- 2011年1月28日 ~ 2011年4月7日 全3巻。
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦UX(2013年)
概要
2001年から2003年にかけてリリースされたOVA『マジンカイザー』シリーズの最新作にあたるが、前作シリーズと設定上の繋がりはなく、主役ロボ“マジンカイザー”のデザインや主要なキャラクターなど、ほぼ全てが本作オリジナルの設定となっている。
スピーディーなスタイリッシュアクションを楽しむことに徹底した娯楽作品が目指されている反面、舞台設定やキャラクター設定は必要最低限しか説明されず、このOVA版単体では謎や伏線が解決されない部分もある。
OVA版の内容を大幅に補足したメディアとして、漫画『マジンカイザーSKLヴァーサス』や小説『PROJECT KAISER 誕生編』(書籍『魔神大戦21』に収録)が別個存在するので、気になる人はそちらも見てみるとよいだろう。
ストーリー
はるかな未来――日本近海の奇械島では、本能的に戦いを求める者達が死闘を繰り広げていた。そこに現れた漆黒のロボットは、身の丈ほどの剣と百発百中の銃で敵を次々と血祭りにあげていく。
禍々しくも雄雄しいその雄姿! その巨大ロボットをある者は魔神、ある者はカイザーと呼んだ!!
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
WSO
- 海動剣(かいどう けん)
- カイザーのパイロットで、主人公一人目。コードネームは「アモン6」。
- 熱血・粗野・猪突猛進を地で行く男で、戦う事以外には殆ど興味を示さない。 剣撃による戦闘を得意とする。
- 真上遼(まがみ りょう)
- カイザーのもう一人のパイロットで、主人公二人目。コードネームは「ルシファー4」。
- ニヒルでクールだが、一度キレると手が付けられない危険人物と化す。銃撃戦を得意とする。
- 由木翼(ゆうき つばさ)
- 海動と真上を補佐する技術士官の女性。ウイングルも操縦。
- スカーレット・ヒビキ
- 海動と真上の上官であるグレンファルコン隊の指揮官。ウイングルの初代パイロット。原作では開幕早々に命を落とす。
- 荒神谷
- WSOの参謀。
- 唐吉
- 顔がボスに似ているWSOの幹部。
- WSO隊員
- WSOの一般隊員。
キバ軍
- キバ
- カイザーと敵対する勢力の一つ“キバ軍”の頭目。粗暴で欲望のままに暴れる人物。
- ゴウダ
- キバの部下。SRW未登場。
- キバの輩
- キバ軍の荒くれ者共。頭目同様の無法者揃い。また、女性に対する態度が非常に露骨。
ガラン軍
八稜郭
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
WSO
- マジンカイザーSKL
- 海動と真上が操るマジンガー。SKL(スカル)の名前の通り、ドクロのデザインが特徴。なお、劇中ではもっぱら「カイザー」と呼称される。
- スカルパイルダー
- SKL版パイルダー。ドクロ型の戦闘機。『UX』ではユニットアイコンのみの登場。
- ウイングル
- マジンカイザーSKLの女性型サポートロボット。頭部に巨大な翼を持つ。
- ミネルバXおよび(永井豪氏原作の漫画『デビルマン』に登場する女デーモンのシレーヌをモチーフにした)『マジンガーエンジェル』版ミネルバXがモチーフ。
キバ軍
- 爆劉鬼
- キバ専用ロボット。戦車のようなマシンに乗っている。
- GRK-7
- キバ軍の量産型ロボット。頭部に巨大なカマを持つ。
- モチーフはガラダK7。
- DBM-2
- キバ軍の量産型ロボット。2本の長い首を持つ。
- モチーフはダブラスM2。
ガラン軍
- ガイストテレス
- ガラン専用ロボット。力・装甲・機動性の全てがカイザーを上回る。
- エクスバトラー
- ガラン軍の量産型ロボット。鎧姿の兵士のような外見をしている。
- モチーフはキングダンX10。
- アイアンカイザー
- ガランの居城に隠されていたロボット。物語終盤、とある人物に強奪される。
八稜郭
- サイコギア
- 八稜郭を守る女性型量産型ロボット。
- サイコギアαH
- ハリケーン用サイコギア。黒髪ロングタイプ。
- サイコギアβH
- フラッシュ用サイコギア。赤毛のツインテールタイプ。
- サイコギアγH(M)
- ミスティ用サイコギア。青毛の縦ロールタイプ。
- サイコギアγH(F)
- ファンシー用サイコギア。
用語
- WSO
- 『マジンカイザーSKL』に登場する国際機関。本作の主人公である海動と真上は、WSOの戦闘チーム「スカルフォース」の所属。
- 奇械島
- 日本近海太平洋上に浮かぶ重力カーテンで覆われた島。島内ではキバ軍、ガラン軍、八稜郭の三つの勢力が互いに争っている。
- キバ軍
- キバ率いる荒くれ者どもの集団。
- ガラン軍
- ガラン率いる武人然とした兵士達の集団。
- 八稜郭
- アイラ率いる超能力を使用する女性達の集団。
- エルプスユンデ
- 『マジンカイザーSKL』に登場する人造人間。劇中では、とある人物の正体がエルプスユンデである。
- 重力炉
- 奇械島に所在する動力炉。これが崩壊すると世界が滅亡してしまう。その危機を防ぐ為に「スカルフォース」は奇械島に乗り込んだ。
楽曲
- オープニングテーマ
- エンディングテーマ
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- 「Juggernaut」
- 歌:sadie
- 挿入歌
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- 「THE DANGER ZONE」
- 歌:LOUDNESS
- 「LEGEND of KAISER」
- 歌:Rey
- 第3巻のウイングクロスからの戦闘シーンで使われる。
- 『UX』『BX』でウイングクロス後の戦闘BGMとして採用。
登場作と扱われ方
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- 初参戦作。ダイナミックプロ作品が1作品のみという参戦形態で、これはシリーズ初。また、『UX』における参戦作品の中で(『UX』発売当時は連載中だった原作版『鉄のラインバレル』を除き)一番最後に完結した作品であり、『第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇』において『アクエリオンEVOL』と『機動戦士ガンダムUC』の参戦が発表されるまで最新の参戦作品がマジンガーシリーズという異例の事態となった。
- 描かれるストーリーはOVA版の部分だけだが、漫画版で語られた設定が盛り込まれている他、フェイ・イェンHDやバンプレストオリジナル勢と大きく絡む。全3巻という原作の短さ故に、原作再現のある作品の中で真っ先に決着が付くが、むしろそこからが本番と言わんばかりに滲むように多くの作品とクロスオーバーしていく。例えば、奇械島でもミールが発見されたり終盤では恐るべき実験の場所にもなったりしていた。
- スーパーロボット大戦BX
- 今作は原作終了後の参戦。CCに続き『真マジンガー 衝撃! Z編』との共演を果たし、クロスオーバーにより設定レベルで『真マジンガー』の物語に深く関わっている。また、「海動&真上がバイストン・ウェルに聖戦士候補として召喚される」という驚きの展開がプロローグで起こっており、『聖戦士ダンバイン』のキャラクターとの絡みも豊富で、原作終了後設定だが大きな存在感を放っている。
- 重力炉が「実は境界の力を利用するためミケーネが作り出したもの」で、奇械島などにあったのは境界の力を引き出せない不完全な複製品ということになった。奇械島のファイナルアラートが、守護点の一つの消失で発生していた境界の揺らぎを悪化させ異世界からの侵攻の引き金となった他、ショット・ウェポンがバイストン・ウェルへ飛ばされることになったのも重力炉の実験だったことが語られており、地球だけではなく色々な場所に波乱を引き起こす原作以上に迷惑な存在となった。
- さらに、奇械島のエルプスユンデ達はそれぞれ異なる遺伝子を使い生み出され、その一つである古代ミケーネ人のDNAで作られたのがキバであるという驚愕のクロスオーバーがある。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 初の他のマジンガーシリーズとの共演が実現し、マジンガーシリーズのみならずゲッターロボシリーズや『鋼鉄神ジーグ』とも共演。『OVA版マジンカイザー』や『真マジンガー 衝撃! Z編』の物語にも関わり、圧巻の4大マジンガーの夢の共闘が展開される。
主要スタッフ
- 制作
- マジンカイザー製作委員会(プロデュース)
- アクタス(アニメーション制作)
- 監督
- 川越淳
- シリーズ構成
- 早川正
- キャラクターデザイン
- 伊東岳史
- メカニックデザイン
- 阿部宗孝
- 堀井敏之
- 小川浩
- 音楽
- 栗山善親
- 寺田志保
- 横関敦
余談
- 本作の監督である川越淳氏が2015年に手掛けたコラボレーション作品『サイボーグ009VSデビルマン』において海動剣役の浅沼晋太郎氏、真上遼役の日野聡氏、由木翼役の早見沙織氏が出演しており、それぞれが不動明/デビルマン、飛鳥了、牧村美樹を演じている。
- これに関して川越監督は、上記の映画の舞台挨拶で「僕は『マジンカイザーSKL』で浅沼君とご一緒した経験から、デビルマン役は浅沼君だと最初から決めていた」と話している。
- そもそも、海動剣と真上遼はそれぞれ、永井豪氏原作の漫画『デビルマン』に登場する不動明/デビルマン、飛鳥了をモチーフの一つとしているキャラクターである。故に上述のキャスティングになった事は、ある意味必然であったとも言える。
商品情報
BD&DVD
漫画
公式ムック(小説版「PROJECT KAISER 誕生編」収録)