっていた(現在は直されている)。
用語
- 惑星EI
- EIは「エンドレス・イリュージョン」の略。物語の舞台となる地球から遠く離れた惑星であり、ナレーションでは「ボンクラ達の理想郷」などとも言われる。かつて地球の囚人惑星だったという歴史がある。
- マザー
- 地球のこと。惑星EI住人の故郷であるが、「永遠の春休み」と呼ばれる細菌兵器の誤使用によってほぼ滅亡している(原作)。カギ爪の男はその唯一の生き残りである。
- ヨロイ
- 惑星EIにおける高度な駆動機械のこと。その適用範囲は幅広い。
- オリジナル7
- 囚人惑星であるエンドレスイリュージョンを監視し、有事の際に刑の執行を行うために存在した7人の処刑人、及び彼らの乗っていたヨロイのこと。
- G-ER流体
- オリジナル7用ヨロイの駆動系に用いられている物質。電流を通すことで固まったり液体に戻したり出来る青黒い色をした流体(解り易く言えば液晶のような物)。これを使用していないヨロイは二足歩行が不可能となっている。ちなみにER流体という物質は実在する。
- プリズン・プラネット・デストロイヤー
- 月の正体。処刑人であるオリジナル7でも対応できない事態が発生した時に、惑星全域に対する粛清を行う機能を持つと考えられる。唯一サウダーテのみがこの惑星破壊システムにアクセスできる機能を持つ。
- テラフォーミングベース
- カギ爪の男の本拠地となっている大陸そのもの。その正体は過去に惑星EIをテラフォーミングする際に使用された超巨大宇宙船である。
- 幸せの時
- この作品の全ての鍵となる計画。カギ爪の男の夢。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 初登場メカ | 備考 | 再現スパロボ |
---|---|---|---|---|
第1話 | タキシードは風に舞う | ダン・オブ・サーズデイ | OP無し | |
第2話 | ファニーストリーム | |||
第3話 | 勇者は再び | エルドラV | ||
第4話 | そして、雨は降りゆく | |||
第5話 | ツインズ・ガード | ヴォルケイン | ||
第6話 | ハートに火をつけて | |||
第7話 | 復讐するは我にあり | |||
第8話 | その絆に用がある | |||
第9話 | カルメン 故郷に帰る | 特別版ED | ||
第10話 | 海よ サンキュー | |||
第11話 | さよならのありか | 特別版ED | ||
第12話 | 帰らざる日々… | ディアブロ・オブ・マンデイ | ||
第13話 | 夢の途中 | サウダーデ・オブ・サンデイ | ||
第14話 | スウィフト・ブラウニー | ブラウニー | ||
第15話 | ネオ・オリジナル | メッツァ・オブ・チューズデイ | ||
第16話 | 輝くは電流火花 | |||
第17話 | 座標Xを追え | エルドラソウル | 特別版ED | |
第18話 | 祈るはサウダーデ | ドラクル | ||
第19話 | 素懐の果て | シン・オブ・フライデイ セン・オブ・サタデイ |
||
第20話 | ワンダフル・ユニバース | |||
第21話 | 空に願いを 地には平和を | ブラッドクレイドル ダリア・オブ・ウェンズデイ |
||
第22話 | 誰がために | 特別版ED | ||
第23話 | みんなのうた | ヴォルケイン改 | ||
第24話 | 夢の終わり | 特別版ED | ||
第25話 | バカがヨロイでやってくる | バースデイ | ||
第26話 | タキシードは明日に舞う |
主要スタッフ
- 制作
- AIC A.S.T.A.
- 監督
- 谷口悟朗
- シリーズ構成
- 倉田英之
- キャラクターデザイン
- 木村貴宏
- メカニックデザイン
- 反田誠二
- 寺岡賢司
- 音楽
- 中川幸太郎
余談
- 本作では、宇宙空間に出た際『コクピットから発する通信、音声』を除いて全てが無音となっている。これはリアリティの追求の一環であり谷口監督が手がけた「プラネテス」で得たノウハウが生かされている。以後、超常現象から成るものは除いて宇宙空間での行動は全て無音となる。これは後に発売された無限のリヴァイアスのリニューアルBOXでもわざわざ再編集されて処理されている。
- 本放送時は本来4月から開始する予定だったが、制作の遅れから『勇者王ガオガイガーFINAL GRAND GLORIOUS GATHERING』を本作を放送予定だった枠で放送し、その後『ガオガイガー』の後番組として放送を開始している(予算の都合がつかなかったためである。そのためガン×ソードは高クオリティに反する超低予算で作られている。(当時放映されていたガンダムの三分の一以下)監督が『潤沢な環境で良作ができるのは当然』というスタンスに反逆し、敢えて中小のプロダクションで一から奔走し、貫徹したためであった)
商品情報
DVD
- 通常版
- 限定版
書籍
楽曲関連