グレイス・オコナー

2012年11月18日 (日) 15:21時点における125.0.58.104 (トーク)による版 (→‎スパロボシリーズの名台詞)

グレイス・オコナー(Grace Oconnor)

歌姫シェリル・ノームのマネージャーを務める眼鏡を掛けた女性。

普段は単なるマネージャーを装っているが、裏の顔は宇宙生物バジュラ研究の第一人者であり、同作のTV版(およびそれに設定の準拠する漫画版・小説版)の黒幕。シェリルのマネージャーを務めているのも、シェリルのマネジメントを一手に引き受けてその行動をコントロールするためである。

科学者としての彼女の来歴は、かつて第117大規模調査船団にてマオ・ノーム(シェリルの祖母。劇中では専ら「ドクター・マオ」と呼ばれる)や、ランシェ・メイ(ランカの実母)と共にバジュラの研究員を務めていたことに始まる。彼女達のグループは、バジュラの研究により、彼らが広範囲の「フォールド通信」を用いて意思共有をする生物であることを発見。彼女はこの意思共有能力を応用することで、全銀河の生物の集合意識を一つに纏めることができると確信する。しかし、同僚のランシェらにはそのことを反対される一方で、バジュラ襲撃により調査船団は壊滅し、彼女も大きな傷を負ってしまう。このことが原因で自身を否定したランシェらに恨みや憎しみを抱いた彼女は、自らの理論を立証すべく壮大な計画を立てるようになる。

その第一歩としてマクロス・ギャラクシー船団を支配する集合意識体らと物理結合し協力者とする一方、自らの身体をフルインプラント化し、一種のサイボーグとなる。その後、シェリルを伴ってマクロス・フロンティア船団に乗り込んだ彼女は、レオン・三島を利用しつつ、己の目的を達成しようと暗躍。後に「リトルクイーン」ランカ・リーの歌声によってバジュラの制御が可能であることが明らかになると、これまでマネジメントしてきたシェリルを切り捨て、ランカのマネジメントに専念するという名目のもと彼女を監視。機会を捉えて彼女を拉致し、その歌の力でバジュラ本星にてバジュラクイーンの支配に成功した。

こうして全銀河の意思共有を目指した彼女であったが、フロンティア船団の抵抗とランカの説得に応じたバジュラ達が自身の制御を離れたことで追い詰められていき、最期は早乙女アルトVF-25 メサイアにより頭部は破壊され、死亡する。

基本的な設定は登場作品全てにある程度は共通しているが、作品によって、立ち位置は異なってくるキャラクターである。
TV版の彼女はマクロスシリーズには珍しい純粋な悪役であり、同時にアイナ・サハリンテュッティ・ノールバックといった母性的な優しい女性を演じる事が多い井上喜久子氏が演じたキャラクターの中でも異端のキャラクターである。かねてより悪女役に挑戦してみたいと発言していた井上氏自身はグレイスを「私の演じたキャラクターの中でも最高のドSキャラ」と評し、気に入っているようである。
ただ、放送中から小説版やドラマCDなどの各種媒体でシェリルに対する母性や、インプラント化が自ら望んだものではないことが触れられており、そのシェリルに対する感情が計画に差し支えるとして感情データの削除を行ったとされる。
中でも漫画作品『シェリル キス・イン・ザ・ギャラクシー』では幼少時のシェリルとの交流が描かれたほか、ギャラクシー過激派のテロからシェリルを庇うなど、完全に善人と言っても差し支えないキャラとなっている。
そして劇場版では最終局面でインプラントの支配を脱してギャラクシー船団に反旗を翻し、シェリル救出のために行動するというTV版とは正反対の行動に出る。

尚、TV版の小説では消滅したのはグレイスの二次的クローンであり、グレイスとギャラクシー船団の集合意識体は存在していると語られている。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
TV版準拠。ストーリーが最後まで進まないためNPCとしての登場。ただ、時折原作同様の「醜く歪んだ顔芸レベルの悪い笑み」を見せることがあり、終盤には『機動戦士ガンダム00』のリボンズ・アルマークと手を組んで暗躍を見せるなど、原作を知らない人でも「何か悪いことを企んでいる人」という印象を強く残す。EDでは、シェリル、ランカ以外に目をつけたアーティストがいると語る。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
前作に引き続き、リボンズと手を組み、暗躍。イノベイター達と共に人類の支配を企てる。ifルートではリボンズと共に、Lに続き版権作品の最後の大敵としてZEXISの前に立ちはだかる。本作では序盤から悪役としての本性を発揮するが、利用目的で近づいたバサラやラクス、エイーダ達に自分の考えを真っ向から否定されたのを始め、仕掛けておいた回避不能な筈の罠をイマージュの介入によって無効化されたり、ダブルオーライザーの粒子で支配下にあったバジュラを制御不能にされるなど、自分の予期せぬ力の干渉によって重要な計画をことごとく台無しにされてしまい、その度に動揺して悔しがるなど、やる事のスケールの大きさはともかくキャラ的にはリボンズと同様に小物感が出てしまっている。尚、彼女もまた黒の英知に関する事は何も知らず、ましてやそれに災厄の未来やバジュラの過去に関わる秘密が隠されているなど知る由も無かった。
悪役として振る舞う一方で最終決戦では、他の作品と異なりバサラやアルトとの戦闘前会話にて多少相手のことを認めるようなセリフを言うなど、劇場版や『シェリル キス・イン・ザ・ギャラクシー』などで見せた彼女の本来の人間性を垣間見せる場面もあり、自分の行動に疑念を抱きつつも最早自分で止める事も出来ない哀しみを垣間見せている(リボンズが徹底して自分の野心を満たすために戦い、完全否定されているのとは対照的である)。最終的にはZEXISに敗れ去り、死亡したと思われるが…。
なお、撃破時のドロップパーツは「シェリルのディスク」「ランカのディスク」「Fボンバーのディスク」である。
劇中どこかに報告を送っているようなモノローグもあり、また一人称が時折「私達」になるなど、意思統合体の一部であるという演出が多い。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦L
TV版準拠。最終的には本作の最後の版権作品の大敵キャラとしてLOTUSの前に立ちはだかる。顔アイコンがマネージャー版・本性版・サングラス着用の『G』版・ルシファーパイロット版・バジュラクイーンとの一体化時版の五種類も用意されている。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

版権作品ボスとしては最後に登場するだけに恐ろしく能力が高い。バジュラクイーンとの同化後はさらに跳ね上がり、セントラルに匹敵する強さとなるが回避だけは下がる。再世篇でも終盤版権作品ラスボスの一人で、リボンズとコーウェン達(ルートによって彼らが大トリ)と同様LV90+2回行動。

特殊技能(特殊スキル)

気力限界突破 底力L9 指揮L4 アタックコンボL3
後者二つは同化後に追加される。バルキリー搭乗時は反撃含め全く行動しないので能力も技能も意味がない。同化後は指揮とコンボを習得するが、今度はクィーンに対応武器がないという問題発生。強くはあるが、どうも今一つかみ合わないのは自身の力ではなく借りものなためか。ただし、気力限界突破と底力、クイーンの次元断層の組み合わせで恐ろしく頑強。
天才 底力L7 ガード 精神耐性 Eセーブ 気力+ボーナス 2回行動 
再世篇のクィーンにはバリアが無く、防御スキルはLほど強くないが、天才+2回行動で連続マップ兵器が怖い。特に近くにいるブレラが落とされがち。さっさと他のバジュラまたはリボンズを退場させ、彼女を倒そう。

固有エースボーナス

全てのバジュラの命中率、回避率+30%
破界篇の準女王と同じ。脅威的なボーナスだが、ZRルートでは途中のイベントで他のバジュラが撤退、騎士団ルートでは登場時点で既に他のバジュラがいないと、効果が発揮できない。

パイロットBGM

「汝に大義ありや」
MAP兵器を使うときに流れる。

人間関係

シェリル・ノーム
彼女のマネージャーを務め、V型感染症のシェリルを救う。中盤では半ば捨て駒のような発言をして彼女を切り捨てたかに見えたが、グレイスには別の意図があった。最終的な関係は、メディアによって異なる。
ランカ・リー
彼女の母ランシェはV型感染症であり、ランカは彼女の胎内にいるうちにV型感染症に接触していた。グレイスはそのような性質を持ったランカの歌がバジュラの制御に向いていると確信、「リトルクィーン」として利用する。
ブレラ・スターン
直属の部下であるが、記憶を取り戻した後叛意を露にしたため、彼に精神制御を施した。
早乙女アルト
TV版では最期は彼に引導を渡されたが…。
レオン・三島
TV版では彼の野心を利用して、暗躍する。
オズマ・リー
TV版の小説では10年前に彼と会った事がある。妙にウマが合っており、バジュラの襲撃がなく、もう少し会話していたら歴史が変わっていたとも言われている。
ランシェ・メイ
ランカとブレラの母親。バジュラ研究を共にする仲間であったが、グレイスの唱えたバジュラ利用とその目的については否定した。間接的であるが、グレイスの野心に火をつけたといえる。
マオ・ノーム
同じく、バジュラの協同研究者。
マンフレート・ブランド
PSゲーム『マクロスVF-X2』(SRW参戦)の黒幕的キャラクターで、TV版の小説に登場。野望の為にグレイスの同志となり、他の同志達と共に銀河の支配を企てるも、グレイスは内心マンフレートを嫌悪しており、最後は他の同志達共々用済みとされ彼女に抹殺されてしまう。
ジャック
漫画作品『シェリル キス・イン・ザ・ギャラクシー』の登場人物で、グレイスのかつての同僚で恋人。かつてガリア4にてグレイスと結婚式を挙げるも、バジュラ、そしてバジュラを操るスルト達の襲撃に遭い、グレイスの眼前で命を落とす。
スルト
漫画作品『シェリル キス・イン・ザ・ギャラクシー』の登場人物で、同作品におけるギャラクシー船団の元老院の長である女性。同作品におけるギャラクシーでのグレイスの上司であり、グレイスの人生を狂わせた張本人。かつて家族をバジュラに殺害され、自身はギャラクシー船団の元老院の人間達に拉致された挙句辱められ、弄ばれて人間の尊厳を奪われた過去を持つがゆえに、人類・バジュラ双方を憎悪しており、全ての滅びを画策する。
TV版のグレイスに代わるラスボス的立ち位置の人物だが、全銀河の支配を目論んだTV版のグレイスとは異なり、ガンダムシリーズフロスト兄弟クルーゼの如く憎しみのままに全てを滅ぼそうとする、マクロスシリーズの登場人物の中でも異色の人物。

他作品との人間関係

マクロスシリーズ

工藤シン
グレイスのかつての同僚・マオの想い人。原作では出会ってもいないが、SRWシリーズの姉妹作である『ACE:R』においては惑星エリアで最初に接触した「イレギュラー」であり、初見でその正体を見破る。バジュラクイーンと一体化した後、彼に対して「ドクター・マオ」…マオ・ノームについて語り、「自分がバジュラを支配できたのは彼女の研究の成果でもある」と語るグレイスに対し、「マオがこんな事を望むはずがない!」と激怒していた(このやりとりはフルボイスで行われている)。
熱気バサラ
リン・ミンメイと並ぶマクロスシリーズの世界の伝説的な歌手。第2次Z再世篇では彼も利用しようとするが、自らの野望の為に露骨に歌を利用する彼女の方針にバサラが従う筈もなく、ラクス同様に真っ向から否定され対立する。

ガンダムシリーズ

リボンズ・アルマーク
同じ黒幕的なキャラクター。第2次Z破界篇では裏で協力関係を結んでおり、グレイスのオーダーに従ってランカとシェリルを拉致する。グレイスとリボンズの絡みは、両者の性格から言って狸と狐の化かし合いのようにも感じられる。第2次Z 再世篇でも引き続き結託しており、共に人類の支配を企てるが、外部からの干渉で彼ともども計画を大きく狂わされてしまう。
アレハンドロ・コーナー
第2次Z破界篇ではリボンズを介し、彼に裏から協力していた。
ラクス・クライン
第2次Z破界篇のEDにてグレイスが新たに目を付けたアイドルとは彼女の事だった。彼女からも、そのやり方を否定される事に。
リリーナ・ドーリアン
再世編中盤、シェリルやZEXISを巻き込んでサンクキングダムごと消そうとするが…

リアル系

ワイズマン
第2次Z再世篇では一時的に彼に計画を狂わされる。

スーパー系

F.S.
Lでは全銀河の意思共有による人類の進化を謳うグレイスに対し、その手段の是非を問い質した。
エイーダ・ロッサ
第2次Z 破界篇では、自身の情報収集能力を以ってしても探れない彼女の素性と、そのバックについて警戒感を抱く。
ニア・テッペリン
第2次Z破界篇では、彼女も「アイモ」を覚えていることに興味を抱く。
ムゲ・ゾルバドス
第2次Z再世篇では一時的に彼に計画を狂わされるが、逆に彼の用いたシステムを自分達の野望の為に利用する。
シモン
第2次Z再世篇では自身の野望の為にランカを利用した事で、ランカを尊敬し慕う彼からは特に激しい怒りを露わにされる。

スパロボシリーズの名台詞

「可愛い顔して、頭も切れるみたいね。貴方が、あの男に仕えているのが私には信じられないわ」
第2次Z破界篇で、瞬く間にシェリル&ランカを昏倒させたリボンズの手並みを目の当たりにして述べた評価。さり気なく彼の主君についての揶揄も含んでいるが、グレイス曰く「馬鹿にしているつもりは無い」との事。
「…そうね…。あなたの言う通りかも知れない…」(対バサラ時)
「…あなたに言われるまでもないわ」
「だけど、その代わり私は手に入れた! この銀河の全てを統べる力を!」 (対シモン時)
「夢の…翼…」
「フ…フフ…」
「私の中の一部は、お前の言葉を理解しているようだ…」
「だが、もう止まらない!私は銀河を統べるクィーンになるのだ!」(対アルト時)
再世篇における最終決戦時の戦闘前会話の一部。銀河を統べるほどの力を手に入れても、グレイスの心は満たされない。野望の為に彼女が捨ててしまったものの代償はあまりに大きかった…
「当然よ。私がプロデュースしたんだから…」
再世篇でZEXISに敗れ、アルトがとどめを刺そうとした時、バサラにシェリルとランカの歌を聴くように諭され、「いい歌だろ」と言われた時の返答。

話題まとめ

資料リンク