ミカムラ博士

ミカムラ博士は『機動武闘伝Gガンダム』の登場人物。

ミカムラ
登場作品	ガンダムシリーズ 機動武闘伝Gガンダム
声優	清川元夢
デザイン	逢坂浩司
初登場SRW	スーパーロボット大戦F完結編

プロフィール
種族	地球人（ネオ・ジャパン）
性別	男
所属	ネオ・ジャパン
役職	科学者

概要

ネオ・ジャパンの科学者。レイン・ミカムラの父親で、シャイニングガンダムやライジングガンダム、そしてゴッドガンダムの開発者。

ライゾウ・カッシュ博士とは科学者仲間にして、友人であり、家族ぐるみの付き合いもしていた。そのこともあり、ライゾウの息子・ドモン・カッシュを娘のレインと共にサポートする。

実はライゾウの才能に嫉妬しており、その事からウルベ・イシカワの誘いに乗って、ライゾウを冷凍刑に陥れ、カッシュ一家崩壊のきっかけを作った元凶であった。レインがドモンとのいざこざでサポート役から離反した際の「カッシュ家の人間は油断できん」発言から積もり積もった物があったようであるが開発していたスーパーモードの弱点である「本来ならば怒りの感情にしか反応しないこと」を一目で見抜かれたことが決定的なきっかけとなっている。

事件の真相を知っているキョウジ・カッシュの複製体であるシュバルツ・ブルーダーの暗殺を試みた際、レインにデビルガンダム事件の真相を知られたことで改心。第13回ガンダムファイト終了後、ウルベに自首を提案するも彼に撃たれ瀕死の重傷を負わされた上、レインをデビルの新たな生体ユニットにされてしまう。シャッフル同盟とデビルガンダム軍団の最終決戦の最中、デビルガンダムコロニーへの侵入口を作ることも兼ねて、ライゾウの冷凍カプセルを射出。ドモンに、これまでのことを詫びて、レインの救出を懇願し、自身は傷が元で死亡。遺体は、そのまま宇宙に放り出された。

登場作品と役柄

SRWではデビルガンダム事件の黒幕は様々なキャラが担っているが、今のところミカムラ博士がウルベ以外と共謀する作品はない。そのためウルベの参戦率が低いSRWでは必然的に出番は少ないが、逆に言えばウルベ以外が黒幕の場合は必然的にデビルガンダム事件とは無関係ということになるので、ある意味その方が彼にとっては幸せかもしれない。また、彼がデビルガンダム事件に関わらないとレインがドモンに罪悪感を抱く要因がなくなるため、殆どの場合心を閉ざさないという点でも隠れた重要人物なのかもしれない。

旧シリーズ

スーパーロボット大戦F完結編

初登場作品。ほぼ原作を再現する形となる。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT

本作では終盤、ウルベと一緒にネオジャパン政府に逮捕される。また原作と違い事件の真相の判明から、デビルコロニー編までの期間が長いため、ドモンが事件の首謀者である彼に対して怒りをぶつけるシーンがある。実は逮捕されたミカムラはDG細胞によるクローンであり、終盤原作同様死亡する。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A

名前だけ登場する。今回はデビルガンダム事件に関わっていないので、終盤でレインが心を閉ざす要因は別に存在する。

単独作品

新スーパーロボット大戦

地上編にてレインのセリフの中にのみ登場。シャイニングガンダムではデビルガンダムには勝てそうもない為、ゴッドガンダムを送ると連絡を入れてきた。

本作ではウルベが登場せず、デビルガンダム強奪もキョウジ自身の意志によるものとされているため、ミカムラ博士はどういう立ち位置なのかは不明。

人間関係

家族 

レイン・ミカムラ

娘。醜い感情で他者を追い落としてしまいながらも娘への愛情は変わらず、彼女の叱咤と非難で己の犯した取り返しのつかない過ちを自覚し改心する。

カッシュ家 

ライゾウ・カッシュ

科学者仲間にして、友人。

自らの傑作機・シャイニングガンダムの欠点をライゾウに指摘されたこととライゾウが開発したアルティメットガンダムの素晴らしさを見たことで抱えていた嫉妬を極限まで募らせた末、ウルべの唆しに乗って、カッシュ家を悲劇に突き落としてしまった。

漫画版ではゴッドガンダムの製作者はライゾウであり、自身の作ったシャイニングはそのデッドコピーに過ぎないとアニメ版以上に鬱屈を募らせている。だがライゾウの方もまた、素人でも動かす事が可能なモビルトレース・システムを完成させたミカムラ博士の才能に実は嫉妬していた事実が明らかとなっており、彼がライゾウに対して抱いていた感情が決して一方なものではなかったことが判明したことで幾分か救いのある形となった。

ドモン・カッシュ

その子供時代から知っていたカッシュ博士の息子。ドモンからは「ミカムラのおじさん」とも呼ばれた。

キョウジ・カッシュ/シュバルツ・ブルーダー

ドモンと同じくカッシュ博士の息子。ライゾウへの冤罪やその妻であるミキノの死に関する真実を知る1人であった為、分身であるシュバルツの存在を恐れており、重傷で入院中のシュバルツを殺そうとするがレインに阻止され、真実を語る羽目になった。

漫画版ではキョウジの遺志を継いだシュバルツから、父･ライゾウもまた自身の才能に嫉妬していた事実を明かされ、改心する切っ掛けとなっている。

ネオジャパン 

ウルベ・イシカワ

共謀して、ライゾウを陥れる。後にウルベに見限られて射殺され、レインをデビルの生体ユニットにされてしまう。

ネオスウェーデン 

アレンビー・ビアズリー

ウォルターガンダムに取り込まれた彼女を機体から助け出したのはレインだが、彼女からDG細胞を完全に除去させたのはミカムラ博士の尽力によるものである。

他作品との人間関係

葉月考太郎

『IMPACT』では旧知の間柄。

名台詞

「そうです。彼の異常なまでの怒りが頂点に達した時、その感情がエネルギーとなり、最大パワーを発揮できるあの姿へと変形するのです」

第6話より。

怒りのスーパーモードを発動させたシャイニングガンダムをカラト委員長(SRW未登場)に見せた際の台詞。

「頼むぞ、Gガンダム…」

第23話より。

レインからドモンがギアナ高地に残っていることを受け、射出された決勝大会用のガンダムを見送って。

タイトルの名を冠したガンダムがようやく登場した瞬間である。

「バカな、勝手なのは君の方だろう！レインはあれで責任感の強い子だ。それをここまで追い詰めおって！だからカッシュ家の人間は油断できん！」

第40話より。

レインを糾弾し、クルーを解任させたドモンに対して。

この台詞は後に明かされる真実への伏線となる…。

「恨むなら、お前の父カッシュ博士を恨むんだな！奴がデビルガンダムさえ作らなければ！デビルガンダム事件の真相を知る者は、始末してくれるっ！」

第42話より。

デビルガンダム事件の真相を知るキョウジ(シュバルツ)をメスを片手に殺害しようとする凶行に走る。

温厚なミカムラ博士の内面が露呈したシーンだが、レインの介入より事なきを得る。

「私は、私は悔しかった…カッシュ博士の才能が羨ましかったんだ…。彼は私の作ったシャイニングガンダムの欠点すら見事に指摘した！」
「カッシュ博士はいつも私より、一歩も二歩も先を歩いていた。知らぬ間に私の嫉妬は憎悪となり…カッシュ博士のガンダムを見た時、それが頂点に達して、爆発した…！」
「私はあの研究を自分の物にしたかった！　自己再生！　自己増殖！　そしてあの三大理論の最後の一つ、自己進化！　なんとしても、なんとしても私は…それらの理論をこの手に！」

同上。

「彼はなぜウルベの計画の片棒を担いだのか」。その理由が彼の口から語られる。

常に自身の先を行くライゾウへの劣等感と嫉妬心、そして科学者としての欲望が綯い交ぜになった、彼の「生」の本音がそこにあった。

「違う…娘が私を目覚めさせてくれたんだ…」
「計画？　もうこれ以上どうしようというのだ！デビルガンダムは破壊された。もうくだらん野望を抱くのはよせ！」

第46話より。

共犯者であるウルベに自首を宣言し、計画の中止を訴える。

しかしウォンのレポートを手にしていたウルベはある目星をつけており…。

「君達親子にとって…私は許されざる者……。本当にすまない…そして今更こんな事を頼めた義理ではないが…お願いだ…！　娘を…娘を救ってやってくれ…！　あの子に罪は無い…全て私が悪かった……」
「私はもはや、生きてあの子に会う事もあるまい…娘には君の口から伝えてくれ…本当に、すまなかったと…」

第47話より。

ライゾウが幽閉された冷凍カプセルのロックを解きながら。致命傷をウルベに負わされながらも、彼はかつて自分が陥れてしまった友人を助けるため、そして最愛の娘の救出を謝罪と共にドモンに懇願する。

「なあ、カッシュよ…君は今眠りの中で私のことをどう思っている…？　馬鹿な男と笑っているのか…それとも…。私はとうとう最後まで…お前さんには勝てなんだな…」

最後の台詞。

自分の罪を悔いながらも、その表情は安らかであった……。

その後彼が遺したガンダムは友の造ったガンダムに勝利し、世界の危機を救うという感慨深い結末を迎えた。

「そ…　そんな…　そんな…　そんな…　今になって！　そんな事を…　そんなうれしい事を……！！　私に…！！」

漫画「超級！機動武闘伝Ｇガンダム 最終決戦編」で改心した際の台詞。

ライゾウより劣っていると思っていた自分が、ライゾウに尊敬されていたとキョウジ(シュバルツ)に教えられて、頭を抱えながら。「そんなうれしい～」以降の台詞のコマではデレ顔になっている。

関連機体

シャイニングガンダム

ライジングガンダム

ゴッドガンダム

余談

• ミカムラ博士を演じた清川元夢氏は『機動戦士ガンダム』にてアムロの父テム・レイ、ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』（SRW未参戦）でクルスト・モーゼス博士を演じておりいずれも作中の根幹に係わる科学者である点が共通している。ただ、テムは酸素欠乏症に係り息子にも見捨てられ人知れず死に、クルスト博士はニュータイプへの恐怖と妄執に憑りつかれたまま殺害されるという末路を迎えており、路線変更があったとはいえ罪を償い死んだミカムラ博士は一番マシな末路と言える。
• 当初の構想では完全な悪役にする予定であったが、演じた清川元夢氏の温厚な人柄の影響により変更された。
• コミカライズ『超級!機動武闘伝Gガンダム』ではゴッドガンダムの開発に関わっていないため、その開発者であるカッシュ博士の頭脳を利用している。また上記のシュバルツの暗殺を行おうとした際には、レインに阻止された直後にシュバルツが本来のキョウジに代わって「鍛錬をしていない女性でも操縦できるMFは自分達親子では作ることが出来ない」とライゾウ・カッシュもまたミカムラ博士の才能に嫉妬していたことを明かし、物凄いデレ顔で改心している。ドモンが優勝を成し遂げた後、自ら事件の真相を暴露しようと考えていたがウルベによって原作同様の末路を遂げる。

資料リンク

• GUNDAM:ミカムラ博士