差分

4,344 バイト追加 、 2024年1月16日 (火)
2行目: 2行目:     
== 概要 ==
 
== 概要 ==
おおまかな定義としては、1号ロボ(主役ロボ)の腕部や脚部・頭部などに2号機ロボやサポートメカが装甲パーツの形態に変形し装着され「1号ロボに武具を着せた強化形態」となるものを指し、装甲パーツに変形する側のロボットが一度各部分を分解して装甲パーツへ再び組み直されるような変形を行うパターンが多くを占める(この際にいわゆる「余剰パーツ」が発生することもしばしばある)。足の裏に強化パーツが付けられる場合、外見的に「主役ロボに履かせる靴」のような状態となり、慣用句の「下駄を履かせる」と掛け合わせて下駄合体と揶揄されることもある(もちろん「下駄」の無い合体ではそう呼ばれない)。
+
おおまかな定義としては、'''1号ロボ(主役ロボ)の腕部や脚部・頭部などに2号機ロボやサポートメカが装甲パーツの形態に変形し装着され「1号ロボに武具を着せた強化形態」となる'''ものを指し、装甲パーツに変形する側のロボットが一度各部分を分解して装甲パーツへ再び組み直されるような変形を行うパターンが多くを占める(この際にいわゆる「余剰パーツ」が発生することもしばしばある)。足の裏に強化パーツが付けられる場合、外見的に「主役ロボに履かせる靴」のような状態となり、慣用句の「下駄を履かせる」と掛け合わせて下駄合体と揶揄されることもある(もちろん「下駄」の無い合体ではそう呼ばれない)。
    
ただし上記以外のパターンでの合体<ref>2号ロボをバックパックとして背負って合体、それぞれ上半身と下半身に変形して合体、などなど。</ref>でも'''「主役ロボを含めたロボ同士が合体」していればグレート合体・スーパー合体'''と呼ばれることが多い。
 
ただし上記以外のパターンでの合体<ref>2号ロボをバックパックとして背負って合体、それぞれ上半身と下半身に変形して合体、などなど。</ref>でも'''「主役ロボを含めたロボ同士が合体」していればグレート合体・スーパー合体'''と呼ばれることが多い。
14行目: 14行目:  
ちなみに「余剰パーツ」に関しては、劇中では自動操縦で拠点に帰還していたり、ロボの内部に収納されていたりなどの設定が付加されることもあれば、特に理由なく消える(所謂'''大人の事情''')こともあるなど作品によってまちまち。
 
ちなみに「余剰パーツ」に関しては、劇中では自動操縦で拠点に帰還していたり、ロボの内部に収納されていたりなどの設定が付加されることもあれば、特に理由なく消える(所謂'''大人の事情''')こともあるなど作品によってまちまち。
   −
== 起源 ==
+
== 起源 ==
このような形式の合体は、1988年放映の特撮作品(東映の「スーパー戦隊シリーズ」)『超獣戦隊ライブマン』に登場する「スーパーライブロボ」及び、同年放映のアニメ作品『トランスフォーマー 超神マスターフォース』(スパロボ未参戦)に登場する「ゴッドジンライ」が最初に行ったとされる。
+
このような形式の合体は、1988年放映の特撮作品(東映の「[[スーパー戦隊シリーズ]]」)『超獣戦隊ライブマン』に登場する「スーパーライブロボ」及び、同年放映のアニメ作品『トランスフォーマー 超神マスターフォース』(スパロボ未参戦)に登場する「ゴッドジンライ」が最初に行ったとされる。
    
なお元祖が「スーパー」ライブロボであり、またそこから三年連続で戦隊ロボの最終合体に「スーパー○○」という名称が使われた(以後も「スーパー○○」という戦隊ロボが多数登場した)こと、一方で[[勇者シリーズ]]では初代の『[[勇者エクスカイザー]]』~『[[勇者特急マイトガイン]]』まで四年連続で「グレート○○」が登場したことから、'''「スーパー合体」は戦隊シリーズの、「グレート合体」は勇者シリーズの強化合体を指す'''という呼び分けが為されることもある<ref>先述の通り「グレート合体」形式の登場自体は勇者シリーズの誕生前であるが、それまで特に名称の存在しなかった強化パターンが勇者シリーズによって「グレート合体」と定義された、とも言える。</ref>。どちらのシリーズにも属さないロボットの場合はどちらの呼び方も使われる傾向にある。
 
なお元祖が「スーパー」ライブロボであり、またそこから三年連続で戦隊ロボの最終合体に「スーパー○○」という名称が使われた(以後も「スーパー○○」という戦隊ロボが多数登場した)こと、一方で[[勇者シリーズ]]では初代の『[[勇者エクスカイザー]]』~『[[勇者特急マイトガイン]]』まで四年連続で「グレート○○」が登場したことから、'''「スーパー合体」は戦隊シリーズの、「グレート合体」は勇者シリーズの強化合体を指す'''という呼び分けが為されることもある<ref>先述の通り「グレート合体」形式の登場自体は勇者シリーズの誕生前であるが、それまで特に名称の存在しなかった強化パターンが勇者シリーズによって「グレート合体」と定義された、とも言える。</ref>。どちらのシリーズにも属さないロボットの場合はどちらの呼び方も使われる傾向にある。
22行目: 22行目:     
== 関連するユニット ==
 
== 関連するユニット ==
 +
=== [[勇者シリーズ]] ===
 +
;[[グレートエクスカイザー]]
 +
:[[ドラゴンカイザー]]を構成するドラゴンジェットが各部パーツに分解され、[[キングエクスカイザー]]に装着されることで完成。
 
;[[グレートマイトガイン]]
 
;[[グレートマイトガイン]]
 
:[[マイトガイン]]に[[マイトカイザー]]が分離したカイザーパーツが合体して完成。ただし設定上はマイトガイン用の強化パーツだったものを、2号ロボマイトカイザーに変形合体できるようにしたという特殊なパターン。
 
:[[マイトガイン]]に[[マイトカイザー]]が分離したカイザーパーツが合体して完成。ただし設定上はマイトガイン用の強化パーツだったものを、2号ロボマイトカイザーに変形合体できるようにしたという特殊なパターン。
 +
;[[ファイヤージェイデッカー]]
 +
:[[デュークファイヤー]]が各部装甲パーツに分離し、[[ジェイデッカー]]に装着されることで完成。
 +
 +
=== [[エルドランシリーズ]] ===
 
;[[ゴッドライジンオー]]
 
;[[ゴッドライジンオー]]
 
:2号ロボの[[バクリュウオー]]が各部装甲パーツに分解され、コアとなる[[ライジンオー]]に装着されることで完成。
 
:2号ロボの[[バクリュウオー]]が各部装甲パーツに分解され、コアとなる[[ライジンオー]]に装着されることで完成。
34行目: 41行目:  
;[[パーフェクトダイテイオー]]
 
;[[パーフェクトダイテイオー]]
 
:[[ダイテイオー]]と[[ダイリュウオー]]の合体により完成。
 
:[[ダイテイオー]]と[[ダイリュウオー]]の合体により完成。
 +
 +
=== その他 ===
 
;[[アルティメットグラヴィオン]]
 
;[[アルティメットグラヴィオン]]
:[[ゴッドΣグラヴィオン]]が4つの強化パーツに分解され、[[ソルグラヴィオン]]に装着されることで完成。現時点では合体攻撃演出でのみの登場。
+
:[[ゴッドΣグラヴィオン]]が4つの強化パーツに分解され、[[ソルグラヴィオン]]に装着されることで完成。1号メカ(正確にはそのカラーバリエーション)を構成するマシンが2号メカに合体して完成する変則パターン。
 +
;[[シンカリオン E5 MkII × ALFA-X]]
 +
:[[シンカリオン E5はやぶさ MkII]]<ref>変形前の中間車の一部である「上空探査機ハヤブサ」も合体に参加。</ref>が強化パーツに分解され、シンカリオン ALFA-Xに装着されることで完成。
 +
:はやぶさ MkIIは珍しく、共通の合体機構「オーバークロス合体」に複数の組み合わせが存在する<ref>一例として、合体形態自体はSRW未参戦だが[[ブラックシンカリオン 紅]]との合体形態「シンカリオン E5 MkII × ブラックシンカリオン紅」も作中で登場している。</ref>が、ALFA-Xとの合体はALFA-X側の変形システムが従来と違うため方式が異なる。
 
;[[グリッターファルセイバー]]
 
;[[グリッターファルセイバー]]
 
:[[ファルセイバー]]と[[ブルーヴィクター]]の合体により完成。
 
:[[ファルセイバー]]と[[ブルーヴィクター]]の合体により完成。
41行目: 53行目:  
== 余談 ==
 
== 余談 ==
 
*前述の通り『超獣戦隊ライブマン』に登場する「スーパーライブロボ」がグレート合体(スーパー合体)の始まりとされているが、当番組において2号ロボとの合体は番組強化方針のための[[テコ入れ]]の一つであり後付け設定でもあった。
 
*前述の通り『超獣戦隊ライブマン』に登場する「スーパーライブロボ」がグレート合体(スーパー合体)の始まりとされているが、当番組において2号ロボとの合体は番組強化方針のための[[テコ入れ]]の一つであり後付け設定でもあった。
**そもそも1号ロボ「ライブロボ」は強化合体を想定していないデザインだったために2号ロボ「ライブボクサー」の変形・合体パターンの考案は困難を極めたが、ライブロボ側に合体時には空いているジョイント(合体前の小メカ状態で使用しているもの)があったお陰で、そこに分離させたライブボクサーのパーツを合体させることで解決した。
+
**そもそも1号ロボ「ライブロボ」は強化合体を想定していないデザインだったために2号ロボ「ライブボクサー」の変形・合体パターンの考案は困難を極めたが、ライブロボ側に合体時には空いているジョイント(合体前の小メカ状態で使用しているもの)があったお陰で、そこに分離させたライブボクサーのパーツを合体させることで解決した。半ば無理くりに設計されたこともあり、玩具のライブボクサーのプロポーションは劇中のそれとは大きくかけ離れたものとなってしまっている<ref>合体時に殆ど見えない部分になる腕部が小さく、胴体部、脚部が大きい。また頭部も番組内と玩具では大きさが逆転している。</ref><ref>これは2018年に開発された「スーパーミニプラ」でも解決できていないが、開発者の発言などからすると「敢えて当時の玩具らしさを残した」とも解釈できる。</ref>。合体パターンにはバンダイが同時期に展開していた『聖闘士星矢』の玩具シリーズ「聖闘士聖衣体系」を参考とすることで「2号ロボ及びサポートメカが1号ロボの強化パーツとなる」という定番パターンが確立された。
**ただしその代償として、玩具のライブボクサーのプロポーションは非常にずんぐりむっくりとしたものになってしまった<ref>合体時に殆ど見えない部分になる腕部が小さく、胴体部、脚部が大きい。また頭部も番組内と玩具では大きさが逆転している。</ref><ref>これは2018年に開発された「スーパーミニプラ」でも解決できていない。</ref>。
+
**SRWに参戦した『[[機界戦隊ゼンカイジャー]]』の1号ロボ[[ゼンカイオージュラガオーン]]も、ライブロボ同様に強化合体を想定していないデザインであり、そちらは追加メカの「ゼンリョクイーグル」に合体機構を依存している。
***合体パターンには当時大流行していた漫画及びアニメ『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』に登場する星座を模ったオブジェから装着者の鎧へと変形する「聖衣(クロス)」のイメージを参考とすることで<ref>ちなみに聖闘士星矢・スーパー戦隊シリーズ共にバンダイから玩具が発売されている。</ref>、「2号ロボ及びサポートメカが1号ロボの強化パーツとなる」という黄金パターンが編み出された。
+
*『[[勇者シリーズ]]』においてはこのグレート合体が通例となっていたが、『[[勇者王ガオガイガー]]』のみ2号ロボとのグレート合体が行われなかった。これは米たにヨシトモ監督による「合体を繰り返すと1号ロボの存在感が弱くなるから」という意向によるものであり、強化も動力系の改良や宇宙用換装パーツを装着する程度に留められた。ちなみDVD-BOXの解説によると企画当初は[[ガイガー]]の時点で主役ロボットが完成していることから「ガオガイガーこそが既にグレート合体である」とされている。
 +
*グレート合体の名前がいつ頃から使われだしたかは定かではないが、1998年発売のタカラ開発の恋愛ボードゲーム『ツアーパーティー 卒業旅行にいこう』では作中の登場人物・大淀大輔が「グレート合体シリーズ」と呼ぶ台詞がある<ref>直後に「あのギミックはもうゲージツだよ」とも。</ref>。
 +
*玩具における再現に関しては、余剰パーツが発生する場合が多く特に1号ロボの武器や盾が余りがちな傾向にある。
 +
**プロポーションについても2号ロボを纏わせるため上半身と下半身の比率が上半身に偏っている事も多い。
 +
*当時タカラにて『勇者シリーズ』の主役ロボと、そのパワーアップに関わる合体ロボを担当していた國弘高史氏は強化合体のパターンは一目で強くなったと判るデザインを意識していたとのこと<ref name="フィギュア王">ワールドフォトプレス『フィギュア王No.271』42頁。</ref>
 +
**その理由として『[[絶対無敵ライジンオー]]』の[[ゴッドライジンオー]]をアニメで見たときに、上述のように細かい変化では作画で省略されてしまうと判ったからとのこと。そのため翌年の『伝説の勇者ダ・ガーン(SRW未参戦)』のグレートダ・ガーンGXは胸部にライオンの頭をつけ、腕は何も付けなかったが、逆にグレートマイトガインやファイヤージェイデッカーのときは胸に巨大なパーツを付けて、「これなら省略できないだろうと(笑)」と思ったとのこと<ref name="フィギュア王"/>。
 +
*[[フルパワーグリッドマン]]や[[ガイキング・ザ・グレート]]は厳密にはグレート合体には数えられないが、合体演出や設定はグレート合体のそれを踏襲している。
 +
*「主役ロボの強化形態」ではないためグレート合体と扱われないが、合体の構成としては[[ダンクーガ]]も同じ方式となっている。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
843

回編集