エメロード
エメロードは『魔法騎士レイアース』の登場人物。
エメロード | |
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外国語表記 | Emeraude |
登場作品 | 魔法騎士レイアース |
声優 | 緒方恵美 |
デザイン |
CLAMP(原案) 石田敦子(TVアニメ) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦T |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | セフィーロ人 |
性別 | 女 |
外見年齢 | 幼女→成人女性程 |
髪色 | 金 |
髪型 | 足元まである波打つ長髪 |
瞳の色 | 青 |
役職 | 柱 |
概要編集
異世界セフィーロを祈りの力で支える姫。『柱』と呼ばれる、重要な役目を担っている。
東京から獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風ら3人の少女を「魔法騎士」としてセフィーロへと召喚した。自身に仕える神官だったザガートに幽閉されており、光達は彼女とセフィーロを救うために旅に出る。
幼なげな外見に反して、実年齢はかなりのもの。クレフよりは年下らしい。
真相編集
セフィーロは「心が全てを決める世界」であり、人の心と世界そのものが密接に繋がり合っている。すなわち人心が荒廃すれば世界もまた荒れ果て、人心が穏やかであれば世界もまた穏やかであり続けるということである。そんな移ろいやすい世界が安定して維持されているのは、『柱』と呼ばれる人物がこの世界の平穏を支え続けているため。
『柱』になった人物の祈りが世界にダイレクトに反映するシステムとなっており、そのおかげでセフィーロは穏やかで豊かな世界として安定する。平和な世が続けば民の心も穏やかでいられるため、人々の幸せが世界に反映され、ますますセフィーロは理想郷のような世界として維持されていくことになる。 裏を返せば、柱となった者の心の乱れが世界の危機に直結するため、『柱』に選ばれた人物は一切の感情を抑制し、ただセフィーロの安定と万民の幸せだけを祈り続ける生涯を義務付けられる。要するに、『柱』とは文字通り世界を支えるための「生きた人柱」といっていい存在なのだ[1]。
だが、当代の『柱』であるエメロードは、補佐役であった神官ザガートを次第に愛するようになり、彼個人の幸せを願ってしまった(さらに突っ込んで言うと「他人がどうなろうが、まずザガートだけは幸せであって欲しい」と無意識下で思ってしまった)。それが原因でセフィーロのバランスが崩れ、今までみられなかったような天災が頻発し、魔物まで出現するようになる。己の感情が引き起こした事態を憂慮したエメロードはザガートへの想いを断ち切ろうとして自ら幽閉される道を選んだ……というのが事の真相だった。つまり、セフィーロを襲うすべての異変は彼女がザガートを愛したことに起因しているのである。
幽閉された状態でもセフィーロのために祈ることは可能だったが、どうしてもザガートへの想いを断ち切ることはできなかった。崩壊へと進むセフィーロを前に、追い詰められたエメロードは最後の手段を選択する……それが、魔法騎士の召喚。
セフィーロの『柱』システムの最も残酷な点は、『柱』の交代が『柱』の死をもってしか行われないことにある。エメロードは生きている限り『柱』の責務からは決して解放されない。しかも、世界そのものの法則によりセフィーロに住む誰であっても『柱』を傷つけることが出来ず、『柱』が自分自身を傷つけることもできない。つまり、エメロードは誰かに命を絶ってくれと願うことも、自分で自分の命を絶つことすらも許されないのである。
だが、セフィーロの法則に縛られない異世界出身の魔法騎士であれば、『柱』を殺すことができる。つまり、魔法騎士の召喚は『柱』だけに許された自決用の魔法であり、魔法騎士とは柱の自殺を幇助するため(=役目を果たせなくなった柱を殺害するため)の始末屋的な存在であった[2]。
世界を守るために死を望むエメロードの選択を受け入れられず、彼女を守るために魔法騎士を殺そうとすザガートに対し、魔法騎士への攻撃を止めるよう懇願し続けたエメロード。しかし、ザガートが討たれたことによって無意識下に生じた強い憎しみの感情が引き金となり、エメロードは復讐鬼と化してしまう。 大切な想い人を奪った魔法騎士たちを殺すべく想いの力によって成熟した肉体の女性へと急成長を遂げ、魔神エメロードを召喚して光たちに猛烈な勢いで襲い掛かり、そして自分とザガートを追い詰めたこのセフィーロという世界の法則そのものに激しい憎悪を抱き、セフィーロの完全な崩壊と消滅を願う寸前まで至ってしまった。
事態を飲み込めず困惑する魔法騎士に、残留思念として残っていたエメロードの一片の良心が全ての真実を伝え、自分を殺してセフィーロを救うよう求める。最期は彼女の『本当の願い』を知った魔法騎士の手で枷から解き放たれ、愛するザガートのもとへ旅立った。
しかし、何も知らずに彼女とその恋人を殺めてしまう結果となった光たちは心に深い傷を負い[3]、世界を支える柱を失ったことでセフィーロの危機も新たな局面を迎えることとなった。
登場作品と役柄編集
VXT三部作編集
- スーパーロボット大戦T
- 初登場作品。本作においても担当声優の演技は健在となっている(後述)。少女時は中断メッセージでボイスありで、敵対時もまた緒方氏による演技が光る。
- 敵対時の味方側キャラの反応は状況がわからず困惑する者、呼びかけて止めようとする者、機体の動きを止めようとするもの、真意を察する者等様々である。
単独作品編集
- スーパーロボット大戦30
- 扱いは概ね『T』と同じ。敵対時の苛烈さもそのままだが、ゲームシステムの関係で決戦時期が前後しやすい。
- 早めに挑む場合は主力メンバーに「熱血」があるかどうかという時期になってしまうが、後回しにすればかなり遅らせられるため、「脱力」「かく乱」などが揃うまでは放置するのも手。
パイロットステータス編集
能力値編集
回避以外が全体的に高水準でスーパー系大ボスの風格。特に格闘と射撃は、両方とも『T』では全パイロット中2位。強力な技能ラインナップと相俟って、強敵との連戦で疲弊したプレイヤーを驚愕させてくる。
精神コマンド編集
特殊スキル編集
- T、30
- 3回行動、気力限界突破L3、極、サイズ差補正無視L3、闘争心L3、フルカウンター、プレッシャーL4
- とにかく攻撃に特化した構成で、ザガートとの戦いで疲弊した自軍を刈り取りにかかる。恐るべきは3回行動に加えて最大レベルのプレッシャー。これで無消費武器を振り回すのだからたまったものではない。
- 一方で防御面は底力やガードを持たずプレッシャー頼りで、特に『30』では強力になった底力がないためザガートや他ボスと比べて明らかに柔らかい。しかし防御面を補うためかフルカウンター持ち。幸いこれはダイレクトアタックで無視できるため、トドメを刺す機体は予めExCを多めに貯めておきたい。
エースボーナス編集
- 気力130以上で与えるダメージが1.3倍になる
- 『T』で採用。ver.1.03で追加されたスーパーエキスパートモードにて習得する。
- 竜馬のエースボーナスの気力条件が緩和されたもので、10段階改造したスーパーロボットですら精神コマンド無しだと一撃で沈みかねないためザガート戦で全力を出しきらないようにしよう。
- 気力130以上で与ダメージ1.3倍、最終命中率、回避率+30%
- 『30』で採用。『T』の効果に加えて実質上の集中まで加算され、極と併せて最終命中率+60%もの補正となる。しっかり育成した鬼神にすら当ててくるため、ひらめきやそれを内包する精神なしでは確実な回避は望めない。
- システムの関係で「決戦のセフィーロ」への挑戦を後回しにする事もできるため、その間に「かく乱」や「脱力」が使えるメンバーをしっかり育成して極ごと封殺してしまうのが確実か。
人間関係編集
- 獅堂光、龍咲海、鳳凰寺風
- 彼女達3人を召喚し、度々助けていた。第一章ラストでは彼女達への殺意と復讐に身を染めてしまうが、最終的には『本当の願い』を叶えてもらう形で討たれる。
- モコナ
- ザガートの手に渡らないようにクレフに託した。原作漫画版ではモコナの正体を唯一知っている。
- ザガート
- 神官にして想い人。彼への想いを隠し通そうとしたが気付かれてしまい、相思相愛となったことが全ての発端になった。
- セフィーロの崩壊と引き換えに自分への愛を貫こうとする彼を否定する。
- クレフ
- 生まれた頃から成長を見守られており、ザガートへの想いも知られていた。
- フェリオ
- 弟。アニメでは彼の頼みで彼自身の記憶を封じていた。彼が城を離れる前にお守りとして、魔法で通信できるオーブ(原作では彼がピアスの様に身につけているリング)を贈っている。
- ランティス
- かつての親衛隊長で想い人の弟。
- ラファーガ
- 現在の親衛隊長。ザガートに洗脳されてしまう。
- イノーバ
- ザガートへ贈った精獣。ザガートとの関係も知っていた。
他作品の人間関係編集
- マルティナ・オルト・クシェペルカ、イサドラ・アダリナ・クシェペルカ
- 『30』では、エメロードを慰めるためという目的で彼女らもザガートによって幽閉されていた。ザガートとの仲を知っており、その縁もあってか幽閉中に世話を受けていた。
名台詞編集
- 「お願い……この世界を救って……」
「伝説の魔法騎士たちよ!」 - 物語冒頭での魔法騎士召喚の言葉。この台詞で「レイアース」の物語が始まる。
- 決して一言も「私を助けて」「ザガートを倒して」とは言っていないのがポイント。
- 「……ザガートを殺したのは あなた達ね……」
- 「私の愛するザガートを殺したのは あなた達ね!!」
- 「許さない!!」
- エメロード姫と対面した魔法騎士の3人が「魔神でザガートを倒した」と告げた直後のセリフ。対面直後は、まだ正気を保っていたエメロードは泣き顔ながら冷静だったが、表情が徐々に曇り、魔法騎士への怨言を吐き捨てると同時に魔神を召喚(創造)し、激しい憎悪と明確な殺意をもって魔法騎士に襲い掛かる。
- 「これは……!! ザガートの剣……」
- 「ザガートのこの剣で……殺してやる! 魔法騎士!!」
- 魔神を駆り城の外へ出た直後、ザガートの剣を発見し愛おしそうに頬ずりをして。ザガートの形見は彼女の憎しみを更に駆り立てる。
- 「ザガート…… やっと あなただけのものに……」
- 合体魔神レイアースに止めをされて。初めて愛する人だけを思っていられる事実に満足げに
- 「ありがとう…… 魔法騎士……」
- 柱の重責から解放され、迎えに来たザガートと抱き合いながら。魔法騎士に感謝の気持ちを伝え天へと旅立った。
- 「伝説の魔法騎士を召喚します」
- 「私は、あの人をザガートを愛してしまった」
- 「例え、皆が私を許してくれても私は自分が許せない。皆が不幸になると解っていて自分だけ幸せになれない」
- 「私の我が儘に付き合わせてしまう魔法騎士にごめんなさいと伝えて……」
- 魔法騎士召喚前夜のクレフとのやり取り、クレフからは「一人の人間なのだから自分だけの幸せを願っても誰もあなたを責める事は出来ない」と猛反対されるが、使命感の強い彼女は自ら水牢へと降りて行った。
- 一見責任感と使命感の強さが表れているセリフであるが、漫画版では散っていた彼女の心の内が創造主であるモコナの言葉を通じてそれとなく示唆されており、「セフィーロの民を愛していたが、信じてはいなかったのではないか」と語られている。
スパロボシリーズの名台詞編集
戦闘台詞編集
- 「愛する者を失う痛み…! お前ならわかるはずだ!」
- ファ・ユイリィ、ドモン・カッシュ、獅子王凱、キャプテンハーロック、アムロ・レイ、キリコ・キュービィー、天海護らとの特殊戦闘台詞。
- 「魔神め…! 私を殺しに来たか!」
- マジンガーZ・グレートマジンガーへ発する特殊戦闘台詞。
- マジンガーとセフィーロの『柱』に隠された関係を匂わせる一言となっているが、後にこの一言が『T』本編の伏線となって行くことをプレイ当初でなかなか読めずにいたユーザーはさぞ多かったことだろう。『30』にも似たような伏線があるが、こちらは序盤から度々示唆されている。
- 「お前ならば、私の気持ちもわかろう…!」
- 対スパイク・スピーゲル、テンカワ・アキト、ヴァンの特殊戦闘台詞。当人達の過去を読み取っていることが窺える。
搭乗機体編集
余談編集
- 名前の由来は、三菱自動車が1992年から1996年まで販売していた「三菱・エメロード」から。
- 演じる緒方恵美は、そのキャリアで碇シンジ役など男性(少年や青年)役、女性でも中性的な役を演じる機会が多く、エメロードは類を見ない「お淑やかなお姫様」というキャラクターである。なお、このキャスティングはアニメスタッフからのオファーによるものである(後述)。
- 緒方自身当時エメロードの役作りに苦労したことを回想し、海役の吉田小南美氏やフェリオ役の山崎たくみ氏に弄られていたという。曰く「助けてとか言ってるが、お前を助けられるヤツはいない!!」との事。
- また2014年に行われたインタビューTV放送から20年「魔法騎士レイアース」椎名へきる&緒方恵美インタビュー-前編- 2019年4月14日閲覧。によると、当時所属していた事務所でオファーの連絡を受けたマネージャーが「は?」「もう一度言ってください」「うちの緒方に姫の役を?」と信じられない様子で電話で聞き返していて、事務所中がザワッとしていた事から、周囲も含めたその驚き具合が伺える[4]。
- 第1話放送当日も事務所のテレビの前で一同が待機して視聴し、「本当に緒方恵美さんが(エメロード姫の役を)やってるの…?」という空気が漂っていた、また原作者のCLAMPや監督の平野俊弘らの話によれば、「なかよし」読者向け試写会で流した第1話でのEDで配役のテロップが流れた瞬間、会場にいる視聴者は驚きのあまり大絶叫したとの事。勿論、緒方がエメロードを演じる事を想像だにしなかった意味と、「聴いただけで緒方恵美が本当に演じているのかわからない程の女声」だった為。
- また、アニメ誌のインタビューで緒方はエメロードの声で「これが地声なんです」とインタビュアーを魅了したエピソードも有る。
- もっとも、スパロボでは既にリンを演じていることから、あまり意外とは思われていない。
- 緒方氏は第二章ではイーグル・ビジョン役も担当しているが、聴き比べても言われなければわからない…どころか(特に少女姿のエメロードなどは)言われてもわからない凄まじい変化をみせている。『T』での出演時も往時と変わらぬ見事な演じ分けを披露し、ファンを歓喜(そして本作で初めて知ったユーザーを驚愕)させた。
- 『レイアース』本編では原作版、テレビアニメ版の双方で、『柱』になった光がその力で柱制度そのものをなくすという結末になっている。この点については「それができるならエメロード姫はなぜそうしなかったのか」という話になるのだが、テレビアニメ版ではそのあたりが突っ込まれることはなかった。
- 一方、原作漫画版では「エメロードがその気にさえなれば『柱』制度を廃止してザガートと結ばれる事は可能だった」という事実が明確に指摘されている。エメロードがそれをしなかった理由については新たな柱となった光からは「本当にセフィーロと人々を愛していたんだと思う(故に重責を皆に押し付けようとせず自分独りで背負いこんだ)」と好意的に解釈されているが、逆に創造主であるモコナからは(柱となった光が創造主が望んでいた答えに行き着いたこともあり)「エメロード姫は『セフィーロ』を、そして、みんなを愛していた。しかし、信じてはいなかったのかもしれない。姫は生命をかけて愛するもの達を守ろうとしたが、自らの重責を分かち合い、ともに歩こうとはしなかった」と評されている。生真面目で責任感が強い人ほど不安や恐れから他者の助力を拒み一人で抱え込もうとしてしまい易いものだとは現実においてもよく言われることだが、劇中での責任感と使命感の強さを見るに、エメロード姫もそうした傾向が顕著だったのだろう。[5]
- こういった経緯も有ってか、彼女に対しファンからは「悲劇のヒロインにして物語の元凶」という複雑な評価が根付いている。
- 光も、エメロード同様に他人に心配かけまいと一人で背負い込む傾向があるが、どうしてもダメだった場合は素直に他人を頼ると言う違いがある。柱の悲劇を目撃した事や心を許せる同世代の友人や仲間が居た事が大きい。
- エメロードにもクレフやザガート、ランティスと心を許せる人物は存在したが、彼らは導師、神官、親衛隊と家臣と言う立場を崩さず、エメロードも柱と言う立場を崩さなかった事から互いに見えない壁を作ってしまった。エメロードは幼少時に柱になった事が明言されている事から、同世代の友人・仲間に恵まれず、心から信頼できる人物が存在せず、誰にも相談できなかったと思われる(創造主の「誰も信じていなかった」と言うのは実に的を射ている)。
- 別の説として「エメロードを含むセフィーロに住まう人々は柱の無い世界と言うものが理解できず、柱を無くすという発想に至らなかった」との意見もある。我々地球人からすれば、神に等しい絶対的な統率者など存在しないのが当たり前だが、セフィーロの住民からすれば、柱とは自然の摂理であり、存在するのが当たり前。つまり、存在しないと世界と言うものを想像できないと言う説である。[6]
- 実際に柱制度に疑問を持ってて無くそうとしていた人物もいたが、「柱誕生よりも前にセフィーロが崩壊することを期待する(クレフ)」「柱への道を物理的に破壊する(原作のランティス)」「セフィーロと共に柱を崩壊させる(原作のイーグル、アニメ版はセフィーロの為に祈る事を了承している)」といずれも柱の制度を無くすのではなく、物理的に破壊しようとしていた。しかし、クレフは新たな柱が誕生した場合、代々の柱の悲劇を伝えた上で補佐をする事を明言しており、原作のランティスも創造主より柱になる可能性を仄めかされた際は、諦めて従う素振りを見せており、物理的な破壊に失敗した場合、諦め柱の運命を受け入れるしかないと考えている事がうかがえる。
- 故に絶対的な統率者の存在しない世界からの来訪者である光が柱に選ばれたのは、彼女の経験や仲間の存在があった事を考慮しても実に幸運だったと言える。
- 一方、原作漫画版では「エメロードがその気にさえなれば『柱』制度を廃止してザガートと結ばれる事は可能だった」という事実が明確に指摘されている。エメロードがそれをしなかった理由については新たな柱となった光からは「本当にセフィーロと人々を愛していたんだと思う(故に重責を皆に押し付けようとせず自分独りで背負いこんだ)」と好意的に解釈されているが、逆に創造主であるモコナからは(柱となった光が創造主が望んでいた答えに行き着いたこともあり)「エメロード姫は『セフィーロ』を、そして、みんなを愛していた。しかし、信じてはいなかったのかもしれない。姫は生命をかけて愛するもの達を守ろうとしたが、自らの重責を分かち合い、ともに歩こうとはしなかった」と評されている。生真面目で責任感が強い人ほど不安や恐れから他者の助力を拒み一人で抱え込もうとしてしまい易いものだとは現実においてもよく言われることだが、劇中での責任感と使命感の強さを見るに、エメロード姫もそうした傾向が顕著だったのだろう。[5]
- OVA版では担当声優が同じイーグル・ビジョンが弟となっている。
- 光・海・風たち魔法騎士以外で唯一関連玩具が存在し、なりきりアイテムとしてエメロードのティアラが商品化されている(ただし実際のエメロードのティアラの色は緑と青だが、玩具は緑と赤を基調にしている)。
脚注編集
- ↑ セフィーロでは『柱』になることは神になるようなものとされており、人々からの崇敬の対象となる。また、『柱』にはそれを補佐する神官が側仕えするのが通例であるため、全くの孤独というわけではない。
- ↑ 当時はこの制度にかなりの批判が寄せられ『本当にこんなのってない』という声が大多数をしめていた
- ↑ エメロードの死と同時に召喚魔法が解けて帰還した彼女たちは悲嘆のあまり泣き明かしている。光は拳を握りしめるあまり無意識に爪で拳を傷つけ、さらにアニメでは自罰感情からもう一人の自分を生み出したり、長らくランティスへの想いを受け入れられなかった。海は『ボスキャラにも深い事情があるかもしれない』『向こうから見れば、私のほうが悪なのかもしれない』とRPGを遊ぶことができなくなっていた。
- ↑ なお同インタビューでは、「(自分は)高校生以上の男子役を演じた初の女性声優」とも話している。
- ↑ エメロードの判断を好意的に解釈した光からも「一人で担うには重すぎる」と述べられている。
- ↑ 我々の世界で例えると「水害を無くすため水を無くし、水分を必要としない生命体に生まれ変わる」と言っているに等しい。水害があるからと言って水を無くすという発想には普通は至らない。セフィーロの人々からすれば柱を無くすとは「水」や「空気」など当たり前を無くすと言っているに等しいのである。