Gファイター(G-Fighter)
- 登場作品:機動戦士ガンダム(TV版)
- 分類:支援用重戦闘機
- 動力:核融合炉
- 装甲材質:ガンダリウム合金(ルナ・チタニウム合金)
- 開発:地球連邦軍
- 所属:地球連邦軍
- 主なパイロット:セイラ・マス、スレッガー・ロウ、ハヤト・コバヤシ(初出撃時)
地球連邦軍が開発した支援用重戦闘機。「Gメカ」や「Gパーツ」とも呼ばれる。ガンダムの行動範囲の拡大を図って開発されており、単体の戦闘機としても運用可能となっている。
前部であるAパーツと後部であるBパーツで構成されており、その内部にガンダムを収納して輸送し、目標地点へ到達すると分離(「ボルトアウト」と呼ばれる)する。コクピットはAパーツに設けられている。また、Aパーツにはキャタピラも取り付けられている。
さらに、サブ・フライト・システムとしても運用可能で、上部にモビルスーツを1機乗せる事が出来る。上部に乗るモビルスーツはガンダムというのが半ばお約束であったが、理論上は(重量制限が許す限りであれば)ガンダム以外のモビルスーツを搭乗させる事も可能である。
本機はマチルダ・アジャン率いるミデア輸送部隊によってホワイトベースへ搬入され、その後、もう1機がジャブローにて搬入された。 パイロットはセイラ・マスとスレッガー・ロウが務め、アムロ・レイのガンダムを支援している。スレッガー機はソロモン攻略戦でビグ・ザムに特攻して大破し、セイラ機もア・バオア・クー攻防戦で損傷し、放棄された。
本機はTV版でのみ登場しており、劇場版では代わりに「コアブースター」が登場している(しかし、TV版フィルムが流用されているので、一瞬だけGファイターが写ってしまっている)。 Gジェネレーションシリーズの原作再現シナリオでは両方を出したかったのか、「スレッガーが乗るのはGファイター、セイラが乗るのはコアブースター」という扱いがされたこともあった。
なお、『トニーたけざきのガンダム漫画』では度々セイラさんが乗りたがっている(同作では劇場版準拠でコアブースターが配備されているため)。
当時の派手な変形・合体を備えた他のロボット玩具に比べ、いささかギミックの少ないガンダムを補うための存在でもあり、そういった面でも由緒正しきサポートメカである。
その他メディア
近藤和久氏のコミカライズ版『機動戦士ガンダム0079』ではデザインがかなり変更されている。パーツごとの分離はせず、Gディフェンサーのようにガンダムの背部に合体するようになっている。原作のようにガンダムを立たせたまま上に乗せたのは初登場時の1回だけで、その後は大気圏内ではガンダムの背部に合体、宇宙ではメガライダーのようにガンダムを跨せて乗せている。また、複座式の量産型が存在する。なお、「セイラ機がGファイター、スレッガー機がコアブースター」だったが、スレッガーはコアブースターがソロモン戦直前で機雷に接触して大破し、ソロモン戦では量産型Gファイターに乗り換えている。
各ドッキング・パターン
- Gアーマー
- Gファイターの内部にガンダムを収納した状態。U.C.0088年時には本機のコンセプトを単体で再現した機体であるΖΖガンダムが実戦に投入されている。
- Gブル
- GファイターのAパーツとガンダムのAパーツ、コアファイターで構成された戦車形態。ガンダムの腹部側が前となる。ビームキャノンが使えるため、火力は高い。
- ちなみにビームライフルも装備しているが、こちらはガンダムのBパーツに搭載されているジェネレーターが必要とされるため、使用不可(Aでは使用可能になっている)。
- Gブル・イージー
- Gブルからコアファイターを外した状態。こちらはGファイターの機首側が前となる。
- Gスカイ
- GファイターのBパーツとガンダムのBパーツ、コアファイターで構成された戦闘機形態。基本的にはコアファイターの機動性や航続距離を向上させているだけで、火力はコアファイターと大差ない。
- Gスカイ・イージー
- コアファイターにGファイターのBパーツを直接取り付けた状態。本来はサイズが合っていないはずなのだが、後にアダプターを介して取り付けられているという設定が付加された。劇場版のコアブースターの原型でもある。
- ガンダムMAモード
- ガンダムにGファイターのBパーツを上下逆にして取り付けた状態。
- 「ガンダムの上半身に戦闘機(Gファイター)の下半身」という、リアルロボットにしてはかなり特異な外見(デミトリー曰く「モビルアーマーの出来損ない」)だが、見かけに反して性能は高く、モビルアーマー並みの機動性を持つと言われる。
- これが正式な名称と言うわけではなく、他にも「ガンダム・スカイ」などと呼ばれる事もある。ビグロの速度に脅威を覚えたアムロが対抗策としてザクレロとの戦闘時にのみ使用した。
- ガンダム+Gファイター
- サブ・フライト・システムとしてガンダムを上に乗せた状態。正確にはドッキングではないが、便宜上ここに記載。
登場作品と操縦者
旧シリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦
- PSのCB版において、隠し要素のGパーツを入手することでガンダムがGアーマーに変形できるようになる。飛行可能になり機動力や射程も向上するがパワー不足は変わらず、後のシリーズのような特殊能力も無いため中盤以降使うのは困難。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- フルアーマーガンダムとの二択で、セイラの撃墜数がアムロより多いと入手できる隠し機体。合体後はGアーマー、Gブル、Gスカイ、ガンダム(MA)になる。
- GBA版ではガンダムの分も合わせて強化パーツを8つもつけることができる為、凄まじい性能になる。さらに二人乗りで育てたいパイロットの育成ができたり精神を使えたり恐ろしいまでに使い勝手がよい。
- スーパーロボット大戦A PORTABLE
- 2周目以降は無条件で入手できる様になった。強化パーツスロットの仕様変更やV-UP系の廃止によってA程の異常な性能は無いが、二人乗りかつ最強クラスのMSという評価はゆるぎない怪物である。
単独作品
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- 2機手に入る。リアル系では珍しくガンダムとの合体が可能で、合体後は「ガンダム+Gファイター」になる。
- この形態になるとガンダムとGファイターの武器が両方使用可能となり、ガンダムの火力とGファイターの飛行能力を併せ持つようになる上、事実上の二人乗りユニットとなり二人分の精神コマンドが使用できるなどメリットが多く使い勝手は良い。
- また、今回はいないメタスの代わりに修理ユニットとしても活用できる。合体してもサイズが変わらないことと、G-3ガンダムやフルアーマーガンダムとは合体不可能なのが惜しいところ。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- セイラ機が登場。ミサイルランチャーに「対地」「ヒット&アウェイ」ビームキャノンに「対宙」「ビーム」特性が付いているので、攻撃力の数値以上のダメージを出せる。
- 本作では補給装置を搭載。残念ながら、ガンダムとは合体できない。
装備・機能
武装・必殺武器
- ビームキャノン
- Aパーツの上部に2門装備。
- ミサイルランチャー
- Aパーツの機首に2基内蔵。機首が折れて発射口を露出させる。
- 4連装ミサイルランチャー
- Bパーツの後部に2基内蔵。
合体攻撃
特殊能力
移動タイプ
- 空・宇宙
- Gファイター、Gアーマー、Gスカイ、ガンダム+Gファイターが該当。飛行可能。
- 陸
- Gブルが該当。この時のキャタピラはGファイターやGアーマーでも使えるため、本来はそれぞれ地上戦も可能だが再現にはカスタムボーナスや強化パーツが必要。
- 宇宙
- ガンダムMAモードが該当。本来は宇宙でしか使えないが、やはりカスタムボーナス等で他の地形適応を得る事は可能。
サイズ
- S
- Mまたは3
- OEのもの。
カスタムボーナス
- 機体と武器の地形適応を全てA、移動タイプ「空/陸」を得る。
- A PORTABLE。
機体BGM
斜線で区切られたものは、劇場版サウンドトラックでの曲名。…GファイターはTV版からの登場なのにBGM名は劇場版という事も多々あるが、気にしてはいけない。
- 「ホワイトベース / 重力圏へ M43」
- OEでの選曲。
- 「赤い彗星 / 紅の機動兵器 M14」
- OEで連携攻撃はこちら。
対決・名場面
- 対グフ&ドダイ
- 第23話より。グフ&ドダイの連携攻撃に苦しむアムロのガンダム。戦闘中に脚をやられ、まともに動けなくなってしまう。
- そんな中、補給に来ていたマチルダは輸送してきたばかりのGファイターの投入を指示。ハヤトをパイロットにし、脚を損傷していたガンダムを乗せてグフに再び挑み、絶妙な連携プレーでこれを撃破した。
- 対ザクレロ
- 第32話より。先行させたガンタンクが苦戦するなか、アムロは宇宙での機動力を重視したMAモードで出撃。見事ザクレロの撃破に成功した。
- 対ビグ・ザム
- 第36話より。スレッガー機がガンダムと合体し、ビグ・ザムの至近距離までガンダムを無傷の状態で輸送することに成功。
- さらに分離後はそのまま決死の特攻を仕掛けた。射出されたクローの直撃を受けながらも、その巨体に痛手を負わせた。
- 対ゲルググ
- 第42話より。ア・バオア・クーの最終決戦においてセイラはジオン軍の新型MSゲルググと遭遇。
- セイラは「さすが新型」とその性能に感嘆しつつも、ビームキャノンの一撃で沈めて見せた。もはや、彼女も立派に歴戦の戦士であることを印象付けたシーン。
関連機体
余談
- 元々、Gファイターは番組を継続させるためのテコ入れ(『機動戦士ガンダム』の視聴率が芳しくなく、青森など一部の地域では放送打ち切りなどの憂き目に遭っていた)として、ゴッグやズゴックといったやられメカと一緒に出された物である。
- 健闘虚しく番組の打ち切りが決定されたものの、本メカの登場と同時にスポンサーであるクローバーからガンダムの超合金セットが発売され、スマッシュヒットを叩き出し爆発的な売り上げを記録した。この影響によるものか、クローバーは後に「長柄の武器を備えたロボットとそれが乗る支援メカ」という組み合わせの玩具をいくつか商品化している。(トライダーG7とトライダー・シャトル、ダイオージャとクロスエイダー等)
- 一方、富野喜幸(現:富野由悠季)監督はGファイターを「玩具的過ぎる」として、本作劇中に登場させることにかなり抵抗感があったようである。運搬が終わればただの『中身のない鉄の箱』になるためで、戦争描写に明らかにそぐわないためである。
- そのあおりを受けて、劇場版ではGファイターの代わりにコアブースターが登場したという経緯がある。
- その結果対ビグ・ザム戦が、迎撃されてもガンダムを接近させられる二段構えの作戦から、ただの捨て身の特攻になってしまった。なお『機動戦士ガンダム0079』ではソロモン戦直前にスレッガーがコアブースターからGファイターに乗り換え、『THE ORIGIN』ではコアブースターがガンダムを乗せることが可能にすることで、TV版の展開に近づけている。
- そのあおりを受けて、劇場版ではGファイターの代わりにコアブースターが登場したという経緯がある。