アンジェロ・ザウパー | |
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外国語表記 | Angelo Sauper |
登場作品 | |
声優 | 柿原徹也 |
種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
年齢 | 19歳 |
所属 | ネオ・ジオン(袖付き) |
軍階級 | 大尉 |
概要
フル・フロンタル親衛隊隊長を務める袖付きのMSパイロット。フロンタルに心酔しており、常に彼の傍らに仕えている。
パイロットとしてエースクラスの実力を持っている反面、極めて傲慢な性格上に、目的の為ならば平然と非道な手段をとる等、精神面は非常に幼い傾向がある。民間人を盾にしてオットー・ミタスに友軍艦への攻撃を強要した事から、オットーからは自身達の事を「軍人」ではなく「テロリスト」であると断じられた。更にはジオン公国軍の残党軍を「戦争屋」呼ばわりし、敵ごと巻き添えにして攻撃を行う等、フロンタル親衛隊以外のジオン軍人の事は、もはや仲間とすら見なしていない節さえある。
このようないささか病的な性格には、過去の過酷な経験が関係している。幼少時はサイド3の都市グローブに住んでいたが、一年戦争終結後、占領政策への不満から暴徒と化した連邦兵によって父親を殺され、母親も性的暴行を受け精神が崩壊してしまう。その後母親は再婚するが、義父となった人物の目的はアンジェロに性的暴行を加えることだった。母のために暴行に必死に耐え続けるも、ついに母が自殺するに至って家から脱走、スラム街にて男娼にまで堕ちるという壮絶な経験をしており、そんな破滅的な状況でフロンタルに拾われた。
当初はシャア・アズナブルを模した存在である彼に現在程まで妄信していた訳ではなく、どちらかといえば懐疑的に見ていたのだが、シナンジュ❘シナンジュ・スタインの強奪作戦時において、紅く塗装されたギラ・ドーガで敵のジェガン隊を翻弄し、見事にシナンジュを強奪して敵を殲滅させていく光景を目の当たりにした結果、「赤い彗星」ではなく「棄民の王」として、彼を崇拝するようになった。その為、ニュータイプとしてフロンタルの興味の対象となっているバナージ・リンクスに対しては、初対面より異常なまでの敵愾心を抱いている。
あまりに壮絶な生い立ちではあるが、マリーダ・クルスやスベロア・ジンネマンのようにストーリーに大きく関わる訳でもないからか、OVA版では過去の描写はほとんどない。
外伝漫画『『袖付き』の機付長は詩詠う』では、整備兵に横柄な態度を取った部下を諌めるなど、OVA本編では見せることが無かった紳士的な一面が描写されている。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初登場作品。フロンタルの腰巾着のような印象。ギュネイやクェスと異なりニュータイプでも強化人間でもなく、底力も無い為、雑魚と比べて少しばかり時間をかける程度でいつの間にか倒せてしまう。原作でも後半まではさほどの見せ場が無いのでその再現と言えなくもない。……ただし、それを補うためか乗機の命中補正がかなり高めになっているので油断は禁物である。乗機の射程が長めなのも厄介。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 原作通り中盤以降の搭乗機・ローゼン・ズールに乗ってくる。難易度如何にもよるが、とにかく無駄にしぶとい。じわじわ削るより一気に削って退場してもらったほうがいいタイプの相手。シナリオ上では原作再現が多いため、出番も中々多い。
- ちなみに、彼は本作の中断メッセージでも登場するが、バナージの率直すぎる意見にマジギレして銃を向けるという暴挙に出る。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦BX
- シナリオによってはマップ開始時にはギラ・ズールに搭乗し、撤退、または撃破後にローゼン・ズールに乗り換えて再度出撃する展開も見られる。
- なお、今作では何故か強化人間技能を持っている。ローゼン・ズール搭乗時の壊れっぷりの再現だろうか?そのため、パイロットとしては手強い。
- 最期はバナージのみならず刹那やキオ達にも自身の過去を知られ、絶望と共に発狂しながら死亡するというある意味原作以上に悲惨な最期を遂げる。原作では最後まで死亡はしていないので、「原作では生き延びたのにスパロボで死亡したキャラ」の仲間入りをしてしまった[1]。
単独作品
- スーパーロボット大戦V
- ほぼ原作通りに活躍するも、地球艦隊・天駆との決戦でフロンタルが心変わりしてしまった事に絶望。そこに付け込んだザビーネ・シャルによって引き込まれる事になってしまう。しかし、大マゼラン銀河での決戦では、貴族主義に捕らわれて自分を完全に見失ったザビーネの姿に完全にドン引きしており、結局は流されるまま戦った末に撃破され、捕虜として捕らわれる。その後は完全に生きる意味を見失い、自らを殺すよう望んだが、自分と似た境遇にあったリディ・マーセナスに優しく諭されて、何とか持ち直す事になる。
- 最終的にフロンタルの元へと戻ることになった様で、本作でのアンジェロはこれまでの参戦作品の中で最も優遇されている。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
マリーダよりも全体的に上。しかし、特殊スキルと搭乗機で上を行かれているのが実情。天獄篇では搭乗機ともども大幅なパワーアップを果たして襲ってくる。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
- 第3次Z時獄篇
- 援護攻撃L3、見切り、ガード、気力+(ダメージ)、サイズ差補正無視L1、カウンターL4
- 可もなく不可もなく、と言った感じで割と平凡。ただし、天獄篇ではこれに底力L7が加わる上にエースボーナスも重なり、とんでもないしぶとさを発揮してくる。
- BX
- 強化人間L7、援護攻撃L3、全体攻撃L3、ガード
- 何故か強化人間技能を持っている。
エースボーナス
- フロンタルがマップにいる時、被ダメージ0.7倍
- 第3次Z時獄篇。つまり、フロンタルが健在ならば常にガードが発動しているようなものである。自前のガードと合わせれば0.56倍、ダメージがほぼ半減されるという面倒極まりないボーナス(あり体に言えばEN消費なし、直撃、バリア貫通武器でも無効化できない歪曲フィールドが発動している状態だろうか)。
- 幸い時獄篇では習得することはないが、天獄篇では難易度次第で最終決戦時に習得。ネームドなので経験値は多いが、正直割に合わない。戦う前にフロンタルに戦力を集中させて勝利条件を満たしてしまうのも視野に入れたほうがいい。
人間関係
- フル・フロンタル
- 彼の親衛隊長を務める。フロンタルにとっても腹心的存在。彼に絶望的な状況から救われた事で、個人的にも心酔している。
- ミネバ・ラオ・ザビ(オードリー・バーン)
- 彼女から「危険な男」と評される。フロンタルと思想的に相容れない人物であることから、アンジェロ側も良い感情を抱いてはいない。
- バナージ・リンクス
- フロンタルに興味を持たれていることから激しい嫉妬心を燃やす。
- リディ・マーセナス
- 共にバナージに嫉妬しているという共通点はあったものの、原作での絡みは特に無かった。しかし、Vではフロンタルが心変わりし、ザビーネに散々振り回された挙句、地球艦隊・天駆の捕虜となり自暴自棄になっていた所を、彼に優しく諭されて何とか心を持ち直す。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- シャア・アズナブル
- 第3次Zではネオ・ジオンの一部隊として袖付きが組み込まれているため、立場上は部下。表面上は従っているが、内心では快く思っていない。天獄篇ではギュネイに敵対された彼を侮蔑する発言をするが直後にアムロからシャアとフロンタル、ギュネイと自分の決定的な違いを突きつけられる。
- ハマーン・カーン
- シャアと同様、第3次Zでは立場上は部下。ネオ・ジオンの大幹部である彼女にも表面上は従っているものの、フロンタルを危険視する発言の多い彼女にはシャア以上に反発しており、時折刺のある軽口を叩いては睨まれている。
- 天獄篇ではシャアがネオ・ジオンを去り、フロンタルが実権を握ったこともあって、彼女にあからさまに不遜な口をきいて挑発するなど、後述のギュネイほどではないが両者の相性は相当に悪い。
- アムロ・レイ
- 天獄篇にて彼からシャアとフロンタル、ギュネイと自分の決定的な違いを突きつけられて逆上する。
- ギュネイ・ガス
- 第3次Zではネオ・ジオンでの同僚だが、ことある度に「強化人間風情」「フロンタルの腰巾着」などと罵り合うなど相性は最悪で、天獄篇で彼がZ-BLUEについた際には「これで貴様を合法的に始末できる」とまで発言した。
- ちなみに階級は原作通りだとするとアンジェロのほうがだいぶ上(アンジェロ=大尉、ギュネイ=准尉)であるが、そんなことはお構いなしの罵倒合戦が繰り広げられるため、Zシリーズの世界では両者とも同階級程度にされているのかもしれない。
- フェザール・イゼルカント
- BXでは彼(およびヴェイガン)を「亡霊」と吐き捨てる等、侮蔑している。
- キオ・アスノ
- BXではアスノ家は軍関係を始め世界で名が知れ渡っており、本来は民間人扱いの彼の事も知っていた。
- 刹那・F・セイエイ
- BXにて、今際の際にサイコフレームが暴走し、バナージやキオと共に彼にも自分の過去を見られた。
- ザビーネ・シャル
- Vでは、フロンタルの心変わりに絶望していた処で彼の口車に乗ってしまうものの、結局散々振り回されてしまう災難に見舞われる事に…。
スーパー系
名台詞
- 「知るものか。ただ、あの人が私をこの場に誘ってくれた…。薄汚い染みだらけのシーツから引き剥がして、自分の力を存分に試せるこの戦場に…」
- 「だから、大佐は『あの大佐』でなければならない…宇宙に棄てられた民を導き、この世界に浄化をもたらす棄民の王…もし、そうでなかったら…その時は…私がこの手で撃ち殺してやる…!」
- フロンタルによってシナンジュが強奪される事件が描かれる外伝作品『戦後の戦争』において、フロンタルが本当にシャアの再来なのか疑っていた親衛隊のキュアロンに対し、アンジェロが言った台詞。アンジェロにとって、自分を悲惨な境遇から救ってくれたフロンタルが何者であるかどうかはどうでも良い事であった一方、この時はまだ現在までにフロンタルに心酔していなかったのが伺われる。
- 「シャア…赤い彗星…シャアの再来…そんなものじゃない…。あの人は…我らを導く棄民の王だ…!」
- 外伝作品『戦後の戦争』にて、予定外のアクシデントがありながらも、紅いギラ・ドーガを駆ってジェガン隊を翻弄するフロンタルの姿を見て、アンジェロはフロンタルが赤い彗星をも超える存在になると確信を深める事になった。
- 「撃ってしまった…大佐の戦場を汚してしまった…私に…私に撃たせたなぁ!!!」
- 「では貴様はどうなのだ! 武力がすべて悪だというのならガンダムを使った貴様も同罪だ! 貴様のせいで我々も貴重な兵を失った…たとえ流れ弾だろうが、貴様が撃ったことに変わりはない!」
- 「奪わせない、汚させない! おまえは"染み"だ、真っ白なシーツを汚す染み! 消えてしまえ!」
- 「棄民の王となる大佐こそ箱の持ち手にふさわしい。それを理解しない愚民どもめ……お前らは染みだ! 残らず消してやる!!」
- 「忠義面して世界をめちゃくちゃにした戦争屋ども……! みんな汚らわしい染みだあ!!」
- 最終決戦時に友軍を巻き添えにして撃墜した際の叫び。アンジェロを動かしていたものはスペースノイドの大義でも、連邦の抑圧への怒りでもなく、自分を深く傷つけたこの世界そのものへの憎悪だったのかもしれない。
- 「大佐ぁ…」
- 最終話、シナンジュのコックピットを開き、フロンタルの亡骸を見て。
迷台詞
- 「た、大佐の信号がこんなに複数……!?」
「大佐……大佐がいっぱい……あぁ……」
「なんのつもりだ、貴様、大佐はわたし一人で探せる、手を出すな」 - 『真・ガンダム無双』より。フロンタルと離れてしまい捜索するミッションが始まる際の台詞。二段目の台詞の際には恍惚とした表情になっている。
スパロボシリーズの名台詞
戦闘台詞
- 「所詮はワンオフの玩具だろうが!」
- 時獄編での特機相手の特殊台詞。原作(特にOVA版)での袖付きの困窮具合や軍人的な観点から見れば、こう言いたくなるのも分からなくは無い。
- 「いい声はしているが、ここまでだ!」「戦場にドリルなど持ち込んで!」
- 時獄編での対シモンの特殊台詞。言うまでもなく声優ネタである。
- 「ハハハハハ! 逃げ惑え、雑魚め!」
シナリオデモ
- 「大佐! 大佐ああああ!?」
- 天獄篇での決着シナリオにおいて、撃墜しないでフロンタルを倒した場合の台詞。いずこかに消えていったフロンタルを追いかけるように去っていき、この後は登場しない。ギュネイが仲間になっている場合は、フロンタルに頼らない生き方を見つけろと言われる。
- 「見るな…! 見せるなッ…! うわぁぁぁぁぁぁーっ!!」
「あ…た、大佐…?ああ…大佐…」 - BX38話「たったひとつの望み」にて、乗機を撃墜される寸前、そのダメージによりサイコフレームが暴走し、自分の感情と共に記憶が流されていき、バナージや刹那、キオに自身の過去を知られて錯乱しながら。この言葉を最期に宇宙に散るという、原作よりも哀れな結末であった。
- 「既に大佐の存在は、シャア総帥を越えている!」
「赤い彗星はよみがえったのではない!新たな赤い彗星が生まれたのだ!」 - 『V』ロンド・ベルルート第24話より。フロンタルに心酔していると共に、彼をフロンタルという1人の人間として見ている事を表している台詞である。
搭乗機体・関連機体
- アンジェロ専用ギラ・ドーガ
- PS3版ゲームに登場した彼専用のギラ・ドーガ。大型プロペラント・タンクとランゲ・ブルーノ砲を装備した重武装仕様となっている。
- アンジェロ専用ギラ・ズール
- 専用機。バックパックはランゲ・ブルーノ砲・改と接続された重装型に換装されている。カラーリングは紫。
- クラーケ・ズール
- 漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』と漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』に登場。ネオ・ジオン残党軍が技術試験用に開発した試作MS。後述のローゼン・ズールへの機種転換を円滑に行うために搭乗していたらしい。
- ローゼン・ズール
- 原作後半にて搭乗した専用機で、ハンマ・ハンマのコンセプトをギラ・ズールに移植した機体。ハンマ・ハンマ設計時には存在しなかったサイコフレームが搭載されたことで、非ニュータイプのための準サイコミュシステムが完成した。初登場の際にはシナンジュと2機で連邦軍を圧倒した。
- レロ・ズール
- 2011年度のエイプリルフールネタで登場したアンジェロ専用機。ズールシリーズの下半身にザクレロの頭部が接合されているという凄まじい外見で、全高もアンジェロより若干高い程度、つまりどう見ても2メートル前後という突っ込みどころ満載の機体。SRW未登場…というか明らかに出てはいけない。
脚注
- ↑ ただし小説版では、怨嗟に捕らわれたまま散ったフロンタルの変わり果てた亡骸を見て、彼の後を追って自ら命を絶ったかの様な描写がされている。