オデュッセウス・ウ・ブリタニア | |
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外国語表記 | Odysseus eu Britannia |
登場作品 | |
声優 | 山野井仁 |
デザイン |
CLAMP(原案) 木村貴宏 |
種族 | 地球人(ブリタニア人) |
性別 | 男 |
所属 | 神聖ブリタニア帝国 |
称号 | 第一皇子 |
概要
神聖ブリタニア帝国第一皇子。つまり、皇帝シャルル・ジ・ブリタニアの長男である。
長男ということもあり、次期ブリタニア皇帝の最有力候補であり、シャルル皇帝の不在時には皇帝代理として国政の最高責任者となるが、能力的には凡庸な人物であり、実務は有能な異母弟のシュナイゼル・エル・ブリタニアに任せきりである。
傲岸不遜なシャルル皇帝の長男にも関わらず温厚かつ穏健な性格で父親とは大きく異なるが、後述のように国を統治する能力自体には非はないが、政治面では苛烈であることが必要とされた動乱の時代においては、まさに「昼行灯」といった人物である。
国政や皇帝の代理は実質的に異母弟であるシュナイゼルが仕切っているも同然であり、そのことに苦悩するどころか、むしろシュナイゼルに頼っている節がある。それゆえ、シャルル皇帝がナンバー1ならば、ナンバー2は彼ではなくシュナイゼルであると言っても過言ではない。
このように出自に反して平凡な人物なためか、物語には中華連邦の天子との婚約ぐらいしか絡んでこず、良くも悪くも個性派な人物の多い皇族の中では目立たない存在である。ただし、中華連邦の天子との婚礼を破談にされても、ゼロや天子を恨んだりはせず、穏便な手段で領土に収めたいと考える等、ブリタニア皇族ではユーフェミア・リ・ブリタニアやナナリー・ランペルージに次いで、他者を思いやれる人物ともいえる。また、次期皇帝の座にもあまり興味は持っていない。
異母弟ルルーシュ・ランペルージが第98代皇帝である父シャルルの殺害を表明し、第99代皇帝を名乗った際、それを諌めようとするものの、ルルーシュのギアスに掛かってしまい、集められた皇族、有力貴族たちと共に彼の皇帝即位を認めてしまう。その結果、皇族の地位を失い、ブリタニア軍の一兵卒として訓練の日々を過ごしていた。その後は特に語られていないが、シュナイゼルが動かしたダモクレスのフレイヤによって、首都ペンドラゴンごと消滅してしまったものと思われる。
なお、小説版ではその凡庸さ故に無能と疑われることもあるが、その人柄や性格から「他者から恨まれることが皆無な善良な人物」とされている。また、外伝『コードギアス 双貌のオズ』でも、若干変人的な一面を見せながらも、福祉を通して特赦を与える「臣民更生プログラム」を認可している等、殆どが好戦的かつ差別的な思想をもつブリタニア皇族の中では珍しく、軍政よりも民政の方に理解を示した善良な皇子として描かれており、決して無能では無い事を証明している。
つまるところ、武力によって世界統治する事を重んじるブリタニア皇家に生まれてしまった事が、オデュッセウスの不幸の始まりであったのかもしれない。なお、彼がその顕著な例だが、劇中のブリタニア皇族、特にシャルルとその子らは、独善が過ぎる傾向はあるが「我欲を押し通すような悪人」といえる人物は稀となっている。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 初登場作品。原作通り天子との政略結婚の式典に登場する。ゼロレクイエムルートでは、原作同様ルルーシュのギアスに洗脳される。
人間関係
- シャルル・ジ・ブリタニア
- 父親。性格は全く異なるように見えて彼が本来持っていた温和な部分だけを受け継いでしまったのかもしれない。
- シュナイゼル・エル・ブリタニア
- 異母弟。実務のほとんどはシュナイゼルに任せきりで、次期皇帝の地位も彼に譲るつもりであった模様。
- 最期は彼とナナリーによる帝都ペンドラゴンへのフレイヤ攻撃によって、後述のギネヴィア共々始末される。
- 天子
- 政略結婚の相手。怯える天子を気遣うなど、政略結婚といえど彼女を思い遣ってはいた模様。
- また、彼女が自身との結婚を求めていない事を理解した為か、事件後は彼女との結婚に関して完全に身を引いたようである。
- ルルーシュ・ランペルージ
- 異母弟。オデュッセウス自身は他の皇子達と同様、弟の一人として大切に思っていたが、ルルーシュには「あんな凡庸な男」などと評された上に、結婚をめちゃくちゃにされてしまう。
- 最終的に、ギアスによって彼の配下にされてしまった。
- ナナリー・ヴィ・ブリタニア
- 第11皇女。異母妹の一人で彼女が生きていた事を素直に喜んでおり、同年代であるカリーヌにも仲良くするよう諭している。
- ギネヴィア・ド・ブリタニア
- 第1皇女。異母妹であり、彼女からは慕われているらしい。
- しかし、彼女もブリタニア皇族の例に漏れず過激な性格であり、オデュッセウスを辱めたとして中華連邦への報復を口にした際には宥めていた。SRW未登場。
- カリーヌ・ネ・ブリタニア
- 第5皇女。異母妹。ナナリーを嫌っている彼女に対して、歳が近いので仲良くするように宥めていた。SRW未登場。
他作品との人間関係
名台詞
一期
- 「急に言われてもねぇ……ユーフェミアの件は明らかな失態だし、処理を間違うと全てのエリアが…」
- ブラックリベリオンが発生し、コーネリアを援護するための派兵軍指揮官の任命を高官に求められて。事態はまさしく急を要するのに「急に言われても」という言い草は頼りない印象を与えてしまう。
- だがブラックリベリオンの発端となった虐殺は(表向きは)ブリタニア側に非があるため不用意に派兵を許可できない上に厄介な事後処理を指揮官に任せる事になるため、結論を早々に下さないのはこの事態の解決の難しさを理解しているため、とも言える。
- 「そ、そうか!?行ってくれるか!!」
- 議会の中で派兵軍指揮官を買って出たシュナイゼルに。
- 決断を求められて窮していた所に名乗り出てくれたため、弟への信頼と厄介な仕事から解放された事への安堵が窺える。
R2
- 「いやぁ、本当によかった。私は争いごとは苦手でね」
- 『R2』第9話より。中華連邦の天子との婚礼が決まった際の一言。争いごとを好まないオデュッセウスの性格を象徴する台詞である。
- 「ギネヴィア、天子との事なら私は気にしてないから。E.U.との戦争も続いているし、エリア11の和平路線も順調だって言うから、穏便に……」
- 「カリーヌ。ナナリーとは年も近いんだし、仲良くしてくれよ……」
- 『R2』第15話より。天子との結婚も破談となり、周囲の皇族が中華連邦との戦争に積極的になりつつある中で必死に諌めている場面。
- 彼の温厚な人柄を考えると自分のせいで戦争になりかけているのだと責任を感じていると思われる。
- しかし、過激な思考を行う家族が多く、兄弟間の激しい対立には辟易している模様。
- 「良かったよルルーシュ。ナナリーが見つかった時にもしかしたらと思ったけど」
- 『R2』第21話より。ルルーシュがシャルルの代わりに皇帝として謁見の間に入場してきた時の反応。
- 他の皇族や貴族が困惑している中で真っ先にこの様な反応をする当たりルルーシュの身を案じ、そして生きていたことを手放しで喜んでいる事が窺える。
- 「いけないよ、ルルーシュ。枢木卿も。国際中継でこんな悪ふざけを…」
- 同上。ルルーシュが父シャルルの殺害を表明し、自らが皇帝となることを宣言した後、スザクもそれに協力する姿勢を示したときの言葉。
- 温厚だが平和ボケでもあるこのセリフの直後に、ブリタニア皇族および有力貴族ともどもルルーシュにギアスを掛けられてしまう。
- 「イエス、ユアマジェスティ」
- ギアスにかかった後の第一声。この言葉は皇帝に対する返答であり、ルルーシュを皇帝と認めたことを示している。
双貌のオズ
- 「こらこらキミたち。僕はお母さんじゃないよ」
- サンディエゴサファリを視察に訪れて。ライオンの子どもにじゃれつかれても優しくあやす。彼の温和で微笑ましい姿はブリタニア軍の女性士官の間でひそかな人気があるらしい。
- 「賑やかでいいね。私はこういう行事は好きなんだよ」
「すごい盛り上がりだね。見てご覧カリーヌ、マリーベルも頑張っているよ」 - お祭り騒ぎでアイドルのライブまで開かれ、多くの民衆が集まった競技用のKMFリーグにて。KMFリーグは元来硬派な真剣勝負の世界だったのに格式に欠ける、と不満気なカリーヌとは対称的ににこやか。
- 「わーい、わーい、わほーい!」
- オデュッセウス主催のもろこし狩りのフラッシュモブの様子…をソキアが想像した物。浮かれた姿は想像の産物だが、国民が自由に参加できる妙なイベントをたびたび開き、本人も参加しているのは本当らしい。
- 第一皇子という立場でありながら尊大な顔をせず、国民との触れ合いを大切にしている…と見るべきか。
- 「これでは民が可哀そうだよ。内政干渉のエクスキューズを誰か」
- 中華連邦との外交姿勢を議論する議会の席上で。強気な意見や提案を普段しないオデュッセウスだが、中華連邦の民衆が大宦官の専横による極限状態の貧困と腐敗し停滞した体制に苦しめられている惨状を聞き、内政干渉の範疇に踏み切っても救援するべきだ、とシュナイゼルの対中華連邦政策を後押しする。
- 心優しく善良な彼らしい決断だが、どうやらブリタニアの属領になった国の被征服民の現状も中華連邦の民衆と余り大差がないのは理解していないらしい。また「困窮している民衆を救いたい」という彼の善意は、天子との婚約による属国化と大宦官との談合としてしかシュナイゼルに結び付けてもらえなかったのも悲しい。
余談
- オデュッセウス・ウ・ブリタニアの名前は、ギリシア神話の智将・オデュッセウスに由来している。