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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[ネオ・ジオン]]軍が開発した[[量産型]][[モビルスーツ]]。
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[[ネオ・ジオン]]軍が開発した[[量産型]]の重火力[[モビルスーツ]]。
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ベースは[[地球連邦軍]]が開発した『'''ORX-013 ガンダムMk-V'''』であり、武装などは[[サイコガンダムMk-II]]を参考にしている。
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[[第1次ネオ・ジオン抗争]]を引き起こしたネオ・ジオンであったが、地球圏到達前の[[アクシズ]]での内紛や[[グリプス戦役]]の影響によって人的資源が不測の状態に陥っており、[[地球連邦軍]]側に比べて[[パイロット]]達の練度に関しても難を抱えていた。更に[[エゥーゴ]]側の開発した多機能・高火力の最新鋭機である[[ΖΖガンダム]]を相手には、複数の最新鋭機を投入しても太刀打ち出来ない状態となっており、その為に単機で高性能かつ多機能の機体を新たな主力機とする事で、エゥーゴ・連邦軍との軍事力・兵力の差をカバーしようとした結果、本機が開発されるに至っている。
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火力重視の設計で、全身にビーム系、実弾系多数の武装を備え、また準[[サイコミュ]]であるインコムも装備されている。スラスターを多数搭載しているため、その重量とは裏腹に機動力も非常に高い。しかしその設計故に操縦系統が複雑化しており、[[パイロット]][[技量]]が要求される機体となっている。
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本機開発の為に選ばれたベース機は、皮肉にも敵対する連邦軍の象徴的なモビルスーツである[[ガンダムタイプ]]の機体『'''ORX-013 ガンダムMk-V'''』であり、これはニュータイプ研究所所員であるローレン・ナカモト博士がネオ・ジオンに亡命した際に持ち込まれた機体である。各種武装に関しては、これもまたアクシズがグリプス戦役時のどさくさに紛れて鹵獲した[[サイコガンダムMk-II]]が参考にされ、全身にビーム系、実弾系多数の武装を豊富に備え、またMk-Vに装備されていた準[[サイコミュ]]であるインコムも装備されている。指揮官機にのみ隠し腕が装備されており、腕部ユニットを射出すると下から現れるようになっている。重武装の機体の為に重量に関しても並のモビルスーツを大きく上回っているが、バックパックに大型の高出力スラスター、脚部にラウンドスラスターの他、機体全体にも17基というサブスラスターを搭載した結果、その重量とは裏腹に機動力も非常に高い。
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その設計故に操縦系統が複雑化しており、パイロットの[[技量]]が要求される機体となってしまっている。また、本来なら量産に向かない機体だが、戦局的に決して有利では無かった状態であった為に、コンペディションでは同時期に完成し、生産性に優れていた[[ザクIII]]に勝利する形で本機が量産機として採用されている。しかし、製造コストの高騰化や[[グレミー・トト]]の反乱の影響で生産を行うアクシズが制圧されてしまった結果、結局少数の生産に留まってしまっており、生産された機体の中には一度も戦場に投入されないままアクシズ内に放棄された機体もあったとされる。
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なお、本機と同様にガンダムタイプの機体をベースとして開発されたネオ・ジオンの量産機に、[[バウ]]が存在する(ベース機は、[[Ζガンダム]])。
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後に、[[火星]]を拠点とするマーズジオンでは、本機をベースとし、ザクIIIとパーツを一部共有化させた機体である'''リーベン・ヴォルフ'''が開発され、更にその機体に[[ゲーマルク]]のコンセプトも取り入れた'''フェンリス・ヴォルフ'''も開発されている。
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また、終戦後にアクシズに放棄されたいた数機の機体が地球連邦軍に接収され、それを[[アナハイム・エレクトロニクス]]によって'''シルヴァ・バレト'''へと改修されている。
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=== 『袖付き』仕様 ===
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ラプラス事変(『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』)が描かれる[[漫画]]『[[機動戦士ガンダムUC|機動戦士ガンダムUC バンデシネ]]』に登場。
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ネオ・ジオンの残党勢力である「[[袖付き]]」で使用されている機体であるが、本格的な量産が始まる前に、生産を行っていたアクシズがグレミー軍に占拠され、そのまま終戦を迎えてしまった結果、残存している機体は非常に少ない。元々高性能・多機能の機体であった為か、特別な改修はされずに運用されているらしいが、カラーリングはネイビーブルーに変更されており、両腕と胸部には袖付きの証であるエングレービングが施されている。
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指揮官機にのみ隠し腕が装備されており、腕部ユニットを射出すると下から現れるようになっている。
      
=== 劇中での様相 ===
 
=== 劇中での様相 ===
ドーベン・ウルフは[[ラカン・ダカラン]]率いるスペース・ウルフ隊に配備され、[[マシュマー・セロ]]の[[ザクIII改]]を撃破し[[キャラ・スーン]]の[[ゲーマルク]]を圧倒するなど高い戦果を挙げている。しかし、スペース・ウルフ隊はラカン機を残して全滅し、ラカン機も[[ジュドー・アーシタ]][[フルアーマーΖΖガンダム]]によって撃破されている。
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[[ラカン・ダカラン]]率いる'''スペース・ウルフ隊'''に6機配備されているが、「地球の支配権を譲る」というグレミーの甘言にラカンが乗ってしまった結果、機体ごとグレミー軍へと寝返る事態となっており、以降はグレミー軍の主力機として運用される事になる。
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[[マシュマー・セロ]]の[[ザクIII改]]を撃破し、[[キャラ・スーン]]のゲーマルクを圧倒する等、高い戦果を挙げているが、マシュマー戦では油断した結果、一矢報いようとしたマシュマーによって両機の幾つかが道連れにされ、キャラ戦でもマシュマーの仇討ちに燃える彼女のゲーマルクによる猛攻でスペース・ウルフ隊はラカン機を残して全滅。ラカン機も[[ジュドー・アーシタ]]の[[フルアーマーΖΖガンダム]]によって撃破される末路となった。
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ラプラス事変時に登場した『袖付き』仕様の機体は、パラオの防衛用モビルスーツとして配備されており、また地球連邦軍に接収された上で回収されたシルヴァ・バレトには、[[ガエル・チャン]]が搭乗して、[[フル・フロンタル]]の駆る[[ネオ・ジオング]]と交戦している。
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[[漫画]]『[[機動戦士ガンダムUC|機動戦士ガンダムUC バンデシネ]]』ではネオ・ジオン軍残党「[[袖付き]]」に所属していた機体が登場。両腕と胸部に袖のマークが施された他、青色を基調としたカラーリングに変更されている。
      
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==