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==概要==
 
==概要==
国連地球防衛軍の長官。[[バーム星人]]に極端な敵意と偏見を持ち、その殲滅のためには手段を選ばない。そればかりか、本来ならば守るべき存在である[[民間人]]に対しても、非戦闘員というだけで「ベッドを塞ぐことしかできない無駄飯食らい」「犬以下の存在」「何千何万くたばろうと構わない」とまで言い放つ非情かつ傲慢な[[性格]]で、バーム星人打倒の名目で味方や民間人を巻き込む作戦を平然と行うことも多かった。バーム星の悪が[[オルバン大元帥]]であるなら、三輪は'''地球内部の悪'''に位置する人物と言える。
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[[地球連邦軍|国連地球防衛軍]]の長官で、太平洋本部司令。
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その行動理念は[[地球]]をバーム星人の手から守ろうとするがゆえと言えなくもなく、彼の主張にも頷ける部分が多少は存在するが、結局は自分だけが地球を救う英雄になろうとする野心で動いている面が強い。当然、[[竜崎一矢]]を始めとした[[ガードダイモビック]]の面々とは完全に相容れず、ほどなくして対立関係となる。
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極端なまでに先鋭的な軍事至上主義を掲げた危険思想の持ち主で、『[[闘将ダイモス]]』という作中において地球を守る軍事組織の中心人物でありながらも、数々の混乱や軋轢を巻き起こしていく事になる。
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第39話で自分の息のかかった五大国の国連代表と結託し、一矢を[[ダイモス]]のパイロットから更迭しようとするが失敗。逆に司令官の座を剥奪されてしまう。続く第40話では浮上した海底城に対し独断で攻撃に出るが、そこでも部下の生命を無視した命令や状況を理解しない無謀な攻撃を行ったために部下の信望を完全に失った上に敗北。さらには無抵抗のバーム星人を無差別に銃撃したことで一矢の怒りを爆発させてしまい、意識を失うまで殴られる羽目になる。そして、その直後にこれまでの行動を問われ、国連から逮捕状が出て完全に失脚。そのまま物語の舞台から姿を消す。
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現在でも、数多くのSF・ロボットのジャンルのみならず、アニメ作品その物のキャラクターの中において「'''敵よりも邪魔な味方の代表キャラ'''」という評価が根付いており、バーム星の悪が[[オルバン大元帥]]であるなら、三輪は'''地球内部の悪'''に位置する人物と言える。
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過激な発言から単なる危険人物に思われがちだが、バーム軍の侵攻で多大な被害が出たことに伴う地球側の反バーム感情もあってか軍人としては評価されているらしく、国連エール勲章なるものを授与されている。しかし、作中では三輪の勝手な行動のせいで地球側が窮地に陥ったケースもあり、バーム側からも「無能」呼ばわりされるなど、決して指揮官として有能というわけではない。その「無能」ぶりの極致と言える暴挙は、バーム星人に地球人への強い不信感を抱かせる大きな原因となった。
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=== 性格 ===
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一言で言うなら、非情かつ傲慢で独善的な[[性格]]をしたエゴイストで、軍隊を動かす指揮官としては「最悪」とも言える人物。
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物語の戦争は発端こそオルバン大元帥らの謀略であったが、戦いが長引いてしまったのは彼の数々の所業のためと言っても過言ではなく<ref>実際、原作終了後の設定である『[[スーパーロボット大戦MX|MX]]』では[[夕月京四郎|京四郎]]の「素直に反省する男だったら、バーム戦争はもっと早く終わってた」という台詞が示す通り、バーム戦争が長期化した元凶とみなされている。</ref>、「'''敵よりも邪魔な味方の代表キャラ'''」という評価も根付いている。また、かたくなに敵の殲滅にこだわり、一矢たちのように戦い以外での解決手段を見つけられないその姿勢を逆に哀れまれることもある。実際、『ダイモス』のロマンアルバムでは「'''戦うことしかできないあわれな人だった'''」と解説された。
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本来なら[[民間人|市民]]を守る為に行動しなければならない立場にある軍人でありながら、非戦闘員というだけで民間人を「ベッドを塞ぐことしかできない無駄飯食らい」「犬以下の存在」「何千何万くたばろうと構わない」とまで言い放ち、敵の排除を大義名分にする形で味方や民間人を巻き込む作戦の指揮を平然と行う事も多かった。また、自分の意にそぐわない者に対しては、やはり軍人も民間人を問わずに二言目には「非国民」と罵り喚き散らすヒステリックぶりを見せ、時には敵の罠を利用してでも追い落とそうとまで画策する等、この時点で既に軍人どころか人としても逸脱した危険思想の持ち主となっている。地球に侵略を仕掛けてきた[[バーム星人]]に対しても極端な敵意と偏見を持ち、その殲滅の為にも手段を選ぼうとしない。
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一方、バーム軍の侵攻で多大な被害が出たことに伴う地球側の反バーム感情もあってか軍人としては評価されているらしく、「国連エール勲章」なるものを授与されている。その行動理念は[[地球]]をバーム星人の手から守ろうとするが故と言えなくもなく、彼の主張にも頷ける部分が多少は存在するが、作戦は常に自分の保身を優先させている点からも、結局は自分だけが地球を救う英雄になろうとする野心で動いている面が強い。また、作中では「バーム側の侵略よりも三輪の勝手な行動のせいで地球側が窮地に陥ったケース」も少なく、敵対しているバーム側にすらも「無能」呼ばわりされる等、決して指揮官として有能というわけではない。その「無能」ぶりの極致と言える暴挙の数々は、[[リヒテル]]を始めとする[[バーム星人]]達に地球人への強い不信感を抱かせる大きな原因となり、また地球側でも三輪長官の無茶苦茶なやり方によって、数多くの犠牲者を出す要因となってもいる。
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物語の戦争は発端こそオルバン大元帥らの謀略であったが、戦いが長引いてしまったのは彼の数々の所業のためと言っても過言ではなく<ref>実際、原作終了後の設定である『[[スーパーロボット大戦MX|MX]]』では[[夕月京四郎|京四郎]]の「素直に反省する男だったら、バーム戦争はもっと早く終わってた」という台詞が示す通り、バーム戦争が長期化した元凶とみなされている。</ref>、また、かたくなに敵の殲滅にこだわり、一矢たちのように戦い以外での解決手段を見つけられないその姿勢を逆に哀れまれることもある。実際、『ダイモス』のロマンアルバムでは「'''戦うことしかできないあわれな人だった'''」と解説された。
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=== 劇中の様相 ===
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第1話より登場。地球への侵略を開始したバーム軍によって防衛軍が壊滅的被害を受けた事で、火星から地球に向けて帰還する途中であった[[ガードダイモビック]]に救援を要請し、この頃は軍人としてまともな面を見せていた。しかし、第3話あたりになってから徐々に過激な言動を見せる様になり、ガードダイモビックが保護した少女である[[エリカ]]の正体がバーム星人である事実が判明したのを機に対立の兆しが悪化し、特に[[ダイモス]]のメインパイロットを務める[[竜崎一矢]]とは完全に相容れない関係となった。
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以降は自らの使命感というよりも醜い野心に従う形で、バーム星人との戦いで冷酷な殲滅主義に基づいた作戦を展開していく事になるが、常に自らの手柄と自己保身を最優先とし、時には自らが手柄を得る為の機会を増やす為に戦いを意図的に長引かせるよう仕向ける事もあった為、一矢だけでなく[[和泉振一郎]]や[[夕月京四郎]]からも反感を買っていく事になり、特に京四郎からは殴られる事さえもあった。そして、地球との和平を望んでいた平和勢力の中心人物だったバランドークを「バーム星人であるから」という理由だけで射殺する外道な所業を見せた結果、ダイモビックの面々とは決定的な敵対関係となった。
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第38話では、一矢をパイロットから更迭しダイモスを接収するべく、自分の息のかかった五大国の国連代表と結託。一矢を強引に自身の管轄下にある基地へと連行し、凄惨な暴行を行う等、徹底的に追い詰めていき、第39話の一矢を対象とした査問では、その情報を聞きつけた[[ゲロイヤー]]が送り付けた一矢とバーム星が結託している事を暗示した密書の内容を鵜呑みにする形で一矢を反逆者に指名し、ダイモスのパイロット解任へと追い込む<ref>状況やタイミングから考えてもあからさまにおかしい為、三輪は密書の内容が偽りと知った上で利用した可能性もある。</ref>。しかし、ニュージャーランドのバンクスを始めとする多くの小国の代表達が、再査問を求める為に駆け付け、更にはこれまでの自身や小国の意見を蔑ろにしてきた五大国の専横ぶりを指摘され、和平を求めるバーム星人達の存在も明確になった結果、逆に自身の司令官の座を剥奪されてしまう事になった。
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しかし、続く第40話では、既に司令官の地位を解任となっていながら、勝手に軍を動かす形で浮上した海底城に対し総攻撃を仕掛けるが、ダイモス無しの戦力での敵拠点の攻略が成功するはずもなく、部下の生命を軽視した命令や状況を理解しない無謀な攻撃を続けた結果、部下の信望を完全に失った上に敗戦。その後も戦える状態では無くなった無抵抗のバーム星人達を無差別に機銃で銃撃した事で、遂に一矢の怒りを爆発させてしまい、自らの銃撃にも怯まない彼に意識を失うまで殴られる羽目になる。その直後にこれまでの行動を問われ、国連から逮捕状が出て完全に失脚。そのまま物語の舞台から姿を消す末路となった。
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『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』の作者である長谷川裕一の執筆した漫画『ゴッドバード』では、バーム星人との戦争後に戦争犯罪者として国連刑務所に投獄された。こちらでは'''完全な悪役'''として描かれる事になり、更には[[バラオ|人間である事を捨てて人外の存在にまで堕ちてしまう事]]になっている。
    
==登場作品と役柄==
 
==登場作品と役柄==
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