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*1867年の大政奉還の際に将軍家と倒幕派が和解。首都機能を[[江戸時代|江戸]]から京都に移し「大日本帝国」ではなく「日本帝国」が誕生する。そのため、作中の時代でも征夷大将軍と武家の制度が残っている。
 
*1867年の大政奉還の際に将軍家と倒幕派が和解。首都機能を[[江戸時代|江戸]]から京都に移し「大日本帝国」ではなく「日本帝国」が誕生する。そのため、作中の時代でも征夷大将軍と武家の制度が残っている。
*第二次世界大戦において、日本は1944年に条件付き降伏。北方領土とサハリンを失わず、二発の原爆は広島と長崎ではなくベルリンに落とされた。
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*第二次世界大戦において、日本は1944年に条件付き降伏。北方領土とサハリンを失わず、二発の原爆も落とされてはいない。それらの原爆は、作中世界ではドイツのベルリンに投下されている。
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**日本が早期に降伏しているので、戦艦大和・武蔵などが失われずに現存している。
 
*東西冷戦が大戦中から既に深刻化。
 
*東西冷戦が大戦中から既に深刻化。
 
*宇宙開発が早期に進行。1958年に火星で探査機がBETAとファーストコンタクト。1967年、月面で開戦。1973年、ウイグル自治区カシュガルにBETA降下。
 
*宇宙開発が早期に進行。1958年に火星で探査機がBETAとファーストコンタクト。1967年、月面で開戦。1973年、ウイグル自治区カシュガルにBETA降下。
 
*作中時点でソ連はBETAによる打撃を受けつつも崩壊していない。ただし、ウラル山脈より西は壊滅してしまい、首都機能はハバロフスクに移っている。
 
*作中時点でソ連はBETAによる打撃を受けつつも崩壊していない。ただし、ウラル山脈より西は壊滅してしまい、首都機能はハバロフスクに移っている。
 
*ヨーロッパは80年代後半にイギリス本土を除いて壊滅。東ドイツが一時防壁となっていたが、政権を握った秘密警察が暴虐の限りを尽くした事でクーデターが発生。政権は打倒されたが、対BETA戦線が崩壊してしまう。(『シュヴァルツェスマーケン』)
 
*ヨーロッパは80年代後半にイギリス本土を除いて壊滅。東ドイツが一時防壁となっていたが、政権を握った秘密警察が暴虐の限りを尽くした事でクーデターが発生。政権は打倒されたが、対BETA戦線が崩壊してしまう。(『シュヴァルツェスマーケン』)
*アメリカは本土に侵攻されていないので、世界中に武器や食糧を供給している。一方で国連軍を隠れ蓑にした強引な軍事介入やG弾の無差別投入で多数の犠牲者を出している事から、反米感情が世界的に広がっている。特に日本帝国とは、BETAの本州侵攻時に日本側がG弾の使用に反対していたことなどを理由に米国側が安保条約を一方的に破棄して在日米軍を撤退させた事、明星作戦(横浜ハイヴ攻略及び本州奪還)の際にG弾を事前通告無しで使用した事で両者間に大きな亀裂を生み出している。その結果、本土をBETAに蹂躙されている日本とソ連が緊密な関係となった。
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*アメリカは本土に侵攻されておらず国力を維持しているので、世界中に武器や食糧を供給している。一方で国連軍を隠れ蓑にした強引な軍事介入やG弾の無差別投入で多数の犠牲者を出している事から、反米感情が世界的に広がっている。特に日本帝国とは、BETAの本州侵攻時に日本側がG弾の使用に反対していたことなどを理由に米国側が安保条約を一方的に破棄して在日米軍を撤退させた事、明星作戦(横浜ハイヴ攻略及び本州奪還)の際にG弾を事前通告無しで使用した事で両者間に大きな亀裂を生み出している。その結果、本土をBETAに蹂躙されている日本とソ連が緊密な関係となった。
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**アメリカ本土は侵攻されてはいないが、地続きであるカナダは一度BETAの落下ユニットが侵入している。核兵器の集中運用による早期対処に成功したため侵攻は防がれたが、引き換えにカナダの国土の大半は焦土と化している。
 
*数十年に渡る過酷な総力戦で娯楽文化が衰退を始めており、「テレビゲーム」など近年のものは概念自体が存在しないものもある。
 
*数十年に渡る過酷な総力戦で娯楽文化が衰退を始めており、「テレビゲーム」など近年のものは概念自体が存在しないものもある。
 
*同じく長過ぎる戦争により男性や年長者の人口が損耗。結果として作中時点では軍内の若い女性の割合が増加している。なお、作中開始時の世界人口は約10億人、日本の人口は7200万人前後となっている。
 
*同じく長過ぎる戦争により男性や年長者の人口が損耗。結果として作中時点では軍内の若い女性の割合が増加している。なお、作中開始時の世界人口は約10億人、日本の人口は7200万人前後となっている。
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*火星と月は地球よりも先にBETAに侵攻されており、完全にBETAの支配下にある。ただし地球を周回する人工衛星は一切見向きもされていない。
    
等が挙げられる。その多くはストーリーには影響しないが、深刻な東西冷戦による人類間の不和は作中の時代まで続いており、BETAの地球侵入を始めとして取り返しのつかない事態を繰り返し引き起こす結果となっている。
 
等が挙げられる。その多くはストーリーには影響しないが、深刻な東西冷戦による人類間の不和は作中の時代まで続いており、BETAの地球侵入を始めとして取り返しのつかない事態を繰り返し引き起こす結果となっている。
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== 用語 ==
 
== 用語 ==
 
; 戦術歩行戦闘機('''T'''actical '''S'''urface '''F'''ighter)
 
; 戦術歩行戦闘機('''T'''actical '''S'''urface '''F'''ighter)
: 通称『'''戦術機'''』。本作における人型ロボット兵器の総称。現実における戦闘機をモチーフとした機体名とデザインが特徴。腰に装備された「跳躍(ジャンプ)ユニット」により立体的な動きで光線級のレーザーを回避する事を念頭に設計されている(一応、レーザーが命中した場合でも瞬時に気化することで機体を防護する対レーザー蒸散塗料が使用されているものの、あまりにも高出力なので数秒ともたないため、回避が前提である)。現在は第3世代までが開発・配備されている。元はハイヴ内に突入、反応炉を破壊するために人型兵器が最適であったために開発されたが、通常戦闘でも有用性が高いことが認められ、対BETA用機動兵器として発展を続けている。
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: 通称『'''戦術機'''』。本作における人型ロボット兵器の総称。現実における軍艦や戦闘機と同じ機体名とモチーフのデザインが特徴<。腰に装備された「跳躍(ジャンプ)ユニット」により立体的な動きで光線級のレーザーを回避する事を念頭に設計されている(一応、レーザーが命中した場合でも瞬時に気化することで機体を防護する対レーザー蒸散塗料が使用されているものの、あまりにも高出力なので数秒ともたないため、回避が前提である)。現在は第3世代までが開発・配備されている。
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: 元は立体的な構造かつ閉所になるハイヴ内に突入・反応炉を破壊するためには、上下左右に様々に動ける機動性を持ち、かつ単騎で様々な状況に対応可能な汎用性を求められた結果、人型兵器が最適であったために開発されたが、通常戦闘でも有用性が高いことが認められ、対BETA用機動兵器として発展を続けている。
 
: BETAに撃破されたパイロットは即死できれば良いほうで、下手をすれば行動不能の機体ごと貪り喰われ、最悪は捕虜になって凄惨な人体実験が待っている。そのため、S-11という[[ファフナー|フェンリル]]が如き'''自爆装置が標準搭載'''されている(未搭載の機体でも、跳躍ユニットのエンジンを暴走させることで自爆可能)。
 
: BETAに撃破されたパイロットは即死できれば良いほうで、下手をすれば行動不能の機体ごと貪り喰われ、最悪は捕虜になって凄惨な人体実験が待っている。そのため、S-11という[[ファフナー|フェンリル]]が如き'''自爆装置が標準搭載'''されている(未搭載の機体でも、跳躍ユニットのエンジンを暴走させることで自爆可能)。
 
: コクピットモジュールは国際規格が定められており、全ての機種で流用することが可能。このモジュールは脱出装置としても機能する他、シートはそれ自体が簡易型の強化外骨格(パワードスーツ)であり、緊急時には強化外骨格を起動させ、戦術機の装甲を破壊することによるベイルアウトも可能である。一方で、制御OSや機体の特性は各国ごとにまちまちで、日本製は「'''高性能だが、ピーキーで扱い難い'''」と評されている<ref>『トータル・イクリプス』作中では、アメリカ製戦術機に習熟した主人公が日本製戦術機に振り回されて操縦に四苦八苦する姿が描写されている。</ref>。
 
: コクピットモジュールは国際規格が定められており、全ての機種で流用することが可能。このモジュールは脱出装置としても機能する他、シートはそれ自体が簡易型の強化外骨格(パワードスーツ)であり、緊急時には強化外骨格を起動させ、戦術機の装甲を破壊することによるベイルアウトも可能である。一方で、制御OSや機体の特性は各国ごとにまちまちで、日本製は「'''高性能だが、ピーキーで扱い難い'''」と評されている<ref>『トータル・イクリプス』作中では、アメリカ製戦術機に習熟した主人公が日本製戦術機に振り回されて操縦に四苦八苦する姿が描写されている。</ref>。
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:BETAの前線基地とも言える巣窟。頭脳級を中心にした地下基地で、内部は数十万単位のBETAで溢れている。現状、地球上にはオリジナルハイヴを含めて29個のハイヴが存在する(内一つ、ヨコハマハイヴは殲滅済み)。
 
:BETAの前線基地とも言える巣窟。頭脳級を中心にした地下基地で、内部は数十万単位のBETAで溢れている。現状、地球上にはオリジナルハイヴを含めて29個のハイヴが存在する(内一つ、ヨコハマハイヴは殲滅済み)。
 
:基本的に、既存のハイヴにてBETAの数が限界を超えた時に溢れて新たに建造される形で増えていく。ただしカシュガルにある「オリジナルハイヴ」と呼ばれるハイヴのみ別で、月から発射されたBETAの搭載された突入ユニットが落下した地点に建造されたものである。
 
:基本的に、既存のハイヴにてBETAの数が限界を超えた時に溢れて新たに建造される形で増えていく。ただしカシュガルにある「オリジナルハイヴ」と呼ばれるハイヴのみ別で、月から発射されたBETAの搭載された突入ユニットが落下した地点に建造されたものである。
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:内部は「シャフト」と呼称される巨大な縦穴を中心に、アリの巣のように地下通路が広がる構造になっており、航空機は元より車両タイプの兵器では侵入できず、人型兵器である戦術機の最大の開発理由となった。中枢部には「反応路」と呼ばれる巨大なエネルギー路のようなものが存在し、BETAの活動の拠点となっている。この反応路が生きているかどうかがBETAにとって「ハイヴがまだ生きているか」の基準であるらしく、反応路を破壊しない限り、どれだけBETAを掃討し内部を制圧しようとも、BETAは取り戻そうと無限に集まってくる。
 
:なお原作ではカシュガル以前にカナダにBETAの突入ユニットが落下しているが、核兵器の集中運用により、カナダ国土の大半を焦土にする事と引き換えに早期対応に成功している。その後カシュガルに落下したユニットは、中国軍が資源の独占を狙って他国の介入を嫌い、かつ通常兵器で対処しようとしたためにBETAの定着を許してしまった。
 
:なお原作ではカシュガル以前にカナダにBETAの突入ユニットが落下しているが、核兵器の集中運用により、カナダ国土の大半を焦土にする事と引き換えに早期対応に成功している。その後カシュガルに落下したユニットは、中国軍が資源の独占を狙って他国の介入を嫌い、かつ通常兵器で対処しようとしたためにBETAの定着を許してしまった。
 
;G弾(五次元効果爆弾)
 
;G弾(五次元効果爆弾)
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:「エクセムスリー」と読む。白銀武の世界に存在したゲーム「バルジャーノン」のような機動力、すなわち「キャンセル」や「コンボ」、「先行入力」といった格闘ゲームの動きを戦術機で再現出来ないか?というアイデアに基づいて開発された新型OS。オルタネイティヴIVの技術を流用して開発されたため、これも第4計画の成果の一つと言える。
 
:「エクセムスリー」と読む。白銀武の世界に存在したゲーム「バルジャーノン」のような機動力、すなわち「キャンセル」や「コンボ」、「先行入力」といった格闘ゲームの動きを戦術機で再現出来ないか?というアイデアに基づいて開発された新型OS。オルタネイティヴIVの技術を流用して開発されたため、これも第4計画の成果の一つと言える。
 
:機体の反応速度が劇的に向上するため、これまでのOSに慣れた衛士からすれば慣熟に時間がかかるが、これまで不可能と思われた柔軟でアクロバティックな機動力を発揮出来るようになるなど、戦術機の性能を大幅に向上させることに成功(第1世代機でさえ、XM3を搭載する他に少々手を加えるだけで第3世代機と互角に渡り合えるようになる)し、後には「'''衛士の死亡率を半減させた奇跡のOS'''」と呼ばれるようになる。
 
:機体の反応速度が劇的に向上するため、これまでのOSに慣れた衛士からすれば慣熟に時間がかかるが、これまで不可能と思われた柔軟でアクロバティックな機動力を発揮出来るようになるなど、戦術機の性能を大幅に向上させることに成功(第1世代機でさえ、XM3を搭載する他に少々手を加えるだけで第3世代機と互角に渡り合えるようになる)し、後には「'''衛士の死亡率を半減させた奇跡のOS'''」と呼ばれるようになる。
:一見誰でも思いつきそう…というか実際に武でも思いついたわけであるが、今まで誰も思いつかなかったのは戦争に人類のリソースを奪われてゲームという娯楽が生まれなかったためである。
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:一見誰でも思いつきそう…というか実際に武でも思いついたわけであるが、今まで誰も思いつかなかったのは戦争に人類のリソースを奪われてゲームという娯楽が生まれなかったためである。一般兵にまでXM3が普及した頃には、「ある一人の訓練生が開発した」と言う噂話も広まっているが、このOSのもたらした恩恵の大きさとあまりにも釣り合っていない事から、こちらはただの与太話として認識されている。
 
:余談だが、搭載された戦術機には機械的なトラブル等の不具合が発生しなかったことから、従来のOSは戦術機の性能を完全に引き出せていなかったことが示唆されている。
 
:余談だが、搭載された戦術機には機械的なトラブル等の不具合が発生しなかったことから、従来のOSは戦術機の性能を完全に引き出せていなかったことが示唆されている。
 
;神攻電脳VALGERN-ON
 
;神攻電脳VALGERN-ON
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