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{{登場人物概要
 
{{登場人物概要
| 外国語表記 = [[外国語表記::Patrick Zala]]
   
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]]
 
*{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムSEED}}
 
*{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムSEED}}
 
| 声優 = {{声優|有本欽隆}}
 
| 声優 = {{声優|有本欽隆}}
 
| キャラクターデザイン = {{キャラクターデザイン|平井久司}}
 
| キャラクターデザイン = {{キャラクターデザイン|平井久司}}
| 初登場SRW = {{初登場SRW (人物)|第3次スーパーロボット大戦α}}
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| 初登場SRW = {{初登場SRW (人物)|第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ}}
 
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いずれの作品でも、原作通り[[ナチュラル]]の抹殺に拘っており、また、自分達[[コーディネイター]]の力を盲信するが故か、参戦するたびに[[異星人]]等の人外の脅威をあまりに軽視しすぎる発言が見られており、[[ブルーコスモス]]以上に空気の読めない傍迷惑な指導者としての印象が強く半ばネタキャラと化している感もある。もっとも彼の場合、原作の時点で「ナチュラルを殲滅できるなら地球を滅ぼそうが同朋たるコーディネイターが巻き添えになろうが構わない」という思想の持ち主であったため、地球や人類を防衛しようという考え自体をそもそも持ち合わせていないのだろう。
 
いずれの作品でも、原作通り[[ナチュラル]]の抹殺に拘っており、また、自分達[[コーディネイター]]の力を盲信するが故か、参戦するたびに[[異星人]]等の人外の脅威をあまりに軽視しすぎる発言が見られており、[[ブルーコスモス]]以上に空気の読めない傍迷惑な指導者としての印象が強く半ばネタキャラと化している感もある。もっとも彼の場合、原作の時点で「ナチュラルを殲滅できるなら地球を滅ぼそうが同朋たるコーディネイターが巻き添えになろうが構わない」という思想の持ち主であったため、地球や人類を防衛しようという考え自体をそもそも持ち合わせていないのだろう。
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『[[スーパーロボット大戦W|W]]』ではコーディネーター同様に遺伝子改良を世代を跨ぎ行い続ける組織である[[草壁春樹]]率いる[[木連]](及び追放後の彼の率いるクーデター軍である[[火星の後継者]])と結託している。
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『[[スーパーロボット大戦W|W]]』ではコーディネーター同様に世代を跨いで遺伝子改良を続ける組織である[[草壁春樹]]率いる[[木連]](及び追放後の彼の率いるクーデター軍である[[火星の後継者]])と結託している。
    
=== [[αシリーズ]] ===
 
=== [[αシリーズ]] ===
;{{参戦作品 (人物)|第3次スーパーロボット大戦α}}
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;{{参戦作品 (人物)|第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ}}
:[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』の[[シャア・アズナブル|シャア]]の反乱には同調せず、[[サイコフレーム]]が見せた人の心の光を見て地球への宣戦を取り止めていたが、[[血のバレンタイン]]を契機に[[地球]]に対して宣戦。基本的には原作と役回りは同じ。
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:初登場作品。『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』の[[シャア・アズナブル|シャア]]の反乱には同調せず、[[サイコフレーム]]が見せた人の心の光を見て地球への宣戦を取り止めていたが、[[血のバレンタイン]]を契機に[[地球]]に対して宣戦。基本的には原作と役回りは同じ。
:…とはいえ、原作と違い外宇宙に歴代スパロボでも屈指の強敵を抱えている『第3次α』の状況で戦いを挑むのは空気を読めてないといえる。しかも[[星間連合]]と結託してまで地球を攻撃する始末。最大の脅威である[[宇宙怪獣|STMC]]とその対抗兵器である[[ブラックホール爆弾|BMIII]]の情報は得ていたが、その詳細は全く把握していなかったと言ってもよく、見当外れな発言がやたらと目立った。
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:…とはいえ、原作と違い外宇宙に歴代スパロボでも[[バッフ・クラン|屈指の]][[プロトデビルン|強敵を]][[宇宙怪獣|抱えて]][[ソール11遊星主|いる]][[ムゲ・ゾルバドス帝国|『第3次α』の]][[ゼ・バルマリィ帝国|状況]]で戦いを挑むのは空気を読めてないといえる。しかも[[星間連合]]と結託してまで地球を攻撃する始末。最大の脅威である[[宇宙怪獣|STMC]]とその対抗兵器である[[ブラックホール爆弾|BMIII]]の情報は得ていたが、その詳細を全く把握していなかったと言ってもよく「対プラント用の兵器としての役割を兼ねている」と判断する<ref>実際はプラントはおろか地球圏がまとめて消滅してしまうレベルの兵器であり、この時点でSTMCという脅威に対する無理解ぶりが現れている。</ref>など見当外れな言動がやたらと目立った。
    
=== 携帯機シリーズ ===
 
=== 携帯機シリーズ ===
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:期間限定イベントでは、「大決戦! 地球を守る戦士たち」の第3章「集結する力」にて、ジェネシスを用いた謀略をアスランに公表されて失脚していた。
 
:期間限定イベントでは、「大決戦! 地球を守る戦士たち」の第3章「集結する力」にて、ジェネシスを用いた謀略をアスランに公表されて失脚していた。
 
;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦DD}}
 
;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦DD}}
:1章Part8より登場するNPC。
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:1章Part8より登場するNPC。2章Part1で原作通りの末路を辿った。
    
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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:妻。[[血のバレンタイン事件]]で死去。レノアの死がパトリックのナチュラルへの憎悪を掻き立てた。
 
:妻。[[血のバレンタイン事件]]で死去。レノアの死がパトリックのナチュラルへの憎悪を掻き立てた。
 
:レノアが死んでからもパトリックは彼女を愛しており、特にボンボン版では「レノアのいない世界に価値は無い」と思っている程、その愛は強い。しかし、彼女がナチュラルと交友関係を持っていた事を快くは思ってなかったらしくナチュラルに関する考え方には大きな隔たりがあった模様。
 
:レノアが死んでからもパトリックは彼女を愛しており、特にボンボン版では「レノアのいない世界に価値は無い」と思っている程、その愛は強い。しかし、彼女がナチュラルと交友関係を持っていた事を快くは思ってなかったらしくナチュラルに関する考え方には大きな隔たりがあった模様。
小説版では関係はむしろ冷めていたとされており、媒体によっては関係も微妙に違っていたりする。
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:小説版では関係はむしろ冷めていたとされており、媒体によっては関係も微妙に違っていたりする。
 
;[[アスラン・ザラ]]
 
;[[アスラン・ザラ]]
 
:息子であるはずなのだが、妻の死後は赤の他人同然で冷え切った関係となってしまう。幼い頃のアスランと在りし日の妻の写真を常に側に置いていた所を見ればわかるように、決して[[愛]]が無かったわけではない。だが、その不器用さ故に父親として接することができずにすれ違いを繰り返し、アスランがジャスティスをアークエンジェルに預けて父の真意を確認に訪れた際にはナチュラル殲滅を明言したため、激しい口論の末に銃撃までしてしまった。この件以降は決定的な決別に至っており、そのまま最期の時まで分かり合うことができなかった。スパロボ世界では数多の脅威が存在しているにも拘わらず[[ナチュラル]]殲滅の為に人類同士の争いを優先した事で、彼からは原作以上に失望されている。
 
:息子であるはずなのだが、妻の死後は赤の他人同然で冷え切った関係となってしまう。幼い頃のアスランと在りし日の妻の写真を常に側に置いていた所を見ればわかるように、決して[[愛]]が無かったわけではない。だが、その不器用さ故に父親として接することができずにすれ違いを繰り返し、アスランがジャスティスをアークエンジェルに預けて父の真意を確認に訪れた際にはナチュラル殲滅を明言したため、激しい口論の末に銃撃までしてしまった。この件以降は決定的な決別に至っており、そのまま最期の時まで分かり合うことができなかった。スパロボ世界では数多の脅威が存在しているにも拘わらず[[ナチュラル]]殲滅の為に人類同士の争いを優先した事で、彼からは原作以上に失望されている。
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==== その他 ====
 
==== その他 ====
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;カリダ・ヤマト
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:妻の親友で息子の子守も引き受けていた。ナチュラルとは言え「第一世代コーディネーターの親(実際は叔母)」なのだが、パトリックは彼女にすら嫌悪を抱き、息子が懐いている事に不快感を抱いていた。
 
;[[ジョージ・グレン]]
 
;[[ジョージ・グレン]]
 
:「ファーストコーディネイター」その人。『[[スーパーロボット大戦W|W]]』では本人と直接絡む場面はないが、その思想を彼から否定されている。
 
:「ファーストコーディネイター」その人。『[[スーパーロボット大戦W|W]]』では本人と直接絡む場面はないが、その思想を彼から否定されている。
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;[[三輪防人]]
 
;[[三輪防人]]
 
:『第3次α』では[[ジェネシス]]の第一次照射により、期せずして彼に引導を渡した。
 
:『第3次α』では[[ジェネシス]]の第一次照射により、期せずして彼に引導を渡した。
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:彼も「異星人を殲滅できるなら同朋たる地球人が巻き添えになろうが構わない」という、パトリックと全く同じ危険思想の持ち主であった。
 
;[[草壁春樹]]
 
;[[草壁春樹]]
 
:『[[スーパーロボット大戦W|W]]』では第1部でも第2部でも彼と手を結び、[[地球連合]]に対抗する。
 
:『[[スーパーロボット大戦W|W]]』では第1部でも第2部でも彼と手を結び、[[地球連合]]に対抗する。
 
;[[ハザード・パシャ]]
 
;[[ハザード・パシャ]]
:『[[スーパーロボット大戦UX|UX]]』ではパトリックが故人であるため絡みこそないもの、アスランと対峙した際に「パトリック・ザラの息子である貴様が言えた義理か」と反論する場面がある。
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:『[[スーパーロボット大戦UX|UX]]』ではパトリックが故人であるため絡みこそないもの、アスランと対峙した際に「パトリック・ザラの息子である貴様が言えた義理か」と反論する場面がある。…もっとも、アスランからは「だからこそ、二度と過ちを繰り返しはしない」とそれを跳ね除けられてしまうのだが。
:…もっとも、アスランからは「だからこそ、二度と過ちを繰り返しはしない」とそれを跳ね除けられてしまうのだが。
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:なお『UX』におけるハザードは、思想こそ大きく異なるものの「自らの野望のためにありとあらゆるものへ犠牲を強いる」「大量破壊兵器により同胞もろとも敵を殲滅しようとする」といったパトリックと全く同じ暴挙を行っており、アスランへの罵倒は完全にブーメランと化している。
    
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
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;「我等コーディネイターはもはや別の、新しい種です。ナチュラルと共にある必要はない」
 
;「我等コーディネイターはもはや別の、新しい種です。ナチュラルと共にある必要はない」
 
:同上。シーゲル・クラインと会議室で言い争った際の一言。コーディネイターの選民意識むき出しの発言であり、[[ブルーコスモス]]同様に、相手を「対等な人間」と見做していないことが窺える。
 
:同上。シーゲル・クラインと会議室で言い争った際の一言。コーディネイターの選民意識むき出しの発言であり、[[ブルーコスモス]]同様に、相手を「対等な人間」と見做していないことが窺える。
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:余談だが「地球人は既に自分たちとは別の種」という趣旨の台詞は[[宇宙世紀]]でも[[カラス|発言している者]]がいる。
 
;「これまでとて決して平坦な道のりではなかったのだ。今度もまた、必ず乗り越えられる。我等が叡知を結集すればッ!」
 
;「これまでとて決して平坦な道のりではなかったのだ。今度もまた、必ず乗り越えられる。我等が叡知を結集すればッ!」
 
:シーゲルから「第三世代の出生率が下がり続けているコーディネイターのどこが新たな種だ」と反論された際の発言。
 
:シーゲルから「第三世代の出生率が下がり続けているコーディネイターのどこが新たな種だ」と反論された際の発言。
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:[[第3次スーパーロボット大戦α|第3次α]]宇宙ルートより、[[ヤキン・ドゥーエ]]司令室内での[[アスラン・ザラ|アスラン]]との会話。全銀河的規模の危機よりも一個人の私怨を優先させるパトリックが、それらの脅威についてどの程度把握しているのか、物凄く疑わしい。
 
:[[第3次スーパーロボット大戦α|第3次α]]宇宙ルートより、[[ヤキン・ドゥーエ]]司令室内での[[アスラン・ザラ|アスラン]]との会話。全銀河的規模の危機よりも一個人の私怨を優先させるパトリックが、それらの脅威についてどの程度把握しているのか、物凄く疑わしい。
 
;「私とて人類の未来は考えている! その為にナチュラルを駆逐すると同時に、地球を防衛する為の兵器も用意している!」<br />「地球安全評議会のBMIIIとイージスの盾を合わせれば、人類を守る事も出来る!」
 
;「私とて人類の未来は考えている! その為にナチュラルを駆逐すると同時に、地球を防衛する為の兵器も用意している!」<br />「地球安全評議会のBMIIIとイージスの盾を合わせれば、人類を守る事も出来る!」
:どちらも[[プラント]]オリジナルの戦力でしたっけ? …と突っ込みを入れる間も無く、「その為には[[コーディネイター]]が地球の盟主になる必要が有る!」と怪気炎を上げ、何処までも己の私怨の正当性を訴えるのであった。そして、その双方やプラントの戦力を持ってしても銀河消滅の危機を乗り越えるにはまだ足りない。
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:まるでどちらも[[プラント]]オリジナルの戦力だとばかりの主張に加え、「その為には[[コーディネイター]]が地球の盟主になる必要が有る!」と怪気炎を上げ、何処までも己の私怨の正当性を訴えるのであった。そして、その双方やプラントの戦力を持ってしても銀河消滅の危機を乗り越えるにはまだ足りない。
 
;「見たか、ナチュラル共! これが我らの力だ!」<br />「このジェネシスと月のイージス…そして、BMIIIが有ればSTMCも恐れるに足らん!」
 
;「見たか、ナチュラル共! これが我らの力だ!」<br />「このジェネシスと月のイージス…そして、BMIIIが有ればSTMCも恐れるに足らん!」
 
:『第3次α』第51話「終わらない明日へ」より。[[ジェネシス]]の第一次照射で、[[三輪防人|三輪]]率いる主力艦隊を一掃した後にブチまけた地球防衛構想。既にイージスも[[ブラックホール爆弾|BMIII]]も己が手中に収めた気でいる皮算用発言が何とも痛々しいが、同時に[[宇宙怪獣|STMC]]の脅威について全く把握していない事を露呈してしまった。この後、またもや「コーディネイターこそ新たな人類!」と力説するものだから、もう余計に始末が悪い。
 
:『第3次α』第51話「終わらない明日へ」より。[[ジェネシス]]の第一次照射で、[[三輪防人|三輪]]率いる主力艦隊を一掃した後にブチまけた地球防衛構想。既にイージスも[[ブラックホール爆弾|BMIII]]も己が手中に収めた気でいる皮算用発言が何とも痛々しいが、同時に[[宇宙怪獣|STMC]]の脅威について全く把握していない事を露呈してしまった。この後、またもや「コーディネイターこそ新たな人類!」と力説するものだから、もう余計に始末が悪い。
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;「例のオルファンという遺跡、宇宙へ出たとの知らせがあった。どうやら巨大宇宙船でもあったらしい。ナチュラル共が乗り込んでいるという情報もある」
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;「そうなる前に破壊するのだ。地上もろともな」
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:『[[スーパーロボット大戦J|J]]』宇宙ルート第48話「終末の光 後編」より。浮上したオルファンを地球側の兵器と見做してジェネシスで地上諸共攻撃する事を指示する。もちろんオルファンが地球軍の兵器のはずはなく、オルファンにとってはとんだとばっちりなのだが、でっち上げである事を除けばプラントに対する脅威と認識しているだけ、他勢力の軽視が目立つ他作品の言動よりはマシ…かもしれない。
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;「地球連合軍、及び反乱艦エターナル。そして全ての地球上のナチュラルに告げる。傲慢なるナチュラルの暴挙を、我々は決して許しはしない」
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;「プラントに向かって放たれた核、これはもはや戦争ではない、虐殺だ! そのような暴挙を敢えて犯すナチュラルを、我々はもはや許しては置けない!」
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;「この度の戦いは我らが勝利した。だが、ナチュラルは新たな兵器、オルファンを持って再び宇宙をうかがっている!」
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;「私はここに宣言する、すぐに宇宙に飛び立ったオルファンが新たな驚異となる前に、先制攻撃を持ってこれを破壊すると!」
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:同上。改めて宣戦布告。言っている事自体は正論なところもあるが、特務分艦隊の面々から指摘されている通り核以上の大量破壊兵器を投入している時点で説得力はなく、自身もジェネシスでそのナチュラルの暴挙以上の破局をもたらそうとしている事には気づいていない様子。
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:ちなみに'''驚異'''は間違いで正しくは'''脅威'''である。
 
;「ならん! 各戦線がイバリューダーによって混乱している今こそが絶好の好機!」<br />「ジェネシスのニュートロンジャマーキャンセラーを起動させろ!」
 
;「ならん! 各戦線がイバリューダーによって混乱している今こそが絶好の好機!」<br />「ジェネシスのニュートロンジャマーキャンセラーを起動させろ!」
:『[[スーパーロボット大戦W|W]]』第2部第51話プラントで戦闘を止めるルート「進んだ道の先」より。[[イバリューダー]]の襲撃に対しても「これこそが好機」と考え、共闘はせず泳がせておく始末。当作においても、人外の脅威を軽視しすぎている事が窺える。
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:『[[スーパーロボット大戦W|W]]』第51話プラントで戦闘を止めるルート「進んだ道の先」より。[[イバリューダー]]の襲撃に対しても「これこそが好機」と考え、共闘はせず泳がせておく始末。当作においても、人外の脅威を軽視しすぎている事が窺える。
 
;「[[Zマスター|あんな化け物]]はどうとでもなる! 今はナチュラルどもを滅ぼすことが先決だ!」<br />「これは何のための戦争か! 連中を葬り去るまたとない機会だぞ!」
 
;「[[Zマスター|あんな化け物]]はどうとでもなる! 今はナチュラルどもを滅ぼすことが先決だ!」<br />「これは何のための戦争か! 連中を葬り去るまたとない機会だぞ!」
 
:『X-Ω』第3章第26話より。本作においても同胞のためだと豪語し、ジェネシスを[[Zマスター]]ではなく連邦艦隊へ撃つ暴挙を行おうとする。案の定、直後にザフト兵たちから'''「あなたにはもう同胞が見えていない」'''と見限られ射殺される結末を迎えてしまった。この回のサブタイトルが「理想の行く末」である事を考えるとパトリックの末路を皮肉っている様にも見えなくもない。
 
:『X-Ω』第3章第26話より。本作においても同胞のためだと豪語し、ジェネシスを[[Zマスター]]ではなく連邦艦隊へ撃つ暴挙を行おうとする。案の定、直後にザフト兵たちから'''「あなたにはもう同胞が見えていない」'''と見限られ射殺される結末を迎えてしまった。この回のサブタイトルが「理想の行く末」である事を考えるとパトリックの末路を皮肉っている様にも見えなくもない。
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== 余談 ==
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*作中ではナチュラルを見下しコーディネイター至上主義を訴える過激なタカ派のように描かれ、何かと「全コーディネイターの為」「コーディネイターこそ新人類」と述べているが、実は彼の言うコーディネイターとは'''「プラントに住む者だけ」'''である。と言うのもC.E.の'''地球圏全体おけるコーディネイターの人口は5億人だが、プラントの占める割合は5000~6000万人と実は圧倒的少数'''なのである。狂気に飲まれ地球に居る同胞達の事まで考えが及ばなかった…とも考えられるが、実はパトリックら第1世代コーディネイターは、過酷な宇宙環境でプラントを作り上げた世代であり、彼らにとって「プラントは自ら作り上げた故郷」なのである。つまりそこに住まう者たちは苦楽を共にした同胞であり、守るべき民なのである。地球に住む者たちは自分達から奪った富で甘い汁を啜っていた憎むべき敵であり、そこには圧倒的多数を占める地球在住のコーディネイターも含まれているのである。
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**確かに地球に住む以上、プラントの恩恵を受けていたのは事実であるが、地球ではプラントとは比較にならないほど激しいコーディネイターへの差別に晒されていた。特に[[第1次連合・プラント大戦]]時には[[ブルーコスモス]]シンパが幅を利かせたことで、テロや闇討ち・リンチなどで命の危険に晒される事もあったのである。にも拘わらず、'''プラント政府は「コーディネイターの総意を語りながら、地球在住のコーディネイターを助ける処か逆に攻撃を仕掛け」「地球在住のコーディネイターの存在を考えずに差別を煽り、高みの見物を決め込んだ」'''のである。このプラントの対応に地球在住のコーディネイター達は憎悪を抱き、ザフトと戦うため地球連合軍に志願し勇敢に戦ったのである。皮肉な事に、これが地球在住のコーディネイターと地球連合の和解に繋がり、逆にプラントのコーディネイターと地球のコーディネイターの間にさらなる壁ができてしまったのである。
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**コーディネイターはその成り立ちから富裕層が多い。経済的に豊かな者はその商売を続ければいいが、商売に失敗し破産した者、資材を投げうって子供をコーディネイターにした者など困窮者も存在する。そう言った者達の受け皿となったのがプラント建設なのである。プラント在住のコーディネイターは一種の棄民であり、地球在住のコーディネイターを蔑ろにするのは彼らへの嫉妬もあるのかもしれない。
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**この事からプラントのコーディネイターと地球のコーディネイターの関係は「[[宇宙世紀]]の[[スペースノイド]]と[[アースノイド]]の関係」に近いと言えるだろう。
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*余談の更に余談となるが、パトリックの「プラントに住む者だけが同胞」と言う考えには、実は'''プラントに住むナチュラルを含んでいる'''可能性がある<ref>作中でプラント政府によるナチュラル住民の排斥は行われず、ザラ派が政権を握っていた時も同様である。</ref>'''。プラントに住むナチュラルは殆どが第1世代コーディネイターの親に当たり、自分達を生み出した偉大な存在であり、プラント建設に出資してくれた正に同胞'''なのである。故に彼らを否定する事は自らの否定に他ならず、排除など有り得ないのである。これは、第1次連合・プラント大戦時も徹底され、オーブからのコーディネイターの子・親戚を持つナチュラルの難民・亡命を認め手厚く保護している<ref>オーブからの難民・亡命が相次いだのは当のパトリックら強硬タカ派が政権を握っていた時である。HDリマスター版の第41話「ゆれる世界」ではオーブから移住した[[シン・アスカ]]がパトリックの演説を聞いているシーンが追加されていることもそれを裏付けているといえる。</ref><ref>ヤキン戦役後だが、キラもナチュラルの両親を伴ってのプラントへの移住を考えていた。見方を変えればオーブよりナチュラルの生活環境が良いと解釈できる。</ref>。仮に彼らを排除しようものならば、彼らの子に当たるコーディネイター達の反発を受けるのは必至であろう。
 +
**ヤキン戦役後だが、コーディネイター兵士の有能性と貢献度を目の当たりにした地球連合内に'''「地球のコーディネイターとプラントのコーディネイターは別」'''との考えが広がっていく。同様にプラントでも「'''プラント在住のナチュラルと地球に住むナチュラルは別'''」「'''地球在住のコーディネイターは裏切り者'''」との考えが広がっていても不思議ではない。
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**パトリックらタカ派が、ナチュラルの排斥を訴えながら、プラントのナチュラルの排斥に消極的と考えられる理由の一つに「'''プラント在住のナチュラルの人口は減少傾向にある'''」と言うものがある。前述した様にプラント在住のナチュラルは第1世代コーディネイターの親に当たり、(子をコーディネイターにした時期にもよるが)高齢化が進んでいる。その中には望郷の念に駆られ「余生は地球で過ごしたい」と帰還を望む(或いは「した」)者も多く、人口を減らしている。また、ナチュラルの移住希望者の多くがコーディネイターの子供・親戚を持つ者であり、例え親が若年者であっても次代がコーディネイターである以上、増える可能性は限りなく低く、'''出生率が低下し先細りしているコーディネイター以上に、プラントのナチュラルは先細りしているのである'''。つまり、プラントがナチュラルに取って代わられる可能性は限りなく低く、この事を理解しているからこそ、パトリック等タカ派もナチュラルの住民を脅威とは考えておらず「来る者は拒まず、去る者は追わず」とドンと構えているのであろう。
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**出生率に関して言えばナチュラルの移住希望者の多くがコーディネイターの子を持つ者と言う事は、'''出生率低下に悩むプラント政府の行う婚姻統制に新しい遺伝子パターンが増える'''事になり、子供が産める夫婦の組み合わせが増える。'''ナチュラルが親と言う事は、子は当然ながら出生率の下がっていない第1世代コーディネイター(下がるのは第2世代以降)であり、プラントの出生率向上に貢献できる'''。ナチュラル帰りを拒否し、婚姻統制や科学的方法を模索していたパトリックからしたら(前述のナチュラル住民の人口減少もあり)寧ろ喜ばしい事であり、歓迎していた可能性すらある。
    
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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