マキナ

2014年11月14日 (金) 01:30時点における202.229.34.208 (トーク)による版 (→‎原作漫画版)

マキナ(Machina)

鉄のラインバレル』に登場する、目的・製作者の不明なオーバーテクノロジーの産物である人型兵器の総称。また、本作の原作である読切作品『鋼鉄の華』の主役機の名称でもあるが、本項では前者について記述する。「MACHINA」とはラテン語で「機械」を意味する。

基本概要

電子頭脳(電脳)が搭載されており、ある程度の自律行動が可能。基本装甲はニューロカーボン、表面装甲はナノセラミック製。動力については原作・アニメとも言及がないが、描写からすると電力であると思われる。機体ごとに家紋のような「意匠」を持ち、全部で11体存在する。「ドレスクラー・ソイル」(アニメ版での名称。原作漫画版では名称自体付けられていない)というナノマシンにより自己修復が可能であり、人間に固有ナノマシンを移植することでその人間を「ファクター」と呼称する専属パイロットとし、戦う。ファクターとなった人間はマキナと命を共有する代わりに常人を超越した力を得、搭乗時に眼球に赤い紋章が浮かび上がる(ファクターアイと呼称する)。

原則

「人に危害を加えない」という縛りがあり、そのため無人状態では人間及び有人機への攻撃は不可能。何らかの事故によって人間を殺してしまった場合、自動的にナノマシン移植によるファクター化が行われる(その時点でファクターが存在した場合は例外だが、時間をおかずにファクターが死亡した場合は殺された人間が新たなファクターになる)。さらに、全機共通の絶対原則として「ファクターの命を最優先で守る」という縛りがある。マキナはこれを何よりも重視するため、一定の年齢でファクターの成長を止め、事実上の不老不死に変えてしまう(これは、「老化」をも「ファクターの死の要因」と受け止めるため。ただし、この事実は青沼や石神をはじめとする一部の人間しか知らない)。そのためファクターのコンディションとマキナの状態は直結しており、どちらかが不調だと全力を発揮するどころか、最悪の場合行動不能に陥る。

制御系統

基本的にファクターの意志を最優先に行動するが、何らかの理由で電脳にバグが生じた場合、ファクターの方がそれに引っ張られて正気を失ってしまう。劇中では初登場時のアパレシオンがこの状態に陥っている。

操縦系統はかなり単純で、コクピットからの操縦はあくまで補正であり、ファクターの思考をマキナの電脳が受け取り、行動に移す。この伝達に使われるのがドレスクラー・ソイルであり、ファクターにしか動かせないのはこれが理由。このため、マキナを操縦するのは自らの身体を動かす延長で行うことが出来る(このため、コクピット内でのファクターの挙動をそのまま反映し、頭を抱えたりポーズを取ったりする)。

コクピット内部は全天モニターのように描写されているが、実際には通信用の画面以外は何も映らない、ただの壁であり、マキナの眼に映ったものがファクターの視界に投影されているため、そのように描写されているのである(但し、ディスィーブは後述のように複座に改修されているためシズナ用にモニターを設置されている)。これらの点から、マキナには「乗る」というより「強化スーツを着る」ような観念が近い(この辺りは、「操縦のために特定の因子を必要とし」「一体化する感覚で操縦できる」ファフナーに似ている)。原作漫画版のラインバレルはこの点がさらに顕著で、詳しくは同機の項にあるが、ファクター自身が電脳の役割を果たしているため、「ファクターのもう一つの肉体」と言った立ち位置にある。そのため、思考がノータイムで機体の行動に反映され、「体を動かす延長の感覚」ではなく「体を動かすように」操縦することが出来る。

また、「転送」と呼ばれる空間跳躍によって瞬時にファクターの下へ現れることが可能である。レイチェル曰く、「ファクターの存在する座標を自分の未来位置と仮定して行われる一種のタイムトラベル」だが、これはファクターにとんでもない負担をかけるため、前述の原則により無人でなければ行えない。これは、マキナとファクターの間をつなぐ特殊なフィールドが存在しているためであり、これを伝うことで転送が行われる。このフィールド同士が接触すると、一種のパラドックスを起こしてマキナごと対消滅してしまう。またラインバレルのみの固有能力として、この「転送」をファクター搭乗時に連続で行う「オーバーライド」が存在する。

基本的に全機体が単座(ディスィーブの複座は後付け)。原作漫画版ではロストバレルとラインバレル以外全てのマキナは量産型という設定である(ロストバレルは最初のマキナ、ラインバレルは量産試作型の改修機)。

ラインバレル

幻の12体目。マキナにカテゴライズされてはいるが、見受けられる特性はどれもマキナの原則や所以を無視した非常識なものばかりとなっている。

アニメ版

不明とされている設計・製作者の正体は、本編のヒロインである城崎絵美の父である城崎天児(きざき あまがつ)。その目的はセントラルの侵略用兵器であり、ラインバレルがその破壊である。

デザイン上の共通点としては、かかとがない、コクピットの外観が目に似ている事。さらにマキナに限らず、「ラインバレル」のメカのコンセプトは「アニメで描けないほど線の多いデザイン」。

原作漫画版

概ねアニメ版と同じではあるが、真実を知る石神とデータ回収を行った森次、そして天児と接触した浩一により、恐るべき事実が判明している。これには、マキナの開発経緯自体が大きく関連している。

まず、そもそも「ラインバレル」の舞台となった世界は天児がマキナを開発した時代の過去ではなく、その時代から降った時代であった(つまり久嵩が「未来人」という認識は誤り)。

元々は天児がナノマシンの実用化に成功したのが始まり。その能力を把握するため様々な研究が続けられていたが、その過程で生まれたのが人工筋肉や人工血液、電脳である。当初は兵士を強化する外骨格から始まり、人型ロボットからマキナへと発展していった。この時、世界で初めて大型のマキナとして完成したのが、現在「ロストバレル」と呼称されている黒いマキナである。

これ以降、様々な国でマキナが造られるようになったが、その頭脳である電脳は非常に高性能であり、自律意志を限定的ながら持っていた。そのため、完全な意志を持って反乱を起こさないよう、前述の原則が設定された。それ以後、ナノマシン技術は本来の目的である医療用に使われ、戦争そのものもマキナによる代理戦争へと変わっていった。だが、これによって人類は完全ではないが「不老不死」を得てしまい、その結果生物としての人間たる所以を忘れ、現状に甘んじて未来を想像しなくなっていった。これにより「想像力を失った」人類は、ファクターとなっていた一部を残し、自殺によって本編の660年前に絶滅した(この自殺に至るシステムは「自滅スイッチ」と呼ばれる)。この生き残ったファクター達が、浩一や森次など現在の人間の祖先にあたる(マキナの総数からして、天児、久嵩や宗美、絵美以外にもかなり多くのファクターが存在していたと思われる)。

だが、残されたマキナ達は、存在を維持するための原則が人間の存在を前提としていたため、人類絶滅を目の当たりにして絶望。自分達が存在するために主を必要とした彼らは、自分達の中からそれを生み出すべく、殺し合いを始めた。これは、互いに殺し合う中で死の概念とそれに対する恐怖を認識し、それを起点に想像力を得て人間になろうとしたための行為。これによって想像力を得たとされるマキナは「ヒトマキナ」と呼称される。

なお、大量に存在するヴァーダントや洞窟の奥に埋まっていたペインキラーといったものがあるのに、加藤が何故正確なマキナの残数を把握していたのかは現在の所不明。

なお、自滅スイッチに対して「死の恐怖」を抱き、少なくとも天児などは想像を駆使して対処しようとしていたと思われるのだが、結局ファクター以外絶滅している理由は原作では語られていない(マキナの原則により「自滅スイッチ」を死の要因と看做して排除してしまった、ということも考えられる。天児は優子の死に際し「この時はまだファクターの概念はなかった」と述べ、既に自滅スイッチの入っていた久嵩はファクターとなって以降自殺行為に奔った形跡はない)。

また、マキナの形状やその設計思想については、17巻75話「死人帰り」で宗美が墓参りに行った先の住職(道明寺の父親)が、「マキナは明らかに鬼を模して造られており、我々の知る『鬼』の伝説に関わりがあるのではないか」と述べている。この伝説というのは、「鬼たちが病気や戦で死んだ人間の死体を繋ぎ合わせ、蘇らせていた」というもの。「鬼=マキナ」だとすれば、これは、「死んだ人間をファクターとして甦らせていた」という行為が、何者かによって伝えられるうちに変質した、あるいはそのようにぼかして伝えられたと考えられる。

他、久嵩は劇中、「マキナは人間を殺すためにファクターを必要とする」と述べ、その理由についてもっともわかりやすいものとして「ラインバレルへの対抗」を上げている。これは、ラインバレルの電脳が真のファクターたる天児である=ラインバレルが「マキナを殺すための存在」であり「マキナの身体を持った人間」であることが真相。

つまり「ラインバレルはマキナの身体を持ち、全てのマキナを破壊する『城崎天児』という人間」→「ラインバレルを破壊しなければ自分が破壊される」→「人間であるラインバレルには原則により、そのままでは危害を加えられない」→「その原則を逃れるためにはファクターが必要」という図式である。

また、見方を変えると「想像力を得て『人間』となったマキナ=ヒトマキナを破壊するため」とも取れる。

ヒトマキナ

原作漫画版に登場する、死を認識し、その中で想像力を得ることで「人間になったとされるマキナ」のこと。当然のように自意識と感情、そして想像力を備え、人語を解する。ただし、会話は通常のヒトマキナは出来ず、「主」と呼ばれるデウスエクスマキナ以外では、特使として現れた通称「お爺ちゃん」と呼ばれる人間型、離反してJUDAについた大場真来梓が可能となっている。
但し飽くまで会話が出来ないと言うだけで、通信やデータのやり取りによるコミュニケーションは勿論可能である。

殺し合いを経て想像力を得た個体は、その後全てのマキナを破壊しようと孤独に戦っていた天児&ラインバレルと戦い、次々と破壊されて行った。

世界を「やり直した」後、ヒトマキナ達は「主」たるデウスに従い、月へと移動して防御を固め、ある計画を始めた。この計画がどのようなものかは明らかでないが、ジュダから全てを知った石神は、「ヒトマキナを殲滅しなければ人類を救うことは出来ない」と断言しており、現行人類にとってマイナスなものであるのは確かなようだ。またこれに先立ち、新西暦1999年(本西暦2691年)12月31日、哨戒型ヒトマキナMAXI377、コードネーム「大場真来梓」が地上に派遣されている。 

さらにヒトマキナ達は、ヒトマキナになれず、地上に残された残りのマキナに対してある仕掛けを施した。それは、彼ら全てにファクターが生み出された時、月から地球への大規模な転送フィールドを開くための仕掛けである。久嵩はこれを知り、ロストバレルを秘匿した上で残るマキナを全て破壊、ヒトマキナを月へ封じようとしていた。だが、ジュダからこれを聞いていた石神はこの仕掛けを逆用。あえて全てのマキナにファクターを生み出すことで転送フィールドを開かせ、そこ目がけて攻撃を撃ち込むことで防御を崩し、逆襲の道筋を切り開いた。

劇中に登場した中で真の意味で「死への恐怖とそれへの対抗たる想像力」を持つと言えるのは上記の会話可能な三体に加え、一人同胞を裏切り暗躍していたジュダ、後に覚醒してしまったディスィーブと、それほど多くない。それ以外の多くのヒトマキナは、人間に危害を加えられないマキナの原則こそ越えているものの、感情らしい反応を見せず、自爆同然の戦い方を平然と行うなど、死の恐怖と想像力を持っている様には見えない行動をとっている。これは地球に直接攻めてきているヒトマキナと呼ばれる機体はその全てが遠隔操作されている外骨格であるためで、その本体である電脳は月面に存在している。破壊が死に直結しないが故に、彼らは捨て身の戦法も迷いなくとる事が出来るという事になる。

ちなみに、ヒトマキナの定義は「死を認識したマキナ」であるため、裏を返すとJUDAや加藤機関のマキナも、何らかの拍子に死を認識するとヒトマキナになってしまうということである。そうなってしまった場合、マキナ自身の意志がファクターからのコントロールよりも優先されるようになってしまう。とはいえ、最期までファクターと共に人類の側に着いたジュダや後述の様にその行動に感銘を受けたヒトマキナ達が居た様に、ヒトマキナと化してしまう事が人類の敵となる事に直結するわけではなく、彼らの行動は飽くまで彼らの想像に基づいた結論なのである。

例外は想像力の根源となり得る電脳を持たず、意志の全てをファクターに依存するラインバレル。但し、逆説的に言えばファクター自身がラインバレルの頭脳であるという事であり、ラインバレルに搭乗するのは後述の大場真来梓とラヴバレルの関係と同じ…つまり戦闘用外骨格を纏っている事と等しく、マキナの頭脳が独立した意志を持っていると言う見方をすれば、最もヒトマキナから遠い機体でありながら、その在り方は最もヒトマキナに近いと方言える。

この意味では、どちらかというとファクター自身がマキナとなっていたラインバレル・アマガツはヒトマキナの亜種とも言える。逆に、浩一を真のファクターとした現状のラインバレルは、ヒトマキナからもっとも遠い存在、「主」に付き従うマキナ本来の姿とも言える。

原作漫画版には登場しないが、そちらの世界には真逆の似た存在である「マキナになった人間」、つまりマキナ人間が存在している。また、ラインバレルの「真のファクター」は、見方を変えれば「マキナの身体を持つ人間」であるため、このマキナ人間にも近いと言える。

ヒトマキナの「計画」

「お爺ちゃん」ことリンカーンが浩一に語ったところによれば、ヒトマキナ達の「世界をやり直す」作業(この時天児とラインバレルは既に姿を消している。恐らくファクター化した絵美を連れてオーバーライドで未来へ跳躍した)の内容は、200年をかけて元々の文明の痕跡を消し去ることから始まっている(ただし、歴史的に価値のある建造物や遺跡はオーバーライドの応用で「やり直された」世界の始点時間である西暦1871年に飛ばされている)。その後、ヒトマキナ達は漂白された「ナニモナイセカイ」に297年2ヶ月8日14時間29分の時間をかけて1871年の世界を構築、拠点を月へと移した。

この世界構築の直前、マキナ達は人類再生の準備として、絶滅後の早期から可能な限りの遺体を回収、使用できる細胞を掛け合わせて人種・性別・年齢さまざまな人間をクローニングで「作成」。これは広義の意味でのファクターに該当する。これに使われた施設は、広大な空間に途轍もなく巨大な柱ユニットが無数立ち並び、そこに人間の体を作成するポッドが膨大な数取り付けられている、というもの。

これに先立ち、マキナ達は人類絶滅を回避するため、計画のブレインとなるシミュレーターマキナを完成させていた。このマキナはどうすれば人類の絶滅を回避できるか、それを確かめるべく紀元からあらゆるパターンを模索。結果、西暦1871年から「やり直す」のが最適だと判断。そこでそのマキナは、自らの内部に仮想世界を構築し、実際に自我・意志・記憶を持つ人間のデータを構築、1871年の段階でそのデータを、現実で作成されたファクターたちにインストールした。このため、新たな人類達は最初から意志や記憶を当たり前のように持ち、自らの知る歴史が現実に存在すると疑わなかった。

かくして人類滅亡回避の計画はスタートしたが、これは初期段階でいきなりつまずいた。それは、宇宙に脱出していたシャングリラと、そのファクターとなった加藤久嵩が地球に帰還したことにある。 クローン施設を見た久嵩は世界再生の事実に気づき、自らも人類の絶滅を回避しようと行動を開始。持ち出していた天児の細胞サンプルからクローンを作成した。これが「推進派」である。

このため、マキナ達はイレギュラーたる久嵩&シャングリラを加えた上でシミュレートを行ったが、その結果最悪の結末を見たシミュレーターマキナはヒトマキナと化してしまった。これがジュダである。

ヒトマキナとなったジュダは、新たな計画を立案。それは、久嵩を「人類の敵」とし、ヒトマキナ達が「正義の味方」となることだった。そのために、ジュダはまず、ヒトになれなかったマキナ達に自分達の情報を持たせ、ハグレマキナに見せかけて地球に投下。これに飛びついた久嵩は、入手した情報を元に行動を開始。その後、ジュダは計画の仕上げのため自ら地球に降下。久嵩に接触し、マキナ達が「正義の味方」として降臨すべき状況を作り出そうとした。

しかし、ここで最大のハプニングが発生する。地球降下後、ジュダはヒトマキナ一派を裏切り、石神というファクター得て、彼に協力することで真の人類絶滅を回避する計画をスタートさせたのである。

ジュダがヒトマキナ達に語った未来は、「投下したマキナ全てにファクターが生まれたとき、人類は死と暴力に支配される」というもの……つまり、マキナを手にした人間達がその力で戦争を始め、世界が滅亡するというものであり、ヒトマキナ達はそれに対する抑止力となるつもりだったのである。これをジュダから知らされた石神は、ヒトマキナに自分が私欲のために行動していると見えるよう立ち回り、「マキナ同士による戦争」の構図を作り出すためギリギリまで加藤機関との戦いを続け、それを止めるべく降臨したヒトマキナを加藤たちと協力して迎撃。その結果、彼は「正義の味方」として現れるはずだったヒトマキナを、その瞬間「人類の敵」へと変えてしまったのである。 このため、ヒトマキナ達は自らが人類の敵となることを選択、攻撃を開始した(真紀梓が知らなかったのはこのため)。

そして、ニューヨーク解放戦において、マキナを擁する加藤機関とヒトマキナとの戦いを、割って入った浩一とラインバレルが止めたことで、図らずもヒトマキナ達の計画である「人類と人類の敵の戦いを、降臨した正義の味方が止める」が実行された形になり、一部のヒトマキナは「ジュダの目的は究極的には我々と同じであり、ならば我々にとって望まぬものであろうともその計画に従うべき」と確信。その代表たるリンカーンは浩一にデウスエクスマキナの破壊を託した。

該当機体

主役機

ラインバレル
「鬼」「マキナ殺し」「カウンター・マキナ」とも呼ばれる12体目。ファクターは早瀬浩一及び城崎絵美、そして頭脳として城崎天児が組み込まれていた。原作漫画版で帰還した後は微妙にスペックが変化しており、圧縮転送フィールドを左手で放つようになっている。

原作漫画版

プロトタイプ・ラインバレル
ラインバレルの完成当初の姿。角はなく、機体色も黒。オーバーライドはこの時点で既に実装されていた。
ラインバレル・アマガツ
原作漫画版に登場したラインバレルの本当の姿。ファクターは城崎天児

アニメ版

ラインバレル mode-B
絵美が搭乗した際の形態。カウンターナノマシンの効果で機体が本来の色である黒に戻っている。エグゼキューターが使用できず、また長時間戦闘も出来ない。原作での名前は「ラインバレル・オーバードライブ」。
ラインバレル mode-C
アニメ版最終局面でラインバレルが変化した姿。機体の各部が展開され、真っ赤に染まっている。原作漫画版のアマガツに相当する存在であり、燃費が悪いという弱点まで一緒。
量産型マキナ
セントラルが投入した侵略兵器。ラインバレルの意匠を残す無人機。原作では新型アルマとして登場している。

共通

ヴァーダント
「蒼の戦慄」と形容される特性可変式前線戦闘型。ファクターは森次玲二。原作漫画版ではロストバレルに始まる「バレルシリーズ」の正式量産型であり、森次が使っているのはその内のヒトマキナになれなかった機体。
ハインド・カインド
装甲と砲撃能力を重視した支援型。ファクターは山下サトル。原作漫画版では浩一の発案で「ハインドタンク」なる戦車形態が登場。
ペインキラー
拠点防衛能力(原作では拠点強襲能力)に特化した支援型。ファクターは九条美海。原作漫画版では支援機を持ち、合体機構を備える。
ディスィーブ
後付けではあるが唯一の複座機にして非戦闘型、そして非人型という異色の機体。ファクターは遠藤イズナ。原作漫画版では後に死を認識してしまい、ヒトマキナと化して暴走を起こす。最終的には合体状態のペインキラーに頭部を噛み砕かれたことで電脳を破壊され機能停止した。
アパレシオン
電磁迷彩による隠密行動に特化した偵察型。高度な狙撃能力は後から与えられたもの。ファクターは矢島英明
プリテンダー
ディスィーブの発展機に当たる唯一の可変型。ファクターは桐山英治
グラン・ネイドル
ラインバレル以外で唯一ビーム兵器を実装した要塞型。後述のネイキッド共々、ファクターは菅原マサキ
ネイキッド
グラン・ネイドルの制御ユニットを兼ねる接近戦型。
タリスマン
迎撃能力を高めた防衛型。ファクターは中島宗美
シャングリラ
加藤機関の移動基地である超弩級戦艦。ファクターは加藤久嵩。しっかり第三艦橋がある。

原作漫画版

ジュダ
JUDA本社の中枢であり、七支刀を武器とした接近戦を行う。ファクターは石神邦生。ただのマキナではなく「ヒトマキナ」の一人。邂逅時に名乗った名前は正確には「ユダ」であり、「ヒトマキナの裏切り者」という意味。「人類を救うための方法」とその実行プロセスを石神に伝え、最期は転送フィールドでヒトマキナに特攻をかけて消滅した。
ロストバレル
シャングリラ内部に死蔵されていた11体目にして「最後のマキナ」。最も初期に作られた最初の大型マキナであり、ラインバレルやヴァーダントなど、果てはヒトマキナまで含めた全てのマキナの原型。意匠は左二つ巴、ファクターは沢渡拓郎。ビームの刀を武器に戦う。ヒトマキナへの反攻作戦の最中、ツクヨミを破壊すべく出現。だが、絵美の危機を感知して転送で現れたラインバレルに阻まれ失敗している。
新型迅雷
迅雷の改良型。一時浩一も搭乗した。電脳もDソイルも持たず、何故これが「マキナ」に分類されるのかは不明。
武者型マキナ
量産型プロトタイプ・ラインバレルの系列機と思しき機体。
ディスィーブII
細い体に巨大すぎるサーベルかボートのような下半身を持ったマキナ。天児が浩一に見せたマキナ同士の殺し合いにおいて有線式ナーブクラックで味方機への支援、或いは敵の支配を行っていたらしき姿が見られる。作中で名称は明言されていなかったがチャンピオンRED本誌掲載時の月報『鉄の城』にて明かされた。
ディスィーブV
桐山重工が建造した可変機で、その名に反してディスィーブやプリテンダーの後継機ではなくむしろ迅雷のバリエーション機に分類される。破壊されたディスィーブのバックアップデータを流用移植されており、有線と無線の両方のナーブクラックの他、強力なビームキャノンを二門装備しており直接戦闘でも強力な機体に仕上がっている。
戦闘機型マキナ
ステルス戦闘機のような姿をしたマキナ。機体下部に長距離レールガンを装備している。
砲戦型マキナ
一昔前のロボットのような姿をしたマキナ。マシンキャノンの両腕を持つ。
猿人型マキナ
人間のような姿をしたマキナ。ファクターを求め人の死体をコクピットに詰め込んでいたが、ファクターとなった天児とプロトタイプに蹴散らされた。
回収されている人の死体は後にヒトマキナの手によって『新たな人類』の材料として再利用されている。

ヒトマキナ

エイヴラハム・リンカーン(お爺ちゃん)
地上にいたヒトマキナの一体。『嘗て実在した』リンカーンの姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。特使としてアメリカ大統領との会談にやって来たが、真の目的はロストバレルのファクターとなった沢渡との接触であった。
加藤の話では、アメリカ大統領と会談したさい、「人類のリセット」を宣告したらしいが……?
ヒトマキナの長の一人で、最新鋭のマキナ。戦闘用の外骨格を持ち、戦闘力は「真のファクター」となった浩一の乗るラインバレルをしのぐ。浩一にヒトマキナ達の計画とそれを成そうとしている「強硬派」の存在を明かした後、形は違えどマキナを持った人とヒトマキナの戦いを止めた(「メテオ」での帰還時)彼に後を託して自らラインバレルに撃たれ、消滅した。
外骨格なしでの単独オーバーライド能力を持つ。
レイル・スプリッター
リンカーンのマキナ。脚部を持たず、ナノマシンを唯一の兵装としている。
大場真来梓
哨戒偵察型ヒトマキナの一体で、青い髪を持った少女型。1999年の大晦日から地球に派遣されていた。「お爺ちゃん」の言いつけに従い、人類を救うために人間の観察を続けており、ヒトマキナの侵攻に際して「正義の味方」として戦うことを決意。その後は加藤機関との同調を拒みつつ(ちなみにテレビの情報を真に受けて彼らを悪者だと思っていた)独自に戦っていたが、通信で目にした森次に一目惚れしてあっさり方針転換、機関についてしまった。
ラヴバレル
真来梓が戦闘に使用する改造ヒトマキナ。ただし電脳は真来梓自身であるため、ラヴバレル自体は意志を持たない他に呼び出しても転送されてこない。また名前に「バレル」とついているが、天児の設計した「バレルシリーズ」の模倣とも言える存在であり、正確にシリーズに属する機体ではない。ちなみにスペルは「Rovebarrel」。
ヒトマキナ丙型
最初に登場したヒトマキナ。巨大な赤ん坊の姿をしている。
ヒトマキナ乙型
ヒトマキナの基本型。天児の構想していた「次世代量産型マキナ」の技術をヒトマキナ達が発展させたもので、頭部に円盤を持つ。ラヴバレルもこの機体を基本としている。また、全体フォルムはどちらかというとアルマに近い。
ヒトマキナ甲型
通称「トライポッド」。
量産型ヴァーダント
ヒトマキナになったヴァーダント達。角のないタイプも存在。
マキナ (ヒトマキナ)
新型アルマと同じ外見をしたヒトマキナ。
デウスエクスマキナ
ヒトマキナの「主」。通常のマキナに対するファクターに相当する存在であり、明確な個我と心を持つ。ちなみに21巻の時点では真来梓が「デウス」という名前を口にしたのみで、23巻にてリンカーンからその名が「強硬派」の首魁として語られた。
空母型ヒトマキナ
22巻のニューヨーク解放作戦で現れた戦艦型。巨大な胴部に転送フィールドの発生装置を持ち、侵攻部隊の母艦として行動する。ハインド、ラヴバレル、ヴァーダントの攻撃を受け転送装置を破壊されつつも、沢渡言う所の「世界の終焉」たるヒトマキナを転送しようとしたが、突然現れたラインバレルの圧縮転送フィールドで顔面部をえぐり取られ、爆散した。
「世界の終焉」
22巻で空母型が転送しようとした超巨大ヒトマキナ。沢渡が「世界の終焉」と形容したところを見ると、恐らく「人類のリセット」を担う存在であろうと思われる。ニューヨーク解放戦の最中に開かれた転送フィールドから現れようとしていたが、帰還したラインバレルの攻撃で空母型が爆散したためフィールドが消滅、抜け出ていた頭部と指だけが置き去りにされて機能を停止した。同型機が他にも2機存在している。

アニメ版

アダマント
ゲーム版に登場したオリジナル。セントラルの最終防衛ラインとして2機配置された。
セントラル
統一意志セントラルの最終兵器。ネイキッドと融合した。ちなみに「セントラル」はスパロボでの名前で、設定名称は不明。
ラインバレル・エコー
後日談「鉄の影」に登場したラインバレルの影。ファイナルフェイズの際に亜空間に焼き付けられたラインバレルのシルエットがスフィアを通じて実体化した存在で、「マキナ殺し」の存在に従って暴走している。復活を遂げた本物のラインバレルによって全て蹴散らされた。
マキナ
「鋼鉄の華」の主役機で、ラインバレルのデザイン原型。意匠は右一つ巴、搭乗者(ファクターではない)は浩一と絵美。マキナの基本デザインはこの時点で完成していた。

関連用語

アルマ
マキナを模して地球の技術で作られている。原作漫画版では加藤機関独自の兵器。TVアニメ版では設定の違いがあり、マキナ以外のロボット兵器の総称である。
加藤機関
アニメ版では大半のマキナはもともとここに所属していた。
JUDA
アニメ版では石神がマキナを持ちこんだ。
キリヤマ重工
プリテンダーを所有している。
迅雷
キリヤマ重工により、アルマに更にプリテンダーのデータを加えて開発された。その名の通り新型迅雷の原型。TVアニメ版ではアルマの意味がマキナを除いたロボット兵器の総称となっているため、この機体もアルマの一種とされる。
統一意志セントラル
TVアニメ版の黒幕。マキナを侵略兵器として使おうとしていた。
パルド・ロック
原作版ペインキラーの随伴機。
「ラインバレル」世界の人間達
原作漫画版では深いかかわりを持つ。