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『[[機動戦艦ナデシコ]]』の続編。TVシリーズから数年後の世界観を、同作の準[[ヒロイン]]であった[[ホシノ・ルリ]]の視点から見るという内容。1999年度の第30回『星雲賞』映画演劇部門・メディア部門受賞作品。
 
『[[機動戦艦ナデシコ]]』の続編。TVシリーズから数年後の世界観を、同作の準[[ヒロイン]]であった[[ホシノ・ルリ]]の視点から見るという内容。1999年度の第30回『星雲賞』映画演劇部門・メディア部門受賞作品。
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明るいノリが特徴だったTV版とは打って変わって(ギャグ描写自体は存在するものの)暗くシリアスな展開となっている。特筆すべきは、'''TV版の主人公で明るく純情な青年だった[[テンカワ・アキト]]が自分の五感、そして妻である[[ミスマル・ユリカ]]を奪われたことから冷徹な復讐鬼と化してしまう'''ことである。エンディングも決してハッピーエンドとは呼べない描かれ方となっており、このようなTV版からの変化は、現在でもファンの間では賛否両論となっている。一応、TV版も話の骨格、設定、ギャグに隠れた端々の描写はシリアスかつ重め(救助に行った火星の人々を結局自分たちで押し潰さなければならなかった場面などもあった)なのだが本筋からギャグを抜いた結果、劇場版はひたすら重い雰囲気になってしまった。
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明るいノリが特徴だったTV版とは打って変わって(ギャグ描写自体は存在するものの)暗くシリアスな展開となっている。特筆すべきは、'''TV版の主人公で明るく純情な青年だった[[テンカワ・アキト]]が自分の五感、そして妻である[[ミスマル・ユリカ]]を奪われたことから冷徹な復讐鬼と化してしまう'''ことである。エンディングも決してハッピーエンドとは呼べない描かれ方となっており、このようなTV版からの変化は、現在でもファンの間では賛否両論となっている。<br>
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佐藤監督は上映後に反響がある事は予想していたが、劇場版制作が決定した時点で「TV版のままだとアキトが人間的な成長を全くしないで終わっているのは可哀想だな」と思った事で、こういった路線の物語にする事は最初から決めていたと語っている。
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TV版も話の骨格、設定、ギャグに隠れた端々の描写はシリアスかつ重め(救助に行った火星の人々を結局自分たちで押し潰さなければならなかった場面などもあった)なのだが、劇場版ではアキト周辺の背景は特にギャグを薄めたため、シリアスな要素がより強まっている。
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TV版から劇場版へ至る3年間の空白に関しては、[[小説]]『機動戦艦ナデシコ ルリ AからBへの物語』とゲーム『機動戦艦ナデシコ The blank of 3 years』にて双方、多少の差異があるもののキチンと劇場版に繋がるように描かれている。後者は恋愛シミュレーションであるが、各キャラクターの掘り下げがかなり丁寧に行われているため、プレイヤーからの評価は高い。
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TV版から劇場版へ至る3年間の空白に関しては、[[小説]]『機動戦艦ナデシコ ルリ AからBへの物語』とゲーム『機動戦艦ナデシコ The blank of 3 years』にて双方、多少の差異があるもののキチンと劇場版に繋がるように描かれている。後者は恋愛シミュレーションであるが、各キャラクターの掘り下げがかなり丁寧に行われているため、プレイヤーからの評価は高い。<br>
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また、「BからCへの物語」の時系列が佐藤監督自らが手掛けた小説版の刊行も予定されていたがこちらは中止となってしまっている。佐藤監督の手元に残っていたデータから途中までは書かれた『機動戦艦ナデシコ・ノベルテ+』にて一部が収録されている(アキトとユリカの表向きの死亡後、ルリがミナトに引き取られ、大磯ロングビーチでサブロウタがルリのガードの為に初接触を計った頃まで)。
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本来は更なる続編が予定されており<ref>[http://dragonbrave.blog49.fc2.com/blog-category-5.html サトウタツオ通信_diary] 2020年3月12日閲覧。</ref>、バッドエンドに見える終わり方は次の物語へ続ける意図があったからとも推測される。小説版の刊行も中止となってしまったが、『機動戦艦ナデシコ・ノベルテ+』にて一部が収録されている。
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本来は更なる続編が予定されており<ref>[http://dragonbrave.blog49.fc2.com/blog-category-5.html サトウタツオ通信_diary] 2020年3月12日閲覧。</ref>、バッドエンドに見える終わり方は次の物語へ続ける意図があったからとも推測される。
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また上映時間が80分と短いが人物描写が多く描かれている為、作画スタッフからは「もっとメカに愛を」と訴えられたと佐藤監督は回顧している。
    
== 登場人物 ==
 
== 登場人物 ==
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