ブロッケン伯爵

ブロッケン伯爵(Count Brocken)

Dr.ヘルの手によって、サイボーグとして生まれ変わった元ドイツ軍(ナチス軍)の鬼将校。名前の由来はドイツの高山におけるブロッケン現象から。

マジンガーZに敗北が続く状況を打破する為、Dr.ヘルの参謀として前線に投入された。飛行要塞グールに乗り、配下の鉄十字軍団と機械獣を指揮する。
残虐な性格で、プライドも高い。同僚のあしゅら男爵とは犬猿の仲であり、常に手柄を争っていた。
兜甲児の目の前でもりもり博士を殺すなど、元軍人なためか狡猾な策を弄する。
サイボーグである為、身体能力は非常に高い。軍人時代に爆撃によって千切れた首は反重力装置によって浮遊し、そのまま胴体と別々に行動できる。

彼の身体と頭は感覚にずれがあるのか、作戦が上手くいかなかったので怒った時に思わずその辺にあったものを掴んで床に叩きつけるのだが、それは自分の頭だったり、床に思いっきりぶつかって痛がるといったコミカルな様子も見せる事があった。頭を忘れたりと体を上手くコントロール出来てないこともある。

あしゅら男爵と違い、OVA『マジンカイザー』には未登場だが、後年の『真マジンガー』には旧作同様のポジションで登場を果たしている。

永井豪の漫画版

『週刊少年ジャンプ』連載時は、ローレライに敗れたあしゅら男爵を飛行要塞グールに収容する際に登場。以後、マジンガーZ攻略の指揮を執る。
TV版以上に狡猾で、とある町を占領して子供と30歳以下の女性を機械獣グロゴスG5(SRW未登場)の体表にあるカプセルに収納、マジンガーZへの牽制に使った。

甲児とシローがリビングで寛いでいるといきなりリビングのドアから登場する場面もあった。
『テレビマガジン』連載時は、あしゅら男爵に比べて今ひとつ影が薄くなっている。

大半の単行本は週刊少年ジャンプ連載分とテレビマガジン連載分の混成となっている。そのため、ジャンプ連載時は「白髪の細面」だった顔が、最終決戦時を除き、TV版とテレマガ連載分に合わせ「黒髪の強面」へと改められている。

桜多吾作の漫画版

Dr.ヘルにより命を救われた恩義の為に行動している。前日談「闘え!!Dr.ヘル」ではDr.ヘルが機械獣軍団を編成しようとした時に資金不足になった際に姿を現し、サイボーグとしての高性能な身体と、自身が起こしたスパイ組織「鉄十字軍団」を活用し、シンジケート団を襲撃・掌握する事で資金を得る事に成功した。

登場作品と役柄

旧シリーズ

第3次スーパーロボット大戦
DC所属。初登場。戦闘するのは一度のみで、その際あしゅら男爵に勝手にグールを持ち出した事を咎める台詞がある。イベントではメカザウルス・ダイを引きつれて現れるが、ムサシの捨て身の特攻で倒され、撤退する。また、ホワイトベース隊ブロッケン山の付近を通る際に甲児が「いやな名前だ」と言うシーンがある。
第4次スーパーロボット大戦
DC所属。前回より戦闘回数が多く、同僚のあしゅら男爵と同じくヤラレ役として記憶に残る。原作とは異なり、あしゅらの死を聞いても特に何の反応も見せない。
第4次スーパーロボット大戦S
第4次と同じ扱いだが、第22話「Dr.ヘルの野望」では、甲児との戦闘前会話で「盟友あしゅら男爵の仇」呼ばわりする。
後のシナリオ「グレートマジンガー奪回」でシーマが増援で現れた時に不満を漏らすシーンが追加された。また同マップでは、倒された時の台詞が変更されており、ここで明確に死亡する。
スーパーロボット大戦F
DC所属。初めて声が入った。あしゅら男爵に比べると、登場シナリオが少ない。
スーパーロボット大戦F完結編
真ゲッターロボ登場シナリオで見事な死に様を見せる。第3次を知っている人なら本末転倒な結末だっただけに…

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
飛行要塞グールに乗ってくる。序盤からよく登場し、同盟を組んだネオ・ジオンのマシュマーと共同戦線を張ったり、発掘した超機人2機を操ったり、量産型ゲッタードラゴンを強奪したりとスーパー系のボスキャラの中でも特に印象に残る行動を取った。今回はあしゅらの死に対して、原作同様に「死んでしまっては何も意味がない」と彼なりにその死を悼んでいた。作中死亡したような描写は無いがα外伝以降には登場せず、第2次α地獄大元帥ゴーゴン大公に対し「地獄でブロッケン伯爵に詫びるがいい」と言う台詞があるので死亡したものと考えられる。
スーパーロボット大戦α THE STORY 竜が滅ぶ日
兜甲児に変装してマジンガーZを操縦した。

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
「真マジンガー」設定で登場。今作ではNPCとしての登場であり、声はない。
第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
飛行要塞グールに乗り、敵パイロットとして登場する。普通にグールで攻撃するのであしゅら男爵程のインパクトは感じられないだろう。終盤でのある戦闘前会話で下衆な本性を曝した結果、ZEXISの女性陣からバッシングを受けるハメに(そういう意味ではWでのを彷彿させる)。今作では原作での下衆な本性を晒した結果の末路がカットされたため(撃墜するとそのまま死亡する)、その代わりにこの戦闘前会話が挿入されたと思われる。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
シーン2のファーストステージで初登場し、シーン2で何度か戦う。同僚のあしゅら男爵のパイロットグラフィックはFの使いまわしだが、彼は新規に起こされており出番も1シナリオだけ多い。
スーパーロボット大戦COMPACT2
第3部に一度だけ登場する。彼の能力よりグールの火力に注意。
スーパーロボット大戦IMPACT
地獄大元帥として復活したDr.ヘルの部下として登場。ただし他のミケーネ幹部と違い決戦シナリオのみにしか出てこないため、たださえ本作のミケーネは影が薄いのに余計目立たなくなっている。

人間関係

Dr.ヘル
上司。
あしゅら男爵
同僚その1。仲が悪い。ただし彼の葬式ではDr.ヘルと共に死を惜しんでいた。
ピグマン子爵
同僚その2。今の所真マジンガー版のみ登場。
ゴーゴン大公
協力者。
ボスムチャ
敵。
永井豪の漫画版ではボスが惚れていた女教師を人質にした事で、彼らの「フットボール作戦」で翻弄されてしまった。
ヌケ
『真マジンガー』では上記のフットボール作戦に参加。
弓弦之助
敵対関係。『真マジンガー』ではさやかを嬲りものにしようとする下衆な本性を曝した事で彼の逆鱗に触れ、引導を渡される結果に。

他作品の人間関係

地獄大元帥
IMPACTでは上司。…まぁ、Dr.ヘル本人なので当たり前だが。
桜多吾作版『グレートマジンガー』では、最終決戦時に罵られたことを根に持たれ、死後に「無能な部下」呼ばわりされた。
ゲッターチーム
あしゅら男爵同様に甲児らマジンガー勢に次ぐ仇敵で、何度か戦っている。
ルナマリア・ホーク
マルグリット・ピステール
飛鷹葵
シルヴィア・ド・アリシア
紅月カレン
サラ・コダマ
ヨーコ・リットナー
ルクレツィア・ノイン
スメラギ・李・ノリエガ
エスター・エルハス
第2次Z再世篇で自身の下衆な本姓によって、彼女達の怒りを買ってしまう。

名台詞

TV版

「あしゅら男爵ごとき腰抜けとこの俺を比べるというのかキサマッ!」
自分とあしゅらを比べた鉄十字に怒鳴る、この事で彼のプライドの高さがわかる。
「ブロッケン、しっかりするのだ!俺が誰だかわかるか?俺は俺だぞ、おい!」
これはマジンガーの放ったアイアンカッターで腰部を真っ二つにされたあと真っ二つになった胴体に呼びかける伯爵の頭。
「鉄仮面軍団!ならびに鉄十字軍団!我が勇敢なるあしゅら男爵の名誉に対して…敬礼!!」
第78話にて決死の作戦で死亡したあしゅら男爵に対して。彼なりに同僚の死を弔っていたと思われる。
「ジェットファイアー、カモン!」
ドイツ人でありながら英語で機械獣を呼ぶ。尤も、軍人であるブロッケンが「敵国の言語」を心得ているのは有りうることだが。

漫画版

「てめーっ正義の主人公のくせに汚ねえ真似しやがってー、いいのかーっ、ファンが泣くぞ!にゃロー」
永井豪の漫画版より。人質に屈した甲児から奇襲を受けた際の台詞。尤も、これ以前に散々外道なマネをしていたため、甲児から「うるせー!!バーロー!!」「自分のこと棚に上げやがって!!ふざけんな!!」と正論で返される。
「わしって悲惨なキャラクターだなーっ、司令官なのに」
同じく永井豪の漫画版より。上記の後にボスムチャの「フットボール作戦」に翻弄されて。
「わーっ、ありがとう、きみは見上げた紳士だ、きっと貴族の生まれだ、ハハハ」
「ぎゃあっ、貴様は見下げ果てた野蛮人だーっ」
永井豪の漫画版で、自分の首の扱いでムチャに対する態度をコロコロ変えた。尤も、この時代の日本に貴族制度は存在しないのだが。余談だが、再世篇の甲児との戦闘前会話に似たようなやり取りがある。
「Guten Abend(こんばんは!)」
桜多吾作版の台詞。過去にシンジケート団を襲撃した際にドイツ語で挨拶し、直後に組織の幹部を皆殺しにした。
「命の恩人で無ければ、このブロッケン、貴様のようなやつの部下にはならなかったぜ!!」
同じく桜多吾作版の台詞。Dr.ヘルの、あまりの自己中心ぶりに恩義も冷めてしまい、マジンガーZと戦う直前に上記の台詞で罵る。

真マジンガー

「ええい!さっさと自爆だ!」
エネルガーZが追い詰められた時のセリフ。自爆を「さっさと」程度で済ませちゃ駄目だろ。

スパロボシリーズの名台詞

「マヌケなヤツではあったが、あしゅら男爵は我輩の盟友であった。貴様を倒して、せめてのも手向けにしてくれるわ!!」
第4次S』での台詞。このあと甲児から悪役じみた返答をされる。
「フン、格好ばかりつけおって…死んだら何の意味もないではないか!」
α』第51話「あしゅら男爵、散る」での台詞。次話の「魔神皇帝」では、「あしゅらの敵討ち」を目的とする。
「うおおっ!我が輩が…!?」
「おのれ!覚えておれ!この次こそ必ず…」
IMPACTの最終決戦でグールを撃墜され、撤退するつもりで恒例の捨て台詞を吐こうとしたが、その言葉も言い終えぬ内にグールは爆散。結果的にこれが辞世の句となってしまった。
「グフフ…。あの機体に乗っているのは女か…!」
「これはお仕置きが楽しみだ…! まずはコックピットの装甲をはがして…」
ルナマリア「女の敵!」
マルグリット「許しがたいな、このようなハレンチな男は!」
葵「お仕置きを受けるのは、あんたの方だよ」
シルヴィア「覚悟しなさいよ、スケベ伯爵!」
カレン「その生首でサッカーをしてやる!
サラ「ううん! 逆さにして花瓶にしてやる!
ヨーコ「射撃の的にするのもいいかもね
ノイン「いや、犬のエサにしてやろう
スメラギ「その全てを許可します
「な、何だ…!? 吾輩はまだ何もしてないのに!」
エスター「当たり前だ! そんなことを許してたまるものか!」
さやか「女だと思って甘く見てると、ただじゃすまないわよ、ブロッケン伯爵!」
再世篇第47話での女性キャラとの戦闘前台詞。Wでの女性キャラとシンクライン皇太子の戦闘前台詞を彷彿とさせるような罵倒されっぷりである。ちなみにこの中で共通している面子はさやかとノインであり、ルナマリアの台詞はWのときのさやかの台詞と全く同じである。

備考

2011年8月に初代TV版の担当声優だった滝口順平氏が他界。今後のTV版設定での声付き参戦は代役かライブラリ出演になると思われる。