アベルト・デスラー
アベルト・デスラーは『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物。
アベルト・デスラー | |
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外国語表記 | Abelt Dessler |
登場作品 | 宇宙戦艦ヤマト2199 |
声優 | 山寺宏一 |
デザイン | 結城信輝 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦V |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | ガミラス人 |
性別 | 男 |
年齢 | 32歳相当 |
髪色 | 金髪 |
所属 | 大ガミラス帝星 |
役職 | 総統 |
概要
大ガミラス帝星の永世総統。
大ガミラス帝星の前身「ガミラス大公国」を統べていた叔父「エーリク・ヴァム・デスラー」や兄「マティウス・デスラー」の死後、内乱状態となったガミラスを武力で再統一した。以後、軍事独裁制を敷いての領土拡大を行っている。国家元首としてガミラス全軍の最高司令官を兼ねており、気まぐれに軍の作戦行動を指揮し、ゲームのように楽しんでいる。
圧倒的なカリスマ性を誇り、紳士的な振る舞いなどから、多くのガミラス国民の支持を得ている。だが実際は、その紳士的な面とは裏腹に傲慢で冷徹な性格で、部下であろうと躊躇なく粛清する冷酷な独裁者である。人を醒めた目で見ており、「愚かで従順な存在で、この上もなく退屈な生き物」と評している。だが、不当に収監されていたセレステラとミレーネル・リンケを保護したり、処刑と見せかけて兄の元妻とその子供を追放するに留めたりなど、人間としての温かさを感じさせる面もある。
第8話において、自らが立案した作戦をヤマトが突破したことから、以降ヤマトに対して少なからず興味を抱くようになる。
祖先を同じくするイスカンダルとガミラスの大統合を究極の目的としており、銀河に戦争を広げているのも「イスカンダル主義を啓蒙する」という平和目的であるとしている。その崇高な理想に嘘はないのだが、彼が大統合を夢見る真の動機は、愛するスターシャを手に入れたい[1]というものである。戦争を起こしているのも単純にスターシャの気を引くためという部分が大きい[2]。ただ、それだけが理由ではなく、過去に重臣達の間で公然の秘密となっていたガミラス星の寿命の事実を聞いてしまったことで、口封じとして処断されそうになった際、兄の取り成しで、「血の誓い」を立てたことで、同じく秘密を共有する者となる。
スターシャが自分を拒否し続けることに業を煮やしたデスラーはやがて手段を選ばなくなり、ガミラスの民が大統合を求めるように世論誘導を開始。保護(拉致)した森雪をユリーシャに仕立てて大統合を認めさせることで国内の機運を高めようとする。
帝都バレラスにおける決戦では、遷都のために作ったコロニー「第二バレラス」へ移動。第二バレラスの633工区を切り離して落下させ、バレラスの民ごとヤマトを撃沈することで大統合への生贄にしようとする。だが工区は波動砲によって破壊され、自身は雪とノランの手によって暴走した波動コアの爆発に巻き込まれる。
だが、しぶとく生き延びており、ヤマトが地球へ帰還する亜空間内において、デウスーラII世で自らヤマトへ乗り込んできた。しかし、ガミロイドをコンピューターウイルスで無効化された上、ヤマトの捕虜になっていたセレステラに感応波を浴びせられて咄嗟に彼女を銃で撃つ。雪を拉致しようとするが、まだ息のあったセレステラに撃たれて負傷する。
最後は艦に戻り、亜空間内ではビームが使えないことからデスラー砲でヤマトを沈めようとするが、三式弾に切り替えたヤマトの砲撃による反撃を受けてしまう。艦橋にいた部下達は倒れ伏し、自身も重傷を負い意識が朦朧とする中でデスラー砲の引き金を引こうとするが、波動エネルギーの暴走に耐え切れなかったデスラー砲の暴発に巻き込まれてしまい、デウスーラII世共々亜空間に散った。その生死は不明。
登場作品と役柄
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 初登場作品。原作同様、尊大で大胆不敵な人物として描かれる。一方で、他作品のキャラクターとの絡みは全体的に少な目である。他種族を見下す者が多いガミラス人の総大将に相応しい扱いとは言えるかもしれない。
- 困難ルートでは版権勢力最後の敵となる。一方、通常ルートでは乗艦の撃墜後に真のアルゼナルに落ちており、エンブリヲに誘拐されてきた雪を前に独白した後、いずこかに去るという結末になる。
パイロットステータス
精神コマンド
特殊スキル
- V
- 天才、指揮官L4、再攻撃、底力L5(L7)、プレッシャーL4、闘争心L3、精神耐性
- ガミラスを統べる総統だけあって強力なスキルが目白押し。
- いずれのルートにおいても最終決戦時には底力が強化され、高レベルのプレッシャーと相まって非常に頑強になる。
エースボーナス
- 自軍フェイズ開始持、自軍の気力+10
- 『V』で採用。
人間関係
大ガミラス帝星
- エーリク・ヴァム・デスラー
- デスラーの叔父。彼の死後にガミラスを武力で再統一した。
- マティウス・デスラー
- デスラーの実の兄。命の恩人であり、優秀な兄を尊敬していたが、彼の早すぎた死により、兄という巨大な存在に対する他からの自身への重圧やガミラスの将来を守らねばならぬ立場という重責がデスラーの精神に歪みを掛けた要因となってしまう。
- アデルシア・デスラー
- デスラーの母親。夫とは既に死別しており、その面影を色濃く受け継ぐマティウスに大きな期待と深い愛情を注いでいたため、最後までその愛情を向かれることはなかった。
- ヘルム・ゼーリック
- ガミラス中央軍総監。ガミラス統一の際、貴族の中でも筆頭格だった発言力や莫大な財力を買われてアベルトにつき、最大の障害だった反アベルト派貴族の粛清や取り込みに貢献を果たして現在の地位を得た。
- 大袈裟に奉った態度で接するが忠誠心は皆無で、その本心はシンパである旧貴族派、ひいては自身がガミラスのトップに立つことにあり、アベルトのことなどそのための道具ぐらいにしか思っていない。当初はアベルトを象徴君主に押し込めるなりして実権を握るつもりだったようだが、アベルトの政策が貴族の権威を蔑ろにするものであったこと、旧貴族派の権力基盤などに頼らずとも独力でガミラスを掌握できるほどの指導力とカリスマを有した想定以上の傑物であったことなどから、合法的なやり方では権力を奪うことが出来ないと判断し、暗殺や叛逆などの非合法方針に切り替えた。
- レドフ・ヒス
- ガミラス副総統。部下の中では「ヒス君」と君付けで呼んでいるが、軽んじて扱っている。
- エルク・ドメル
- 彼にヤマト討伐を命じる。また、『V』ではガーディムの調査も命じている。
- ミーゼラ・セレステラ
- 過去に彼女を救ったことがあり、以降は彼女の忠誠を得ている。
- ドーテム・ゲルヒン
- 乾杯前に飲酒した挙句、下品な冗談を飛ばした彼を処断した。
- グレムト・ゲール
- 忠誠心は認めているが、大袈裟な振る舞いは煙たがっている。だが、無条件で最後まで付き従ったのは彼だけだった。
- ちなみに彼のことも「ゲール君」と君付けで呼ぶ。
- 女衛士
- デスラーの傍に仕える女衛士達。
イスカンダル
- スターシャ・イスカンダル
- 星を治める指導者同士。彼の行動は彼女を愛するが故であった。
- しかし、彼女は古代守と愛し合う関係にあり、結果的にはデスラーの片思いである。
ヤマトのクルー
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
バンプレストオリジナル
- アールフォルツ・ローム・ハルハラス
- 『V』では、困難ルートの最終話において過去の世界から現れたオリジナルの彼と対峙するが、彼の醜い人間性には心底呆れ果てていた。
名台詞
- 「では、諸君…。ゲームを始めよう」
- ヤマトに対してガス状生命体を差し向けた時の台詞。デスラーの性格をよく表現した言葉である。
- 「ガミラスに下品な男は不要だ」
- 宴の場で酔っぱらった官僚のあまりにも品の無い行動と発言に対し、床に穴を開けて粛清した際に発言。『V』では、なんとDVE。
- 旧作でも発言しており、視聴者の印象に残ったのかこのシーンのパロディを行う作品も存在する。
- また、ヤマトをオマージュしている『ふしぎの海のナディア』のガーゴイルも似たような処刑を実行している。
- 『暗殺計画は、既にセレステラが掴んでいてねぇ。お陰で退屈な時間を過ごさずに済んだよ。…さて、君の罪状は明白な訳だが、何か言い残すことはあるかね? ゼェェェリッ…』
- 総統を謀殺し、ヤマトを沈めたと悦に浸るゼーリックに通信を入れて。皮肉を込めたのか、ゼーリックの口調を真似ているのが印象深いが、ゼーリックが画面へ発砲したため途中で途切れた。
- 「抗議抗議…君がここを訪れる時はいつも抗議ばかりだ…ならば、あのテロン人たちにも抗議をしてはどうかね」
「君が呼び寄せたあの艦もまた、波動エネルギーを兵器に転用している」 - 第23話「たった一人の戦争」にて、デスラー砲を発射したことで抗議の通信を寄こしてきたスターシャに対して。この事実は少なからず彼女に動揺と地球人への不信感を与えることになった。
- 「これは通過儀礼なのだよ」
「ヤマトと共にバレラスは消滅する…ガミラスはその尊い犠牲を持って、古き衣を脱ぎ捨てる」 - バレラスに向かって第二バレラスの工区を落下させたことを問い詰めるヴェルテ・タランに対して。
- 「私は戦争をしているのだ」
- 亜空間回廊内でのデスラー砲発射は自殺行為だと止めようとするヴェルテ・タランに銃を向けながら。
- 「野蛮人め…!」
- 亜空間内でも関係のない砲弾による反撃をしてきたヤマトに対し。ビームしか攻撃手段を持たない彼らとヤマトの勝敗を決したのは原始的な実弾砲撃だった。
- 「私がこの宇宙を救済しよう。あの時…約束した通り…君のために…」
- 艦体がボロボロの状態でデスラー砲の引き金を引く直前、最後に思い浮かべたのは愛する女性へ約束した時のことだった…。
スパロボシリーズの名台詞
- 「宇宙海賊などという輩をのさばらせるわけにはいかない」
- トビア、キンケドゥとの特殊戦闘台詞。わざわざ「宇宙海賊」と名指しにするのは、ヤマトの原作者である松本氏の別作品を意識してだろうか?
- 「美しき月も雄々しき太陽も、全ては私にひざまずく」
- ザンボット3およびダイターン3との特殊戦闘台詞。
- 「その禁忌の力…宇宙に混沌をもたらす」
- 號との特殊戦闘台詞。新正暦の世界であっても、ゲッター線の危険性は認知されていたようだ。
- 「…私は既に全てを失った身だ…。敗者として、ここは去ろう…。テロンの戦士よ…。この閉じゆく空間を私の死に場所にさせてもらう…」
- 『V』通常ルート第50話での去り際。
- 「ガーディム艦隊の旗艦、バースカル…フフフ…どうやら、我々は謎に包まれていたガーディム第8艦隊の消滅に立ち会っているらしい」
- 『V』困難ルート最終話より、アールフォルツ:A0012Mが過去からバースカルを呼び寄せたのを目の当たりにして。
- 即座にガーディム第8艦隊消滅の理由を悟る辺り、流石の洞察力である。
- 「さすがだよ、アールフォルツ司令。これでガーディムが滅びた理由というのも得心できた」
「…所詮は過去の人間だな。お前に今、この時代に生きる価値はない」 - 同じく『V』困難ルート最終話より。あまりにも身勝手な理屈で功労者である筈のアンドロイドを破壊し、地球艦隊・天駆の説得も一蹴、あまつさえ大マゼラン銀河をも平定してみせると豪語するオリジナルのアールフォルツ。その傲慢極まる醜悪な人間性には、さしものデスラーも嫌悪感を隠せなかった様子。
- 「フフフ…アールフォルツ…。所詮、あなたの存在は時代遅れなのだよ。ガーディムが滅んだ、この世界で惨めに生き長らえるといいさ」
- 同上。デウスーラ二世よりも先にバースカルを撃墜した際の台詞。あまりにも陳腐な捨て台詞を吐いて撤退したアールフォルツを嘲笑するが、アールフォルツは惨めに生き長らえることすら出来ずに無様な最期を迎えることになる。
- 「…馬鹿…な…」
「フ…フハハハハ、ハハハハハハ!」
「この私が…全ての星を統べるはずの私が敗れるというのか…! あの日の約束も果たせず、野蛮人の手にかかり、散るとはな!」
(スターシャ…。私は…君のために…) - 『V』困難ルートでの最期の台詞[3]。
搭乗機体
- デウスーラII世
- ゼルグート級戦闘艦「デウスーラI世」の後継艦。
余談
- ファンの間では、「デスラー総統」という称号を含めて呼ばれることが多い。なお、『2199』におけるデスラーの「アベルト」というファーストネームは、リメイクに伴って設定されたものである。
- 名前の由来は第二次世界大戦時のドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーをもじったものとされていたが、原作者の松本零士氏曰く「エジプト神話の太陽神に由来する「ラー」と、死を意味する「デス(Death)」を組合わせたものである」とのこと。すなわち、「デスラー=死の太陽」を意味するとされるようになった。
- フルネームを「アルベルト・デスラー」と誤記されやすい傾向にある模様で、実際バンダイビジュアルのヤマトポータルでも「アルベルト・デスラー」と誤記されている。
- 旧作に比べると、やや顎が細くなり、目つきが鋭くなっている。また、容姿も若々しいものに変更されている。
- 『2199』版デスラーの声を担当する山寺宏一氏は、一部ゲーム作品及び『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』において、物故した富山敬氏から古代進役を引き継いで担当していた。
- そのため『2199』における、古代進とデスラーの対峙は「新旧古代進対決」とも言える。
- 山寺氏自身「オファーが来たとき、復活編で演じた古代役かと思っていたらまさかのデスラーだった」とオリコンのインタビューで述べている。
- 後に制作された続編『2202』第5巻のAmazon.com限定特典ドラマCDには、山寺氏が演じる古代進が登場する(クレジット表記は古代進〈旧〉)。
- 旧作では民族の存亡のためにヤマトと対峙したデスラーであったが、『2199』のデスラーは上述したように個人的心情が原因で行動をおこし、その過程でヤマトと対峙することとなった点において思想がまったく正反対であり、旧作ファンなどから「コスモ童貞」と揶揄されている。
- 『2199』でのデスラー像が旧作からのイメージから大きく乖離したことを『2202』制作サイドは大きな課題と認識していた模様で、デスラーの名誉を回復させるとして『2199』制作時に不採用になった旧作の設定が『2202』で採用されている。これによって『2199』終盤の行動の真意が明らかになっている。ただしこの設定はスタッフ交代後の後付けで『2199』時点での描写と矛盾する場面もあるため、賛否が分かれるところになっている。
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