フィアナ/ファンタム・レディ(Fiana/Phantam Lady)
- 登場作品:ボトムズシリーズ
- 装甲騎兵ボトムズ
- 装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー
- 装甲騎兵ボトムズ ビッグバトル
- 装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端
- 声優:弥永和子
- 種族:強化人間(パーフェクトソルジャー) ※アストラギウス銀河出身
- 性別:女
- 年齢:不明
- 所属:秘密結社 ⇒ 脱走
- 階級:なし
- 役職・称号など:ファンタムレディ
- 主な搭乗機:ブルーティッシュドッグ
- キャラクターデザイン:塩山紀生
『装甲騎兵ボトムズ』のヒロインで、ギルガメス連合軍が極秘裏に開発した類人兵器「パーフェクト・ソルジャー(PS)」第1号。大抵の者は「素体」「プロトワン」と呼ぶ。
PSとしての教育を施される前の「空白の状態」(生まれたばかりの赤ん坊と同じ)でキリコ・キュービィーを見てしまったためにキリコの存在が強く刷り込まれ、彼を慕うようになる。しかし、そのことが原因でPSには不要な感情である「愛」を持ってしまい、秘密結社から「失敗作」と見なされ殺されそうになるが、監視役のセルジュ・ボローの負傷をきっかけに脱走、以後はキリコと行動を共にする。
当初は戦闘に対する経験蓄積のためバトリング観戦を行っており、その立ち居振る舞いから誰ともなく「ファンタムレディ」の通称で呼ばれていた(彼女に待っていた結末を考えると、何とも皮肉なネーミングである)。「フィアナ」という名前は12話でキリコが思わず叫んだ単語であり、以後彼女はそう名乗るようになる(ちなみにこれはワイズマンによるキリコへの干渉の一つだった)。
ギルガメス製PSは戦闘力と精神が安定して両立する代わりに寿命が2年しかないという「欠陥」を抱えており、それはフィアナも例外ではない。本編中に経過した時間がまさに2年であり、「赫奕たる異端」でテイタニアによってコールドスリープから目覚めさせられた時には、既に命が尽きかけていた。最終局面でキリコによって救出されるも時間はどうしようもなく、テイタニアにキリコを託して力尽きた。
その生き様と最期を、ロッチナは後に「フィアナこそ『触れ得ざる者』だったのかも知れない」と評した(「赫奕たる異端」最終話『触れ得ざる者』予告では最後に「まさにその名の如くに」と言われる)。なお、「フィアナ」とは「火(fire)」の女性名詞。熱さゆえに決して触れることが出来ず、無理に触れれば消えてしまう。そして、長くは燃えていられない。その意味ではまさに、フィアナとの出会い、そして別れこそが、キリコに課せられた「炎のさだめ」だったと言えよう。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
- 初登場作。当初は敵として登場し、スポット参戦で味方に参入。その後行方不明になる。なおパイロットとして登場するときの名義は敵味方とも「ファンタムレディ」。精密攻撃とエースボーナス、キリコに対するリレーション補正の「恋愛Lv3(ダメージ1.12倍)」が仮に全て発動したとすると、通常の援護攻撃の2.25倍、通常攻撃と比較しても1.89倍と凄まじいダメージをたたき出すことになる。スポット参戦な上に援護攻撃がないのが惜しい。真価は正式参戦する再世篇で発揮される。
- 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
- 本作ではクメン編序盤以外は全て「フィアナ」名義。なお、再世篇作中ではフィアナが定期的にヂヂリウムを浴びる必要がある事(破界篇では描写された)、そしてPSの寿命については何一つ触れられない(後者は「赫奕たる異端」が参戦していないためでもあるが…)。好意的な解釈をすれば、トランザムバーストの際にその場にいたので黒の騎士団ルートのホランドやシェリル同様にそれらの問題が改善されたのかもしれない。そのためか、EDではコールドスリープする事無くキリコと共に旅に出る。
終盤で正式参戦。援護攻撃によるダメージは理論上80000に迫り、キリコの攻撃と合わせればダメージ総計が200000弱というとんでもない数値に達する。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
PSの名は伊達ではなく、自軍トップクラスの回避と技量を筆頭に高い能力を持ち、素の状態のキリコを上回る。
精神コマンド
強力なコマンドが揃っているが、集中を覚えないのが難点か。連続ターゲット補正軽減のためにも技量を高め、カウンターを発動させたい。
特殊技能(特殊スキル)
- 天才、見切り、精密攻撃、カウンターL7
- わかりやすく切り込み型のリアル系。Bセーブと事故に備えたガード、そして真価を発揮するために援護攻撃があれば万全。連携攻撃はフィアナ自身の高い技量に天才・見切り・(乗り換えるなら)ショルダーミサイルポッドのカスタムボーナスでCT率の補正が入るので無理に覚えさせなくてもいい。
エースボーナス
- 第2次Z
- キリコへの援護攻撃のダメージ1.5倍
- 利用できる状況はかなり限定されるものの非常に強力なエースボーナス。ただし上記の通り援護攻撃を初期習得していない上、破界篇ではスポット限定なので、再世篇で覚えさせるまでは死に技能だが、覚えさせてしまえば最強クラスの援護役として活躍できる。デフォルトの乗機であるブルーティッシュドッグでは射程が心許ないので、隠し機体の「スコープドッグ (ショルダーミサイルポッド)」が入手出来た場合はそちらに乗せ換えるとよい。
パイロットBGM
- 「炎のさだめ」
- アニメ版OP。
人間関係
- キリコ・キュービィー
- キリコにとっての「生きる目的の全て」であり、フィアナと平穏に暮らすことが彼のささやかな望みであったのだが……。ちなみに「フィアナ」という名前を付けたのはキリコである(もっと言うならば彼にその名を教えたワイズマン)。
- イプシロン
- PS第2号。『ザ・ラストレッドショルダー』では誕生したばかりの彼に教育係として接し、生命の尊さを教えようとするが…。
- ラダァ・ニーバ
- 『ビッグバトル』に登場したバララント軍のPS。彼によって拘束された状態でATに搭乗させられ、キリコを襲撃する羽目に陥る。
- カルマン・トムス
- 『ビッグバトル』に登場したギルガメス軍の技術者。共にニーバによって拉致された後は、彼からヂヂリウムの供給を受けていた。自身なら「PSを普通の人間に戻せる」と語っていたが、ニーバに殺害されてしまったため真偽は不明。本当に戻せたらTV版以後の『ボトムズ』のストーリーは大きく変化していたであろう。
- テイタニア・ダ・モンテウェルズ
- 『赫奕たる異端』に登場。「キリコに惹かれる者」として、「女」として、そして「人間兵器」としての「3重の嫉妬」をフィアナに抱く。
- ジャン・ポール・ロッチナ
- 彼も「キリコに惹かれる者」として、多少なりともフィアナに嫉妬していたようだ。
他作品との人間関係
リアル系
- 紅月カレン
- キリコと仲がよく、その恋人のフィアナにも優しく接する。フィアナらを置きざりにしてクエントに向かったキリコには「フィアナさんに謝らせてやる」と強い憤りを示した。また彼女の「キリコのことが好き」という発言に驚かされている。もっともこの発言は異性としてではなく仲間とみての言葉で、キリコを追う際にも「敵だからじゃなく皆あいつがキリコだから放っておけない」と仲間達の総意を伝えている。
- レントン・サーストン
- エウレカ救出戦でキリコと共に、自分自身の手でエウレカを救うよう同行を施した。
名台詞
TVシリーズ
OVAシリーズ
- 「そして私はフィ……プロトワンよ」
- 『ザ・ラストレッドショルダー』で誕生したばかりのイプシロンに自分の名を告げようとするも、キリコから与えられた「フィアナ」の名を伏せ、PSとしてのコードネームを名乗る。
- 「ご覧なさい、虫は死んでしまった…」
「そうよ、死んだの…もう翔べない…もう二度と……」 - 攻撃衝動に駆られ、自分を噛んだカミキリムシを徹底的に叩き潰したイプシロンへ、「死」という概念を涙ながらに教える。フィアナの涙に、イプシロンも瞳を潤ませるが…。
- 「…いっそ会わなければ、こんな苦しみは無かったでしょう…」
- ペールゼンから、覚醒直後にキリコと出会った事を悔いているのかと問われ上述の言葉を口にするも、彼には本心から出た言葉ではない事を指摘される。
- 「嫌でもいつかは知る事になる…でも、その前に貴方は知っておかなくてはならない事があるわ」
「愛する事…他の人を、虫や生き物を愛する事を!」 - レッドショルダー基地内に突入したキリコ達の戦闘に闘争本能を刺激されたイプシロンへ再度、生命の尊さを説こうとするが…。
- 「…今、教えてあげるわ…愛するって事が、どんなものか…!」
- キリコに止めを刺そうとするイプシロンへ唇を重ね、「愛情」の意味を伝えようとする。しかし…。
スパロボシリーズの名台詞
- 「キリコは殺させない!私の生命に代えても!」
- 第2次Z 破界篇でキリコに止めを刺そうとするイプシロンを制す為に発したもの。
搭乗機体・関連機体
- ブルーティッシュドッグ
- ウド編にて搭乗。
- スタンディングタートル
- クメン編にて搭乗。
- スコープドッグII
- サンサ編にて搭乗。
- ベルゼルガDT
- クエント編にて搭乗
余談
- OVA『赫奕たる異端』における寿命の設定から、グラキエースのモチーフは彼女ではないかと言われている(同様にジョッシュのモチーフはキリコだといわれている)。
- 『赫奕たる異端』最終話予告では「フィアナこそ我が命、フィアナこそ我がさだめ」という言葉が出てくるが、これはTV版OPテーマ『炎のさだめ』を意識したものである。