ジェットスクランダー
ジェットスクランダー(Jet Scramder)
- 登場作品
- 分類:空中戦用強化パーツ
- 翼長:18 m
- 重量:1 t
- 最高速度:マッハ3
- 限界上昇高度:2万 m
- 動力:光子力エネルギー
- 推進機関:光子力ロケットエンジン
- 装甲材質:超合金Z
- 開発者:弓弦之助、スミス博士
- 所属:光子力研究所
マジンガーZを飛行させるために開発された強化パーツで、「紅の翼」の通称を持つ。
原作TV版第34話「紅い稲妻 空飛ぶマジンガー」、及び劇場映画『マジンガーZ対デビルマン』にて堂々のデビューを果たす(正確には劇場版公開日の方が、TV版第34話放映日よりも5日ほどお披露目が早い)。
弓教授とアメリカのロケット工学者・スミス博士との共同開発により完成した「紅の翼」は、飛行速度がマッハ2.3を越えると翼が後退する可変翼システムを導入している。
ホバーパイルダー、及びジェットパイルダーのコクピット内に備え付けられた「JS装置」と呼ばれる誘導装置により、山に擬装された格納庫からカタパルトを伝って射出され、自動追尾でマジンガーZを正確に捕捉しドッキングを果たす。その際に甲児が叫ぶ「スクランダー・クロス!」とは、合体時にマジンガーZとスクランダーの形成するシルエットが、あたかも十字架のように見える事に由来する。滑走による加速を必要とせず、斜め上に向けられたベースに据えられて一気に発進するため、加速力も相当なもの。
マッハ3の飛行速度を活かした翼による激突戦術は、そのままスクランダーカッターとなり、後に妖機械獣への対抗策としてサザンクロスナイフも翼内に内蔵するなど、単なるオプショナルパーツに留まらず武装強化の面でも一役買っている。
空を飛べないロボットが、翼パーツを装着して飛行可能となるシークエンスは、長期に亘って「空飛ぶ機械獣」に苦戦を強いられる様を描き、飛行能力追加の必然性を強調するストーリー構成の巧妙さも手伝って、かなりのインパクトを残した。
リメイク作品『真マジンガー 衝撃! Z編』にも登場するが、お披露目話の翌週で早々に破壊されるという正に「衝撃!」的な最期を迎える事に…。更なる強大な翼「ゴッドスクランダー」の前座でしかなかったという扱いは、旧作を知るファンを唖然とさせた。
後続作品でもオマージュが多く、SRWでもマジンガーZ最初の強化でお馴染みだが、SRW参戦作にはオマージュしたメカが意外と少ない。むしろバンプレストオリジナルで徐々に増えつつある。
登場作品と操縦者
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦
- マジンガーZ専用のパワーアップアイテムとして登場。
- 第2次スーパーロボット大戦G
- マチルダからの補給物資として入手する。
- 第3次スーパーロボット大戦
- 途中で装備されるが、同時にマジンガーZの改造が初期化されてしまう。
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- 初めてスクランダーのデモが用意された。
- スーパーロボット大戦F
- ヒイロ・ユイに爆破されるが、無傷で機能低下すら起こらなかった。デモは原作アニメのムービーが使用されている。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- ジェットスクランダー装着イベントとデモが用意されている。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 宇宙編の途中でさやかが持ってくる。同時にマジンガーの能力値も底上げされる。装着デモは存在しない。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
- 『真マジンガー』準拠だが、なんと最後まで使える。そのため、本編では使用されなかったスクランダーカッターが、従来通りの武器として実装されている。
機体BGM
- 「空飛ぶマジンガーZ」
対決・名場面など
余談
- ジェットスクランダー登場前、飛べないマジンガーを飛ばせるためにアフロダイAのミサイルを両手に持って強引に空を飛ぶというとんでもないアイデアを披露した事がある。ちなみに、ボスも真似をしようとしたがあっさり失敗した。
- 劇場版『グレンダイザー対グレートマジンガー』での甲児の回想シーンに登場したマジンガーZは、スクランダー無しで空中飛行を行っている。単にスタッフが描き忘れたのだろうが、その様は中々にシュールな絵ヅラである(スクランダー・クロスする直前の、空中滑走の途中という好意的な解釈も出来るが…)。
関連機体
- マジンガーZ
- 足裏の水中航行用ロケットを、スクランダー・クロス時のジャンプに多用する。
- ジェノサイダーF9
- 飛行能力を得たマジンガーZの初陣相手である「空飛ぶ機械獣」。
- グレートマジンガー
- スクランブルダッシュ以上の速力の獲得と、更なる攻撃力の増強を目指して開発されたグレートブースターはスクランダーと共通するコンセプトを持つが、飛行パーツというよりも純然たる「武器」というイメージが強い。ドッキング時におけるタイミング取りの難易度は、スクランダーを遥かに上回る。
- ビューナスA
- ビューナススクランダーは開発コンセプトから発進シークエンス、果ては翼を使った破断戦法に至るまで、ジェットスクランダーをそのまま踏襲している。
- ダイアナンA
- 小説『スーパーロボット大戦』にて専用のスクランダーが開発される。
- マジンカイザー
- OVA版は飛べないカイザーが後から専用スクランダーを入手。SRW版もOVAに合わせてそれまで飛べたのに第2次αで陸専門になり、第3次αで専用スクランダーを入手。
- マジンカイザーSKL
- ウイングルの飛行ユニットを装着させる形。
- ダブルスペイザー
- グレンダイザーに自由度の高い飛行能力を与える。メインパイロットは奇しくも兜甲児。
- ダンクーガ
- TV版終盤で外付けブースター「ガルーダ」を装備、OVAで内蔵式に変更。SRWでは最初から飛べる状態での登場がほとんどなので「飛べない」印象は激薄。
- ブラックウイング
- SRWでダンクーガと合体できるようになった。
- R-ダイガン
- ダンクーガノヴァ・マックスゴッドの翼。独自に戦闘出来る。
- ドラグナー1型・2型・3型
- リフターユニットという大気圏内飛行用装備が追加。ギガノス側も同様の装備であるMAFFU(マッフ)を実装した。
- ガイガー
- ガオガイガーへのファイナルフュージョン以外に、ステルスガオー単機と合体した飛行形態を劇中で披露。SRWでは未再現。
- 覚醒人1号、ティラン
- 最終決戦時に飛行ユニット兼リンカージェル透析機のグリアノイドが背部に装備された。
- ランスロット
- 第1期終盤で飛行用ユニットであるフロートシステムが追加装備されるが、エナジーフィラーの消費量が激しく短時間しか使用出来ない。
- 紅蓮可翔式
- Gサンダーゲート
- Gコンパチブルカイザーの翼。独自に戦闘できる。
- エルブルス
- スイームルグSの翼。独自に戦闘できるが、合体後は分離不可になる。
- セイバーブースター
- ソウルセイバーの翼。
- スーパー特撮大戦2001
- 参戦作品『スーパーロボット レッドバロン』では、番組後半にレッドバロンの宇宙航行用アタッチメントである「スペースウィングス」が開発された(「紅の翼」という意匠もジェットスクランダーと共通)。ゲームにも登場するが、宇宙での地形対応はBと原作設定が反映されていない。