エステバリス

2014年5月19日 (月) 23:04時点におけるポルトープ (トーク | 投稿記録)による版 (→‎登場作品と操縦者)

エステバリス(Aestivalis)

ネルガル重工が開発した機動兵器。重力波ビームによるエネルギー供給によって動力炉を必要とせず、特殊樹脂の装甲で機体の小型・軽量化を実現している。操縦はパイロットのイメージを直接機体に反映するIFS管制方式を採用し、特にパイロット経験の無い者でも思った通りに動かすことが可能。運用上母艦の存在を前提としており、敵味方の識別などの管制を母艦のコンピューターに依存している部分もある。アサルトピット(コクピットブロック)を中心としてフレーム換装方式が採用されており、各種多様なフレームを装備することが可能。

エステバリス単機でディストーションフィールドを展開することが可能なので、装甲の薄さはそちらで補っている。

本項では、初期型のナデシコ艦載機の『エステバリス』について記載する。エステバリスカスタムスーパーエステバリスといった後継機や下記の各フレームについては、個別記事を参照されたし。

名の由来は種子植物ナツザキフクジュソウの英名「エステバリス」から取られている。

フレーム

陸戦フレーム
ワイヤードフィスト(有線式のロケットパンチ)が一番の特徴。また脚部にはローラーダッシュ機構を備える。反重力推進機関は取り除かれているがその分軽量化に成功しており(なんと1t以下)、バッテリー搭載量も多く単体稼働時間が一番長い。古いスパロボのシステムではその特徴を表現し辛かった為なのか、Aではイベントでの登場のみで、Rでは登場しなかった。
空戦フレーム
飛行可能な大気圏内用のフレーム。ミサイルも装備しており、長距離戦も行える。
0G戦フレーム
無重力域に対応したフレームだが、原作では火星や地球でも使用され、それなりに万能な機体。その為かゲームによっては適正は低いものの飛行可能で、の適正が高い作品もある。ARでは陸戦フレームに換装出来ない為か、原作にはないワイヤードフィストをこのフレームが装備している。
砲戦フレーム
別名『重機動フレーム』。砲戦仕様で近接攻撃は出来ない。スパロボでは120mmカノンをマップ兵器としても使用出来る。
月面フレーム
月面用。アサルトピットを頭部ごと内部に収納するので、この機体だけ誰の機体で換装しても見た目が一緒。単機火力は最も高い。月面仕様だがゲームではどの地形でも使える。相転移エンジンを搭載しているので重力波ビームに対応しておらず、エステにしては18mと言う大型の機体である。GBA版Aでは、1人しか乗り換えできず改造は他の機体と独立している。

機体

アキト機
テンカワ・アキトの専用機で、カラーリングはショッキングピンク。主人公機であるが、特別扱いなどは無く機体性能は他と同じ。5年後の「劇場版」の劇中では、追加アーマーブラックサレナを装着して登場。同時に強化もされていたが、機体の許容範囲を超えたスペックを引き出す設計だった為、ブラックサレナが強制パージされたアキトのエステバリスはアイカメラからオイルが爛れ出るなどボロボロの状態であった。なお、スパロボではこの劇場版のアキト機がエステバリスカスタム名義で登場している作品も存在する。
ちなみに原作一話にてガイがデッキでポーズを決めようとして転けた際に乗っていたのがこの機体だった事から判るように、元々はガイの機体となる予定だった。よってこの機体で臨時出撃したアキトはガイに「俺のゲキガンガー返せよな!」と怒られる事に。
ガイ機
ダイゴウジ・ガイの専用機で、空戦フレーム標準のアサルトピットでカラーリングは熱血漢な彼らしくない青。ガイ曰く俺のゲキガンガー。原作ではガイが早々に死亡してしまったが、スパロボではフラグ次第で彼は生き残る、または無条件で生き残るため自軍で使用する事が可能。格闘の得意なガイに合わせて、格闘武器が強力な仕様になっている。また、アキト機との合体攻撃が存在しており、アキトの一軍入りがガイの存在にかかっている作品もある。
ちなみに原作では、ガイの死後にジュンが使用した事も。
アカツキ機
アカツキ・ナガレの専用機で、カラーリングは紫。設定上ではあるがアカツキカスタムと呼ばれる専用のフレームが存在しており、これがスーパーエステバリスが開発される上での原型となっている。またアサルトピットに独自のカスタムが施されており、他の機体よりも性能が少し高い。反面、ゲームでは合体攻撃が存在しなかったり、イベントで離脱してしまったりする事が多く、エステバリスの中では毎回真っ先に二軍落ちの最有力候補となる不遇の機体。せめて劇中でアキトと披露したダブルフィールドランサーなどが使えれば…。
リョーコ機
スバル・リョーコの専用機で、カラーリングは赤。他のエステバリスとは異なり、頭部に強化センサーの役割を果たす指揮官用のアンテナが取り付けられているのが特徴。ガイ機同様、格闘戦用のチューンが施されているが、射撃もこなす。(リョーコの特技のひとつは射撃)また、ヒカル機、イズミ機との合体攻撃も存在する。
ヒカル機
アマノ・ヒカルの専用機で、カラーリングは黄色。標準的でクセの少ない能力を持つ。パイロットのヒカルの強運技能や精神コマンド幸運の存在ゆえ、トドメ役を任される事が多い。
イズミ機
マキ・イズミの専用機で、カラーリングは緑。射撃が得意なイズミに合わせた射撃戦用のチューンが施されており、格闘武器よりも射撃武器が強く、射程も長い。

スパロボシリーズにおいて

エステバリスは月面フレームを除いてサイズS、そしてゲームのシステムにより差異はあるが、敵からの攻撃は当たりにくいが当たった時の被ダメージはやや高く、こちらからの攻撃ダメージはやや低くなる、と言うのが基本傾向。
その為、使い勝手はEN消費型の常時発生バリアであるディストーションフィールドの強度と、低めの攻撃力を補える合体攻撃の性能に依存する部分が強く、それらを最大限活かす為にどの作品でも隣接して運用するのが定石となっている。

登場作品と操縦者

スーパーロボット大戦A
初登場作品。重力波アンテナ、ディストーションフィールド、ユニット換装といくつもの独自システムを引っ提げて参戦。Sサイズではあるが運動性はリアル系にしては低めに設定され、さほど避けられない。よって歴代で最高の性能を持つディストーションフィールドが防御面での頼みの綱となる。しかし中盤に武装追加するものの、パワーアップイベントがないので、低い運動性が災いし、高火力のビーム兵器装備のMSが主力のネオ・ジオン軍が出てくる辺りから色々と辛くなってくる。
パーツスロットが3なので、V-UP系パーツを装備すればかなり性能を底上げが出来る。
武器はシステム上個別強化な上に換装で武器のラインナップが変わる関係もあり、0G戦と空戦で使用出来てかつ合体攻撃に使用するラピッドライフルとディストーションパンチを改造しておくのが無難な選択。
なおフレームは出撃時に選択する。本作では陸戦フレームには換装出来ず、またミノフスキークラフトを装備しても0G戦フレームは地上マップでは出撃出来ない(換装先の候補に挙がってこない)。アカツキ機以外は合体攻撃を持ち、重力波アンテナの恩恵の元ならば合体攻撃を連発する事も可能。その為にガイを生存させるプレイヤーもいたのではないだろうか。
なお各フレームの性能は全機体で同一ではなく、原作の設定を踏まえてか各パイロット毎に武器の威力や序列、射程、P属性の有無等で差別化が行われており、同じフレームを使っていてもパイロットによって使い勝手が異なってくる。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
武装が一括改造に変更になったうえに、月面フレームも改造をそれぞれ引き継ぐ仕様に変更されたので各フレームが使い分けしやすくなった。他にも武装の必要気力の低下、フィールドランサーにバリア貫通の付加など、リメイクされるにあたり燃費の悪くなったスーパー系に比べると相対的にかなり扱いやすくなった。反面、運動性がR,Jのように高くなくAのままで、被弾に注意する必要がある。
スーパーロボット大戦IMPACT
マップ中に換装可能になった。一度換装するとそれまでのフレームに戻れないが、母艦に搭載すれば外したフレームに戻って出撃できる。71話「白熱の終章」では、初期出撃のエステバリス隊を中心にして敵を減らさないと本隊が来ない。そのため一軍で使う気がなくてもある程度改造しておかないとクリアが困難になってしまう。
スーパーロボット大戦R
Aに比べてディストーションフィールドは大幅に弱体化したが、運動性は非常に高くなり、回避重視のユニットとなった。本作ではインターミッション換装する。終盤でエステバリスカスタム及びスーパーエステバリス(ガイ機のみ)に変更されると換装は出来なくなる。
なお、携帯機での前作であるAでは同じフレームでもパイロットによって細かい性能差が存在したが、今回はフレーム単位での性能は全て同一化された。以後の携帯機シリーズでも同様。また、Aと同様、陸戦フレームには換装が出来ない。本作では砲戦フレームの120mmキャノン砲は高威力・長射程・低燃費・気力無制限という利点を持つ。
スーパーロボット大戦J
携帯機では初めて陸戦フレームが使用出来るようになった代わりに空戦フレームが全武装陸C(今作のみ)などの差別化がされている。そしてこれまで同一機体内で同じモーションであった戦闘アニメが一部の武装で機体ごとに個別のモーションを取るようになった。月面フレームもすべてのエステバリスに同時に装着させられる。そして砲戦フレーム月面フレームにも合体攻撃が追加された。
スーパーロボット大戦W
最初からフィールドランサーが装着した状態で1部で活躍。2部からはアカツキ機以外は全機エステバリスカスタムになる(ただし、アキト機は他のカスタムと性能が違う)。換装の必要はなくなるが全体的に武装が減る(特に格闘コンボ武器と切り払い、単独でのバリア貫通武器が無くなる)ので、使い勝手に関してはエステバリスの方が上。ちなみにアカツキ機はライフルしかないエステバリスIIになってしまう

装備・機能

イミディエット・ナイフ
接近戦用の装備。ガイ機のみ『ゲキガン・ソード』表記。
ワイヤード・フィスト
いわゆる『ロケットパンチ』系の武装で、ワイヤーで繋がっている有線式のロケットパンチである。基本的に陸戦フレームのみの武装だが、スパロボでは0G戦フレームでも使える場合がある。ガイ機のみ『ゲキガン・パンチ』表記。
ミサイルポット
空戦フレームのみの兵装。原作では0Gフレームでも使われた。
ミサイル
砲戦・月面フレームの兵装。APでは空戦のミサイルポットより威力が高い。
120mmカノン
砲戦フレームの主砲。携帯機ではMAP兵器版もある他、IMPACTでは長射程の「APFSDF」と移動後中射程の「HE」を撃ち分け可能。
ラピッド・ライフル
中距離用のライフル。ガイ機のみ『ゲキガン・ビーム』表記だが、特にビーム属性は無い。
フィールドランサー
ディストーションフィールドを貫く槍。ガイ機のみ『ゲキガン・シュート』表記。Rから設定どおりバリア貫通が付与された。基本的には中盤に追加される武装だが、Wでは最初から装備される。
一点突破
IMPACTでは、陸戦フレームの最強武器。アキト機のみ『ゲキガン・シュート』表記。
ディストーションアタック
ディストーションフィールドを展開した状態で突撃して拳打を叩き込む必殺技で、『ディストーションパンチ』表記の場合もある。アキト機とガイ機のみ『ゲキガン・フレア』表記。原作ではガイが死んだ後、決意を新たにしたアキトが繰り出した必殺技。本人曰く、昨日までとは違う「テンカワ・アキトV」らしい。
ガイ・スーパーアッパー
ガイ専用の必殺技で、ガイ機の中では唯一、原典が原作の技。Aではディストーションアタックのガイ版、JとWではワイヤード・フィストのガイ版という扱いで、デモのアニメーションがワイヤード・フィスト→ガイ・スーパーアッパーという流れになっている。IMPACTではゲキガン・フレアと別にある(これが本来の形)が、空戦フレーム専用。わざわざ別に用意されてるだけあり、エステ単体の武器としては最強の攻撃力(フル改造時には、なんとダイターン3サンアタックをも超える威力を誇る。IMPACTはダメージのサイズ差補正がない上にこちらは重力波フィールド内ならば乱発可なので利便性は高い)を誇る。また、Wではガイ専用のカスタムがゲキガン・フレアのトドメ演出でこれと思しきアッパーを放つ。

合体攻撃

ダブルゲキガンフレア
アキト機とガイ機の合体攻撃で、燃えるものがある。これが使えるか否かでアキトの使い勝手が大幅に異なる。なお、スパロボオリジナルの技でありA、R及びIMPACTVerとJ、WでのVerとで2種類ある。ちなみに原作のゲキガンフレアに近いのはJ、WVerである。
フォーメーションアタック
リョーコ機、ヒカル機、イズミ機の合体攻撃。当初射撃武器扱いだったが、リョーコ機のみ、格闘の高いリョーコに合わせて格闘武器バージョンがあったり、格闘武器扱いであったりと属性が変化している。
ダブルアタックなんちゃって
IMPACTでの合体攻撃。原作で1回やったあれである。
ガンガーフォーメーション
Jから追加。ガイ機とアキト機が砲戦or月面フレームならこれが使える。
フォーメーションアタック(射)
Jから追加された3人娘の技。ちなみに砲戦・月面のものは性能が違う。
フォーメーションアタック(格)
Jから追加。最大の威力を持つが、必要気力が高い。

特殊能力

剣装備、銃装備
切り払い撃ち落としを発動。
ディストーションフィールド
要・重力波ビーム / 重力波アンテナ
換装
空戦フレーム、陸戦フレーム、0G戦フレーム、砲戦フレーム、月面フレームへ換装可能。

移動タイプ

空戦フレーム時は飛行可能。

関連機体

Xエステバリス(改)
グラビティ・ブラストが撃てる(グラビティ・ブラストしか武装のない)エステバリス。パイロットは決まっていない。
デビルエステバリス
バッタにコンピューターをのっとられたエステバリス。
量産型エステバリス
エステバリスII
劇場版時代での量産機。
エステバリスカスタム
エステバリスIIのカスタマイズ機。
ブラックサレナ
劇場版のアキト機に施された強化パーツ装着形態。高機動型も存在する。
スーパーエステバリス
劇場版でのサブロウタ機。スーパーロボット大戦Rではガイ機も存在する。
エグザバイト
漫画版『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』における後継機。見た目は「0Gフレーム」そのもの。アキト機の頭部パーツはガイ機のものを流用している。
こちらではアニメ版と設定も展開も殆ど異なり、操縦方法はIFSの発展形であるリアクトシステムである。
リアクトシステムとは言うなれば身体の神経回路を電子変換して機体に直結させる事で機体を自分の体の様に扱うことが出来るものである。
一時的に失明状態になったアキトはこのシステムを利用して機体のカメラから視力を得ていた。ラストではアキトユリカと共に戦いを終結させる為、草薙剣を振るう。

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