概要
ソレスタルビーイングが開発したGNドライヴ搭載型モビルスーツ。
機体概要
開発コードネームは「ガンダム・セブンソード」。第2世代機であるガンダムアストレア(SRW未登場)の直系機であるが、特性は異なっている。
近接戦闘に特化したガンダムであり、全身に計7本もの剣「セブンソード」を装備し、さまざまな剣を扱うため柔軟な運動性能を有する。
GNドライヴの恩恵により圧倒的なまでの機動性を発揮し、それが格闘能力の高さにもつながっている。
エクシアは格闘兵装に特化した装備のため、基本フレームは他のガンダムより複雑かつ柔軟な作りになっており、極めて人間に近い内部機構となっている。
最初の(公然とした)武力介入に用いられた機体であり、ガンダムの存在と力を世界に知らしめるためのプロパガンダ機としての側面を持つ。
名前の由来はキリスト教の天使「能天使"Powers"(ギリシャ語ではエクスシアイ、単数形でエクスシア)」と思われる。第6位の天使たちの総称で、対悪魔の最前線という天使の使命の中で最も過酷な上に、それに伴い悪魔との接触回数も他の天使たちの比ではなく、堕天使の殆どが能天使の出身だという。
劇中での様相(第1期)
第1話「ソレスタルビーイング」でAEUの新型MS公開演習に介入。パトリック・コーラサワーの乗るAEUイナクトを切り刻み、圧倒的性能を見せ付けた。
その後は世界各地に武力介入するが、セルゲイ・スミルノフ、グラハム・エーカー、アリー・アル・サーシェスといったエースパイロットには苦戦を強いられる場面もあり、「機体の性能差で勝負が決まるわけではない」という事を示している。
国連軍との戦いでは、同性能のGN-X部隊相手に善戦する。黒幕であるアレハンドロ・コーナーが操縦するアルヴァトーレおよびアルヴァアロンには勝ったものの、グラハムが駆るGNフラッグとの死闘でエクシアは中破。負傷した刹那を乗せたまま機体はどこかへと漂っていった。
劇中での様相(第2期)
国連軍との戦いの後、ソレスタルビーイングの実動部隊であるプトレマイオスチームには戻らず、変革後の世界を見て回る旅に出た刹那の手で、エクシアはティエレン宇宙型等のパーツを流用して応急処置を施され、何とか戦闘が可能なコンディションまで回復。どこにも所属しない謎のモビルスーツとして、ただ1機で武力介入を続けることになる。
第1話「天使再臨」でプトレマイオスチームに合流後、本機のGNドライヴはダブルオーガンダムの右肩部分に移植された。それに伴い、エクシアはお蔵入りとなったが、万一の事態に備えて強化改修が施される。そして、最終局面における対リボンズ・アルマーク戦にて、ガンダムエクシアリペアII(SRW未登場)として結実。激闘に幕を下ろす力となった。
登場作品と操縦者
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品。第6話ソレスタルビーイング追跡ルート「遠い平和へ」開始時に「セブンソード・コンビネーション」(「バリア貫通」付き)、第36話トリニティ追跡ルート「託される意志」のイベントにて「トランザム発動」、第37話「雄々しく……そして、美しく」開始時に合体攻撃「GNアームズ」がそれぞれ追加される。万能型格闘機で射程に穴がないのが強み。なお、第48話「夜明けの鐘」では単機によるアルヴァアロンとの一騎討ちが組まれているので、可能な限り改造したい。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- プロローグ「ガンダム殲滅指令」でのみ使用可能。前作でグラハム専用ユニオンフラッグカスタムIIとの戦いは終わっている為、GN-Xの増援の前に敗北する展開となる。
- 本編時ではリペアとして登場。トランザム発動は「サイズ差補正無視」付きだが、相手は全てGN-Xなので無意味。
単独作品
装備・機能
武装・必殺武器
武装
- GNバルカン
- 両腕に内蔵している小型ビームバルカン。やや非力であるが、戦闘機や旧世代MSであれば十分に破壊できる。
- 『OE』では「対空」特性付き。
- GNシールド
- Eカーボン製の実体盾で、左腕のハードポイントに接続して装備する。GN粒子を放出・定着させることで極めて強靭な防御力を得る。本機のシールド先端には鋭利な突起があり、打突武器として使用することもできる。
- しかし、大型で取り回しに難があるのか、TV本編でもスパロボでもよく投げ捨てられている。
セブンソード
ちなみにセブンソードは全てが別の剣というわけではなく、ビームサーベルは1振りづつカウントしている。初期案では「(十徳ナイフのような)7つの形態に変形する剣」というアイデアだった。
- GNソード
- 右腕に装着された複合武器にして、ガンダムエクシアを代表する武装。大型の実体剣とショートレンジ用GNビームライフル、GNコンデンサーを内蔵したバックラーで構成される。
- GNソード(ソードモード)
- 実体剣を前方に展開させた状態。GN粒子を刀身から放出・定着させることで驚異的な切断力を発揮する。大型のためリーチもあるが、固定式で重量もあるため取り回しに難がある。
- しかしながら、ガンダムエクシアの持つ実体剣GNソードにはGNフィールドを貫通する能力があり、本機が太陽炉を有する組織内の裏切者を駆逐する役割を担っている事を示している(この設定から、『第2次Z』ではバリア貫通効果が付いている)。
- また、刀身に粒子を定着させているため、ビームサーベルとつばぜり合いが可能になっている。
- GNソード(ライフルモード)
- 実体剣を後方に設置させ、ショートレンジ用ライフルを使用可能にした状態。
- ソードとライフルの兼用は不可だが、ライフルは格納することが可能なため、GNソードを装備したまま他の武装を使用することも可能となっている。速射性は高いが、他機のものより射程が短い。
- GNロングブレイド
- 長剣状の実体剣。左腰に装着する。GN粒子を付着させることで切れ味が増す。開発が遅れたため、最初は装備していなかった。
- 初参戦作品の『第2次Z破界篇』では「厚さ3ミリのEカーボン」を切り裂けると説明されるが、これは誤字であり正しくは3メートル。
- 実体剣なので、GNフィールドを切り裂ける。後述のセブンソード・コンビネーションの演出に組み込まれての使用に留まり、単独武器としては未実装。
- GNショートブレイド
- 短剣状の実体剣。右腰に装着する。刀身の長さ以外はGNロングブレイドと同じ。
- GNビームサーベル
- 両肩後部に2基、後腰部に2基の計4基装備。非常に高い切断力を持ち取り回しも良い。ビーム刃の出力を調整し、ビームダガーにする事も出来る。基本的に両肩後部の2振りがビームサーベルとして使用される。
- 上記のGNソードと同様の格闘武器だが、GNソードはGNフィールドを貫通可能なため使用用途の差別化がなされている。
- 『OE』では「ヒット&アウェイ」特性付き。
- GNビームダガー
- GNビームサーベルのビーム刃の出力を調整し、短くした状態。主に投擲して使用する。ビーム刃が短いため拡散(威力が低下)しにくい。基本的に後腰部の2基がビームダガーとして使用される。
- 1stシーズンの刹那は射撃が苦手な一方で投擲は得意で、投擲でGNファングを撃ち落とした事がある。
必殺技
- セブンソード・コンビネーション
- エクシアが所持する7本の剣を全て使う、スパロボオリジナルの連続攻撃。攻撃途中に1st前期OPシーンの再現がある他、トドメ演出も存在する。
- トランザム発動
- トランザムで圧倒的な連撃を浴びせる。演出は対サーシェス戦と対アレハンドロ戦を組み合わせたもの。本来、トランザムは途中停止が出来ない。
- なお、次々とセブンソードを突き刺して最後にGNソードでもろとも一刀両断する都合上、原作ではこの後GNソード一本で戦闘する事になる(エクシアリペアがGNソードしか使わなかった理由でもある)。
- 『OE』では通常攻撃版の他、突破攻撃版が存在する。通常版は「ヒット&アウェイ」と「エスケープ」特性付き、突破攻撃版は「連続突破」となっている。
特殊機能
- TRANS-AM(トランザム発動)
- 一時的に能力を3倍にする。『第2次Z』では武器扱い。
- オーバーブースト
- GNドライヴのリミッターを解除し、出力を全開にする。トランザムとは違い、エクシア独自の機能。機能そのものは1stシーズンの時代から存在したが、扱うには危険と判断され封印されていた機能である。
合体攻撃
- GNアームズ
- プトレマイオスとの合体攻撃。プトレマイオスから分離したGNアームズと合体し、大型GNソードで前方を斬り裂く。珍しいP属性MAP兵器。
特殊能力
移動タイプ
サイズ
- M
- Mまたは3
- 『OE』
カスタムボーナス
- 全ての格闘武器の攻撃力+400
- バルカンとライフル以外全ての武器に適用される、優秀なボーナス。主力にするなら是非取得しよう。
機体BGM
- 「DAYBREAK BELL」
- 1stシーズンOPテーマ。
- 「FIGHT」
- 劇中BGM。Zシリーズではトランザム使用時での固定BGM。『OE』では通常の戦闘BGM。
対決・名場面
- 対AEUイナクト(デモカラー)
- 1st第1話より。コーラサワーが乗るイナクトのデモンストレーションに乱入し、見事に圧勝した。
- なお、『第2次Z破界篇』第2話「変わる世界」においても、この対決が再現されている…が、原作と同じく楽勝だとナメてかかると痛い目を見る。油断せず、精神コマンド「集中」を掛けて挑もう。
- 対サーシェス専用AEUイナクトカスタム
- 1st第13話より。因縁の敵であるサーシェスとのアザディスタン王国での交戦。サーシェス専用AEUイナクトカスタム(以下、「サーシェス機」と表記)のブレイドライフルをGNソードで破壊するも、直後にサーシェス機によって組み敷かれてしまう。
- ピンチに陥ったエクシアだったが、左腰に差していたGNロングブレイドを起こしてサーシェス機の右腕を切断する。その結果、サーシェス機は逃走し、エクシアは危機を脱した。
- 余談だが、上述の対決の展開は『機動戦士ガンダム00』の脚本家である黒田洋介氏曰く「組み立てたガンダムエクシアのガンプラをいじっていた時に閃いた」との事。
- 聖者の帰還
- 同上話より。スメラギが立てたミッションプランに従い、刹那はアザディスタン王国の宗教指導者マスード・ラフマディ(SRW未登場)を王宮へ護送するため、非武装状態にしたエクシアで現れる。刹那はアザディスタン軍に攻撃されるも無抵抗を貫き、対話による内戦収束への道筋を開いた。
- 人を殺める為に製造されたモビルスーツで武力を用いずに、純粋な意味で「人を救う為」「戦いを止めさせる為」に使用した名場面。その意味において、後の『劇場版』終盤の名場面にも繋がっていると言えよう。
- 対グラハム専用ユニオンフラッグカスタムII
- 1st第25話より。国連軍との最終決戦後、突如現れたグラハムと交戦。激闘の中、相討ちとなる。そして…。
関連機体
- ガンダムエクシアリペア
- 『00』2ndシーズン第1話「天使再臨」にて登場。中破したエクシアをティエレン宇宙型のパーツ等を使用して修復した機体。
- ガンダムエクシアリペアII
- 改修機。『00』2ndシーズン最終話「再生」にて登場。SRW未登場。
余談
- 『機動戦士ガンダム00』1stシーズンの第一期OPでは「ガンダムエクシアが擬人化されている」とされることもあるが、これは演出から来た誤解。その誤解の原因となるマリナそっくりの女性の正体は「刹那が漠然と抱いている平和のイメージ」であり、それがエクシアに変わるのは、この時点の刹那は平和を実現する手段が「ガンダムによる武力介入である」と信じていたのが理由。
- この事や刹那自身のエクシアへの思い入れの深さ、主役機の役目を終えても刹那のピンチを救っている事から、「『ガンダム00』の真のヒロイン」「刹那の嫁」とも評されている。
- 『00』1st第1話「ソレスタルビーイング」における最初の武力介入でエクシアがイナクトの右腕を切り落としたシーンがあるが、劇中でこれを撮影した写真がその年の報道写真大賞に選ばれている。だが、撮影したのが会場内の定点カメラであったばかりにジャーナリストの多くが現役を退いたうえ、客観的事実の報道か感情的分析の報道かという論戦にまで発展している。
- 小説版ではガンダムエクシアについて、「刹那が信念を貫くための強力で強靭な機体」「ソレスタルビーイングの理念と武力介入を世界中に宣告したはじまりの機体」「刹那のためだけのガンダム」と評されていた。
- 球界屈指のガンダム愛好家として有名な落合博満氏だが、そのファンぶりにバンダイから贈られた「落合博満専用ガンダムエクシア」のプラモデルがある。中日ドラゴンズの紺と白のツートンカラーで、右肩に球団のロゴ、左肩に氏の背番号「66」をデザインされている。
- 『00』1st第24話「終わりなき詩」冒頭の刹那の回想場面(西暦2306年)にて、機体がまだ塗装されていない状態のガンダムエクシア。すなわち、ガンダムエクシアロールアウトカラーが登場している。
- SDガンダム外伝に登場する勇者ガンダムのモチーフはエクシア。勇者ガンダムは先代のスペリオルドラゴンの元の姿であり、1998年の漫画で先代スペリオルドラゴンの後の姿である騎士アルフガンダムが登場していたため、2010年に「勇者ガンダム(エクシア)→アルフガンダム(ダブルオークアンタ)」とアルフガンダムのモチーフの後付け改変が行われて、勇者ガンダムは後にクアンタ姿に変化した設定になっている。
- 『BX』では闇の皇帝ジークジオンがダブルオークアンタを見て「勇者ガンダムでは?」と疑われるシーンがある。
商品情報
プラモデル
- 1/144
- 1/100
- その他
フィギュア