- 作画:寺田貴信/富士原昌幸
- 掲載誌:双葉社/スーパーロボットマガジン→アスキー・メディアワークス/電撃スパロボ魂!
- 単行本:全3巻
概要
中国大陸で目覚めた「超機人」と呼ばれる巨大ロボを巡る闘いを描いた作品。
「αシリーズ」のサイドストーリーとして、『スーパーロボットマガジン』にて2002年7月発売のVol.7から2003年9月発売のVol.14にかけて連載された。第一次世界大戦(1914年開戦)以前の世界を舞台とする第一部と、それから数十年後の世界を舞台とする第二部で構成されているが、掲載誌の休刊により第二部の序盤で終了。第一部6話と第二部2話の合計全8話。
その後単行本も絶版となり長らく展開が途絶えるが、2009年11月6日発売の『電撃スパロボ!』Vol.10にて龍虎王のフィギュア通信販売に合わせて、第二部から更に数十年後の新西暦3年を舞台とする読み切り作品『龍虎王伝奇 外伝』が掲載されると、2011年2月26日には「OGシリーズ」に組み込まれる形で、メディアワークスから『スーパーロボット大戦OGサーガ 龍虎王伝奇』のタイトルで、『外伝』も収録された単行本が復刊される。更に2012年12月発売の『電撃スパロボ!魂』冬号にて第二部の第3話が掲載され、9年ぶりに連載再開、2017年3月には書き下ろしを含めた『スーパーロボット大戦OGサーガ 龍虎王伝奇 完結編』が出版され、物語が完結した。
連載当初は「αシリーズ」の過去の世界を舞台にしていたため、ライディース・F・ブランシュタインの先祖であるブランシュタイン家の人物が登場する。また、ゼンガー・ゾンボルトに似た台詞を発する人物も登場するが、こちらはその後発売された『OG1』にてゼンガーの師匠にあたる人物としてリシュウ・トウゴウが登場。更には『OG2』にてアーチボルド・グリムズが登場しており、世界観は「OGシリーズ」にも受け継がれている。「αシリーズ」や「OGシリーズ」の各作品をプレイすることで、断片的ながら物語の続きを伺うこともできる。
連載開始のきっかけは『スーパーロボットマガジン』の編集長であった中島かずき氏が、龍虎王を題材にした読み切りの制作を提案したことによるもの。その後、後編の執筆中に連載作品となることが決定している。
当初は前後編の予定であったため、龍虎王のライバル機である雀武王は第2話で退場し、『第3次α』用のキャラクターとして設定されていた孫光龍と真・龍王機が登場することとなった。
なお、OGシリーズにおいて、外伝も含めて時系列上一番古い物語となる(マサキがサイバスターの操者となるのは龍虎王伝奇外伝の舞台・新西暦3年の182年後、新西暦185年の出来事である)。
登場人物
第一部
- 稲郷隆馬
- 第一部の主人公。龍王機及び龍虎王のパイロット。名前、台詞回しからわかる通りリシュウ・トウゴウの先祖。なお、第2次αクスハ編の最終話にて明言はされないが、「かつての龍虎王の操者の思念」としてクスハとブリットを導く。
- 文麗(ウェンリー)
- 第一部のヒロイン。虎王機及び虎龍王のパイロット。隆馬同様、第2次αクスハ編の最終話にて明言はされないが、「かつての龍虎王の操者の思念」としてクスハとブリットを導く。
- ジェイベズ・グリムズ
- グリムズ財団の党首。アーチボルド・グリムズの先祖。
- オットー
- V・B
- バラルと敵対する謎の女性。V・Bとは便宜上名乗った名前であり本名は別にある。孫光龍がブランシュタイン家の女性を知っているということから、V・Bとは「フォン・ブランシュタイン(Von Branstein)」の略ではないかと言われていたが、第八話で本名が明かされた。
- 孫光龍(ソンガンロン)
- バラルの首領。数々の偽名を持ち、各国の部隊から命を狙われている。しかし銃で蜂の巣になっても死なない、追っ手の生命力を一瞬で吸い尽くす、など人間離れした存在。『第3次スーパーロボット大戦α』にも登場している。
- デヴォラ
- 偃師(えんし)
第二部
- 飛麗(フェイリー)
- 第二部の主人公。隆馬と文麗の孫であり、リシュウ・トウゴウの先祖。オーダー加入後は轟龍のパイロットとなり、龍虎王覚醒後は龍虎王に搭乗する。
- エドワード・グリムズ
- ジェイベズの孫であり、アーチボルド・グリムズの先祖。男爵(バロン)の愛称で呼ばれ、雷虎に搭乗する。
- 魁龍艦長
- 復讐のためバラルを追い続ける男。老いてなお鋭い眼光をもつ。
- クラウス・ブランシュタイン
- V・Bの又甥であり、マイヤー・V・ブランシュタイン、エルザム・V・ブランシュタイン、ライディース・F・ブランシュタインの先祖。
- 稲郷涼夜(すずや)
- 稲郷隆馬の姪。エドワードに惚れており、後日談で結ばれていることが明らかになっている。光雀に搭乗する。
- クアン
- 嵐武のパイロット。
- 美曜(みよ)
- 強念者。敵の探知や戦闘時の結界展開など魁龍の重要な役割を担う。『魔装機神F』に登場するサキト・アサギの先祖。
- 孫光龍
- 第一部から引き続き登場。バラルの首領として暗躍する。
- 禁牙(じんや)
- バラルの地機仙。鯀王、共工王の襲撃の際に魁龍の結界が弱まった隙を突いて小機人を引き連れ艦内に侵入する。艦長に致命傷を負わせるが、飛麗の反撃に遭う。「同士八房」より授かった金剛身なる技を用いるも直後に覚醒した龍虎王の拳により撃破される。掲載順としては「外伝」での登場が先であり、第二部での戦闘シーンはほぼ「外伝」のオマージュとなっている。
- 十華(とうか)
- バラルの地機仙。八腕とともに烏賊八帯を駆り魁龍を襲撃した。
- 八腕(はちわん)
- バラルの地機仙。十華とともに烏賊八帯を駆り魁龍を襲撃した。
- 泰北三太遊(たいほうさんだゆう)
- バラルの北仙。初出は『第2次スーパーロボット大戦OG』。
外伝
- 稲郷兵馬
- 「龍虎王伝奇 外伝」の主人公。飛麗の曾孫であり、リシュウ・トウゴウの先祖。
- アリッサ・グリムズ
- 「龍虎王伝奇 外伝」のヒロイン。エドワードの曾孫であり、アーチボルド・グリムズの先祖。
- 禁牙(じんや)
- 兵馬とアリッサを誘拐し、蚩尤塚に眠る龍虎王を覚醒させようと目論んだバラルの地機仙。アリッサ、兵馬の反撃に遭い「同士八房」より授かった変身を行うも、直後に一時的に目覚めた龍虎王の拳により撃破される。ギャグ要員にも見えるが、当時は最高位に位置する孫光龍や四仙が眠りについている状況であったため、バラル内では上位に位置する仙人であった。
登場メカ
超機人
四神
- 龍王機
- 第一部に登場。当初は虎王機と仲が悪かったためなかなか合体を承服しなかった。また強念者ではない稲郷隆馬を殺さないよう出力を抑えていたため当初は苦戦を強いられた。
- 虎王機
- 第一部に登場。ゲームではおなじみの分身もこの当時はまだ得ておらず、作中で龍王機から「身分身の術」を譲ってもらうことで習得したいきさつが描かれている。
- 龍虎王 / 虎龍王
- 龍王機と虎王機が合体した形態。第一部では虎龍王も登場したが、第二部、外伝では登場しない。
- 雀王機
- 第一部に登場。ジェイムズ・グリムズが搭乗。当初は特殊阿片により強引に動かされている状態であった。
- 武王機
- 第一部に登場。オットーが搭乗。当初は特殊阿片により強引に動かされている状態であった。
- 雀武王
- 雀王機と武王機が合体した状態。本作が初出であるが、強念者ではないオットーが武王機の操縦に耐えられなかったため武雀王は登場しなかった(『第2次スーパーロボット大戦OG』が初出)
四霊
- 応龍皇(真・龍王機)
- 第一部に登場。本作でも龍玉を失っているため本来の性能は発揮できていないが、龍虎王を圧倒する性能を誇る。第3次αに登場した際は「真・龍王機」との名称であったが、後に「応龍皇」に変更されており、本作でも孫光龍が応龍皇と呼ぶシーンがある。
- 霊亀皇(れいきおう)
- 第二部に登場。バラルが拠点としており、最終決戦に際して魁龍の前に立ち塞がる。
四罪
- 鯀王(こんおう)
- 第二部にて泰北が引き連れてきた超機人。ランク相応の戦闘力でオーダーを圧倒するが、魁龍と自ら妖機人化した嵐武のコンビネーションにより破壊される。
- 共工王(きょうこうおう)
- 第二部にて泰北が引き連れてきた超機人。鯀王との戦いで疲弊したオーダーに襲い掛かるが、雷虎と魁龍のコンビネーションで損傷したところを覚醒した龍虎王に撃破された。
鋼機人
- 轟龍
- 龍王機を模した外観を持つ二足歩行型鋼機人。決戦兵器気動砲を持つが他に固定武装は無く、初戦では肩装甲を外して刀代わりとした。後に九六式斬機刀を装備する。
- 雷虎
- 虎王機を模した外観を持つ二足歩行型鋼機人。爪で敵機の装甲を貫き、妖機人から機珠を奪い取ることが可能な接近戦用の機体。前腕部は射出が可能で本体とはケーブルで繋がっている。
- 光雀
- 雀王機を模した外観を持つ飛行型鋼機人。主武装は80ミリ気弾砲。唯一の飛行型として
- 嵐武
- 武王機を模した外観を持つ支援型鋼機人。背中の砲塔を用いた砲撃戦を得意とする。
その他
- 魁龍
- オーダーの母艦であり、4機の鋼機人と龍虎王を搭載する。
妖機人
- 巫支祈(ふしき)
- 豪デイ(ごうでい)
- 陸魚(りくぎょ)
- 文文(ぶんぶん)
- ゼン遺(ぜんい)
- シュ(しゅ)
- 従従(じゅうじゅう)
- ジョウヨウ(じょうよう)
- 鮫人
- 帝江(ていこう)
- 六本の足が生えた巾着を赤い羽根付きの紐で縛ったような風貌を持つ妖機人。
- 何羅魚(からぎょ)
- 金魚のような姿の妖機人。
- 苦辛公主(くしんこうしゅ)
- 瓜の姿をした妖機人。裏側に人面を持つ。
- 烏賊八帯(いかはったい)
用語
書誌情報