エタニティ・フラット(Etanity flat)
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇においてアオの星を中心とする一帯の宇宙に発生していた絶対時間遅延現象。通称・時の牢獄。
サイデリアルに属する正体不明のスフィア・リアクターによって発動され、監視役としてジェミニスが派遣されていた。
エタニティ・フラットが完成された場合、次元境界線は閉鎖状態で安定し、地球へ転移することも地球から転移することも出来なくなり、バアルの襲撃から完全に守護される。しかし、その副作用として牢獄内の絶対時間は完全に停止し、老いることも生まれることもなくなり、死だけが残って緩やかな滅亡へと転がり落ちていくことになる。これは、太極の意志によって先んじてパラダイムシティで実験されていた内容と同じものでもある。
時間には二つの時間が存在し、絶対時間と相対時間というものがある。絶対時間とは宇宙全体で流れている時間を指し、相対時間とはある地点から開始される時間のことを指す(後者は「今、自分が観測している時間」と捉えれば解りやすい)。限りなく近く、遠い関係なのが上述の二つの時間である。ある地点の絶対時間が止まり、相対時間のみが流れていくと自分の周囲に流れている時間が超速で動いているというカオスになる。これが全体に行き渡ると、草木の成長すらも望めない世界になってしまい果ては「カップラーメンすら作れない」、文字通りの地獄が出来上がってしまう。最終的な食料をいえば錠剤になるのだが[1]、結局それすらも状態が悪くなって消化どころか摂取すらできなくなってしまう。後は、緩慢に流れる時間の果てに死が待つだけである。
Z-BLUEはこれを阻止すべく、手がかりとなるジェミニス所属のリアクター、ガドライト・メオンサムを追って戦い続けていた。また、シャア・アズナブルはこの事実に先んじて気づいており、特異点である自身とフル・フロンタルが一所に揃い、さらに全ての始まりである新世時空震動発生の状況と見られるアクシズ落としを再現するために真意を隠したまま立ち回り、最終的に時空修復の成功によってエタニティ・フラットは回避された。
サイデリアルがアオの星に対しエタニティ・フラットを起こそうとした理由は、前述の通りバアルの襲来と「根源的な災厄」から守るためであったようであるが、真意は不明。
類似した計画
実は、この現象は第2次スーパーロボット大戦OGにおけるバラルの「総人尸解計画」、そして魔装機神Fにおけるヨーテンナイの「静死の柩」とよく似ている。 前者は、ガンエデンの結界によって、「空の彼方より来る災厄、破壊神や邪神から逃れた者達の楽園」である地球を完全に封印し、内部・外部を問わず転移及び通過を禁じ、さらに地球の人間を尸解によって仙人と化すことで永劫の楽園を作り出そうというものだが、
- 地球との行き来を封じる結界
- 時間の止まった生命
- 仕掛け人は「神」とその代行者
- 人の意志を増幅する機構によって結界が張られる/次元境界線が封鎖される
- 空の彼方から来る災厄の回避手段
という、主な要素が共通しており、手段と状況が違っている。決定的な共通点は時間。外界からの干渉を隔絶するには、相対時間に干渉されない状況を作り出すしかない。
また、実は「時間を止める事で災厄から逃れる」という計画そのものはスーパーロボット大戦Jのフューリーが実現させている。
これはステイシス・ベッドを用いてサイトロンが供給される限り相対時間に干渉されない状況を作り出していた。
余談
- 前述の絶対時間と相対時間についてだが、絶対時間内において事実上の時間転移を果たした人物がスパロボ内に何名か存在している。が、相対時間――つまり、自分が観測している時間が進んでしまっている状態になっているのでかつて存在していた自分の世界の絶対時間より先、つまり未来に転移したことになっている。その人物は、ご存知イングラム・プリスケンである。ギリアムも該当するのだが反則じみた時間軸の転移なので微妙に違う。
脚注
- ↑ 本編内でも「合成食料で食いつなげることは可能だが時間稼ぎにしかならない」ことがテレサ・テスタロッサによって示唆されている。