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作中ではもっぱら「機龍」と呼ばれ、メカゴジラの名は『×メカゴジラ』の登場人物である湯原徳光博士ただ一人が[[異名|あだ名]]として付けたのみ。また、もう一人「メカゴジラ」を案として出した湯原沙羅は、正式名称判明に伴い「機龍」と呼ぶようになっている。そのため、湯原親子が登場しない[[続編]]『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「メカゴジラ」とは呼称されない。 | 作中ではもっぱら「機龍」と呼ばれ、メカゴジラの名は『×メカゴジラ』の登場人物である湯原徳光博士ただ一人が[[異名|あだ名]]として付けたのみ。また、もう一人「メカゴジラ」を案として出した湯原沙羅は、正式名称判明に伴い「機龍」と呼ぶようになっている。そのため、湯原親子が登場しない[[続編]]『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「メカゴジラ」とは呼称されない。 | ||
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=== 初代ゴジラのDNA === | === 初代ゴジラのDNA === | ||
− | 3式機龍は千葉県・房総半島沖から回収した初代ゴジラの骨<ref>1954年版『ゴジラ』における初代ゴジラは芹沢博士の使用した「オキシジェン・デストロイヤー」によって骨ごと跡形もなく溶け去ったのだが、機龍二部作は「もしも'''初代ゴジラの骨だけは残っていたら?'''」という[[平行世界|パラレル設定]] | + | 3式機龍は千葉県・房総半島沖から回収した初代ゴジラの骨<ref>1954年版『ゴジラ』における初代ゴジラは芹沢博士の使用した「オキシジェン・デストロイヤー」によって骨ごと跡形もなく溶け去ったのだが、機龍二部作は「もしも'''初代ゴジラの骨だけは残っていたら?'''」という[[平行世界|パラレル設定]]となっている。また、芹沢博士がオキシジェン・デストロイヤーを使用した場所も、手塚昌明監督のこだわりによって房総半島沖に変更されている。ただし、「芹沢博士が開発した特殊兵器」とだけ言われており、「オキシジェン・デストロイヤー」という名称までははっきり言われていない。</ref>をメインフレームとし、情報伝達システムにはDNAを構成する塩基分子の結合を利用した「'''DNAコンピュータ'''」を採用している。二進法式のデジタル・コンピュータよりも優れたDNAコンピュータによって[[機械獣|生物的かつ素早い挙動]]が可能になっているため、高い機動性を誇り、[[白兵戦]]もこなせる。この点において3式機龍は、遠距離からの攻撃を主体とし、動きが鈍かった従来作におけるメカゴジラとは正反対の性能を持っていることになる。アブソリュート・ゼロの存在もあり火力、機動性の両面で歴代最強のメカゴジラと言える。 |
− | しかし、その反面、3式機龍のDNAコンピュータは'''初代ゴジラの骨に残留していた骨髄間質細胞'''を使用していたため、ゴジラの[[咆哮]]に反応して[[暴走]]事故を引き起こす危険性も有していた<ref>実際、初出撃の時に暴走して横浜の市街地を破壊しつくしている。暴走を回避するため、DNAコンピュータの塩基を修飾塩基に変え、初代ゴジラと違うものにすることで対処した。</ref>。この出自により、見方によっては'''一種の[[サイボーグ]]であり、初代ゴジラがメカゴジラに転生した'''とも言える<ref>その意味において、『×メカゴジラ』は'''初代ゴジラと21世紀の[[ゴジラ]]の[[夢]]の対決'''を実現させた作品であると評することができる。</ref> | + | しかし、その反面、3式機龍のDNAコンピュータは'''初代ゴジラの骨に残留していた骨髄間質細胞'''を使用していたため、ゴジラの[[咆哮]]に反応して[[暴走]]事故を引き起こす危険性も有していた<ref>実際、初出撃の時に暴走して横浜の市街地を破壊しつくしている。暴走を回避するため、DNAコンピュータの塩基を修飾塩基に変え、初代ゴジラと違うものにすることで対処した。</ref>。この出自により、見方によっては'''一種の[[サイボーグ]]であり、初代ゴジラがメカゴジラに転生した'''とも言える<ref>その意味において、『×メカゴジラ』は'''初代ゴジラと21世紀の[[ゴジラ]]の[[夢]]の対決'''を実現させた作品であると評することができる。</ref>。最大稼働時間も2時間、AZの使用で40%も使用するなど、現代地球技術のみで作られているだけあってかエネルギー効率等、稼働性の面では従来作に劣る面が多い。また、機龍の開発、整備によって[[エヴァンゲリオン|国家予算を大きく圧迫している]]描写もあり、整備性、開発コストも劣悪である。 |
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:初登場作品。2016年8月のイベント「G迎撃作戦」で期間限定参戦。[[パイロット]]は『ゴジラ×メカゴジラ』の[[家城茜]]。 | :初登場作品。2016年8月のイベント「G迎撃作戦」で期間限定参戦。[[パイロット]]は『ゴジラ×メカゴジラ』の[[家城茜]]。 | ||
:SSRシューターで、バックユニットを[[分離|強制排除]]する前の「重装備型」と呼ばれる形態で登場する。 | :SSRシューターで、バックユニットを[[分離|強制排除]]する前の「重装備型」と呼ばれる形態で登場する。 | ||
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:余談だが、アブソリュート・ゼロ(Absolute Zero)とは、物質を構成する原子および分子の運動が停止(=凍結)する絶対零度(摂氏-273.15度)の意。'''摂氏10万度を超えるゴジラの必殺技「放射熱線」と対を為す武装'''である。 | :余談だが、アブソリュート・ゼロ(Absolute Zero)とは、物質を構成する原子および分子の運動が停止(=凍結)する絶対零度(摂氏-273.15度)の意。'''摂氏10万度を超えるゴジラの必殺技「放射熱線」と対を為す武装'''である。 | ||
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:東京都品川区におけるゴジラとの第二戦目。初めゴジラから一定の距離を取って砲撃戦を仕掛けるも、ゴジラの放射熱線や強力な肉弾攻撃によって機龍のバックユニットに付属する多連装ロケット弾の二つの砲身を破壊されてしまう。 | :東京都品川区におけるゴジラとの第二戦目。初めゴジラから一定の距離を取って砲撃戦を仕掛けるも、ゴジラの放射熱線や強力な肉弾攻撃によって機龍のバックユニットに付属する多連装ロケット弾の二つの砲身を破壊されてしまう。 | ||
− | :しかし、[[家城茜|茜]]は慌てずバックユニットをゴジラに向けて[[Vガンダム#.E6.88.A6.E6.B3.95|発射]] | + | :しかし、[[家城茜|茜]]は慌てずバックユニットをゴジラに向けて[[Vガンダム#.E6.88.A6.E6.B3.95|発射]]。高機動型になった機龍はゴジラの放射熱線を[[ひらめき|紙一重で回避し]]、素早い格闘戦を仕掛け追い詰める。終いにジャイアント・スイングをお見舞いして、ゴジラをダウンさせたのであった。 |
+ | :ちなみに、バックユニットを[[分離|強制排除]]した時の機龍の姿勢は'''ゴジラに向かってお辞儀をする形'''であった。 | ||
;人龍一体 | ;人龍一体 | ||
:上層部の判断を仰いだ現場[[指揮官]]・富樫の命令を受け、茜はダウンしたゴジラに対しAZでとどめを刺そうとするが、その途中で目覚めたゴジラの放射熱線によって機龍は倒れ、茜が搭乗するしらさぎ2号機からの遠隔操作が不能になってしまう。 | :上層部の判断を仰いだ現場[[指揮官]]・富樫の命令を受け、茜はダウンしたゴジラに対しAZでとどめを刺そうとするが、その途中で目覚めたゴジラの放射熱線によって機龍は倒れ、茜が搭乗するしらさぎ2号機からの遠隔操作が不能になってしまう。 | ||
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:『×メカゴジラ』でのゴジラとの激闘で大破したアブソリュート・ゼロに代わり、胸部内に4式三連装ハイパーメーサー砲を装備。右腕部も[[ゲッターライガー|可変式ドリルアーム]]「4式対獣掘削装置(スパイラル・クロウ)」に換装されている。さらにバックユニット射出による攻撃が前回の戦いで有効な攻撃手段と評価されたことからバックユニット自体も改良され、屈まなくても射出可能になった上、左右別々に射出したり自爆させることもできるようになった。 | :『×メカゴジラ』でのゴジラとの激闘で大破したアブソリュート・ゼロに代わり、胸部内に4式三連装ハイパーメーサー砲を装備。右腕部も[[ゲッターライガー|可変式ドリルアーム]]「4式対獣掘削装置(スパイラル・クロウ)」に換装されている。さらにバックユニット射出による攻撃が前回の戦いで有効な攻撃手段と評価されたことからバックユニット自体も改良され、屈まなくても射出可能になった上、左右別々に射出したり自爆させることもできるようになった。 | ||
:また、前回の戦いで機龍が起き上がる隙をゴジラに狙われてピンチになったことが何度かあったためか、内蔵ブースターの数を大幅に増設しており、手を使わずとも起き上がれるようになっているが、劇中では整備が不十分な状態での出撃だったため、動作がやや鈍くなってしまった。 | :また、前回の戦いで機龍が起き上がる隙をゴジラに狙われてピンチになったことが何度かあったためか、内蔵ブースターの数を大幅に増設しており、手を使わずとも起き上がれるようになっているが、劇中では整備が不十分な状態での出撃だったため、動作がやや鈍くなってしまった。 | ||
:しかし、この時すでに機龍のDNAコンピュータは自我らしきものに目覚めていたのか、同族であるゴジラと戦い続けることを拒む兆候を見せており、それを知る小美人も人類に警告していた。最終的には搭乗員を脱出させた後、ゴジラと共に日本海溝へ沈み眠りにつく結末を迎える。 | :しかし、この時すでに機龍のDNAコンピュータは自我らしきものに目覚めていたのか、同族であるゴジラと戦い続けることを拒む兆候を見せており、それを知る小美人も人類に警告していた。最終的には搭乗員を脱出させた後、ゴジラと共に日本海溝へ沈み眠りにつく結末を迎える。 | ||
− | : | + | :この戦闘以後、ゴジラを始めとする怪獣たちのDNAを使用した兵器開発は禁止されたが、DNAデータ自体は人類の手に残されており、細胞再生実験まで行われている……という描写で幕を閉じる。しかし、翌年には機龍シリーズとは全く別の話になり、ミレニアムシリーズ自体も完結したのでその後の話は一切ない。……まぁ、ミレニアムシリーズ自体どれも大体そんなオチが付くのがお約束なのだが。 |
;[[3式機龍乙型]] | ;[[3式機龍乙型]] | ||
− | :『[[ゴジラ対エヴァンゲリオン]] | + | :『[[ゴジラ対エヴァンゲリオン]]』企画で発売された[[EVA初号機]]カラーの機龍フィギュアを元に創作された半[[オリジナル設定|オリジナルユニット]]。 |
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+ | :初期シリーズのロボット図鑑で元ネタがメカゴジラである事が仄めかされている。 | ||
== 余談 == | == 余談 == | ||
+ | *機龍を含む歴代メカゴジラは人気の高い怪獣ではあるが、登場して程なくするとシリーズが終わってしまうというジンクスが存在している。 | ||
*3式機龍は『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年12月14日公開)の特報・予告篇[[ナレーション]](声:[[声優:立木文彦|立木文彦]]氏)において「'''超攻撃型メカゴジラ'''」と紹介されている。 | *3式機龍は『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年12月14日公開)の特報・予告篇[[ナレーション]](声:[[声優:立木文彦|立木文彦]]氏)において「'''超攻撃型メカゴジラ'''」と紹介されている。 | ||
**[[DVD]]版『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年12月15日公開)に付属する『ゴジラ×メカゴジラ』の特報ナレーション(声:[[声優:立木文彦|立木文彦]]氏)において3式機龍は直接登場していないが、「今度の(ゴジラの)敵は'''巨大バトルサイボーグ'''だ!」と紹介されている。 | **[[DVD]]版『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年12月15日公開)に付属する『ゴジラ×メカゴジラ』の特報ナレーション(声:[[声優:立木文彦|立木文彦]]氏)において3式機龍は直接登場していないが、「今度の(ゴジラの)敵は'''巨大バトルサイボーグ'''だ!」と紹介されている。 |
2024年4月30日 (火) 00:25時点における最新版
3式機龍は『ゴジラ対エヴァンゲリオン』の登場メカ。
3式機龍 | |
---|---|
登場作品 |
|
デザイン | 西川伸司 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦X-Ω |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
---|---|
正式名称 | 3式多目的戦闘システム(Type3:Multi-purpose Fighting System) |
別名 | 機龍、メカゴジラ |
分類 | 対ゴジラ特殊兵器 |
型式番号 | MFS-3[1] |
全長 | 60m[1] |
重量 |
4万t[1](重装備型) 3万6千t(高機動型) |
パイロット | 家城茜 |
概要編集
『ゴジラ×メカゴジラ』におけるメカゴジラ。これまでのゴジラシリーズに登場したメカゴジラと違い、人類が100%自力で作り上げた[2]生体ロボットである点と、「メカゴジラ」は通称で「3式機龍」が正式名称である点が特徴[3]。
作中ではもっぱら「機龍」と呼ばれ、メカゴジラの名は『×メカゴジラ』の登場人物である湯原徳光博士ただ一人があだ名として付けたのみ。また、もう一人「メカゴジラ」を案として出した湯原沙羅は、正式名称判明に伴い「機龍」と呼ぶようになっている。そのため、湯原親子が登場しない続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「メカゴジラ」とは呼称されない。
西暦1999年に出現したゴジラ[4]に対抗するため、特生自衛隊によって開発[5]され、2003年に完成した。支援用航空機「AC-3 しらさぎ」2号機からの遠隔操作によって運用される[6]。
最大稼働時間は約2時間。それを越える場合やエネルギーを消耗した場合は、最も近い自衛隊基地からエネルギーをマイクロウェーブ方式で「AC-3 しらさぎ」3号機を経由して補給する。ただし、必要な電力量は関東地方全域の総電力量に匹敵する。
初代ゴジラのDNA編集
3式機龍は千葉県・房総半島沖から回収した初代ゴジラの骨[7]をメインフレームとし、情報伝達システムにはDNAを構成する塩基分子の結合を利用した「DNAコンピュータ」を採用している。二進法式のデジタル・コンピュータよりも優れたDNAコンピュータによって生物的かつ素早い挙動が可能になっているため、高い機動性を誇り、白兵戦もこなせる。この点において3式機龍は、遠距離からの攻撃を主体とし、動きが鈍かった従来作におけるメカゴジラとは正反対の性能を持っていることになる。アブソリュート・ゼロの存在もあり火力、機動性の両面で歴代最強のメカゴジラと言える。
しかし、その反面、3式機龍のDNAコンピュータは初代ゴジラの骨に残留していた骨髄間質細胞を使用していたため、ゴジラの咆哮に反応して暴走事故を引き起こす危険性も有していた[8]。この出自により、見方によっては一種のサイボーグであり、初代ゴジラがメカゴジラに転生したとも言える[9]。最大稼働時間も2時間、AZの使用で40%も使用するなど、現代地球技術のみで作られているだけあってかエネルギー効率等、稼働性の面では従来作に劣る面が多い。また、機龍の開発、整備によって国家予算を大きく圧迫している描写もあり、整備性、開発コストも劣悪である。
登場作品と役柄編集
単独作品編集
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 初登場作品。2016年8月のイベント「G迎撃作戦」で期間限定参戦。パイロットは『ゴジラ×メカゴジラ』の家城茜。
- SSRシューターで、バックユニットを強制排除する前の「重装備型」と呼ばれる形態で登場する。
装備・機能編集
武装・必殺武器編集
- 99式二連装メーサー砲(ツインメーサー砲)
- 口内に装備された二基のメーサー砲。二つのメーサービームの共振作用により、90式メーサー殺獣光線車(15万ボルト)の240%に相当する威力を誇る。
- 0式(れいしき)レールガン
- 下腕部に装備。
- メーサー・ブレード
- 0式レールガンユニット内に隠されている。突き刺して内部から電流を浴びせる。
- 重武装型のコンセプトからは外れる装備だったため、3式機龍改の4式レールガンではオミットされた。
- バックユニット
- 背部に装備。強制排除も可能。バックユニットを外した状態の3式機龍は、動きがより俊敏になる。
- なお、バックユニットを装備した状態の3式機龍を「重装備型」、バックユニットを装備していない状態の3式機龍を「高機動型」[10]と呼称する場合もある。
- 87式多連装ロケット弾発射機〈改〉
- バックユニットに装備。『X-Ω』では「多連装ロケット弾」表記で通常攻撃に採用。
- 95式470mm多目的誘導弾
- バックユニットに装備。
- 3式絶対零度砲〈アブソリュート・ゼロ〉[11]
- 胸部に内蔵された直径1250mmの共有結合性結晶から絶対零度の光弾を発射し、対象を原子レベルで凍結・粉砕せしめる最終兵器。ただし、発射にはエネルギーの40%近くを消費する[12]。また、共有結合性結晶は大変貴重なため、破損すると修復は困難を極める。
- 他にも「使用の際には現場の指揮官および内閣総理大臣ら上層部からの承認が必要」「ロック解除から発射までに時間がかかる」という弱点が存在しており、劇中ではゴジラに準備中の隙を突かれて3式機龍が不利になってしまう場面も見られた。
- 余談だが、アブソリュート・ゼロ(Absolute Zero)とは、物質を構成する原子および分子の運動が停止(=凍結)する絶対零度(摂氏-273.15度)の意。摂氏10万度を超えるゴジラの必殺技「放射熱線」と対を為す武装である。
- 『X-Ω』では必殺スキルとして採用。
移動タイプ編集
サイズ編集
- L
対決・名場面編集
- 機龍、暴走
- 神奈川県横浜市におけるゴジラとの第一戦目。機龍側に優勢に戦いが進むが、アブソリュート・ゼロ(以下、「AZ」と表記)を使用する前にゴジラの咆哮を受けて機龍の動きが停止。その隙にゴジラに逃亡されてしまう。
- そして、ゴジラの咆哮の影響でDNAコンピュータに使われていた初代ゴジラのDNAが暴走を開始。エネルギー切れになるまで市街地を滅茶苦茶にしたのであった。
- 砕け散るまで戦え!
- 東京都品川区におけるゴジラとの第二戦目。初めゴジラから一定の距離を取って砲撃戦を仕掛けるも、ゴジラの放射熱線や強力な肉弾攻撃によって機龍のバックユニットに付属する多連装ロケット弾の二つの砲身を破壊されてしまう。
- しかし、茜は慌てずバックユニットをゴジラに向けて発射。高機動型になった機龍はゴジラの放射熱線を紙一重で回避し、素早い格闘戦を仕掛け追い詰める。終いにジャイアント・スイングをお見舞いして、ゴジラをダウンさせたのであった。
- ちなみに、バックユニットを強制排除した時の機龍の姿勢はゴジラに向かってお辞儀をする形であった。
- 人龍一体
- 上層部の判断を仰いだ現場指揮官・富樫の命令を受け、茜はダウンしたゴジラに対しAZでとどめを刺そうとするが、その途中で目覚めたゴジラの放射熱線によって機龍は倒れ、茜が搭乗するしらさぎ2号機からの遠隔操作が不能になってしまう。
- 意を決した茜はしらさぎ2号機を降りて、機龍のメンテナンス用ブースへ潜入。手動で機龍の再起動を図る。その間、ゴジラの容赦ない攻撃に苦しめられるも、関東地方一帯を停電させて得た電力をしらさぎ6号機から受信したことと、「大切な人たちを守りたい」という茜の強い想いによって、機龍は再び立ち上がった。
- 氷砕
- 長引く機龍とゴジラの激闘に、茜の同僚・葉山が乗るしらさぎ6号機が、同乗員である関根を脱出させた上で特攻。しらさぎ6号機の残骸で強引にゴジラの口を塞いだ葉山は、茜に対して「俺に構わず、ゴジラにAZでとどめを刺せ!」と促す。
- だが、これ以上犠牲者を出したくなかった茜は、AZのロックを解除した機龍でゴジラに突進して葉山を救出し、ゴジラを強く抱きしめ、その口を右手で塞ぎ、放射熱線を封じたまま市街地から海へと移動。そして海中に飛び込んだ瞬間、AZと放射熱線が零距離で激突した──。
- この結果、機龍は右腕を失い、AZの発射口も大破、行動不能になってしまった。一方のゴジラは胸に大きな傷を負い、外洋へと去っていく。そんなゴジラの後ろ姿を、茜はただ見送ることしかできなかった。
関連怪獣編集
- ゴジラ
- ライバルにして(『×メカゴジラ』『東京SOS』の設定では)同族。『東京SOS』では肉親のような関係を見せていた。
- 3式機龍〈改〉
- 『東京SOS』で改修された状態。なお、「改」というのは厳密に言うと図鑑等での区別のための表記であり、本編や超全集等では名称は引き続き「3式機龍」表記である。
- アメリカに旅立った家城茜の後任者である秋葉恭介が、正オペレーターとして操縦する。
- 『×メカゴジラ』でのゴジラとの激闘で大破したアブソリュート・ゼロに代わり、胸部内に4式三連装ハイパーメーサー砲を装備。右腕部も可変式ドリルアーム「4式対獣掘削装置(スパイラル・クロウ)」に換装されている。さらにバックユニット射出による攻撃が前回の戦いで有効な攻撃手段と評価されたことからバックユニット自体も改良され、屈まなくても射出可能になった上、左右別々に射出したり自爆させることもできるようになった。
- また、前回の戦いで機龍が起き上がる隙をゴジラに狙われてピンチになったことが何度かあったためか、内蔵ブースターの数を大幅に増設しており、手を使わずとも起き上がれるようになっているが、劇中では整備が不十分な状態での出撃だったため、動作がやや鈍くなってしまった。
- しかし、この時すでに機龍のDNAコンピュータは自我らしきものに目覚めていたのか、同族であるゴジラと戦い続けることを拒む兆候を見せており、それを知る小美人も人類に警告していた。最終的には搭乗員を脱出させた後、ゴジラと共に日本海溝へ沈み眠りにつく結末を迎える。
- この戦闘以後、ゴジラを始めとする怪獣たちのDNAを使用した兵器開発は禁止されたが、DNAデータ自体は人類の手に残されており、細胞再生実験まで行われている……という描写で幕を閉じる。しかし、翌年には機龍シリーズとは全く別の話になり、ミレニアムシリーズ自体も完結したのでその後の話は一切ない。……まぁ、ミレニアムシリーズ自体どれも大体そんなオチが付くのがお約束なのだが。
- 3式機龍乙型
- 『ゴジラ対エヴァンゲリオン』企画で発売されたEVA初号機カラーの機龍フィギュアを元に創作された半オリジナルユニット。
- メカギルギルガン
- 初期シリーズのロボット図鑑で元ネタがメカゴジラである事が仄めかされている。
余談編集
- 機龍を含む歴代メカゴジラは人気の高い怪獣ではあるが、登場して程なくするとシリーズが終わってしまうというジンクスが存在している。
- 3式機龍は『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年12月14日公開)の特報・予告篇ナレーション(声:立木文彦氏)において「超攻撃型メカゴジラ」と紹介されている。
- 3式機龍のメカニックデザインを担当した西川伸司氏は、『ゴジラVSメカゴジラ』(1993年12月11日公開)において(採用はならなかったが)メカゴジラのデザイン案を出していた(『東宝特撮映画大全集』279頁より)。
- 3式機龍は歴代メカゴジラの中で、初めてゴジラと引き分けた機体である。
- ゲームアプリ『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』とのコラボクエスト「ゴジラVSシンフォギア」にも登場。そちらでは開発に『シンフォギア』の一部キャラクターが関わっている。
脚注編集
- ↑ 1.0 1.1 1.2 小学館 てれびくん編集部・編『ゴジラ×メカゴジラ超全集』14頁
- ↑ 『ゴジラ対メカゴジラ』『メカゴジラの逆襲』のメカゴジラは地球侵略のために宇宙人が開発したもの。『ゴジラVSメカゴジラ』のメカゴジラは『ゴジラVSキングギドラ』に登場したサイボーグ怪獣メカキングギドラを解析して得た超未来の技術を使って作られている。後のアニメ三部作におけるメカゴジラ(シティ)もゴジラ撃退に協力を申し出た宇宙人ビルサルドの協力の下で作られている。
- ↑ 『×メカゴジラ』では、最初に「機龍」の文字が大きく表示された後、上下に二つの「ゴジラ」の文字が表れ、下段の「ゴジラ」が「メカゴジラ」に置き換わって正タイトルになる。『東京SOS』では「ゴジラ モスラ 機龍」と表示された後、「機龍」が「メカゴジラ」に置き換わって正タイトルになる。
- ↑ 西暦1954年に出現し、科学者・芹沢大助博士によって倒された初代ゴジラと同じ種類の別個体。
- ↑ 3式機龍の開発には、湯原徳光博士(DNAコンピュータを使用した伝達システムを開発)、赤松伸治博士(初代ゴジラの骨を元に機龍を建造)、菅野吾郎博士(3式絶対零度砲を開発)、山田薫博士(エネルギー供給システムを開発)からなる四名の「日本の頭脳」とされる科学者たちも携わっている。
- ↑ 機体各部に設けられたメンテナンス用ブースから乗り込んで手動操作することも可能ではあるが、戦闘時の加速や衝撃によって搭乗者に多大な負荷が発生するため、命を捨てるつもりでもなければまず不可能と言ってよい。
- ↑ 1954年版『ゴジラ』における初代ゴジラは芹沢博士の使用した「オキシジェン・デストロイヤー」によって骨ごと跡形もなく溶け去ったのだが、機龍二部作は「もしも初代ゴジラの骨だけは残っていたら?」というパラレル設定となっている。また、芹沢博士がオキシジェン・デストロイヤーを使用した場所も、手塚昌明監督のこだわりによって房総半島沖に変更されている。ただし、「芹沢博士が開発した特殊兵器」とだけ言われており、「オキシジェン・デストロイヤー」という名称までははっきり言われていない。
- ↑ 実際、初出撃の時に暴走して横浜の市街地を破壊しつくしている。暴走を回避するため、DNAコンピュータの塩基を修飾塩基に変え、初代ゴジラと違うものにすることで対処した。
- ↑ その意味において、『×メカゴジラ』は初代ゴジラと21世紀のゴジラの夢の対決を実現させた作品であると評することができる。
- ↑ なお、バックユニットを強制排除して高機動型になった3式機龍は、歴代のメカゴジラと相似した外見になる。重装備型は『VSメカゴジラ』でのガルーダと合体したスーパーメカゴジラ形態に相似している。
- ↑ 『東京SOS』では、菅野吾郎博士が「アブ・ゼロ」と略称している。
- ↑ とはいえ、この手の兵器にしては珍しく、エネルギーを再供給できれば再使用が可能であり、劇中でも同一戦闘で二度使用している。
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