当記事では、『X-Ω』に登場するミレニアム版ゴジラおよび補足を兼ねて初代ゴジラについても記述する。
- 外国語表記:Godzilla
- 登場作品:ゴジラシリーズ
- ゴジラ2000 ミレニアム
- ゴジラ×メガギラス G消滅作戦
- ゴジラ対エヴァンゲリオン
- 種族:怪獣
- 肩書:怪獣王
- 全高:55 m
- 体重:25000 t25,000,000 kg <br />
- デザイン:西川伸司
概要
言わずと知れた無敵の大怪獣王。黒い皮膚に覆われ突き出た背びれと二足歩行の恐竜のような外観が特徴。必殺技は、放射能を多量に含んだ青い火炎を口から噴き出す「放射熱線」[1]で、あらゆる存在を一撃で粉砕し、破壊し、消滅せしめ、蹂躙しつくす。
シリーズにおいて多くの個体が登場し、大きく分けて1954年公開の初代、翌1955年公開の『ゴジラの逆襲』から『メカゴジラの逆襲』まで登場した二代目、1984年版および『VSビオランテ』の三代目、『VSキングギドラ』から『VSデストロイア』まで登場した四代目、『ミレニアム』『メガギラス』のゴジラ(通称:ミレゴジ)、『大怪獣総攻撃』(通称:GMK)、『×メカゴジラ』『東京SOS』のゴジラ、『ファイナルウォーズ』(通称:GFW)、『シン・ゴジラ』となる。各設定や外観にもかなりの相違点があるが、ほとんどの作品において基本は「西暦1954年にゴジラが目覚め日本が襲撃された」という設定が根幹に置かれている。
ゴジラ2000 ミレニアム
1954年に出現した初代ゴジラとは別個体となるゴジラで緑色の体色と紫がかった色の鋭く尖った背びれが特徴。日本にたびたび上陸し、劇中では根室や茨城県東海村、新宿を襲撃している。
体細胞に強力な再生能力を持つ物質「オルガナイザーG1」を含んでおり、宇宙人ミレニアンはこれを体内に取り込むものの制御できず、怪獣オルガへと変貌してしまう結果となった。
なお、当作品および『メガギラス』におけるゴジラは身長が55mと初代及び二代目に近くなっているが、これは「ゴジラ」の愛称で知られる野球選手・松井秀喜氏の読売巨人軍所属時代の背番号「55」から取られたものである[2]。
ゴジラ×メガギラス G消滅作戦
風貌は前作『ミレニアム』とほぼ同じだが、1954年に出現した初代ゴジラと同一個体とされている。そのため、回想となる1954年の最初の襲撃シーンは一部場面が新撮されている。1966年と1996年にも出現し、日本の首都が東京から大阪へと移り、電力も原子力発電を永久放棄し代替としてプラズマエネルギーの開発を行うようになるなど、影響を強く与えている。
2001年に小笠原海溝で活動を再開し、自衛隊の新兵器実験により誕生したメガギラスとお台場で激戦を繰り広げる。
初代ゴジラ
1954年に人類の前に現れた最初のゴジラ。名前は孤島「大戸島」に伝わる伝説の怪物「呉爾羅」から取られている[3]。海底に潜んでいた太古の怪獣であり、水爆実験の影響により目覚め大戸島へと現れる。その後、東京湾へ現れ日本本土へ上陸。防衛隊の攻撃をものともせず、東京銀座一帯を蹂躙し尽し、焦土へと変える。[4]
ゴジラによる被害に心を痛めていた科学者・芹沢大助博士は周囲の人物の説得により、自身が開発した水中酸素破壊剤「オキシジェン・デストロイヤー」の使用を決意。海底に潜伏している際に「オキシジェン・デストロイヤー」を使用され、身体を溶かされ死亡する。
最後に古生物学者である山根恭平博士の「あのゴジラが、最後の一匹だとは思えない。もし、水爆実験が続けて行われるとしたら、あのゴジラの同類がまた世界のどこかへ現れて来るかもしれない…」という言葉で映画は締めくくられる。そしてその言葉通り、様々な世界(後のシリーズ作品)において新たなゴジラが現れる事となった[5]。
なお、この頃は白黒映画という事もあってか青い放射火炎ではなく、あくまで高温の息という設定であり「白熱光」と呼ばれていた。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- コラボ企画『ゴジラ対エヴァンゲリオン』名義で期間限定イベントに参戦。スパロボの歴史上超生物の登場は珍しいことではないが、まさかの特撮作品からの参戦ということで話題となった。
- なお、当企画に登場するゴジラは1984年から1995年にかけて展開された平成VSシリーズのゴジラ(俗に言う4代目)が主だが、本作品では『ミレニアム』『メガギラス』に登場するゴジラとなっている」[6]。咆哮を発する際の会話テキスト部ではアニメ調のキャラクターイラストで描かれており、非特撮作品と共演する上での違和感は少なくなっている。
- 冬月の発言から、『X-Ω』の世界でも「45年前に初代ゴジラが日本を襲撃し、芹沢博士のオキシジェン・デストロイヤーによって葬られた」事が判明している。
- ちなみに並み居るスーパーロボットに混じらせる形で味方として使用可能。肝心の性能はHPがぶっ飛んで高い以外は意外と控えめで運動性はかなり低めとなっている。基本は下記のスキルを活かす形で火力を伸ばす事になる。ちなみに、純粋な生物なのに改造に対応している。一体全体どう言う事なのだろうか…。
- 欠点はアタッカーの割に移動速度が「超低速」とかなり鈍い事と強化パーツを一切搭載できない事(実際にスロットが無い)。お約束の宇宙適応だが、さすがに活動はできるとは言えBである。このせいで宇宙ではまず敵を殴るどころか辿りつく事が至難の技となる(前述の通り強化パーツは搭載できない為フォローできない)。一応、SR以上のトールギスIIIを僚機として組み込んだり、サポートにミチルやメルアやカイ等をセット、母艦にオケアノスを使用、イベントクエスト限定だがパイロットパーツ装備のオリーヴをリーダーにしたりすれば足の底上げ自体は可能。サポートでは移動速度と同時に装甲もフォローできるメルア、同じく移動力と攻撃力を強化できるミチルが特に相性が良いか。
- とはいえフィールドとタイミングさえ選べば育成しての活躍は十分見込めるため、所謂「正義のゴジラ」に愛着のある世代のユーザーならば活躍させてみるのも一興か。
パイロットステータス設定の傾向
精神コマンド
装備・機能
武装・必殺武器
- 格闘
- 生身の怪獣なので、必然的に肉弾戦を行う事が多い。主にパンチや尻尾を使う。『X-Ω』では「尻尾」が通常武器として採用。
- 放射熱線
- ゴジラの最大の特徴と言える攻撃方法。口から10万度を超える熱線を放射する。放射の際に背びれが発光することが有名。
- 作品ごとの設定の変化、あるいは作中での使用状況により、いくつもの熱線のバリエーションがある。
- なお、『X-Ω』に登場するデザインのゴジラは映画では赤い熱線を吐いているが、今作では青い熱線となっている。
特殊能力
- 本土上陸(敵エリア内でクリティカル率アップ)
怯まぬ意志(状態異常中に攻撃力、クリティカル率大アップ)
絶対なる強敵(7回ダメージを受けるごとに攻撃力アップ)
怪獣王(HP1/2以下で、攻撃力、クリティカル率大アップ) - 『X-Ω』におけるアビリティ。原作での攻撃を受ける度に怒り狂う性格がモロに反映されており、何をやっても攻撃力がガンガン上昇。しまいには、魂が常時かかっているような状態になってしまう。
移動タイプ
- 陸・海・宇宙
- 歴代を通じて泳ぎは達者で長時間の潜水も可能(中にはエラ呼吸能力まで持った個体も存在する)。基本的に島国日本を舞台とするゴジラシリーズにおいては人類側や敵怪獣との海上・海中戦も頻繁に描かれている。昭和期では海へと帰ってゆくラストシーンも定番だろう。
- 真空の宇宙空間でも活動可能で、あらゆる環境で生息可能な完全生物と言える。
- なお、『ゴジラ対ヘドラ』では熱線を口から吐いて後ろ向きで飛行した。流石に不評の声も多かったが、PS3のゲームで平成版デザインのゴジラの技として採用された事も。
サイズ
- L
人間関係
- 芹沢大助
- 『ゴジラ』(1954年)に登場する科学者。
- 最初のゴジラを自身が開発した「オキシジェン・デストロイヤー」により抹殺したが、オキシジェン・デストロイヤーが核兵器に代わる新たな兵器として利用される事を恐れ、設計図など関連する資料を全て破棄。最期は、自身がゴジラと運命を共にする事で「オキシジェン・デストロイヤー」に関する全ての情報を闇へと葬った。
- 山根恭平
- 『ゴジラ』(1954年)に登場した生物学者で、ゴジラの名付け親。
- 多くの人々がゴジラを倒す事に躍起になる中で、「水爆に耐えられる、ゴジラの生態を調べるべきだ」と主張して学者の本分を貫こうとする。ラストシーンの名台詞は、あまりにも有名。
- 家城茜
- 『ゴジラ×メカゴジラ』に登場する特生自衛隊員。彼女が操作するメカゴジラと戦いを繰り広げた。
他作品との人間関係
- 碇シンジ、綾波レイ、式波・アスカ・ラングレー
- 『ゴジラ対エヴァンゲリオン』において共演。
- 野原しんのすけ
- 映画『シン・ゴジラ』のコラボ企画により『クレヨンしんちゃん』に客演。巨大化したゴジラと戦った。
- Dr.ヘル
- 『X-Ω』ではゴジラと浅からぬ因縁を抱いている。
関連怪獣
多くの怪獣が登場しているが、ここではイベントに登場する怪獣を解説する。
余談
- 『ゴジラ』(1954年11月3日公開)という特撮映画作品が生まれた経緯の一つとして、1954年3月1日にビキニ環礁で米軍が行った水爆実験に、日本のマグロ漁船第五福竜丸がそれに巻き込まれて被爆した事件から着想を得ており、ゴジラシリーズには「核兵器へのアンチテーゼ」というテーマが内包されている。
- ゴジラの初代スーツアクターである中島春雄氏には、「巨大怪獣であるゴジラを演じる際の役作りをする為に、動物園に通って様々な動物の動きを観察した」という逸話が存在している。
- 中島氏は、「動物園で象等の巨大生物の動きを観察した結果、彼等が足の裏を見せない摺り足で歩行している事に気付きました。それは、ゴジラを演じる際の参考になりましたね」と述懐している。
- 1954年に誕生したゴジラシリーズは、半世紀以上に渡って展開された長寿シリーズであり、特撮のみならず多方面において多大な影響を与えている。『機動警察パトレイバー アーリーデイズ』等、パロディが行われた作品も非常に多い。
- 特に『ゾイドシリーズ』ではヘリック共和国のゴジュラス&ゼネバス帝国のデスザウラー、と両陣営の切り札が揃ってゴジラモチーフという強烈な絵面を見せている(前者に至っては名前からしてギリギリである)。
- 映画配給が同じ『クレヨンしんちゃん 』においては『爆発!温泉わくわく大決戦』と『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』ではゴジラの音楽(両作品)、ゴジラの泣き声(爆発!温泉わくわく大決戦のみ)や『伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃』においてはゴジラの名前の由来となったゴリラとクジラを逆につないだものクリラが出るなど多くのパロディが行われた。
- 2016年に公開された『シン・ゴジラ』のコラボレーションの一環である「しんちゃん対シン・ゴジラだゾ」(2016年7月22日放送分)と『X-Ω』よりも先にコラボレーションを行っていた。
- 同じ東宝製作の特撮『流星人間ゾーン』にも味方ポジションの助っ人ヒーローとして登場している。
- 頭部はティラノサウルス、背鰭はステゴサウルス、身体は草食恐竜イグアノドンと3種類の恐竜をモチーフとしている。名前は、ゴリラとクジラを混合した造語「グジラ」から命名されたのが名前の起源であるが、名前の綴りから海外では「ガッズィーラ」と発音を間違われてしまう事も多い。この事は海外製作の98年版『GODZILLA(通称:エメゴジ、『ファイナルウォーズ』ではジラ名義で登場)』でもネタにしている。
- 2014年公開版(通称:ギャレゴジ)では、渡辺謙氏演じる日本人科学者芹沢猪四郎博士のみが一貫して「GOJIRA(ゴジラ)」と発音している。これについて実は元の台本では「ガッズィーラ」になっており、渡辺氏もギャレス・エドワーズ監督から「英語の発音に近づけてほしい」との要請を受けていたが、渡辺氏は日本人としての拘りから「絶対嫌だ」とその要請を拒否して「ゴジラ」と発音した。その結果、観客からは歓声を以て受け入れられ、エドワーズ監督も渡辺氏の判断に称賛を送っている。
- 実は、ゴジラは『スーパーロボット大戦シリーズ』の源流となったコンパチヒーローシリーズへの参戦経験が有り、同じく日本を代表する特撮作品『ウルトラマン』『仮面ライダー』とも共演している[9]。
- 岩波書店が発行している日本語国語辞典『広辞苑』(第6版)には、「ゴジラ」が見出し語として載っている。ついでに同国語辞典には「ウルトラマン」も、見出し語として載っている。
脚注
- ↑ 作品制作時期によって変化しており、「放射能火炎」「放射火炎」等の呼称だった時期もある。VSシリーズ以降はほぼ「放射熱線」とされており、『X-Ω』でもこの表記で採用。
- ↑ 後に、松井秀喜氏は『ゴジラ×メカゴジラ』にてカメオ出演している。
- ↑ 東宝公認のアンソロジー『THEゴジラCOMIC』に収録された近藤豊(現:近藤ゆたか)の短編漫画『元禄大戸島異聞』において、江戸時代を舞台に芹沢大助博士の先祖である浪人が「呉爾羅」と戦うエピソードが描かれたことも。
- ↑ 特に、「日本の政治の中枢である国会議事堂がゴジラによって破壊されてしまう」場面は有名。以降のゴジラシリーズ作品においても、国会議事堂や東京タワー等、「著名な建造物がゴジラによって破壊される」事が半ばお約束になっている。
- ↑ 中には約40年後の1995年にオキシジェン・デストロイヤーの影響により、新たな怪獣「デストロイア」が生まれた事もある。
- ↑ ただし、熱線の色はこの二体と違い青色であり、さらに各種効果音(熱線を放つ際の「ボンッボボボンッ」とストロボのような効果音等)は機龍二部作のものが使われており、ミレゴジと釈ゴジのハイブリッド、もしくは背びれをミレニアムカラーに変えた機龍ゴジラである可能性もある。
- ↑ ただし、1954年版ではゴジラは骨ごと跡形もなく溶け去っているためパラレル設定となっている。
- ↑ オルガと同じく、ゴジラの細胞や遺伝子が誕生に関わったビオランテやスペースゴジラもゴジラの特徴を受け継いでいる
- ↑ ちなみに、『ウルトラQ』では「古代怪獣ゴメス」の改造元となり、『ウルトラマン』にはゴジラの着ぐるみに襟巻きを付けた「エリ巻き恐竜ジラース」として出演している。ついでに言うと、ジラースを演じた役者はゴジラの初代スーツアクターである中島春雄氏。
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