ギュンター・プロイツェン

2022年8月28日 (日) 14:40時点における124.44.110.55 (トーク)による版 (→‎余談 )

ギュンター・プロイツェンは『ゾイド -ZOIDS-』の登場人物。

ギュンター・プロイツェン
登場作品

ゾイドシリーズ

声優 大塚芳忠
デザイン 上山道郎(原案)
坂崎忠(アニメ版)
初登場SRW スーパーロボット大戦Operation Extend
SRWでの分類 パイロット
テンプレートを表示
プロフィール
種族 惑星Zi
性別
所属 ガイロス帝国
役職 摂政
軍階級 元帥
テンプレートを表示

概要

ガイロス帝国の摂政であり、死の淵にある皇帝・ツェッペリンII世に代わって政治を取り仕切る。また、帝国軍の元帥を兼任しており、軍政両面で実質的な帝国のトップにある。

ツェッペリンII世の命に従いヘリック共和国との戦争を行っているが、「この星に国は二つも必要ない」を信条とし、ヘリック共和国軍を「反乱軍」と呼んでいる。

一気に大規模な攻勢をかけて共和国首都ニューヘリックシティを陥落させようとし、ルイーズ・テレサ・キャムフォード共和国大統領に無条件降伏を迫る。しかし重要拠点であるマウントオッサで大量の兵を失い、さらにツェッペリンII世の崩御に伴い帝国のトップとなったルドルフ・ゲアハルト・ツェッペリンIII世がルイーズ大統領の停戦勧告を受け入れたことで撤退を余儀なくされる。

ツェッペリンII世が「ルドルフに万一のことあればプロイツェンを皇帝に」との遺言を残していたことで、ルドルフ暗殺を画策し帝国の実権を握ろうとする。さらには古代ゾイド人の研究によってデスザウラーを発見しており、その力でいずれは惑星Zi全土を支配しようとしていた。

ルドルフ暗殺には失敗したものの、皇位継承の証である指輪を手に入れ、「ルドルフ死亡」の偽情報を流し皇帝の座に就こうとする。しかしルドルフを連れて現れたバン達により計画は失敗。デスザウラーとともにその野望も潰えたかと思われた。

第2部・ガーディアンフォース編にてデスザウラーのゾイドコアと融合して生き延びていたことが発覚。「ダークカイザー」と自称し、真のデスザウラーを復活させて自身が一体化し、デスザウラーそのものとなろうとしていた。しかし彼が融合していたのはコアを守るための「殻」に過ぎず、真のデスザウラー復活に伴いコアに取り込まれ消滅する。

バトルストーリー版

アニメでは単なる悪役だったが、「バトルストーリー」では滅亡したゼネバス帝国皇帝ゼネバス・ムーロアの実子であり、ガイロス帝国の摂政(母親がガイロス帝国摂政家の生まれ。グランドカタストロフと呼ばれる大災害の所為で他に跡取りが居なかった)でありながらゼネバス帝国の復活を密かに画策していた。亡き父ゼネバスの無念を想い続け、生涯を母国再興に捧げた姿はファンから「漢」と呼ばれる程の高い人気を誇り、ルドルフですらその信念を認めた。

へリック共和国に敗れたゼネバス帝国がガイロス帝国に救援を求めたらそのまま乗っ取られた事でゼネバス帝国が滅亡したので、ギュンターにとってはガイロスも共和国も等しく敵である。なおゼネバス皇帝自身はゼネバス軍人をガイロス軍に帰順させるための体の良い人質として生かされていた(グランドカタストロフと同時期に死去)。

共和国とガイロスが共倒れする様に暗躍した結果、共和国軍がガイロス帝国首都に迫ってきた事で機が熟したとして元ゼネバス兵と共にガイロス帝国に反旗を翻しネオ・ゼネバス帝国の建国を宣言する。最後は息子のヴォルフ(と元ゼネバス兵の子等)に後事を託して、元ゼネバス兵(老兵)と共にへリック・ガイロス連合軍を道連れにガイロス帝国首都で自爆、波乱の生涯の幕を閉じた。以降「ガイロス帝国対共和国」だった戦争は「ネオゼネバス帝国対共和国(ガイロス帝国は共和国を支援)」へと変化する。

惜しむらくは当時のへリック共和国大統領が異母姉のエレナであった事に最後まで気づかなかった事で、これを知っていたら姉とルドルフと手を取り合って戦乱の時代を終わらせたのでは?と言われている。とは言えあくまでも「開戦前なら」の話に過ぎないが。ネオゼネバス帝国建国宣言でギュンターが弟であることを知ったエレナ大統領は一瞬その事を考えたが、すぐさま「今更国民が納得しない」と否定している。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦Operation Extend
初登場作品。第2章のメイン7話-3「首都攻防」ではホエールキングに搭乗してニューヘリックシティを攻撃しようとする。第3章のメイン13話-2「帝都炎上」でデスザウラーに乗って現れる。以後は原作アニメ同様に、生き延びてダークカイザーとして再起を図るもオリジナルデスザウラーのコアに取り込まれ消滅する。

パイロットステータス

特殊スキル

OE
底力指揮:攻撃防御

人間関係

バン・フライハイト
自分の計画を邪魔した相手。そして、彼の父ダン・フライハイトを死に追いやったという因縁がある。
フィーネ・エレシーヌ・リネジーク
ガーディアンフォース編では、古代ゾイド人とそのパートナーオーガノイドである彼女らを狙う。
ルドルフ・ゲアハルト・ツェッペリンIII世
表向きは忠臣を装うが、裏では彼の暗殺を狙う。ルドルフは祖父とは違い、彼に疑念を抱いていた。
カール・リヒテン・シュバルツ
ルドルフに忠誠を誓い、自身を警戒する彼のことを疎んでいる。
ロッソヴィオーラ
彼らにルドルフを誘拐され、暗殺計画に狂いが生じる。
レイヴン
配下だがレイヴンは気を許しておらず、最終的に敵対する。
ルイーズ・テレサ・キャムフォード
ニューヘリックシティ攻撃を執り行い、大統領である彼女に無条件降伏を迫る。
前述のバトルストーリー版は「ルイーズ・エレナ・キャムフォード」であり、テレサとギュンターの血縁は無いと思われる。
ツェッペリンII世
主君。忠臣を装って彼を欺き、遺言を利用して帝国の実権を握ろうとする。
メッテルニヒ
ガイロス帝国特殊部隊隊長。ルドルフの暗殺を命じる。
ヒルツ
ガーディアンフォース編での配下。
リーゼ
同じくガーディアンフォース編での配下。
ハンナ・ハンナ
原作漫画版に登場する部下。

他作品との人間関係

ゼロルルーシュ・ランペルージ
OE』では、ヘリック共和国のブレーンとなった彼と水面下で知略戦を繰り広げていた。
ケロロ軍曹
OE』にて、彼から「星を破壊しての支配などお笑い」「無傷で侵略も出来ないのに宇宙の支配者など誇大妄想」と馬鹿にされた。

名(迷)台詞

「バン君、人間が生きてゆくうえでは必ず誰かしらに迷惑をかけているものだ」
「君のために苦しんでいる人間もどこかにいるはずだ。ましてや、戦場に身をおくゾイド乗りなら尚更だろう」
「君の父上も戦場で多くの敵を倒した。君の父上が戦うことも、君が戦うことも、レイヴンが戦うことも、そしてこの私が戦うことも皆同じことではないか?」
「みんな自分が生きるために他人を犠牲にしているのだ」
アニメ版の第32話より。
「なぜだ…何故この私がこんな虫ケラごときに破られねばならんのだ…?」
「ぬぁぜだああああああああああああああああ!!!」
アニメ版の第34話にて、バンに敗れた時の台詞。デスザウラーと共に爆炎の中で消えたと思われたが…?
「レイヴン…お前ごときに私が手を下すまでもない…」
「フフフ…フハハハハハハハハ!!」
アニメ版の第66話にて、3体のジェノザウラーでジェノブレイカーを圧倒した光景を見て彼はレイヴンを嘲笑って去った。
「ヒ、ヒルツゥ…! な、何故この私が…ぬぁぜだああああああああああああああああ!!?」
断末魔。デスザウラーのコアと一体化したと思ったが、結局はそれを守るための器の殻だった上に、部下のヒルツに利用されて、『用済み』という形で消滅してしまった。
こちらはダークカイザーとなった時の凋落ぶりが非常に有名な為、ファンの間でネタにされている。

搭乗機体

デスザウラー
コックピットをつけていなかったのか、生身で本機の肩に乗っていた

余談 

  • バトストでガイロス帝国に反旗を翻し、最終的に命を落としたものの、ネオゼネバス帝国の建国し、ヘリック共和国の滅亡させ、ガイロス帝国を経済・軍事両面で再起不能にして見事復讐を達成し、民族の悲願を成就させた彼だが、実は彼の反乱の芽・伏線はかなり初期から張られており、ファンの中にはプロイツェンや旧ゼネバス系将兵の反乱を(先行していたTVアニメ版でやらかした事もあり)早くから予測していた者も多かった。
    • まず、ガイロス帝国の運用するゾイドの99%は旧ゼネバス製かゼネバス由来の技術が使われている。これには一応、帝国側の事情があり、先の大戦を事実上終結させた大災害グランドカタストロフの結果、共和国・帝国共に多くのゾイドが個体数の激減・絶滅へと追い込まれてしまう。特にガイロス帝国は深刻な状態であり、強力なドラゴン型ゾイド(ギルベイダー、ガンギャラド)が絶滅し、専売特許であったディオハリコンの採掘・搭載が困難になり、軍をほぼゼロから立て直さなくてはならなかった。この時、ガイロス帝国の名家プロイツェン家(母方の実家)を相続し幼帝ルドルフの摂政・後継人として帝国の実権を掌握していたのがギュンターであり、彼の出した案が「先の大戦でガイロス帝国に多数持ち込まれた旧ゼネバス帝国製ゾイドの量産普及」であった。
      • 旧ゼネバス製ゾイドはガイロス帝国製ゾイドと比べても製造が容易であり[1]、実際理にかなっていた。その普及率はすさまじく、第2次大陸間戦争(西方大陸戦争)開戦時ヘルディガンナー以外はすべて旧ゼネバス製ゾイドが占める程となり、後に開発された新型ゾイドでも旧ゼネバス系の技術が盛り込まれていた。
      • そして、古代遺跡で接収した技術(オーガノイドシステム)を利用すれば絶滅した(個体数の激減した)ゾイドの製造・量産が可能であると判明。当時、超強力ゾイドの配備を目指していたガイロス帝国軍だが、ここで復活が決定された機体はギルベイダーやガンギャラド、デッドボーダーなどのガイロス固有ゾイドではなく、旧ゼネバス製のデスザウラーであった。この時、プロイツェンは「ガイロス固有ゾイドの生産に必要なディオハリコンが採掘技術の喪失で調達できない事」「旧ゼネバス将兵の士気を高めるため」と説明(理由自体は真っ当であり、事実である)。しかし、ヘルディガンナーの例がある様に多少の性能低下さえ目を瞑れば生産自体は可能であり、既にプロイツェンや旧ゼネバス将兵の達の帝国乗っ取りは進んでいたのである[2][3]
    • 先の戦争で帝国と共和国が休戦すると、経済優先で国力回復を優先させたヘリック共和国に対し、プロイツェンはガイロス帝国の経済政策と民衆の生活向上をすべて後回しにして、軍の再建と軍備増強を優先した。これにより、第2次暗黒大陸戦争終結時にガイロス帝国はプロイツェンの予定が多少狂ったこともあり、滅亡こそ免れたが、軍事的にも経済的にも2度と立ち直れないと言われるほどのダメージを受け、歴史の表舞台から退場した
      • 経済を後回しにして国民から不満が出ないのか疑問に思われるが、実はガイロス帝国の国民は戦争・戦闘狂と言われるほどの戦闘民族であり、死をも恐れぬ狂戦士集団なのである(ルドルフの様な穏健派の方が珍しい)。故に経済を後回しにして軍備を増強しても「共和国との決戦の為」と言えば、休戦と言う形で終わった先の大戦の結果に不満を持つ国民は納得し寧ろ積極的に軍拡を支持したのである。
      • また帝国は技術力に関しては共和国の数段先を行くと言われており、特に新技術の開発・兵器転用に関しては目を見張るものがあった。そんな国が経済力を身に着け国力を増大させたらどうなるかは、火を見るよりも明らかである。故にプロイツェンは経済政策に無頓着・無関心で戦意過多な国民性に付け込み、経済活動を後回しにし軍備増強を図り、帝国の衰退を運命づけた。
      • プロイツェンは当初、ガイロス帝国も滅亡させるつもりだった。しかし、ヘリック・ガイロス連合軍の予想外の巻き返し(後述)と決死の皇帝救出劇の結果、予定が狂い不本意ながらガイロス帝国は生き残る事となった。しかし、結果論だがガイロス帝国が生き残ったことはネオゼネバス帝国にとってプラスとなる。
        • ガイロス帝国が死を恐れぬ戦闘民族・略奪上等の国民性であることは先の大戦の結果、旧ゼネバス国民・共和国国民共に身に染みて理解している。そこでネオゼネバス帝国は仮想敵国としてガイロス帝国を名指しし「肥沃な中央大陸を狙い、いずれ侵略して来るだろう。我々は中央大陸の民を全力で守る」と国民の不安を煽った。先の大戦でのガイロス帝国の恐ろしさを知る国民は、滅亡した共和国に代わる守護者を求めネオゼネバス帝国を頼り、その統治を盤石なものとした。既にガイロス帝国が他国へ攻める余力など残されていない事など知らずに…
    • そして、極めつけが旧ゼネバス将兵で構成された「プロイツェン親衛隊(プロイツェンナイツ:PK師団)」と「鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)」の存在と、それら組織による新技術・新型ゾイドの抱え込みである。両組織ともプロイツェンの私兵組織で所属兵士は旧ゼネバス将兵(前者は老兵、後者は若者)で占められている。一応は冷遇されているゼネバス将兵の名誉回復と再就職先とされていたが…
      • 後者組織はプロイツェンに不穏な動きが見られるようになってから登場した組織だが、前者のPK師団は初期の頃から登場しており、首都の防衛・治安維持を担当していた。実際、暴徒鎮圧や犯罪者の取り締まりなどで実績を上げており、指揮官のプロイツェンと共に国民からの評判は頗る良かった。だが、裏では政敵や非協力者の抹殺などの秘密警察を兼ねていた事から(国民の)尊敬と同時に(権力者の)畏怖の対象であった。
      • そして、プロイツェンの反乱時、PK師団は帝都ヴァルハラを占拠。しかし、奪還の為に徒党を組んだヘリック共和国・ガイロス帝国の連合軍に攻め込まれ、追い詰められていった。降伏勧告を拒否したPK師団は連合軍も驚く行動に出る。ある者は武器を使い果たした機体で特攻し粉砕され、ある者は機体を乗り捨て銃を片手に特攻し踏みつぶされ、そして皆が勝利を確信したかの様に満足げな笑みを浮かべ死んで逝ったのである。そして、同時に鉄竜騎兵団を中心とするネオゼネバス帝国軍による共和国本土への侵攻が行われる。後に反乱に参加したのは全て老兵であると判明、彼らは子供たちが中央大陸(共和国本土)へ帰還するまでの時間稼ぎ・即ち自ら捨て石になっていった者達であった。そして、彼らの願いは叶い、ガイロス帝国は立ち直れない程のダメージを受け、ヘリック共和国は滅亡する。旧ゼネバス将兵を中心とした部隊の結成、それは冷遇された彼らの名誉回復ではなく、全ては40年の長きに渡り、自分たちを蔑み虐げ利用し続けた共和国と帝国に復讐する為、今は亡きゼネバス皇帝の無念と自分たちゼネバスの民が受けた積年の恨みを憎悪を晴らす為であった

脚注

  1. ガイロス帝国製ゾイドは固有技術や強力兵器ドカ盛りの超高性能機で、戦況を一変させる程の性能だが大量生産に向かない
  2. 誤解なきように言うが、プロイツェンも性能度外視でゼネバス製ゾイドをゴリ押しした訳ではなく(ゴリ押ししたのは事実だが)、デスザウラー自体の完成度が高く、拡張性も高く様々な改造機(魔改造機も多い)が存在する名機である。先の大戦で多くの旧ゼネバス系機体が持ち込まれたが、デスザウラーは特にガイロス帝国でも多く使用された機体で、ガイロス皇帝が登場した機体もデスザウラーの改造機(ギルザウラー)であり、ガイロス帝国から見ても由緒ある機体なのである
  3. 先の大戦でゼネバス帝国が一度中央大陸から駆逐され、暗黒大陸(ガイロス帝国)に落ち延びたことがあり、舞い戻った時に持ち込まれた新型ゾイドこそデスザウラーなのである。当時のゼネバス帝国製ゾイドの中でも性能が突出している事から、ガイロス帝国の技術が使用されていたことが示唆されており、旧ゼネバス製だからと言ってガイロス帝国が避ける理由はない