ラムダ・ドライバ(Λ Driver)
『フルメタル・パニックシリーズ』に登場する概念。人間の神経系統を模倣した人型兵器に搭載されているシステムで、搭乗者の意思を物理的な力に変換し、物理法則を無視した現象を引き起こす。原作者の賀東氏はもっと直裁に「魔法みたいなもの」と表現したことがある。
スパロボでも特殊能力として採用。原作で攻撃力の底上げや防壁として使っていることを踏まえ、気力が一定値以上で発動し、自機の攻撃に最終ダメージ補正と、全属性の攻撃を一定ダメージまで無効化するバリアが追加される。気力上昇に伴って「最終ダメージ補正」並びに「バリアのダメージ無効化値と消費EN」が上昇していく。
採用作品・勢力別効果
他の特殊能力と比べ、かなり各種計算式が複雑な構成。Wでは自軍と敵軍で発動気力や効果に違いがある上、自軍でも初期解禁時とドライバ再起動後で性能が違う。
作品 | 勢力 | 効果 | 気力99↓ | 100 | 110 | 120 | 130 | 140 | 150 | 160 | 170 |
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J | 共通 | 最終与ダメージ | - | - | - | ×1.2 | ×1.3 | ×1.4 | ×1.5 | - | - |
バリア無効化値 | - | - | - | 1400 | 1600 | 1800 | 2000 | - | - | ||
バリア消費EN | - | - | - | 5 | 10 | 15 | 20 | - | - | ||
W | 自軍 | 最終与ダメージ(初期) | - | - | - | ×1.1 | ×1.15 | ×1.2 | ×1.3 | ×1.4 | ×1.5 |
最終与ダメージ(再起動後) | - | - | - | ×1.2 | ×1.3 | ×1.4 | ×1.5 | ×1.5 | ×1.5 | ||
バリア無効化値 | - | - | - | 1000 | 1200 | 1400 | 1600 | 1800 | 2000 | ||
バリア消費EN(初期) | - | - | - | 5 | 7 | 9 | 11 | 13 | 15 | ||
バリア消費EN(再起動後) | - | - | - | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | ||
敵軍 | 最終与ダメージ | - | ×1.1 | ×1.2 | ×1.25 | ×1.3 | ×1.35 | ×1.4 | ×1.45 | ×1.5 | |
バリア無効化値 | - | 1300 | 1400 | 1500 | 1600 | 1700 | 1800 | 1900 | 2000 | ||
バリア消費EN | - | 5 | 7 | 9 | 11 | 13 | 15 | 17 | 19 |
主な所持ユニット
今の所自軍ユニットで持っているのはアーバレストのみで、他は全て敵ユニット。
- ARX-7 アーバレスト
- 『気迫』を使えば一瞬で発動。ラムダ・ドライバでダメージ補正が最大1.5倍になる上、機体には合体攻撃のウルズ・ストライク、パイロットの相良宗介に『魂』があり、恐ろしいまでのダメージ倍率補正をかけられる。ただしWではシナリオ展開上、搭載後も使用不可能な期間がある。また宗介は性格が「冷静」で、JやWの仕様上バリアでダメージを0にしても被弾扱いとなり、気力が下がってしまう。特に援護防御がデフォルトであるJではやってしまいがち。
- プラン1056 コダール
- Jの本編ではイベントでしか登場せず、ツメスパロボでしか直接戦闘する機会がなかった。Wではルート分岐次第で序盤から登場し、毎ターン集中と覚醒を使う。もちろんパイロットはガウルン。自軍戦力がまだ乏しいだけに脅威。
- プラン1058 コダールi(ガウルン機&ゲイツ機)
- Jでは『ヴェノム』表記。ガウルン機は本人のパラメータや技能のおかげでJやWでも一、二を争う強さを誇る。更にどちらも多くのシナリオで気力が一気に上昇したり、毎ターン集中と覚醒がかかるなど反則気味の補正まである。今作ではマルチコンボシステムが導入されてるため、ヘタに味方機が隣接しているとリアルロボット等はガンガン墜ちる。なお原作者の賀東氏がスパロボファンなのは有名だがガウルンの強さには「俺には接待してくれよ」と嘆いていたという逸話もある。
- プラン1059 コダールm(夏玉芳機)
- Wで登場。ガウルン機やゲイツ機と比べると反則的な強さはないが、中ボスとしては十分に強敵。
- プラン1059 コダールc
- Wで登場。ザコ機体としては破格の性能を誇るが、乗っているのがただの傭兵なので性能を引き出せていない。
- ベヘモス
- 機体の装甲が元々高いのもあってとにかく硬い。パイロットがクガヤマ・タクマやザコの傭兵なので、やや弱めなのが救い。J、W共に序盤の初心者殺し。
余談
フルメタが参戦した作品の一つに似た名前の用語があり、勘違いされてラダム・ドライバと読む人が多い。ちなみに「ラムダ」とはギリシア文字であり、本来の表記は「Λ(あるいはλ)」である。
賀東氏はラムダ・ドライバの設定を思いついた件について、月刊誌『電撃ホビーマガジン』のインタビューで「掲載誌だった『ドラゴンマガジン』にファンタジー作品が多かったことから、ロボットものでも魔法みたいなものを使えるロボットを出さないと受けないのではと思った」という意図だったと明かしている。ただ、いわゆる量産機を好み、スパロボでも量産機でエースを倒すといった嗜好の彼にとっては苦肉の策だったようで、インタビューでは続けて「『なんだかよくわからない力』の説明は後から考えればいいやと思っていたけど、すぐに後悔しました」とも述べている。なお、劇中登場人物もこの力についてはあまり肯定的な評価をしていない。
設定上では意志の力次第で何でも可能ということなのだが、原作者の上記の嗜好もあってか、実際の作中では無敵のバリアと、それを打ち砕くバリア貫通攻撃という二つのシンプルな描写ばかりが目立ち、そこまでなんでもありというイメージではないのが実情である。ラムダ・ドライバを積んだ敵機体を「精神コマンドを使える敵」とすることで多様な表現を行ったスパロボの方がある意味では「意志の力次第で何でも可能」ということを端的に表現できているかも知れない。