修正
「修正」
軍組織のような体育会系コミュニティにおいての「修正」とは、鉄拳制裁に挙げられるような懲罰を加えること、あるいはシゴくことを指す。
なお、前置きしておくが、以下に記すのはあくまでSRWやその原作(つまりフィクション)で用いられる「修正」の解説が目的であり、「修正」行為を過剰に賛美・正当化する意図は全くないことに留意されたし。
『機動戦士ガンダム』にて出撃を渋るアムロ・レイに対してブライト・ノアが「修正」を加えた有名なシーンのように、軍などに置ける上官のような目上の人物が何かしら不始末をしでかした目下の人物に反省や奮起を促す意味で暴力を加えるのが基本である。続編の『機動戦士Ζガンダム』では頻繁に行われ、「修正」という言葉自体も登場している(逆に年下のカミーユが年上のクワトロに「修正」を加える事態も発生しているが)。
SRWシリーズでは『スーパーロボット大戦F』のシナリオ「ネルフ襲撃」でブライト・ノアが戦いから逃げようとした碇シンジにした「修正」が有名である。
(上記の『機動戦士ガンダム』にてブライトがアムロに行った「修正」のオマージュで、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督である庵野監督の発案であることも知られている)
無論、本人の意志はともかく、下手をすれば、私的な理由によるリンチや体罰になりかねない。現実的には非常に扱い所が難しく、かつ推奨できない手段である(詳しくは、余談の項を参照)。
事実本来であれば、対象を最終的に奮起させるために、重大な怪我にならない程度に痛みを与えるのが基本である(よく「歯を食いしばれ」等と言われるのは、殴る意思表示の他、不意に舌を噛まないための意味合いもある)。
そして、何よりも「修正」した後のフォローが必要不可欠であり、最も留意すべき点である。徒に相手の心身にダメージを負わせた、あるいは「修正」をした者への反感を招いただけの結果にならないように、「修正」を行った側が、細かい配慮をしなくてはならない。
例えば『第3次スーパーロボット大戦α』にて三輪長官がアラスカ基地で一矢に行った一方的な暴力は、ほぼ「修正」の本来の目的を逸脱した私怨によるリンチであるといっていい。
繰り返すが、「修正」の目的は相手に反省と奮起を促すことにこそある。
原作における「修正」
- 機動戦士ガンダム
- 第9話「翔べ! ガンダム」にて上記のブライトによるアムロに対する「修正」があり、「二度もぶった…親父にもぶたれたことないのに!」の名言が生まれる。また、他の話ではカイがブライトとセイラに「修正」を食らっている。
- 機動戦士Ζガンダム
- 「修正」と言う言葉を有名にした作品だけに、とにかく「修正」場面が多い。最も有名なのは第13話「シャトル発進」でシャアを名乗らないクワトロに対してカミーユが殴打する場面で、「歯、食い縛れ!そんな大人、『修正』してやる!」の言葉が登場する。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- ジュドー・アーシタが妹のリィナを救うために独断での行動が多かった初期に、ウォン・リーから「修正」を受けている…のだが、ジュドーはウォンの平手を回避した上でカウンターで蹴りを叩きこんでいる。
- 機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー
- 第8話で勤務をさぼっていたコウとキースにバニングが鉄拳制裁を加えている。
- 聖戦士ダンバイン
- 23話「ミュージィの追撃」で、独断先行したリムル・ルフトがニー・ギブンに殴られる。「けじめ」としてお互い了承済みとはいえ、少女が男にグーで殴られるという、見ようによってはちょっと酷いシーン。
スパロボにおける「修正」
- 第3次スーパーロボット大戦
- クワトロが仲間になると原作通りカミーユが「修正」を加える。
- スーパーロボット大戦F
- 上記の「ネルフ襲撃」においてブライトのシンジに対する「修正」が起きる。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 「灯火は炎となりて」にてMSを無断でブローカーに売り飛ばそうとしたビーチャ、モンド、エル、イーノの4人を(なお、ジュドーはこの事件には無関与である)ブライトが「修正」するシーンがある。
また、前シナリオでア・バオア・クーの探索を許可していた場合、「復讐の刃」にてブライトがビーチャ達に「修正」される。
- スーパーロボット大戦α
- 選択肢でクワトロがシャアを名乗りたくないとの選択をすると、原作通りカミーユが「修正」を加える。原作再現イベントだが、隠しフラグとの二択になるため、見る人は少ない。また、そのカミーユもジュドー達がMSを盗んだ事を庇い、代わりにバニングに「修正」された。
- 当然、本来MSを盗んだジュドーが受けるべき罰はこの程度のものではなかったので(上記のビーチャ達の行動も同様である)、それを知って責任を感じたジュドーは借りを返すべく仲間になる。
- スーパーロボット大戦A
- 序盤のリアル系シナリオにおいて、無断出撃したDチーム3人と男主人公に「修正」が行われる。さすがのブライトも、女主人公には手は出せなかったか。
- 中盤の分岐におけるギガノスとの決戦後、理由はあれど一時的に敵側に所属したケーンに対し、示しをつけるためにブライトが「修正」する。その後、リンダに救急箱を持たせるなどはブライトらしいが。
- スーパーロボット大戦D
- 無断出撃したウッソに対してオリファーが「修正」を加える。原作再現である。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- ジャブローにてアムロが昇格云々のイベントにて連邦士官に対して文句を付けたときにDチームが便乗して騒いだ為に激怒した連邦士官に4人とも「修正」される。忍は褒めていたが、アムロは「僕は巻き込まれただけですよ。」とボヤいていた。尤も、殴られる直接の原因が変わっただけで、どの道原作同様殴られていたと思うが・・・。
また、中盤の北米レジスタンスからジュドー達がMSを盗むシナリオではその後カミーユに彼らが「修正」される。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 原作の流れからゼロの正体がルルーシュであることをがZEXISのメンバーに発覚。この場は扇の判断(IFルート分岐の選択からの流れ)でその場を沈め、改めてルルーシュの口から全ての真相を伝えた。しかし、尚も迷走するルルーシュにカレンがルルーシュをゼロの仮面を付けた上でZEXISメンバーの前で「修正」を加える。尤もルルーシュを「修正」できる人物はカレン以外適任者が全くいないというのもある。
- その他にも、ジェラウドがユーサーへの不敬な発言や無断出撃をしたウェインを「修正」する場面がある。
- スーパーロボット大戦UX
- 脱走した一騎が自軍に戻った際にシンから「修正」される(というか、脱走した時から「修正」する気満々である)。その後「少しは周りに頼ることも覚えろ! 俺たちは、皆で戦ってるんだからな!」と言っているのでシンが本当に心配していたことが伝わる。さらに、これでケジメがついたので、他のUXメンバーからも許される粋な計らいである。更に一騎もシンの言葉を受けて大きく成長してくれるので、近作における『修正』の規範のようなイベントになっている。
- なお、このイベントではルナマリアが一貫してシンの宥め役となっており、「勝手な行動を取った子供を鉄拳制裁する父親と、それを宥める母親」という印象を持ったプレイヤーも多かった。
- 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- シュテドニアスルートにてロヨラに父・カークスを愚弄されたことで暴走して味方を危機に曝したレミアをヤンロンが「修正」するシーンがある。
関連人物
- ブライト・ノア
- 原作でアムロを「修正」したことで有名だが、Fにおいてはシンジを「修正」した。
- アムロ・レイ
- ファーストガンダムでブライトに「修正」され、名言を残す。Fのシンジ「修正」イベントでシンジをネルフに連れていったのは『逆シャア』設定の彼であり、感慨深い物がある。
- 碇シンジ
- ブライトに「修正」される、というクロスオーバーをした。
- カミーユ・ビダン
- ハロを修理してミーティングに遅れたことでウォン・リーに「修正」を受ける。自身もシャアを名乗らないクワトロに対して「修正」を行った。
- クワトロ・バジーナ
- こちらはカミーユから「修正」される。「修正」シーンのやりとりで、名言(迷言?)を残す。
- ウォン・リー
- カミーユを「修正」をしたことで有名。もっとも、これはウォンなりに、カミーユのことを心配してのことでもあるのだが。
- また、カミーユと同様にジュドーも「修正」しようとしたが、返り討ちに遭った。
- カツ・コバヤシ
- ガンダムMk-IIに乗って無断出撃したことにより、養父のハヤトから「修正」を受ける。
- ハヤト・コバヤシ
- 無断出撃という、組織の統制を乱しかねない行いをした養子のカツを「修正」している。
余談
- 劇中ではその場で流されがちな事であるが、現実世界では「修正」は暴力行為であり、傷害罪等に問われる可能性がある犯罪行為である。たびたび問題視される学校などでの「体罰」に置き換えるとわかりやすいと思われる。
- そもそも、相手に対して反省や改心、および奮起を促すのであれば、相手が理解できるように、あくまでも言葉で伝えていくべきであろう。
- 劇場版 機動戦士Zガンダムでは、上記のことを憂慮したのか、エゥーゴ側キャラのTV版での「修正」シーンが削除されている。ただし、その一方でティターンズ側キャラの理不尽な暴力シーンは、TV版と変更が無い。