ハザード・パシャ

2013年4月8日 (月) 22:29時点における下駄ボロット (トーク | 投稿記録)による版

ハザード・パシャ(Hazard Pasha)

火星開拓基地の長官。作中における実質的なラスボスといえる人物。

火星における事実上の独裁者で、防衛軍を自分の私兵とし、それ以外の市民を強制労働させる等、かなり横暴で市民の受けは悪い。ザ・ブーム軍エルシャンクの戦闘を機に、自分を左遷した地球をザ・ブーム軍の力を利用して征服しようと考えてザ・ブーム軍と接触してその協力者となり、中盤以降はザ・ブーム軍と協力している事を隠してザ・ブーム軍を善意の宇宙人、逆にエルシャンクを悪の宇宙人だと地球の連邦政府に誤情報を流したり、ジョウイルボラを捕えるなど、「ハザード」(英語で『危険の原因』『危険物』などの意)の名前の通りエルシャンク一行を最後まで苦しめた。最期は空魔ファミール艦ごと撃墜され、死亡する。

どうしようもない小悪党だが、中の人の怪演も手伝って妙な愛嬌がある。最終2話は彼と副官のドッグ・タックのナレーションによる総集編となっており、「敵役が総集編の進行を行う」という、珍しい手法をとっている。

登場作品と役柄

その小癪な性格ゆえか、スパロボでもザ・ブーム軍や他勢力に節操無く取り入り自軍の邪魔をしてくる、というパターンがほとんど。

スーパーロボット大戦COMPACT2第1部
スーパーロボット大戦COMPACT2第2部
スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
スーパーロボット大戦IMPACT
概ね原作通りだが、嘗てティターンズに所属していたという設定が加えられている。
スーパーロボット大戦UX
シナリオ面では原作以上に地位や権力を利用して暗躍しており、エルシャンクや自軍を小癪な搦め手で貶めるなど妙に目立つ。
中断メッセージにてドッグ・タックとの掛け合い(と次回予告パロ)を披露。青野氏が既に鬼籍に入っているため、ライブラリ出演となっているが見事に会話が成立していて全く違和感がない。

人間関係

火星

ドッグ・タック
副官でハザードの右腕と言える人物。最後までハザードに忠実で、ハザードとともにファミール艦の爆発に巻き込まれて死亡した。
ジョウ・マヤ
火星時代から自分に反目する小僧。何度も対決を繰り返し、最後は彼に倒される事になる。
レニー・アイ
ジョウの父親と同じく彼女の両親も人質に取った。
ダミアン
ジョウらと同様に敵対関係で、終盤では彼によってファミール艦が細工された事により窮地に陥る。

エルシャンク

ロミナ・ラドリオ
彼女を何度か人質に取った。

ザ・ブーム軍

アネックス・ザブーム
取り入る対象。アネックス側から見ればハザードはあくまでも利用するだけの存在であるが、ハザードも終盤はその事を自覚して火星へ戻ろうとした。
グラサン・グリン
UXにて初登場。当初手を組んでいたザ・ブーム軍の攻撃隊隊長で、共にイルボラに裏切りを仕向けた。本編では互いに利用していた面はあったとはいえ、割と仲は良い面を見せる時もあったが、総集編ではサボテン頭で怒鳴ってばっかしの頭はパーとボロクソに批難していた。
イルボラ・サロ
味方に引き込んだがお互いの印象は悪く、アネックス皇帝に評価され、自分よりも立場が上になってあれこれ指示する彼を敵視した。
シャルム・ベーカー
立場的にはシャルムの方が上。互いに嫌い合っており、ハザード曰く気の強い女は嫌いという事で総集編ではグラサンと同じくボロクソに批難していた。

地球

ローニン・サナダ
ローニンが前長官の息子と言う関係で旧知であったが、ハザードの悪事を暴こうとする彼と対立し、様々な謀略で彼を妨害した。

他作品との人間関係

ドン・ザウサーコロス
IMPACTでは彼らを復活させた。何かと謙った態度で彼らへ協力要請を求めつつ、自分がメガノイド復活の功労者である事を遠回しにアピールするなど、随所で小悪党ぶりを発揮する。
ブライト・ノアクワトロ・バジーナ
IMPACTではロンド・ベル隊の戦力を利用してエルシャンクを追撃させるべく彼らに通信を入れるも、ボロを出してしまった事で以降は不審人物として警戒されてしまう。
ヘスター・ギャロップ
UXで地球連邦内部の最大のシンパ。共に人類軍を結成し、UXと敵対する。彼女はハザードを(ハザードが売国奴であると知ってもなお)異常に信頼しきっているが、ハザード自身は本心では彼女を自身の野望を満たすうえで利用価値のある道具の一人としか思っていない。
2代目地球連邦大統領
UXでは一応の上役。ハザードの地球への背信行為を知ってはいたが、確たる証拠を掴めていなかったため手を出せずにいたが、アスランたちがハザードの悪行を白日の下に曝したことで、ハザードの逮捕を宣告する。
カガリ・ユラ・アスハマリナ・イスマイールクラウス・グラードシーリン・バフティヤール覇道瑠璃
UXでは連邦内部にて対立する者たち。
アスラン・ザラアクセル・ヒューズ
UXの第1部ラストにおいて、彼らに自身の不正を暴かれて失脚に追いやられる。以来、特にアスランに対しては恨みを抱いている。

名台詞

「アホが…」
『忍者戦士飛影』における記念すべき最初の台詞はハザードのこの台詞で、兵士採用試験に芳しい結果を挙げられない若者に対しての侮蔑的な感想を抱いた際の台詞。IMPACTでも戦闘時に言う。
「AF8番!もういい! お前に兵士の適正は無い! 明日から建設労働に従事しろ!」
上の台詞の後、結果を出せなかった受験者への非情な失格通告で、この台詞からして火星におけるハザードの独裁者振りが窺える。ちなみに次のAF9番はジョウであるが、サボって狩りをしていた。
「俺をこんな所に送った地球の奴らに助けなど…」
「うまく奴らと接触できてテクノロジーが手に入れば… ハハッ、俺にもツキが回ってくるかも フフフハハハ…」
2話より。ザ・ブーム軍の進出に対し、地球側へ助けを求めるべきではと意見した副官ドックの意見を一蹴した後、エルシャンクとの接触の為、戦車部隊を出撃させた際の台詞。
「しかたありませんな、姫様。気が強すぎるというのは時として命を縮める結果になります。フフフフフ…」
エルシャンクの戦力を利用したハザードに対して毅然と反発したロミナに対して
「くそう、このままではせっかく奴らを利用して地球の制覇を企むワシの計画がパァになってしまう」
第4話でエルシャンクが動き出したと知った際の台詞。ここでその野望がジョウ達にも知れ渡る事になる。
「名より実を取った方が得だよ」
11話でイルボラが捕虜となった際、グラサンと共に裏切りを勧めた際の台詞。
「さあ、どうするジョウ? お前も男ならウジウジしないでサッと決めろ!」
ジョウの父マツオとレニーの両親を人質に降伏或いは三機のマシンの譲渡をジョウに迫った際の台詞。
「くそぅ~、生意気な~イルボラめぇ、いつか石ぶつけてやるからなぁ!!」
自分に指図をするイルボラに不満を持っての台詞。しかし石をぶつけるなどと言うあたりどこかみみっちい。
「あ、それからいいことを教えてやろう。お前達が探し求めていた忍者、ありゃ観光用だ」
「忍者ショーなどの観光用として保存されているのに過ぎん」
30話でジョウ達を水責めにして言い放った台詞。30話で登場した忍者達はハザードが述べた事実通りなのだが、これまで忍者を捜し求めていたロミナ姫達にとっては大きな衝撃となる台詞となる。
「どうやら異論はなさそうですな。イヤハッハ…良かった、良かった、君のやり方次第では北アメリカエリアの三億もの人の命が左右されるという事をくれぐれも忘れないようにな。ハハハハハ……アーッハハハハハッ!!」
32話でエルシャンク側の味方であった北アメリカエリアに対し、北アメリカエリアの民間人の命を盾にエルシャンク側の攻撃をするように仕向け、不本意ながらもエルシャンクを攻撃する決断をしたローニンの父ケガレ・サナダの言葉を聞いた際の台詞。さらにその証としてローニンにエルシャンクを攻撃させる等もあってハザードの卑劣極まりなさが存分に表れている。
「たくっ、この顔のどこが見苦しい!」
通信でシャルムに見苦しい顔と言われた際の台詞。どう考えてもシャルムの方が説得力がある。
「わしの言った通りだろ。両者をうまく操ればこの地球の全てがワシの手に転がり込むという戦法だ。まだまだワシはへこたれんぞ、フフフフフハハハハハッ!」
地球側とザ・ブーム軍を自身の謀略を持って巧みに争わせ、その隙を突いて地球を征服しようとする計画を副官のドッグに語った際の台詞。総集編においてはこの戦法を「ハザード流地球頂き戦法」と命名した。
「人食い虎もライオンもワシに牙を向けたらこうだ… カチッ!」
41話で飛影らに自爆装置をつけた際の台詞。ちなみに起爆装置はファミコンのコントローラーに似ている。

スパロボシリーズの名台詞

IMPACT

「じゃんじゃんやって下さい!」
「私も麗しいコロス様とドン・ザウサー様の為なら、もう幾らでも協力させて頂きますよ、ハイ!」
「オーラ、コロス!お任せ下さい、ムフフ…」
ディラド星消滅に巻き込まれて、アネックス皇帝が死亡した事実を伏せながらコロスと交わした通信。メガノイド式敬礼まで行なう卑屈さを装いつつ、内心ではアネックス死亡に気付かない彼女らを「ボンクラども」と罵るなど、小物度全開の遣り取りである。
「攻撃隊長のイルボラという者が、また無能極まりない奴でして」
「まあちょっと顔がいいからって、生意気でキザで!こいつさえ上手くやっておれば…」
物語終盤、ロンド・ベル殲滅が一行に進まぬ事に苛立つコロスからの追求をイルボラに責任転嫁して、のらりくらりとかわし続けるハザードだったが直後、コロスから「無能」呼ばわりされ協力関係を打ち切られる羽目に…。
「お~お~、さすがは情に厚いと名高いロンド・ベル。お心遣い、嬉しくて嬉しくて涙が出ますなあ」
「しかし…ワシも退く訳にはまいりませんでな!」
「貴様らさえ始末すれば、バンカーやギャンドラーもワシに一目置くだろうしな!」
火星基地での最終決戦でクワトロからの投降勧告を跳ね除け、分不相応な野望を発して彼らへと襲い掛かるが…。

UX

「とんでもない! これは弾圧ではなく、鎮圧です」
「彼らの中には環境適応のために遺伝子操作を受けている者もいるのです」
「そのような、もはや人間とは言い難いような荒くれの暴徒を御するには、多少の武力行使も…」
UX第4話にて地球に降り立ったエルシャンクが火星開拓民と手を組みテロ行為を行ったと嘘の報告をした際、その事に疑念を感じた瑠璃やシーリンから火星での悪行を追及されてこう言い放った。
火星に住む人々を苦しめた自らの行動を正当化した挙句、彼らを化け物扱いするような発言から彼の傲慢さが見て取れる。
ところで、2行目の台詞は『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 Δ ASTRAY』(SRW未登場)に登場するマーシャンの事を指している。
「ご立派ですなあ、アスハ代表。いや、さすがは永世中立を標榜するオーブ首長国連邦の代表でいらっしゃる」
カガリ「何が言いたい…?」
「いえ、崇高な志をお持ちのわりには、裏で怪しげな傭兵集団と繋がっている等という黒いウワサを耳にしたもので…」
上の台詞で「前時代のような考え」と怒りの反論をしたカガリに対して。カガリはその事に憤りをあらわにするがへスターが彼女を黙らせてしまう
「皆さんありがとうございます! 賛成多数により、人類軍特別有事法案は可決となりました!」
第22話にて人類軍特別有事法案が賛成多数によって可決になった時の台詞。地球連邦を掌握して自軍を世界の敵に追いやり、その協力者であったカガリをオーブ代表から引きずりおろしたことで彼は勝利に浸った。…はずだったが、アレックスヒューズが現れ、自身の不正を暴かれてしまう。
「くっ! あの悪名高きパトリック・ザラの息子である貴様が言えた義理か!」
密かに地球を侵攻しようとするザ・ブーム軍と手を組み、地球連邦を排他組織へと逆戻りにしようとし、自軍をテロ組織に仕立て上げた罪を暴いたアスランに対して。
確かにパトリックは多くの犠牲を出し、(止められたとはいえ)ジェネシスでナチュラルを殲滅しようとしたが、結局のところは己の棚を上げた脆弁にしか聞こえない。
そしてアスランに「二度と同じ過ちを犯さない」という覚悟を示された挙句、とうとう大統領に証拠をつかまれてしまい逮捕されてしまう。
「は、離せっ! ワシは火星開拓局の長官なのだぞ!」
「ご、誤解だぁ! ワシは常に地球圏のために…離せ! 離せぇぇええ!!」
で、不正の罪で連邦軍兵士に連行されるときの台詞。これで彼は御用となった。

搭乗機体

ファミール艦

余談

横暴で横柄な性格や権力を笠に着た発言など『闘将ダイモス』の三輪長官の同類のようにも見える男だが、曲りなりにも最後まで地球を防衛せんとしていた三輪長官とは対照的に、ハザードは早々に敵に寝返り嬉々として地球侵略に協力しており、かつその心中は自分の利権しか頭に無いという点では正反対といえる。また、三輪長官は力押しだけの無能な人物だがハザードは策謀家としてはかなり優れている、という点も異なる。共通している事と言えば、己の目的の為に他者の命を平然と犠牲にする非道な点だろう。『UX』において「ハザード愛用水虫薬」というスキルパーツが登場している。

備考

ハザード・パシャ役の青野武氏は2012年4月9日に逝去したため、これが生前青野氏が収録した唯一の版権キャラクターとなった。今後登場する際は代役、またはライブラリ出演等の処置がとられるものと予想される。
バンプレストオリジナルのキャラクターについては、魔装機神シリーズルオゾール・ゾラン・ロイエル、『スーパーロボット大戦GC』のヘルルーガ・イズベルガがいるが、前者については代役の処置がとられている。

話題まとめ

資料リンク

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